「ジャックポット」 カウント2.9(第四十八回)


今月の歌
「木綿のハンカチーフ2003」 
恋人よ ぼくは旅立つ 
 アラブへと向かう装甲車で 
砂漠のイラクで 復興支援の 
仕事 仕事するつもりだ 
いいえ あなた イラクは 
それを望まないのよ 
ただゲリラのテロには 
やられないで帰って 
やられないで帰って 
* 
 
    更新が遅れましてあいすいません。先月は遊史郎の会にたくさんのご来場を頂きましてありがとうございました。皆様の暖かいご支援のおかげで満員、盛況となり、深く感謝をいたします。この勢いで年末年始を駆け抜けるぜ!と思っていた矢先にぎっくり腰を患ってしまい、多少の失速はいたしましたが今は何とか健康を取り戻してぼちぼちやっております。そんな中ラジオ出演の仕事が舞い込んで来ました。年明けの1月5・6・7日と12・13・14日にラジオ日本の「若林健治のスポーツタイプ」という番組に出ますのでよかったらチェックしてみてください。朝の8時頃の天気予報の前に遊史郎のおしゃべりが流れます。スタジオでマイクに向かってしゃべっていると、高校時代に放送部員としてお昼の放送をしていたことが懐かしく思い出されます。ラジオのディスクジョッキーに憧れていたあの頃の夢が、今や現実のものとなっているのが嬉しいです。なりたかった芸人になることができて、多少なりともテレビやラジオの仕事もしているのですからこんなにありがたいことはありません。これからも更なる夢の現実化に向けて突き進んでまいります。 
* 
    夢多き遊史郎の来年の抱負は「ラスベガスのカジノで大儲けすること」です。ちょうど今浅田次郎の小説「オー・マイ・ガアッ!」を読んでいるのでそんな気分なのです。来年はミリオネアを目指して再びネバダへと乗り込みます。 
    他に今年読んで面白かった本は浅草キッドの「お笑い 男の星座2」私情最強編、石田衣良の「池袋ウェストゲートパーク」シリーズ、大槻ケンジの「グミ・チョコレート・パイン」パイン編などです。TAJIRIの自伝もよかったです。 
    といったところで今年最後のカウント2・9もお開きです。どうぞ皆様よい年をお迎えください。 (12月21日)



「池袋ウエストゲートパーク」 カウント2.9(第四十七回)
 

 日本が壊れていく。目をそむけたくなる程の残虐で悲惨な事件報道の数々に、ぼくらの目は釘付けになり、やがてそれらは日常生活に溶け込み混じりあい世の中を腐ったとうふ色に変色させていく。ヘリウムガスよりも軽い人の命。 
                                  * 
 
 池袋ウエストゲートパークから歩いて4分立教大学のちょいと手前にある行列のできる人気ラーメン店の店長が、連続婦女暴行並びに強盗の容疑で捕まった。昼はラーメンを出して金を取り、夜はザーメンを出して金を奪っていたのだ。立教大のはす向かいにある10分間1000円のヘアカットはぼくの行き付けで、近くで起こったこの事件には余計に憤りを感じる。このラーメン屋は混んでいるのでまだ行ったことはない。 
                                  * 
 
 1年間のブランクを経て復活し、新たに脚光を浴びている坂本冬美とは対照的に、自らを有栖川宮妃と偽り、別の意味でのスポットライトを浴びているのが坂本晴美だ。披露宴に出席をした芸人のエスパー伊東もひょんなことからスポットライトの木漏れ日を浴びて、所属事務所社長兼プロレスラーの安生洋二もさぞや喜んでいるだろう。こういう事件はお茶の間桟敷から見物している分には楽しい見世物だ。ビレッジシンガーズのにせものの次のネタは何だろう。軽く期待。 
                                  * 
 
 中曽根さん宮沢さん藤井さんが退路でもめている。どこの世界にも似たようなことはあるもので、落語芸術協会のニューリーダー三遊亭小遊三も大きな頭を抱えて小さな胸を痛めていると風の便りに聞く。これ以上しゃべると死人が出るのでイニシャルすら書こうとは思わないが、組織の若返りは今後の重要課題であり、ぼくら下っ端の協会員にはただ見守るしかすべはないものの、心の中では「がんばれ師匠!」と熱いエールを送り続けている。芸術協会の明日はどっちだ。
                                    * 
 
