"飛鳥だからこそ"のこのメンバー。このラインナップ。 そして、その剛さんの心をやさしく汲み取って、さりげなく演出に協力してくれた"空や大地の神様たち"。 そんな印象の素晴らしいライブでした。
席はDブロック4列目。カメラ席のすぐ横で、遠目ながらも少し体を横にずらせば剛さんの姿をとらえることができました。剛さんの姿ばかりでなく、ステージの後ろに横たわる飛鳥の森の木々たち。その上に広がる雲や空。すべてを見渡せるとても贅沢な席でした。 始まる前は空全体に灰色の雲が広がっていて、夕日が沈んでいく空間だけオレンジ色の空を拝むことができました。 ステージには"時空"の曼荼羅(だと思います)が中央に色とりどりの光を放っています。
1.「インスト〜"時空"」
さりげなく一人で登場した剛さんはすぐにキーボードを奏で始めました。 柔らかいエレピの音です。飛鳥の空気を感じて剛さんが紡ぎだす音は、とても繊細でやさしさに溢れていました。途中でバックのメンバーが静かにスタンバイ。ウインドベルは風のささやき?太鼓のビートは大地の鼓動??素直にそう感じました。 10分は流れていたと思われるインストゥルメンタル・・・あとで友人が「時空だったね!」と教えてくれました♪
2.「Love is the Key」
もともと渋い曲ですが、今日の飛鳥バージョンはさらに抑え気味のビートにさりげないギターが絡みます。 「おぉ〜!渋い〜〜♪好み〜〜〜♪♪♪」 そして剛さんの歌声も張り上げすぎずな渋めの「Love is the Key〜☆」。 終わると拍手。この拍手もなんだかやわらかくて温かい雰囲気。
「こんばんは。奈良人の僕でも"遠い"と感じる飛鳥まで、みなさんよくぞ心折れずに集まっていただき(笑い)ありがとうございます。正直こんなに集まっていただけるとは思っていなかった。この地で音楽を奏でられること、心から嬉しく思っています。今日は雨の心配は無い予定ですが、なにかあったら・・・ご了承ください(笑)。今日僕、神様にひとつだけお願いしたことがあって"雷を起こしてください"ってことなんですけど・・・(観客「えぇ〜〜?!」)もし起こったら神様に僕の願いが届いたということで。」 いやいや、雷は起こりそうも無いですよ・・・^^;
そしてメンバー紹介。
・屋敷豪太(ドラム) ・吉田 建(ベース) ・土屋公平(ギター) ・十川智司(キーボード) ・スティーブ・エトウ(パーカッション)
「おぉ〜!だから渋かったんだ〜〜〜♪」 この後もこの大御所テクニシャンのみなさんが「大人な渋い確かなサウンド」を飛鳥の空に響かせてくれることになります。
3.「歴史」
おー!ここでこの歌がきけるとは・・・(ToT) バッキングはメンバーさんに託して剛さんはマイクを抱えてボーカルに徹します。 静かなリズムが入ってCDより少しPOPな印象。 剛さんの声はどこまでも優しく、飛鳥の空に溶け込んでいきました。 この願い、どうか神様に届きますように・・・☆
4.「空がなくから」
今回スティーブさんの前にはドラム缶はありません。代わりに大きな銅鑼(どら)が後ろに控えていました。その銅鑼が飛鳥の空や大地のエネルギーを彷彿させて大活躍でした。 そして曲の途中で一瞬、ステージの後ろの灰色の雲がピンク色に3回ほど瞬いたのです!! あまりのタイミングの良さに「あれは照明だったのかな???」とも思いましたが、それにしてははるかステージの向こう側の空です。・・・もしかして「雷」??? 剛さん!!もしかしたら剛さんの願いが神様に届いたかもしれませんよ!!! どなたかこのピンク色の光をごらんになった方、いらっしゃいませんか?? (帰り道友人に「空が光ったよね!?」と訊くと「ごめん。私ら剛くんの顔ばっかり見てたわ^^;」ということで確認できてませんが・・・。)
