THE RETURN OF THE KING〜王の帰還

 「3部作」の完結編である『王の帰還』ですが、アラゴルンとレゴラス&ギムリが中心の偏った感想になっております…。また、2回目の感想は水色文字で追加された部分になります。



 …という訳でここからミーハー的な偏見感想。

 本編が始まる前の予告で、『オーシャン・オブ・ファイヤー』と『トロイ』を観て、ちょっと不思議な気分になりました。ヴィゴはまた馬に乗って凄いアクションしているし、オーリーはまた王子様だし(ショーン・Bも出ているはずだが、予告では判らなかったな…)、でも『ロード〜』とは全然違う!…て、当たり前のことなんだけどね。どっちも観たいよ〜っ!
 2回目鑑賞の時も『オーシャン・オブ・ファイヤー』と『トロイ』の予告が流れましたが、『トロイ』は新しい映像が満載だったな。エリック・バナとオーランドの兄弟シーンがあったし、何より主役のブラピのシーンが多くなっていた。今年で40歳だか41歳になるブラピだけど相変わらず若々しい。あとは、これといって真新しい予告はなかったな〜。


 『THE LORD OF THE RINGS』というタイトルが出てきただけでグッとくるもんがありましたが(<重症)、いきなり出た映像がミミズだなんて…!!衝撃大だよ、PJ!しかも、スメアゴルの殺人事件に生魚喰いと、どんどんホラー色が強くなってきて、「こ、これ、本当に『王の帰還』か?」と一瞬不安になったほど。
 しかし、CGで作り上げられたゴラムて、本当に声担当のアンディ・サーキスの顔に似せられているんだと痛感。人間の顔から醜いゴラムの顔に変化していく様が、まるで違和感なかったのが怖い。
 本編が始まる寸前に、「今年度アカデミー賞最多11部門制覇!」みたいなテロップがデーン!と出たわ。しかし、スメアゴル達もフロドと同じホビットに近い種族なのに、耳とかがちょっとお粗末に見えたというか、他のシーンと比べると少しだけ粗っぽく感じた。でも、どんどんとゴラム化していく映像は怖いくらいに凝っていて、さすがスプラッタ映画でデビューしたPJだけあると再確認。
 サムは二重人格ゴラムの会話(?)で、ゴラムの狙いが指輪で自分達を殺そうと思っていると確信するけど、まだまだフロドが騙されたまま。でも、ここで変にフロドを説得したりせず、騙されているフロドと手を握りながらニヤリと不気味に笑ってみせるゴラムに対して、不敵な笑みを見せるサムに「おおっ」と感じてしまった。あの表情に、この過酷な旅の中で絶対にフロドを守り切ってみせるという決意が滲み出ていたな〜。



 ラウロスで離れ離れになって以来、アラゴルン・レゴラス・ギムリはメリー&ピピンと再会。ガンダルフ達と共に心配しながらアイゼンガルドに探しに来たというのに、呑気にサルマンが残した草パイプを堪能している2人が可愛いこと。しかし!しかし!しかし!いくらサルマンのシーンを上映時間上カットせざるを得なかったと言っても、パランティアがあんな無防備に水没していてもいいものなんだろうか?かなり無理があるよぅ。まぁ、ピピンが最初に見つけて、それに妙に興味を持ってしまうという下りは良かったけどさ。木の髭とガンダルフの会話だけで、サルマンの顛末が語られちゃうのは寂しい。SEEでは、絶対にサルマンのシーンを入れて欲しいよぅ。
 ガンダルフ達がメリー&ピピンを探しに森を抜けて行くシーンで、「THE RETURN OF THE KING」てタイトルが出るのね。

 エドラスに戻ってローハンの人々と宴を繰り広げる「旅の仲間」一行ですが、何か考えながら祝杯を飲むアラゴルンが印象的だった。呑気にテーブル上で歌い躍るメリー&ピピンと、それを見て少しノリノリなガンダルフが可愛かったけど、ギムリとレゴラスが全然映らなくて何処にいたんだろう?噂じゃ、レゴラスも杯を一気飲みするシーンがあったとか?SEEに収録されるかな?そういえば、ここでもアラゴルンはエオウィンに誤解されてもしょうがない色気振りまいていたから、セオデン王にまで姪の婿にする気にさせちゃっていたよ。相変わらず罪作りな。
 でもこの華やかな騒ぎの中で、フロド達のことを危惧するアラゴルンとガンダルフが印象的。生きているかどうかも判らないのに、楽し気なメリー&ピピンを見ながら「まだ生きている」と信じる2人がいいなぁ。

