クモハユHome へ戻る 鉄道の部屋 へ戻る 貨物を忘れるな! へ戻る
純粋に鉄道区間だけの運賃は、次の形で求められます。
賃率 × 重量 × 割増・割引率 = A
Aの端数処理 = 鉄道運賃
しかし、実際には積み地から駅までの集荷や、駅から着地への配達などがあり、加算されます。
結果的に複雑化してしまいます。このへんが、鉄道からトラックへ逃げた部分の一要因でもある
ようです。
数値などは貨物時刻表などで調べて下さい。
ここの趣旨は貨物を知ってもらうコトですから、鉄道運賃部分の概略のみ♪
1.賃率 とは?
「この距離で1屯運ぶと幾ら」という数値です。距離に応じて定められています。
コンテナと車扱とでは、距離の刻みや数値そのものに違いがあります。
2.重量は?
本来なら、1屯しか積まない場合は1屯分の重量のハズですが、そうするとコンテナや貨車の
積載重量をいちいち量らないとなりません。そのために、コンテナや貨車の形式によって決定
されます。これを「運賃計算トン数」と言います。コンテナは5屯と10屯。車扱は刻みが細かく
若干複雑です。
形式ごとに定められた最大積載重量より軽い場合は荷主が割高な運賃となり損するだけです
が、重量オーバーの場合、コンテナはコンテナ貨車に載せるフォークリフトが、車扱の場合重量
感知場所で、それぞれ警告があり、減らさないと運んでくれません。
3.割増・割引率 とは?
例えば、火薬等のように輸送に注意が必要な品目等の輸送は割増になります。逆に、荷造
用品など輸送効率化や鉄道貨物輸送に貢献するもの等の輸送には割引があります
4.端数処理は?
10,000円未満の場合、100円に切上ます(6705円→6800円)。
10,000円を越える場合、1円〜499円は500円に、501円〜999円は1,000円に切上ます。
5.違う鉄道会社にまたがる場合は?
旅客における、JRと私鉄のように別個に運賃を求めて加算する場合(併算)と、JR間同士の
ように通しで運賃が求められるもの(通算)の2種類があります。
6.そもそも距離はどうやって求められるの?
営業キロの最短経路が原則です。最短経路を求める際には、実際には貨物列車が走っていない
路線(仙石線、飯山線、播但線、久大本線など)でも計算のために使用されます。
私鉄部分は営業キロの数割増の運賃計算キロが定められている場合が多く、その場合、運賃
計算キロを使います。
7.お得意さんへの割引は?
大量に買ったりすれば割り引いてもらえるのは世の習い。当然、鉄道貨物でもあてはまるでしょう。
当然ですが、公表されません。どこも教えてくれません。
1.東京貨物ターミナルから福岡貨物ターミナルまで5屯の引っ越し荷物をコンテナで運ぶ場合
キロ程 : 1,185 → 賃率 : 11,989
運賃計算トン数 : 5屯
割増・割引無し
11989 × 5 = 59945
端数処理 : 60,000円
2.浜川崎から宇都宮貨物ターミナルまで36屯のガソリンを私有貨車で運ぶ場合
キロ程 : 122 → 賃率 : 2,474
運賃計算トン数 : 35屯
危険品割増 : 2割
私有貨車割引 : 1割5分
2474 × 35 × (1 + 0.2 − 0.15) = 90919.5
端数処理 : 91,000円