 『故郷に二匹』にたくさんのご来場を頂きましてありがとうございます。11月30日(日)の『遊史郎の会〜七色いんこによろしく』も前売り券絶賛発売中です。ご予約の方は電話かメールでお申しつけ下さい。お待ちしております。(10月25日) 



「DRINK BEER!」 カウント2.9(第四十六回)


 道頓堀川にダイブした人数約5300人、その内死者一人。サッカーのワールドカップの時にも書きましたが、久米宏でも筑紫哲也でも何で言わないのでしょう、大バカ野郎だって。何かそういう一つ一つの無軌道さを細かく突っ込んでいかない怠惰さがますますバカを増長させ、バカがバカを呼び、バカとバカが重なり合いうねりとなって、今の日本を暮らしにくくしているような気がしてなりません。バカをやりたかったら芸人になってそれで生活すべきなんです。芸人が仕事としてやるバカと、素人の単なる自己満足の為のバカとでは性質がまるで違います。だから出産直後の母親役の小池栄子さんの顔に粉ミルクをぶちまけたといって、テレビ局に抗議の電話をするのは少々的が外れています。あれは無軌道な人物を演じる芝居の中の出来事なんですから。それよりむしろ女性リポーターを羽交い締めにしてビールまみれにしていた阪神タイガースの選手にこそ文句を言うべきなんです。私は別にどのチームが優勝しようと何の興味もありませんが、ダイエーホークスには優勝してほしいです。近所のマルエツが安くなるから。まあ何にせよあのみっともないビールかけのバカ騒ぎには、日本人の心に響く美しさのひとかけらも見当たりません。ビールを飲んで暴れるのはオースチンとAPAに任せておくべきです。そうは思いませんか?DRINK BEER!


                                       ※

 お知らせです。次回の遊史郎の会は11月30日(日)午後6時30分より上野広小路亭にて開催されます。ネタは「宿屋の富」と「不動坊」でゲストに江戸家まねき猫さんを迎えます。今回の独演会のサブタイトルは『七色いんこによろしく』です。二席とも[芝居を演じる]という点で共通しているところから、手塚治虫さんの名作漫画「七色いんこ」が思い浮かび、さらにそれを「ブラックジャックによろしく」と引っかけてみました。皆様のご来場をお待ちしております。また10月17日(金)には横浜STスポットで第六回『故郷に二匹』もございます。芸術の秋を落語で楽しんで頂ければ幸いです。


                                       ※

 と、いったところで今回の2.9はお開きです。どうぞ来月をお楽しみに。たけしさんの座頭市とっても良かったです。
(2003年9月27日)
「新宿末広亭改装記念コンサート」 カウント2.9(第四十五回)


 9月1日から10日まで新宿末広亭が改装工事のためお休みになります。そこで新しく生まれ変わる末広亭の応援ソングを作ってみました。みんなでいっしょに歌いましょう。レッツシング!


『森へゆきましょう』

寄席へゆきましょう娘さん、新宿のあの寄席へ
ぼくらはしゃべるよきみたちは、大声で笑うのさ
ランラララ、ランラララ、ランラーララーン


『ツッパリハイスクールロックンロール登校編』

今日も元気にどかんと笑わす噺家高座に悠然と(イェイ!)
やっぱり入ろうよ末広、やっぱり入ろうよ末広
いすも直した便所もきれいだ


『めだかの学校』

末広亭の寄席の中
そーっとのぞいて見てごらん
そーっとのぞいて見てごらん
改装工事をしているよ

末広亭は楽しそう
だーれが前座か真打ちか
だーれが前座か真打ちか
みんなが元気にしゃべってる


『ガンダーラ』

そこにゆけばどんな芸人も見れるというよ
だれもみなゆきたがるがはるかな世界
その寄席の名はスエヒーロ
どこかにあるユートピア
どうしたらゆけるのだろう教えてほしい

インスエヒーロ、スエヒーロ
ゼイセイイットワズインシンジュク
スエヒーロ、スエヒーロ
愛の国スエヒーロ

(2003年9月2日)



「お気軽に」カウント2.9(第四十四回)

 
 近頃では恐ろしい犯罪に子供達が巻き込まれるケースが多く、どうしたものかと思ってしまう。我々が子供時代と今とでは取り巻く環境が大きく変わっており、親の方も対処の仕方が分からないことがままあるようだ。世の中昔と今では大違いだ。
 