 皆が寝静まった深夜(?)、草パイプを吹かしに外に出るアラゴルンの行った先には誰か立っていて…て、その正体は何故かフードを被っているレゴラス。何でフード被っていたのか謎だ。アラゴルンはレゴラスがそこに居て当然みたいな感じだったから、見張り役でもしていたのか?まぁ、エルフの金髪は目立ち過ぎるからフード被っていて正解かもしれないけど。アラゴルンが来るなり、「敵の目が動いている」と冥王サウロンが動きを活発化させたことを警告したりして、レゴラスもフロドのことや今後の事に対して不安が先行しているんだと痛感した。
 不安が先行しているんだと前に書いたけど、モンドールの闇の勢力が自分たちに仕掛けてくるであろう脅威に覚悟を決めているって感じでしたね。あと、レゴラスと2人きりで居る時のアラゴルンて未来のゴンドール王というよりも、エステルの時の雰囲気が出ているように見える。盟友というより、何だろ?言葉見つからないけど、この2人の独特の絆は好きだな。
 そんな中、どうしてもパランティアに興味津々でガンダルフが寝ている所に近づいていく問題児ピピン(笑)。『LTOR』のモリヤの坑道の一件をちっとも反省してないっていうか、既に忘れてるっぽいピピンがらしくて好きかも。でもって、ピピンかソッと近付いくとガンダルフが思いっきり眼全開で熟睡していて、思わず劇場で「ブッ!」となりそうになったんだけど、周囲はフツーにしていたんだよ。あれって笑う所だよね?(不安)。しかし、眼を開けて寝るのってエルフのはずじゃ…。さすがにレゴラスでは出来なかったか、PJ。だからってガンダルフでやるかい、イスタリが眼を開いたまま寝るって初めて知ったぞ(笑)。メリーの制止も聞かずに、「ちょっと見るだけ」とパランティアに触れてしまうピピン、パランティアの力が始動してメリー大パニック、まだ寝ているガンダルフ(笑)。異変を察知して部屋に駆け込んで来たアラゴルンとレゴラス、アラゴルンもピピンから素手でパランティアを取り上げたもんだから、ピピン同様に振り回されちゃってレゴラスに助けられるって…ああ、人間らしいわ。やっと覚醒したガンダルフがなんとかパランティアを封印したけど、これがキッカケでピピンが指輪保持者だとサウロンに勘違いされ、皆と共にエドラスに居られなくなってしまったというのは自業自得とはいえ切ない。旅をしてから初めてメリーとピピンが離れ離れになるけど、ピピンが「すぐに会えるよね?」てメリーに聞き返すけど、答えないでガンダルフを見つめるメリーの顔が…(泣)。しかも、ピピンがガンダルフに連れられて去っていく姿を、見張り台の上から叫んで見送るメリー、それを慰めるアラゴルン…うう〜っ!
 どうでもいいのかもしれないが、このパランティア騒動の時にギムリて何処に居たんだろう?
 私はアラゴルンも不用意に素手でパランティアに触ってしまったもんだから、サウロンにゴンドールの王の存在が知られてしまったと思っていたんだけど、2回目に見たらちゃんとガンダルフが「サウロンはヘルム峡谷の敗戦で、ゴンドールの世継ぎが現れたことを知った」と言っていましたね。だから、急いでゴンドールを潰しにかかる行動に出たわけだ、サウロンは。あと、この時点では、まだアラゴルンはゴンドールの王を継ぐことに決意しかねているというか、迷っている感じだったな。
 そうそう、今回も「眼全開爆睡ガンダルフ」がアップになったシーンでも観客はそんなリアクションしなかったんだよ。私はやっぱ笑っちゃいそうになったのに…。映画を観た友達に話したら、「そのシーンで笑いが起きていた」て言っていたから、私の感性は間違ってないんだよなぁ。私はクール過ぎる人達と一緒になることが多いんだろうか。



 遂にアルウェンを率いる裂け谷のエルフも西の国へ旅立つ為に灰色港に向いますが、アルウェンはそこで未来の幻想を見てしまう。未来の子供(変な日本語だ)であるエルダリオンの姿が登場した時は、ちょっとグッときてしまった。しかも、そのエルダリオンを優しく抱き上げるエレスサール(アラゴルン)。飽くまで幻想なのにジーンときてしまった。アルウェンは一人裂け谷に戻り、残っていたエルロンドに「折れた剣」を修復することを頼むと同時に、中つ国に残ることも伝える。父親の立場にとってみればエルロンドは悲痛かもしれないけど、希望ある未来を考えるなら「折れた剣」を復活させることは残された最後の道だから、やるしかないわな…。


 ガンダルフとピピンはゴンドールの首都ミナス・ティリスに辿り着いたけど、そのミナス・ティリスの城というか街というか、あまりにもスケールが大きい上に幻想的な美しさも兼ね備えていた建物だったから、ミナス・ティリスの全貌がスクリーンに映るなり「おおっ!」と圧倒されてしまった。このシーン、凄いよ…(呆然)。
 ガンダルフに「お前は何も喋るな!」と念を押されたピピンだけど、愛息のボロミアを失って悲嘆に暮れるデネソールを目の当たりにして、思わず自分達を庇ってボロミアが死んでしまったことを告白し、その報いとしてゴンドールに一生仕えることを誓う姿が切なかった。
 ミナス・ティリス(ゴンドール)の人々はガンダルフのことを「ミス・ランディア」て呼んでくれるんだよね。ちょっと嬉しかった。欲を言えば、レゴラスにもそう言って欲しいくらいだったが、レゴラスは一貫してガンダルフと呼んでいたな。
 しかし、ゴンドールとローハンの確執は根強い上に、アラゴルンがこのゴンドールを制圧する気なんじゃないかと疑うデネソールは、力を合わせるべきというガンダルフの助言を無視。そこでガンダルフがピピンに援軍を求める「のろし」をあげさせてしまうシーンは凄い好き。山々をともし「のろし」が連動していき、その合図を見つけたローハンに居るアラゴルンが急いでセオデン王の所に伝えに行くところとか、ワクワクしてくる。意を決したセオデン王とアラゴルンらが、エドラスから軍を率いて行進して行く姿は凄いカッコいい。
 ピピンの大活躍によりゴンドールから上がった烽火が点々と中つ国に伝わっていくシーンは、本当に圧倒的な迫力があります。そして、ローハンでその烽火を見つけてセオデン王の所に駆け込んで行くアラゴルンがイイなっ!ガンダルフに「烽火が上がったら…」と言われていたので、「待ってましたぁ!」て感じで。…どうでもいいことなんだけど、この時のアラゴルンを見て「足、長っ!」とか思ってしまった。『TTT』でレゴラスに対しても同じこと思ったけど、特にこの2人てスタイル良いよなぁ。


