※この感想はblogからの転載になります。 |
■THE QUEEN〜クウィーン |
![]() …ていうか、本人が健在であるのに映画化してしまうっているのがある意味凄い。日本では信じられない感覚かも。 今年でPrincess Dianaが亡くなってから10年、彼女の死を境に英国民だけでなく、世界も英国王室に対して今までとは違った視点で見るようになったと思いますが、そん な中でもQueen Elizabethは自分の立場というか態度を今も昔も変えていないように感じます。この態度を冷たいととるか、品格があるととるかは個人の自由ですが、 そんな彼女の態度は、この映画を観ることで「必然的なものだ」と実感することになると思います。 ![]() Diana に関しては当時の本物の映像も随所に使われているので、ドキュメンタリーとして通じそうなほどリアルな部分がありましたが、中心人物はQueen Elizabethであって、彼女は一人の悲劇の女性に過ぎない…というか、変に美化していないので、Dianaの存在に翻弄されているというよりも、 「英国女王」という立場を守らなければならない一人の女性の逞しさみたいなもを感じました。飽くまでも、この作品の主人公はQueen Elizabethでした。 Queen Elizabeを演じたHelen Mirrenは本年度のアカデミー賞主演女優賞を受賞しているだけあって、さすがの存在感というか、本物の英国女王に似ている似ていないのレベルではな く、もう存在そのものが英国女王!でした。物語は意外に淡々と進んでいくのですが、彼女の存在が素晴らしくて103分の上映時間はアッという間でした。そ れに、彼女に感情移入していたわけではないのに、クライマックスでの彼女を取り巻く状況に涙してしまう自分もいました。 ![]() スリリングな展開の中でも、この二人のやり取りは時に微笑ましい部分もあり、作品に奥深さを出していたと思います。 英国女王は女性でありながらも、女性…いや人間を超越した存在なんだな〜て感じましたね。特に、昨日、日本の首相が無責任な上に情けない辞め方をしてくれたもんだから、余計にそう感じてしまうのかもしれない。 以下、ネタバレを含んだ感想になります。 ![]() ただ、長い間「英国王室」を守ってきた人々にしてみれば、スキャンダルばかり起こしたDianaの存在は疎ましかったんだろうな〜というのか、台詞に随所に 滲み出ていました。Charles皇太子も「2人の王子にとって素晴らしい母親」という台詞があるんですが、「素晴らしい妻だった」という台詞は一つも出 てきませんでしたからね。 ![]() 悲劇的な事故を扱っているだけに、物悲しい雰囲気がずっと流れているんだけど、そんな中でも決して毅然とした態度を崩さないQueen Elizabethは本当に生まれながらに「女王」なんだな〜と痛感しました。 だからこそ、女王がDianaに手向けられた花束の数々と共に自分に対する批判的なメッセージをを歩いて見つめる中で、一人の少女が女王へ花束を手渡してきたシーンに、女王の存在の大きさを感じると共に、国民が女王を愛していると感じてグッときてしまいました。 余談になりますが、葬儀のシーンは実際の映像が使われて有名なハリウッドスターや監督の姿も映っていましたが、その中に先日亡くなったテノール歌手のLuciano Pavarottiの姿もあって、妙に切なくなってしまいました。 |