5.「ソメイヨシノ」
みなさん書いていらっしゃいますが、空を覆っていた黒い雲は「空が泣くから」までの演出でした☆ 「ソメイヨシノ」が始まり、赤い照明に映し出される木々に目を奪われている間に、みるみる雲がどこかへ消えていき、隙間から星がひとつ・ふたつ・・・顔をだして瞬き始めました!! 隣の友人と「わぁ〜〜〜!」と真上の空を見上げました。 斜め右前にひときわ明るくかがやく星が金星かな?? どんなに雲が消えて星が輝いても、今日はお月様は見えません。"新月"ですから^^ この自然の演出にはだれもが感動したことでしょう!! 飛鳥の神様たちは剛さんのステージを歓迎して盛り上げるべく協力してくれました♪
6.「空〜美しい我の空」
歌い始めが「今日も何かを疑って、築いた愛信じて・・・」からでした。これだけでとても力強い印象に聞こえました。2番の「桜のリズム」は「あなたのリズム」に、「青い歌」は「赤い歌」に歌詞変えありでした♪ 話すときに鼻をすすっていた剛さん。ときどき声もかすれ気味なときがありました。前日のリハーサルのときも寒かったようなので、喉の調子は最高潮では無かったかもしれません^^; それでも真っ直ぐに気持ちを歌い上げる歌声はやさしく飛鳥の空に響きわたりました♪ 翌日、帰りの電車の中で無性に「空」を聴きたくなってリピートで聴いた私。 やっぱり奈良の空の下で聞く「空」は格別だったな・・・と実感しました。
7.「春涙」
このラインナップの中ではリズミカルな印象で身体を揺らしながら聴きました♪(寒かったのか??^^;) だからかな??トークでの「一度きりの人生、自分が生きたいと思う道を選んで自信と責任を持って進んでいきましょう」という言葉(ニュアンスです)と「アクセル踏む」がリンクしてとても力強い歌に聞こえました☆十川さんのストリングスも飛鳥の空に美しく鳴り響いていました♪
8.「PINK」
おー!これがきましたか〜〜〜☆ でもトークで「日本を変えます!」と言っていた剛さん。 「闘って闘って」進むであろうこれからの道への決意の歌だったのかもしれません。 真っ白いレーザー光線が力強く空に交差して揺れていたのはこの曲の時だったかな? 飛鳥の神様たちも優しく見守ってくれることでしょう。
9.「Say Anything」
「僕はひたすら愛を投げる。誰に届いてどこにたどり着くのかはわからないけれど。愛は"与える"ものだから。」"無償の愛"ですね! とてつもなく優しく慈悲深いこの歌を作って歌う剛さんの心の源は、翌日訪れた「西大寺」にありました☆ 初めて訪れたのですが、思った以上にとても素晴らしいお寺でした。 奈良で触れ合った方たち(なら奈良館の受付のおじさん、レストランの店員さん、交通整理のおじさん、タクシーの運転手さん等々)はみんな温かくて最後まで面倒見の良い印象でしたが、「西大寺」の住職さんもしかり。本堂の入り口の案内図、幼稚園のところに「堂本剛さん出身幼稚園」と書いてあるということで、一生懸命カメラで写していたら、中から住職さんがとんとんとガラスをたたいて、その横にある剛さんの小さな写真を指差して教えてくれました♪とってもお茶目な方です^^ 本堂を覗くと静かにたたずむ暗闇にいくつものろうそくの光が並んで揺らめいていて、とても神聖な雰囲気でした。 今回は"愛染堂"で特別な展示が見られるというので、そちらを拝観させていただきました。 そしてそこで出会ったのです。有名な「愛染明王坐像」の隣の部屋に両手をひざの上でそっと開いて座している「興正菩薩叡尊坐像」。とても穏やかな表情で、向き合って座ると「何か言いたいことがおありですか?なんでもおっしゃい。受け止めてあげますよ。」と言ってくれているような気持ちになりました。