 オスギリアスの砦を守っていたファラミア率いるゴンドール軍が、サウロン軍のオーク達に襲撃され敗退。ここでファラミア達を助けたガンダルフ、唯一魔法使いらしい活躍だったかもしれない(苦笑)。しかし、戻って来たファラミアに凄い冷たいデネソール。「本当は私がボロミアの代わりに死ねば良かったと思われているでしょう?」と悲痛な事を聞くファラミア、「そうだ」としれっと答えるデネソール、そのやり取りを悲しげに見守るピピン…ううっ!もう、ファラミアが可哀想で…。しかも、「砦を取り返して来い」とまで言われ、「無事に戻った際は迎え入れて下さい」と言い残すファラミアに、「戻り方次第だ」なんて言うデネソールがマジで憎かった!その上、ピピンに強引に歌を歌わせるし、なんでこんな奴からあんな立派なボロミアや優しいファラミアが育ったのか信じられないくらいだっ。あのピピンの悲しい歌も良かったよ。さすがビリー・ボイドはテノール歌手(バリトン?)でもあるだけあって声が透き通っていて、ピピンの歌声と勝ち目のない戦いへ向って行くファラミア率いるゴンドール軍の姿が重なったシーンなんて、もう悲しすぎて〜っ!
 ファラミア率いるゴンドール軍がオスギリアスから敗退して来た時に、ガンダルフと共に居るピピンを見てファラミアが驚くシーンがあったことを2回目で気付きました。ここでファラミアがフロド達とイシリアンで会っていることを知ったガンダルフとピピンは、2人がまだ生きていることを確信して喜ぶのね。あと、ピピンが初めてファラミアを見たときに「あ…」というよう物言いたげな表情をしたように見えたんだけど、これって「彼がボロミアの弟なんだ」と感じたのかな?ピピンにとっては複雑だよね。


 ミナス・モルグル(呪魔の塔)まで辿り着いたフロド、サム、ゴラムだったけど、このミナス・モルグルが異様な緑の光を放つガラスの城のように見えて、非常にインパクトあった。そこからナスグルが出て来るシーンは凄い迫力だったし、大勢のオーク軍も出てきて一気にゴンドールを攻め込もうとしている光景には圧倒された。
 しかし、この辺からどんどんフロドがゴラムの陰謀に嵌りまくっていくのがムカつく(苦笑)。サムは確実にゴラムの本性を見抜いているのに、そんなサムよりもゴラムの意見に流されてしまうフロド。いくらビルボやガンダルフが「悪い奴ではない」と庇っていた存在だからって、何故にそこまでフロドもゴラムに同情してしまうんだろう。やはり、これも指輪の魔力に蝕まれている影響なんだろうか。『ROTK』のフロドは常に苦しそうな悲痛な顔をしていて、ホント見ていて辛くなる。そんな中唯一の支えは、ゴラムに邪険にされようともフロドを守ろうとするサムの姿だよなぁ。レンバスを帰りの分まで計算して取っておいたり、常にフロドの心情を気遣ったり、ゴラムがフロドに悪事を働かないように見張ったり、本当に頼りがいのある親友だよ、サムはっ!遂にはゴラムに策略に嵌って、「お前が帰れ!」とサムを突き放してしまうフロド。な、なんてバカなんだお前は〜〜っ!「信じられない」て顔をするサムは、そのままフロドとゴラムから取り残されてしまって本当に可哀想。
 ミナス・モグルからナズグルと魔王が出て来るシーンは迫力あってかなり好きだ。闇の勢力てオークとかウルク=ハイとかトロルとか、見た目からしてゾンビのような形相したのばかりだけど、魔王に関してはかつては王様だった悪霊なだけあって凄みと存在感がある。


 馬鍬岩で野宿をするゴンドール軍の元に、エルロンドが鍛えなおした王の剣「アンドリゥル」を持ってやって来るシーンは好きだ。エルロンの「私は人間に希望を与えた」と、アラゴルンの「私はまだ何の希望も叶えていない」て会話はイイっ!エルフ語だから「エステル(希望という意味)」て言葉が出てきて、アラゴルンの幼名と上手く引っ掛けているとだけにジーンときた。そして、エルロンドから剣を受け取って引き抜くシーンのアラゴルンのカッコいいこと。「ゴンドールの王」になる決意をした瞬間でもあるよね。
 そして、王として「死者の道」へ進むことを決意したアラゴルンは、ここで凄いアッサリとエオウィンを振る。健気な強い女性なのに〜!アンタが余計な色目を使ったせいじゃないか〜!と、私は全面的にエオウィンの味方です(笑)。ま、アラゴルンは中つ国に留まったアルウェンの命も危うい状態だとエルロンドから知らされて、もう他の女性のことなんか気に掛けられないんだろうけど、酷過ぎ…。でもって、一人で「死者の道」へ行こうとしたアラゴルンに着いて行こうとするギムリ。「今度ばかりは連れて行けない」と言うアラゴルンの所へ、「ドワーフは一度言ったことは引かないよ」と馬を連れながら自分も着いて行く気満々のレゴラスが可愛い。仕方ないなって顔するアラゴルンもいいなぁ〜。ホント、この3人の友情は好きっ。
 死者の洞窟について説明するレゴラスがエルフっぽかったね〜。しかし、死者の気配に怯えて逃げて行ってしまう馬達(フレゴにアドロ)。レゴラスの歌が無くて残念だわ。原作だと、レゴラスが歌を聞かせて怯える馬を鎮めるんだよな〜。異様な気を放つ洞窟を前に意を決して入って行くアラゴルン、黙って着いて行くレゴラス、「洞窟の中にエルフが入って行ってドワーフが入れないなんて話があるか!」と強がって入って行くギムリ…可愛いのう。死霊に囲まれながらも王たる決意をしたアラゴルンは、怯むことなく王の証拠である剣を見せて死霊達に戦争への協力を交渉してカッコいい。レゴラスなんて、死霊に威嚇されるなり矢を放っちゃったりして、相変わらずの短気ぶりを披露してくれたけど(笑)。
 死者との対峙シーン、冷静に見るとアラゴルンて交渉しているというより脅迫しているように見える(笑)。そして、相変わらずビクビクしているけど強がっているギムリが可愛い。