 渋谷の109で洋服や化粧品を買う子供達。109といっても109円で買える品など一つもない。店の名前からしてお客をたぶらかそうとしているのは遺憾である。子供は子供らしくと自然に触れさせようとしたらカミツキガメに指をかまれてえらい目に遭ったりもする。昔はそんなカメはいなかった。自然環境も大きく変わってしまったのだ。電車に乗ったら週刊誌の吊り広告に、でかでかとソープの記事が載っている。スポーツ新聞にも一面大きな活字でソープの記事が。よーく読んだら世界水泳だったけど、昔はそんな名前で泳ぐ人はいなかった。そうかと思えば特許庁の役人がちかんで捕まったんだそうだ。これからは新しい早口言葉がはやるのだろうか。東京、特許、許可局、局部、胸部、でん部、強制わいせつ、強要罪。いっぽう早稲田大学の学生らが集団で何年間にも渡ってレイプ犯罪を繰り返していたという。早稲田だけに壮大な事件だ。昔は悪いことをすると、親の顔に泥を塗るなと言って叱られたものだ。今ではみんなお金を払ってエステに行って、顔に泥を塗ってもらうんだから小言も言いにくい。だいたい大人になりきれない男が多すぎるのだ。

幼児プレー専門店なんてものもある。よだれかけをしておしゃぶりを吸っておむつをあててもらって、それで日頃のストレスを発散するんだそうだ。この店の常連だった会社の社長、96歳の今でもおむつプレーがやめられない。昔の芸人はというと、飲む、打つ、買うの三道楽は当たり前、落語家の嫁は悲劇のヒロインと相場が決まっていた。ところがこの三遊亭遊史郎は噺家らしからぬいい男、義理人情にあつく酒も博打も女遊びもまるでやらない聖人君子、愛するのは我が女房ただ一人。泥沼の中でも美しく咲く蓮の花のように、軽薄な芸人達の中でひときわ輝く存在感。可憐にして優美、それでいて力強さを内に秘めた柔らかな物腰。疑っていらっしゃいますか?それなら一度お食事でもしながらゆっくりと語り合ってみませんか。そうすればわかりますよ。いいえかまいません。喜んでご馳走になりますよ、どうぞお気軽に。



[おまけ]



 更新が遅れてすみませんでした。夏風邪をひいて床に伏せっておりましたが今はすっかり元気です。須藤元気選手も早く元気になってください、応援しています。独演会にご来場頂いたお客様、誠にありがとうございました。次回は11月30日(日)上野広小路亭で開催いたします。どうぞご期待ください。Nakano-1にご来場頂いたお客様、どうもありがとうございます。N−1はこれからも続きます。

どうぞよろしくお願いいたします。7月18日は横浜のカレーミュージアムで食事をした後、横浜アリーナにてWWEを観戦しました。花道でセーブル選手が握手というかタッチしてくれて超感激!楽しい一日でした。唯一の心残りと言えば、この日はビキニコンテストが見られなかったことです。(17日と19日はやっていたのに!)スカパーで見たザックゴーウェンのデビュー戦、感動で涙が出ました。

片足のプロレスラー、ザックの活躍を皆さんもぜひ見てください。スマックダウンの素晴らしさとは反対に、ロウは見るのがつらいです。理不尽に痛めつけられるステイシーを見て誰が喜ぶのでしょうか。ベビーフェイスは肩身がせまく、後味の悪いストーリーが延々と繰り返されています。何とかならないのでしょうか。7月20日は帝劇でレ・ミゼラブルを見ました。皆さんすばらしい歌いっぷりでした。

7月13日は国立小劇場で三味線を弾いてきました。「紀伊の国」「青柳」「手拍子」の三曲を弾きました。端唄(はうた)の時は末広遊史郎という名前で出ています。7月7日の寄席山藤亭のイッセー尾形さん、もう超サイコーX10さらに倍!でした。舞台袖で太鼓を叩いていたのですが、漫才師の衣装に着替えたイッセーさんを当人と気づかず、楽屋に遊びに来た芸人さんだと思ってしまいました。すごかった。面白かった。あと今月は葛飾の花火大会とお台場の大江戸温泉物語に遊びに行く予定です。まあこういった何気ない毎日の諸々が、自分にとっての「芸の肥やし」であり、ただの近況報告的なこの文章もそういうことを踏まえて読んで頂けたら嬉しく思います。それではまた来月お目にかかります。どうぞ楽しい夏を。   (7月26日)



