※この感想はblogからの転載になります。

The Bucket List最高の人生の見つけ方

  Jack NicholsonとMorgan Freemanというベテラン俳優の共演が話題映画、『THE BUCKET LIST(邦題:最高の人生の見つけ方)』を観て来ました。「余命6ヶ月、一生分笑う」というキャッチコピーの付いた感動作ということもあってか、レディースデイだったとはいえ劇場内は8割近い入りでした。

  【あらすじ】自動車整備会社で45年間、家族の為に勤勉に働き続けたCarter Chambersと、一代で10億ドルも稼いだ実業家のEdward Coleは、偶然入院先の病室で同室になった。性格も価値観も真逆な二人だったが、お互い余命が短いという宣告を受け、「生きているうちにやりたいことは 何か…」とThe Bucket List(お棺に入る前までの目標リスト)を作り意気投合。そして、それを2人で実現しようと旅に出ることになった。

 …という、余命いくばくもない男2人が好き放題の旅に出ることで、人生を見つめ直すというヒューマンストーリーです。

  「The Bucket List」は、余命宣告を受けたCarterが気紛れに書いたメモが始りでしたが、それに大富豪のEdwardが「お金ならある!片っ端からやって行こ う!」と乗り、2人揃って実行に移していくんですが、そういう状況になる前までの2人の関係も面白く描写されていて、働きずめだった男達が入院生活を余儀 なくされ、あかの他人と隣り合わせにならなければんらない苛立ちや戸惑いなどもリアルで、そういう過程があったからこそ、後半の2人の関係性の変化にジー ンときました。

 物語は意外に淡々と進んで行くんですが、やりたいことリストを実行して行こうとする時のお互いの妙な掛け合いが絶妙で最高でしたね
  意地の悪い頑固ジジィがハマリ役だったJack Nicholson、どんな状況でも冷静に受け止めようとする(一つ例外アリ/笑)紳士的な役柄がハマるMorgan Freeman、このベテラン2人の演技というか存在感が素晴らしくて、変な言い方だけど安心して最後まで観ることができました。あと、Edwardの秘 書のThomasの存在も良かったなぁ。

 2人が生きているうちに叶えたいことは、Edwardの財力もあってどんどん叶っていくけど、財力だけでは叶えられないモノもあるわけで、その筆頭が家族の絆というか、人と人との関わりとかで、その人間関係の復興を不器用ながらも2人が叶えていくところが良かったです。

  なんかの映画で、「あの世へは金なんて持って行けない。持って行ける財産は思い出だけ」って台詞があったんですが、EdwardとCarterは余命数ヶ 月の中で最高の思い出を築き上げたんだなぁって感じたと同時に、2人に突き付けられた現実は厳しいものだったけど、最高の出会いで救われたんだと、その出 会いに羨ましく感じました。

 余命を宣告された話なだけに、冷静に考えたら悲しい話なのかもしれないけど、悲劇的な演出や過剰に感動を煽 るような演出は無く、淡々と描写し主演2人の演技力を際立たせていたので、破天荒な人生の教科書を観ているような気分にもなったし、凄く"生命力"に満ち 溢れた作品で、観終わった後は温かい気持ちになりましたね。





【注意】以下、ネタバレを含んだ感想になります。



 物語の前半、2人が知り合う場面で、EdwardがCarterに向かって「その顔のシミは生まれつきなのかい?」て聞くシーンがあるんですが、これは 完全にJack Nicholsonのアドリブ!こんなことを面と向かってMorgan Freemanに聞いちゃうだなんて、彼くらいしか出来ないでしょうね(笑)。そのアドリブのやり取りが面白かったので、監督はそのまま使っちゃったそう ですよ。だから、2人が親交を深めていくシーンが自然に見えたのかなぁ…。

 あと、リストの叶え方も良いですよね。Edwardの財力で叶えられるものもあったけど、「世界一の美女にキスをする」や、「泣くほど笑う」や、「他人の人に親切にする」、「壮観な景色を見る」というリストの叶え方には、もう、涙腺が……。

  それから演出も素晴らしくて、物語の最初と最後に観る映像の印象の違いにグッときたどころか、涙腺が弱いんでボロボロきちゃいました。最初に登場した人は ナレーションといいCarterだと思い込んでいたので(だから、Carterの方が長生きすると思っていました)、最後に同じ場面から続いた時に「あ あ、そうだったのか〜」って感じたと同時に、最後の最期でリストを全てやり遂げた2人の姿に感動してしまいましたね。あの時の秘書さんの笑顔も素敵だった し、何よりあのラストの台詞も遊び心があってツボでしたよ。

 観終わった後に「良い作品を観たな〜」って思えたのが、今日一番嬉しかったことかな。




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