 砦からファラミアが瀕死の状態で戻り、死んだと思い込んで錯乱したデネソールは一緒に焼身自殺を図ろうとするんだから、本当に救われない。ファラミアにまだ息があると判ったピピンは、必死に助けようとするんだよな。ボロミアが自分達のせいで死んでしまった分、弟であるファラミアは何が何でも助けたいって気持ちが強かったんだろう。最期は一人で焼身自殺をするデネソール(というかガンダルフが留めの一撃を入れた?)、最後の最後まで救われない人だったよ…。ある意味悲しい。そんな父親の愛を受けたかったファラミアも可哀想だ…。
 オーク軍との戦いを目前にして、ミナス・ティリスで死を覚悟するするガンダルフとピピンの会話に泣けた。この戦いによって死んだら、その先の世界はどんなものが広がっているかを語るガンダルフ、「それは良い世界ですね」て言う、ゴンドールの戦闘服姿のピピンが切ない。


 セオデン王率いるローハン軍はゴンドールに向う途中、ペネンノール野でサウロン軍と物凄い戦闘を繰り広げる。敵の軍を前に、「(名誉ある)死を!」と叫んで兵士達を鼓舞するセオデン王は鳥肌モンのカッコ良さであった。しかも、この戦闘では敵にはトロルどころか、象のバケモンのようなオリファントまでいて無敵。そんなサウロン軍に決死の覚悟で突っ込んで行くローハン軍は凄かった。男装して戦闘に紛れ込んだエオウィンなんて、失恋のショックからか物凄いパワーを発揮。両刀使いでオリファントを倒したりて大活躍。兄のエオメルも活躍していたけど、エオウィンの方が凄まじかったな〜。ナスグルに致命傷を負わされたセオデン王を助ける為に、彼の前に立ちはだかるエオウィンの勇ましさったらなかったね。メリーも殺されそうになったエオウィンを助けようと、必死の形相でナスグルに攻撃しかける姿にもグッときた。そして、「私は人間の男には倒されない」と豪語するナスグルに、「私は男ではない!」と甲を取って仕留めるエオウィンはホントにカッコ良かった!しかし、ここでセオデン王は息を引き取ってしまう。寄り添うエオウィンに、「お前の顔が判るぞ」なんて言うだもんっ!(号泣)。「やっと祖父に誇れる死を迎えられる」なんて言うしさ、もう涙ボロボロになってしまった…。あと、ここで敵の死骸に潰されているメリーをピピンが発見。感動的な再会をしていたな〜ホビット2人は。
 サウロン軍が制圧したオスギリアスでは、援軍を待っていたオーク達の元に死霊を引き連れたアラゴルン達が到着。船からアラゴルン、レゴラス、ギムリが降り立つシーンはホントにカッコ良かったわっ。しかも、死霊なんて『マ●リックス』を彷彿させる凄さでサウロン軍に攻撃して行くしビックリ。しかし、ここでも仕留めた数を競い合うレゴラスとギムリ(笑)。私の目の錯覚でなければ、アラゴルンも数えてなかったか…?アナタまで加わったのかい。ここではレゴラス一番の見せ場というかファンサービスシーン(笑)がある。オリファントを見たアラゴルンが「レゴラス!」と叫ぶなり、そのオリファントに一人向かって行き、オリファントによじ登りながら上にいる敵をやっつけ(しっかり数えてる/笑)、最後はオリファントの頭に矢を3本射して鼻からスーッと滑り降りて来るという人間離れのアクロバットをまたもや披露。高い所に登ったり、滑ったりすんの好きなエルフだよ。「どんなもんだい!」と得意気にギムリを見つめるレゴラスも可愛かったが、そんなレゴラスの活躍を見て「まとめて一人分だぞ」と言うギムリはもっと可愛いかった。せっかく数稼いだのにね〜っ(笑)。
 アラゴルンも仕留めた数を数えている?と前に書いたけど、アラゴルンが敵を倒しているシーンでギムリが数えている声が被っているだけだった。「16,17…」とか数えているのはギムリの声だ、間違いない。あと、アラゴルンに「レゴラース!」と言われてオフィファントを倒しに行くシーン、「倒しに行って来ま〜す!」て感じで、嬉々としてオリファントに向って行っているように見えてしまった。もう鮮やかな倒しっぷりは、笑いと興奮を沸き起してくれるわ。しかし、「レゴラース」=「オリファントを一人で何とかしてくれ」て意味だったら、アラゴルンも凄い注文しているような気がしないでもないけど、レゴラスの強さを信じての命令だと思うことにしよう。
 死霊の活躍があってサウロン軍を撃退。ギムリの「役立つから眠らせることないだろ」という意見は正論だと思ったけど(笑)、王様に目覚めたアラゴルンは約束通り死霊を眠らせてあげます。そして、王の剣「アンドリゥル」を持ってゴンドールに戻って来たアラゴルンに、王として迎える入れるガンダルフの仕草にジーンときてしまったなぁ。


