| ■007/CASINO ROYALE〜カジノ・ロワイヤル |
 人気の「007」シリーズの新生James Bondお披露目となる作品です。この作品で6代目Bondを演じるのが英国俳優のDaniel Craigですが、彼がBondを演じると決まった当初は、5代目BondのPierce Brosnanを理想としていた一部ファンから酷いバッシングが起こって、「一体、この作品はどうなるんだ？」と不安に思ったけど、いざ公開されてみれば全英と全英で大ヒットを記録し、「シリーズの原点にして最高傑作！」とまで謳われていて、Daniel Craigの役者魂が光った作品になのではないでしょうか。Daniel CraigのBond云々については、このBlogの過去で書いた「前途多難な6代目Bond」をどうぞ。 映画の話に戻ります(笑) James BondはMI6（イギリス諜報機関）の「00（ダブルオー）」ナンバー（殺しのライセンス）を手に入れたものの、手荒な任務遂行ぶりにMですら手を焼くほどだった。しかし、Bondはその勝負強さと腕を買われて、世界中のテロリストに資金を提供している「死の商人」のLe Chiffreの資金調達を阻止すべく、彼と国家予算150万ドルを賭けてカジノで勝負をすることになった。 …という話で、アクション・ロマンス・サスペンスの要素をバランス良く取り揃えた見応えのある作品になっています。 なんと言っても、James Bondが「007」となる前の話なので、言動の全てが荒削りで人間臭く、今までのJames Bondと比べてかなり危なっかしいのでハラハラ感が妙にリアルです。また、Le Chiffreとのカジノ対決は、2人の心理戦はもちろんのこと、ポーカーの簡単なルールさえ知っていれば更に楽しめます。 そして、「原点」でもあるので、何故James Bondが女性を真剣に愛さないのか、彼の愛酒の誕生の秘話なども明かされ、一人の男性としてのJames Bondを上手く掘り下げています。人物描写とアクションのバランスが良いから、男女関係なく楽しめる内容になっているんじゃないかと思います。 今までの「007」シリーズはJames Bondが完成され過ぎていて、安定した楽しさの中に強引な展開(笑)というのが印象あったんですが、『CASINO ROYALE』は主人公が危なっかしい上に、ストーリーが展開や敵が二転三転するので面白さ倍増です。全シリーズを全部観ているわけではないので何とも言えませんが、私が今まで観てきたシリーズの中では一番面白かった作品です。 Daniel CraigのBondは続投が決まり、まだどの作品を扱うかも決まってもいないのに製作＆公開時期まで決まっているという凄さ。Daniel Craigの続投は嬉しいけど、それ以外何も決まってないのに公開時期を先に決めてしまうのはどうかと思うんだけどね。 ただ、あの人間味溢れるセクシーなBondの新作がまた観られるというのは嬉しい。どんどん「007」になっていく過程を楽しめるんだからね。  先にも書いたけど、Bondの危なっかしいところと人間味溢れるところが良かったです。普通、James Bondというと、スーツや戦闘服をスマートに着こなしスタイリッシュに行動するという印象ですが、Daniel CraigのBondは初っ端からラフな感じです。最初のターゲットを追跡する時なんて、まるでアロハシャツのようだったなぁ。しかも、ズタボロの状態になりながら体当たりで追跡します。そして、上手くことが運ばない時は乱暴に処理します(笑)。それでいて、MのIDやパスワードを盗んでハッキングしたりと、最新機器には非常に強いとろこがポイント。何気にMを振り回してます。 何より見せ場はMads Mikkelsen演じるLe Chiffreとのポーカー対決。毒を簡単に盛られて死にかけた時はどうしようかと思いましたが、冷静さを取り戻したBondはカッコよかったですね〜。 Mads Mikkelsenも目元の演技がスリリングでカッコよかった。恐ろしいぐらいアッサリ殺されちゃったのは意外でしたが、この2人の対決は見応えありました。 そしてEva Green演じるVesper LyndとBondのロマンスは、お互いに気の強いモン同士ということで攻撃的なやり取りが見物でしたが、結ばれてからはBondの幸せぶりが印象的でした。M宛てに「辞職します」なんてメールをウキウキと打っている姿は本当に可愛かった。それだけに最後の別れがね〜…切ない。彼女がどこまでBondを愛していたかは謎だけど、Bondは本当に心から愛していたわけで、その気持ちがお酒の名前や今後の女性への扱いに反映していくところがニクイね〜。 しかし、あれだ、あの拷問シーンの辛さは女性には判らないね。男性には卒倒モンなのかもしれないけど(笑)。 |