「あ〜、なんだか"Say Anything"の心だな〜。」と思いました。 そんなお寺の幼稚園で幼児期を過ごした剛さんが「みんなが一人ひとり穏やかな心で思いやって過ごせたなら、もっといい世の中になると思うんですけどね。」と思うのはごくごく自然なこと。 本物の"深い愛"を知っている剛さんだから、いくら「もっと気楽に」とか「もっと不真面目でいいよ」と言われてもうなずけないでしょうね☆ 「真面目すぎる」と言われようが、「宗教みたい」と言われようが、本物の「宗教」を知らない人たちの言葉にいちいち流されるつもりはもう無いみたいです。 ほんとに「良いもの」を知っているのだから、なんと言われようと自分はそれを歌なりアートなりで表現していきたいのだと。 「西大寺」を訪れて、あらためて剛さんの言の葉に深くうなずけた私でした^^ もちろん!ライブの「Say Anything」の剛さんの歌声はとっても穏やかで、優しくて、繊細で・・・。 きれいな星空に溶けていきました☆
10.「音楽を終わらせよう」
オフ会に向かう途中、リハーサルで「音楽を終わらせよう」らしき曲が聞こえてきました♪ 「やるんだな〜」と思っていたら、最後に登場でした☆ 即興で歌った当時はほんとに「音楽を終わらせよう」と思うような、ちょっとイライラするような出来事があったのだそうです。みんなが求めているものを、そんな簡単な一言で無しにしてしまうのか!みたいな。 でもそれでも待ってくれている人たちがいるのだから、やっぱり続けていこうと・・・。 今は鳴らしたい音を素直に鳴らせるようになってきたようで、ミュージシャンの方たちから「剛君はやりたい音楽ができていいね!」とよく言われるそうです。だから「やりたいことをがんばって続けていれば、こんなに素敵なオーディエンスと一緒に素敵な空間を作れるんですよ♪」と言って見に来てもらったりしているそうですよ☆
「今回もそのときに降ってきた言の葉を歌うので、何が出てくるか分かりませんが・・・」と言って始まった「音楽を終わらせよう」でしたが、内容はぜんぜん「音楽を終わらせよう」ではありませんでした!! まずオーディエンスに向かって「どうしたんだい?みんなよ。繋がりたいんだろう??だったら手を伸ばそう!!手を伸ばし合って繋がろう!!」と呼びかけます。みんな剛さんと一生懸命繋がろうと手拍子をする手を頭の上に掲げます。みごとに繋がった空間!!神様とも繋がります。さっきまでの寒さはどこへやら、ハートがポカポカで暑いくらいです。 すると今度は「どうしたんだい?表現者たちよ!もっと本当を歌おう!!」となかなか本当を表現させてもらえないミュージシャンやアーティストに向けての励ましの言葉が続きます。 バックで支えるメンバーの演奏にも一層力がこもったように感じました♪ 渋いながらとてもとても力強いサウンドが炸裂しました☆ オーディエンスもそうだ!そうだ!!と励ますように、ますます手拍子に力がこもります!! 私もささやかながら"表現者"の端くれとして、この言葉にはグッときました☆ 「うん!!がんばる!!!」 言の葉の一つ一つは再現できませんが、おおむねこんなメッセージが歌い上げられ、会場中のみんなの感動も飛鳥の神様に届いたに違いありません・・・。