 サムを追い払ってしまったフロドは、大蜘蛛のシェロブの棲家に連れて来られたことでようやくゴラムに策略を知る(遅っ!)。しかも、そのシェロブが本当に大蜘蛛というか、リアル過ぎる蜘蛛で見ててゾッした。蜘蛛大っ嫌いなだよ〜。『ROTK』はクライマックスの連続で、ホントに「瞬きするのも惜しい!」て思うくらいなのに、このシーンだけは正直見ているのが辛かった。特に、フロドの背後に迫ったシーンとかさ、ホラー映画を観ているような感覚に陥ってしまった。シェロブに刺された上に、ミーラ状態にされて、オーク達に見つかって攫われてしまうフロドは散々だが、そんなフロドを取り返そうと命懸けで追って来たサムっ!アナタ偉過ぎっ。最後までフロドに仕えようと決死の覚悟でシェロブやオーク達をやっつけ、フロドの元に駆け寄る姿には泣けたよ。本当にサムは逞しくなった。
 助けに来たサムが指輪を持っていたということで、サムから奪い返すように指輪を取ったフロドは、「サムにまで指輪の重荷を背負わせたくない」という気持ちと、「この指輪は誰にも渡さない」という独占欲と、両方の葛藤があったような複雑な表情だった。ゴラムがいなくても、隙あらば指輪の闇の力に心が蝕まれてしまうフロドが痛々しいよぅ。命懸けで自分を助けに来たサムにですら、疑いの気持ちを抱いてしまうて辛いよな。
 滅びの山(火口)に向う途中、最後の水まで飲みきってしまって帰りの分を心配するフロドに、「帰り旅なんてもうないでしょう」と言うサムに泣いてしまった。途中までレンバスの帰りの分まで計算して大切に食べていたサムが、そこまで悲壮な決意をしているってことと、もう最期までフロドと共にという覚悟なんだと感じて、涙腺がこっからずーっとヤバイ状態になってしまった。


 フロド達をなんとか滅びの山まで導く為に、サウロンの眼を自分達に惹き付けようという案を出したアラゴルン。捨て身の案に賛同するレゴラスやギムリがいいな〜。しかも、そのシーンの時に堂々と執政の椅子に座って寛いでいたギムリが笑えた。デネソールが亡くなったとはいえ、そんな気軽に座って良い席はないだろうに…。
 珍しくレゴラスとエオメルが並んで立っていたんだけど、エオメルて凄いガタイが良いんだと再確認。レゴラスだって背は高い方でそんな華奢ではないのに、エオメルの隣に立つと凄い華奢に見えた。しかも、ガンダルフ、アラゴルン、ギムリ、エオメルが揃って髭面のせいか、妙に小奇麗に見えたレゴラス。いや、エルフは美人揃いだとは判っているけど、やっぱレゴラスは飛び抜けて美形だと、こんな緊張感のあるシーンでしょうもないことを思ってしまった。
 そして、ゴンドール王の姿て軍を率いて黒門に向うアラゴルン。美しいゴンドールの紋章(白い木)が描かれた服に身を包んだアラゴルンにグッときてしまったが、やけに小奇麗になっていて(後髪とか綺麗に結ってたし)、「野伏の汚れた姿の方がセクシーだな」と不謹慎なことを思ってしまった私(笑)。黒門を前にして兵士達に王として鼓舞するアラゴルンはカッコ良かったが、何よりギムリとレゴラス!「エルフの隣で死ぬことになるとはな…」なんてギムリが愚痴ったら、「友達の隣で死ぬというのはどう?」と笑顔でレゴラスが聞き返してきて、「それならいい。それは凄くいい」て笑顔になるギムリ…このやり取りに泣けて泣けて。この2人ですら死を覚悟しているってことも辛かったけど、『LOTR』では犬猿の仲だったのに、旅を通してここまで絆を深めたことにグッときてしまった。この凸凹コンビ好きだ〜っ!
 そしてアラゴルンがサウロンを威嚇すると、黒門が開き物凄い数のオークやトロルの軍が登場。あまりの数の呆然としたと同時に、普通に考えたら勝ち目なんてあるわけないと悲壮な気分になってしまった。サウロンが「エレスサール」とアラゴルンを誘惑するような呼び掛けした時、ガンダルフやレゴラスが心配気にアラゴルンを見るんだけど、振り返ったアラゴルンが微笑んで「フロドのためにっ!」と言って敵に突っ込んで行く姿には痺れたわ。しかも、アラゴルンにすぐ続いて行ったのがメリーとピピンというのも泣けた。
 黒門が開き物凄い数のオークやトロルの軍勢を見て、ローハンやゴンドールの軍人達が怯むんだよね。それを見たアラゴルンが「退くな!」と怒鳴り、「今日は戦いの日だっ!」と言って鼓舞し、みんなの士気を高めていっていたシーンにグッときた。全員が剣や槍を高く掲げるシーンは鳥肌立った。やっぱ、アラゴルンの声ってイイよなぁ。覚悟を決めるメリーやピピンの表情も良かった。そして、やはりギムリとレゴラスの会話はいいな〜。「友の隣で死ぬというのはどう?」と聞き返すレゴラスの笑顔にドキッとしたし、嬉しそうに「それはいい。凄くいい。」と答えるギムリの笑顔もいいっ!この時の2人の笑顔にはホロリとくるよ。そして、アラゴルンを先頭に一気に敵陣に突っ込んで行くシーンは、判っていてもグッときてしまう。

 そして、滅びの山に向うフロドとサムも佳境。指輪の力に蝕まれ力尽きるフロドを、「あなたの宿命は背負えませんが、あなたを背負うことはできます!」と、背負って歩いて行くサムに号泣。しかも、途中で待ち伏せしていたゴラムが襲い掛かって来て、必死に応戦するサム。なんとか最後の気力を振り絞って、一人火口に走って行くフロド。しかし、火口を真下に見たところで最後の指輪の誘惑が…!サムの制止も聞かず、「この指輪は僕のものだ」と言って嵌めてしまうフロドの顔が怖いくらい綺麗で鋭くてゾッとしてしまった。そこに指輪を諦めきれないゴラムがフロドに襲い掛かり指輪を奪還、それで正気に戻ったフロドはゴラムと揉み合い、崖の下へと落ちて行くけど、最後はサムに助けられるフロド。この時、指輪を手にして嬉しそうな顔しながら火口の底に溶けて行くゴラムが凄かった。そんなゴラムの表情と遂に指輪が溶けていく様には、何故か涙ボロボロ。

 黒門の戦いの方では、アラゴルンがトロルに攻撃されて絶体絶命の危機に!それに気付いたレゴラスが凄い悲痛な表情をして、アラゴルンの名を叫びながら周囲のオークを掻き分け助けに行こうする姿には泣いたよ。スロー映像で音声無しのBGMだけが流れているシーンだったけど、あのレゴラスの今まで見せたことないような必死な形相には胸締め付けられたし、レゴラスがアラゴルンのことしか見てなかったから、逆に彼が周囲の敵にやられてしまうんじゃないかとすら思った。
 このシーンのメイキング映像を見たせいもあるんだろうけど、レゴラスは「アラゴルン!」と叫びながらも、味方すらもなぎ倒しそうな勢いで敵を倒していました。でもアラゴルンの所まで行けないし、アラゴルンはトロルに踏み潰されそうになっているし、レゴラスは凄い悲痛な表情で叫んでいるし、最後はガンダルフも気付いて焦っていたし、本当に危機一髪だったんだよね。

 指輪が滅ぼされサウロンが消滅して行く姿を見つめるガンダルフにもグッときたんだけど、滅びの山が噴火し、溶岩に囲まれて逃げることもできなくなったフロドとサムが死を覚悟しながらも、お互いの存在の大切さを再認識して笑顔になったシーンはたまらなかったね。2人も凄い儚げな笑顔をするんだもんな〜。疲れ果てて死を待つ2人の元に、大鷲に乗ったガンダルフがやって来るだなんて、ホントにガンダルフはいいとこ取りだ。カッコ良過ぎるっ!
 フロドとサムを助ける為に大鷲に乗って来たガンダルフだったけど、大鷲は3羽いたんだね。ということは、ゴラムも助けるつもりだったのかな?と思いました。だってガンダルフが乗った大鷲がフロドを拾い、その後の1羽がサムを拾い、残りの1羽はやること無いって感じで飛んでいた。ガンダルフはゴラムが指輪と共に消えてしまったことは知らなかったわけだし、ビルボと同じくゴラムのことを「殺してはならない」と言っていたから、本当はゴラムも助けたったんじゃないだろうかと、大鷲が3羽いたことに気付いて思いました。


 助けられたフロドはゴンドールの病室(?)で目を覚まし、そこでガンダルフと再会。フロドはガンダルフが死んでしまったと思っていたんだから、再会の感激も一入だよね。そこに、メリー&ピピン、ギムリ、レゴラス、アラゴルン、そしてサムが登場し、「旅の仲間」が再集結。レゴラスの私服姿は綺麗〜っと思ったんだが、小奇麗なアラゴルンにはやはり違和感を抱いてしまう(笑)。おおはしゃぎしながらフロドに抱きつくメリーとピピンは微笑ましかったし、皆の笑顔も凄い良かったんだけど、微笑ましいシーンなだけに、ここにボロミアの姿がないことが妙に悲しくなってしまったし、こんな穏やかなな雰囲気で旅の仲間が集まれるのもこれが最後なんだと思うと寂しくなってしまって、涙腺ヤバ〜ッ状態の連続でいい加減に眼が痛くなってきてしまった(苦笑)。というか、黒門の前あたりからずーっと涙腺ヤバヤバ状態だったからなぁ。泣き続けていたよ。
 ガンダルフと再会して感激するフロドだけど、次々と仲間が入って来て名前を呼びながら大喜びするのはいいけど、何故かレゴラスの名前だけ呼ばないよね?「ギムリ!……っ!アラゴルン!」て感じ。アラゴルンと声に出して呼んでないけど、口の動きでアラゴルンの名を呼んでいたのは判るし、何でレゴラスの名前だけ呼ばなかったのかちょっと気になってしまった。名前を忘れたのか?フロド(苦笑)。リジィとオーランドはえんらい仲が良いけど、映画のフロドとレゴラスて全く会話無かったもんなぁ。ビルボから冒険の話を聞いて、闇の森のエルフのことだって知っていたはずなんだが、果て?