曲が終わると9時を回っていました。 再びメンバーさんを紹介して、拍手でお見送り。 「アンコール」ができない代わりに、剛さんはステージに残って、みんなとお話でやりとり・・・。 「みなさんも"もっと話を聴きたい。でも寒い"と葛藤されていることでしょう」に爆笑☆ 「あたためて〜!」の言葉に「そういう代行はやってないんで・・・^^;」 そんな軽いやりとりからも「でもこれ、大昔はなにも身につけて無くてね・・・。で、誰かが"あれ?これちょっと隠したほうがお洒落じゃない?"って葉っぱで隠し始めてね、そのうち布を織れるようになったら"これ腰に巻いたほうがいいんじゃない?"って誰かがやり始めてね・・・そうこうしながら今に至るわけですよね☆みなさんも当たり前を"当たり前"で終わらせるのではなくて"これってどうなの?"と疑問を持つことも大事ですよね!」というゆるいながら深いお話に^^ 「帰り道はくれぐれも気をつけて。段差も溝もありますからね!昨日うちのマネージャーがみごとにはまって転びまして。」「大丈夫だった〜?」「はい。僕のリュックを下にして転んだので、怪我はなかったんですけどね。」「送って〜!」「送っていって、僕どうしたらいいか分かりませんし^^;」「きゃ〜〜」 などというふっつ〜〜〜な会話をしながら、みんなと繋がってくれた剛さんです^^♪
最後はキスするふりをして、やめてお辞儀だったんですね☆ 三方への深々としたお辞儀はしっかり受け止めましたよ^^vとても丁寧なお辞儀でした。 両手を大きく振ってステージの後ろに帰っていった剛さん。 とても自然で真摯な姿が素敵でした^^
5月中旬とはとても思えない真冬並みの寒さに、時々「もっとアップテンポの曲でがんがん動きたい!!」という衝動に駆られながらも、柔らかく飛鳥の広い空に溶け込んでゆく剛さんの歌声にひたすら耳を傾け、大自然とレーザー光線が作り出す見事なまでの演出に目と心を奪われると「やっぱりここにはこの歌だな〜♪」と納得する・・・そんな時間でした。 「あそこまで寒くなかったら、完璧なライブだったね!」と友人と話していたのですが・・・。 もしかしたら「空気は冷たくても、心を温めることはできるんですよ☆」と神様が教えてくれたのかもしれない・・・。 あ〜、そうだったのかもしれません^^ 寒くてちょっと震えてしまったけれど、帰り道、みんなぽかぽか温まったハートを抱えていました♪
<訂正&追記>
蓮華さんが「空」の歌詞変えのレポをしてくださっています。 それによると「あなたのリズム」ではなくて「私のリズム」で、「あなたが誘う」だったようです・・・そうだったかもです^^; また「音楽を終わらせよう」の歌詞、「手を伸ばそう」はもっと後半だったんですね!途中からその歌詞に誘われるようにみんな手を上げて手拍子したのですが、ずいぶん長い間手を上げていた気がしたので(翌日みごとに筋肉痛^^;)初めのほうかと思っていたんですけど、記憶って受けた印象に大きく左右されちゃうみたいで・・・<(u u)> 前向きで力強い言葉にパワーをもらえた「音楽を終わらせよう」でしたp(^^)q
1〜2曲ごとに今の思いを語ってくれた剛さん。 日本の今の状況について、「もっと人任せではなく、自分から動くべきだと思う」と言っていました。「みんなで寄ってたかって総理大臣をいじめているけれど、みなさんがんばっていらっしゃると思いますよ。それよりも自分に何ができるのか考えたほうがいい」(ニュアンスです)と・・・。 私も(今の政権には言いたいこといっぱいありますが)ずっとそう思っていたので、「そうだそうだ!!」と心の中で大きくうなずいていました。 「何が正しいかなんてわからない。まわりに流されるのではなく、一人ひとりが「私はこう思う」という意見を出し合って認め合えばいいと思う。」と。 そして剛さんも周りがなんと言おうと剛さんらしく表現していくと。 複雑な状況の中でさまざま思考錯誤してきた剛さんですが、ここに来て自分のやり方を見つけた・・・そんな印象を受けました☆ そんな思いがぎゅーーーっと詰まった「音楽を終わらせよう」だったと思います♪
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