 アラゴルンがエレスサールになる戴冠式。ギムリが王冠を運び、ガンダルフがアラゴルンに被せるシーン、遂に王としてアラゴルンがゴンドールに帰って来たんだと実感した途端にまた涙ジワ〜ッ。王として挨拶をするアラゴルンの歌声も良かったな〜。ビリーといい、ヴィゴといい、ホント良い声しているよなぁ。
 2回目でも涙ジワ〜ッとなってしまったシーンであった。ガンダルフが王冠を被せるシーンといい、ギムリがアラゴルンがエレスサールになった姿を感慨深げに見つめる表情といい、王様になったアラゴルンの姿といい、『LotR』からの物語を一気に思い出して、王様としてゴンドールに帰って来たことに感涙状態になりました。
 元気になったファラミアとエオウィンはいい雰囲気で戴冠式に参列していたけど、原作知らない人には急展開に思ってしまうだろうね。この辺はSEEでしっかりフォローしてもらいたいもんだ。あと、正装したエオメルはカッコ良かったね〜。こちらも、未来のローハン王なるんだよね。そしてっ!ビックリしたのがお供を連れて前に出て来た正装姿のレゴラス!金のサークレットを嵌めて(髪型もいつもと違ったような?)、正に闇の森の王子様だったよ。アラゴルンとお互い肩を抱き合う仕草は『TTT』の時と変わらないけど、アラゴルンがエルフ語で「ありがとう」と述べると、レゴラスが今まで見せた中で一番最高に綺麗な微笑みをするんだよ。レゴラスの微笑みに弱い私としては、もうこの笑顔に涙ボロボロ。アラゴルンのお礼の言葉といい、レゴラスの満足気な微笑みといい、レゴラスにとってこの旅は指輪を滅ぼすことが一番の目的だっただろうけど、アラゴルンを王としてゴンドールに帰すというのもあったんだな〜…と感じたと同時に、レゴラスの旅も終わったんだと思って、嬉しいような寂しいような気持ちになった。その後、レゴラスの奥から王妃の姿をしたアルウェンが現れ、思わず駆け寄って抱きつくアラゴルン。裂け谷で別れて以来の再会だったけど、アルウェンを抱きしめて涙を流すアラゴルンに貰い泣き。微妙に父親としての複雑な表情をしているエルロンドも良かったなっ。
 やっぱり正装姿のレゴラスは綺麗だけど、欲を言えば他のエルフみたいにサークレットだけじゃなくてもっと着飾って欲しかった。闇の森のエルフは花と宝石や宴が大好きなんだから、本当はもっと華やかな格好でいいと思うんだけど、「エルフの中でも変わり者」と言われているレゴラスなだけに彼流の正装なんだろうか。ま、十分ビックリするくらい綺麗だからいいか。あのアラゴルンに向けた微笑は、「僕の後を見てごらん」という(アルウェンが居るよという)目配せだったんだね。『TTT』でペンダントを返したシーンもそうだったけど、レゴラスはアラゴルンとアルウェンの仲を心から応援というか見守っていたんだなぁ。
 そして、一番奥に並んでいたホビット4人。アラゴルンとアルウェンを前にしてお辞儀しようとする4人にも泣けたが、「頭を下げないでくれ、我友よ」と言って頭を下げるアラゴルンと、そこに居た全ての人々がホビット達に頭を下げていく姿には、ひたすら涙、涙。ちょっと戸惑ったような顔しているフロドが印象的だったな。
 王となったアラゴルンを目の前にして、「うわっ、お辞儀をしなくちゃ…」と一番慌ていたっぽいメリーが良かった。しかも、周囲の人々が自分達に頭を下げた姿にビックリしているし、いいなぁメリー…。
 この戴冠式のシーンは何度観ても涙がジワ〜となるシーンだろうな。アラゴルンが王としてゴンドールに戻ってきて人々に迎えられたクライマックスシーンでもあるし、「旅の仲間」の終わりのシーンでもあるからね。旅が終わったという達成感と同時に、「旅の仲間」が解散してしまう寂しさもあって、いろんな感情が沸き起こってしまう。このシーンは、観る毎に感想が違ってくるかもしれない。



 こうして中つ国は人間が支配するようになった…とエンディングにいなっていくけど、4人が無事ににホビット庄に戻って変わらない日常に戻って行って和んだわ。最初のホビット庄の雰囲気に戻ったなって感じで。
 だけど、フロドは旅によって追った全ての傷は癒えることなく、老いたビルボとやガンダルフ、ガドリエルやエルロンドと共に西の国へ旅立って行く。突然の別れが信じられないって顔をするホビット3人を前に、笑顔で船に乗っていくフロドの表情が切なくて印象的だった。指輪を持ってしまったが為に、癒えない傷を負い、この中つ国を捨てて行かなければならないんだな…というのが、なんとも寂しい気分にさせられて、決してハッピーエンドにはならな終わり方が、原作そのものの終わり方とリンクして感動でした。
 実は2回目鑑賞で、一番涙がボロボロ出てきてしまったのが、ホビット4人がホビット庄に戻って来たシーン。『LotR』の時と同じほのぼのホビット庄の光景と4人の姿を見て、何故か涙がボロボロ出てきてしまった。戦争には無縁の平和主義のホビットが、一番過酷な旅をしながらも無事に戻って来たということに、なんとも言えない感情が沸き起こってきてしまったんだよなぁ。1回目の時は別にこのシーンでは何も思わなかったのに、不思議なものだね。これが、この作品の魅力なんだろうなぁ。


 もうこの時点で涙ボロボロでしたが、エンディングのスタッフロールにも泣かされた。アラン・リーのイラストとキャストが重なるっていうのも良いけど、そこにちゃんとボロミア(ショーン・ビーン)のクレジットもあって泣けてしまったよ。凄くイイよ、このエンドロール!

 約3時間25分の長編だったけど、個人的にはアッという間だった。むしろ時間が足りないって感じるくらい。もう、SEEは1時間でも2時間でも未公開映像を収録してくれっ!て思っちゃうよね(噂では『RotK』のSEEは4時間以上になるらしい…!)。しかしそれよりも、「ああ、もう一度観たい」と率直に思った。なんせ、クライマックスの連続で長時間画面に集中しっぱなしでの上に、後半はずーっと涙腺がヤバイ状態だったから、見落としているシーンとか絶対にあるはずだ。一応、これで話の流れは飲み込めたし、もう一度じっくり大きなスクリーンで観たいな〜って思った。
 2回目はもっとアッという間の3時間25分だった。「えっ?もうこのシーン?もう終わり?」って感じ。いかに自分が映画の世界に惹き込まれていたかを痛感。1回目は後半からずーっと涙腺ヤバイ状態で大変だったけど、2回目は少し落ち着いて見られたせいか、物語の展開を丁寧に観ていくことができたと思う。だから最後、ホビット達が村に戻ったシーンに泣いてしまったのかな…。

 そして、この映像化不可能と言われた超大作を、3部作18ヶ月掛けて一気に撮ったJPの情熱と手腕と、強い絆で結ばれたスタッフとキャストに拍手と感謝っ!特にキャストは凄いよ。どのキャラクターも「ハマリ役!」と思わせるほどだったし、今ではこの俳優以外がこれを演じるのは絶対に嫌だっ!て思うくらい。
 これほどの作品をリアルタイムで観られたことは、最高に幸運なことだと感じている。もう3部作全部好きというか、時間と体力が許すなら、1部から3部まで一気に観たいくらい。以後これ程の大作に出会うことものめり込むことも無いだろうし、むしろこの作品をこれからもずーっと大切にしていきたい。そう思わせる『ロード・オブ・ザ・リング』3部作でした。




≪追記≫
 先にも書いたけど、『ROTK』はハッピーエンドではないと感じました(…というか、この3部作の中でハッピーエンドに終わったのは無いよね)。だってフロドの傷は癒えることなかったし、「旅の仲間」はそれぞれ何らかの形で傷を背負ってしまった。しかも、中つ国を人間に委ねることで、エルフを始め他の種族はもう衰えていくしか、西の国へ旅立つしかない。一つの神話の終わりのようにも感じて、幸せという気持ちより切ないという気持ちが強く残る作品でした。

 作品の中でのご贔屓キャラ、レゴラスとギムリの顛末は描かれていなかったのは少し残念だったけど、2人は原作通りのラストを辿るのかな?原作では、レゴラスは中つ国に残り、ゴンドールのファミリアの領地であるイリシアンの森に残ったエルフ達と移り住みながら、ギムリとあっちこっち旅に出たりもする。そして、エレスサールが崩御した後、船を作ってギムリと共に西の国に旅って行くんだよね。2人はエレスサールが崩御するまで中つ国に留まっていたということに、彼らの友情の深さを感じて感動したんだけど、映画版はどうだろう?特にレゴラスは「死」に対してかなり敏感になってきていたから、エレスサールの死を看取る前にギムリと海を渡ってしまいそうな気がしないでもない。エレスサールの死を目の当たりにするのを拒否しそう。
 …あ、ここまで書いてから気付いたけど、映画版のレゴラスは鴎の鳴き声を聞いてないんだよね。それどころか、海を渡る欲望に心が駆り立てられて行くという表現もなかったし、もしかしたら海を渡らないかも?映画版のギムリは、自分の好きな旅を続けながらも、原作のギムリ同様にどこまでもレゴラスに着いて行きそうな気がするな。これは個人的希望だけど。ま、こういう想像が色々とできるから、2人の顛末は描かれない方が良かったのかな?
 レゴラスはエレスサールを看取らないで西の国に旅立ってしまいそうと書いたけど、これ撤回します。やはり、映画のレゴラスも最後まで中つ国にギムリと共に残って、エレスサールが崩御してから船作って旅立ちそう。そう思ったのは、あの「目配せ微笑」が決めてかな。「人間の王の幸せ」を何よりもアラゴルンに望んでいたように感じたな。なんだかんだ言って、レゴラスてアラゴルンの先輩的な存在んじゃないだろうかと感じました。レゴラスにとってアラゴルンは見守りたい存在なんじゃないかと。盟友というのは、むしろレゴラスとギムリって気がするな。こっちは犬猿の仲のドワーフとエルフという関係だったのに、種族を超えて厚い友情を結んだんだしね。映画のレゴラスて、ギムリに随分と影響されて人間くさくなった気がするし、そこが更なる魅力になっていたもんな。原作のレゴラスは「ギムリは私が守る!」て感じで大事にしていたけど(笑)、映画は「共に生き延び、死ぬのなら隣同士で」という信頼関係になっていったことに感動しました。


 さ〜て、あとは『指輪物語』をまた最初から読み直すかっ!あと、『ROTK』のSEEが出るまで『LOTR』と『TTT』のSEEを何度も見直してやる〜っ!

 


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