「ビバ・ラ・ラッサ!」  カウント2.9(第四十三回)


 地震・台風・千乃・SARS、毎日色々な事件が巻き起こる今日この頃ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。5月11日の日本橋亭での『落語笑竜門』にはたくさんのお客様にご来場頂きまして誠にありがとうございます。落語芸術協会、落語協会、三遊亭円楽一門の三団体の若手の共演そして競演という、まるで5月2日の新日本プロレス東京ドーム大会のような意義深い会でした。芸人も格闘家も、所属団体の大きい小さいという色眼鏡を外して見ないことには本当の姿は見えて来ません。キャリアが上だとか下だとか、そんなことよりも大事なのはいかにお客様に喜んで頂けるか、これに尽きるのです。所属団体の幻想を捨て去り、個人の技量をクローズアップしていく状況こそが好ましく、その意味で5・2の新日本と5・11の落語笑竜門はなかなか良い興業であったと言えましょう。次回笑竜門は来年2月に開催の予定です。どうぞご期待ください。
 
 さて、笑竜門の次は闘龍門の話題です。ウルティモドラゴンがついにあの世界最大のプロレス団体であるWWEことワールドレスリングエンターテイメントに入団をしました!これをきっかけに闘龍門人気の更なる上昇、ウルティモドラゴンのネームバリューの大幅アップ、日本におけるWWEファンの劇的大増殖という素晴らしい連鎖反応が起こることを願っています。  7月18日のスマックダウンツアーのチケット、ファンクラブに入会してゲットしました!日本であのWWEが見られるなんて嬉し過ぎます。ウルティモドラゴンの推薦で闘龍門のレスラーもどんどんWWEに進出してくれるのではと、今からわくわくしています。

 ウルティモドラゴンに負けじと私も夢を実現すべくがんばっています。先日国立演芸場で行われた小遊三独演会の打ち上げの際には、幸運にもイッセー尾形さんの隣に座ることができました。7月に落語を演じるイッセーさんに、落語をしゃべる時の上・下の振り方について細かく質問をされ、それに答えている自分がたまらなく嬉しかったです。憧れの人に何かを教わるどころかこちらが教えるだなんて・・・。落語家になって良かったとしみじみ思いました。私もイッセー尾形さんのような凄い芸人になりたいです。またこの日は巨匠・高田文夫先生もいらしていて、憧れの人二人と遭遇をした貴重な一日でした。まさにビバ・ラ・ラッサ!という感じですよ。 Who's Next? (2003年6月1日)
「つぶやきユウシロー」    カウント2.9(第四十二回)
 
 4月16日の遊史郎の会『マネーの虎』はおかげさまで70名の大入り満員となり、お客様からは大変ご好評を頂きました。ご来場のお客様には改めて厚く御礼を申し上げます。またご祝儀、差し入れをくださいましたお客様、本当にありがとうございます。森田芳光初監督作品『の・ようなもの』で主演デビューなさった俳優の伊藤克信さんも見に来てくださいました。翌日電話で御礼を申し上げると「いやあ、遊史郎うまいわ!奥さん若いなあ」とおほめの言葉を頂きました。どうもありがとうございます。またご飯食べに連れていってください、シントト、シントト・・・。謎の集団ハラキリブラザーズのショーグン・ヤマザキ氏はホームページの『今週の東京』コーナーで、注目したい噺家として紹介してくださいました。とっても嬉しいです。ほめられるのは大好きなので思わずうっとりしてしまいました。もっともっとほめられるようにこれからもがんばります。次回遊史郎の会は7月2日(水)池袋の東京芸術劇場にて開催いたします。この会はWWEでいうところのレッスルマニアのようなものです。カートvsレスナー、ビンスvsホーガンの興奮と感動に負けぬ位の落語をやろうとはりきっています。どうぞご期待ください。
 
 独演会の翌日はシルクドソレイユの『キダム』を見に行きました。素晴らしいショーで大いに楽しんだのですが、ラスベガスで『ミスティア』を見た時に比べると観客の反応がずいぶん大人しかったように思います。よく外人レスラーが日本の観客はなかなか盛り上がらないのでやりにくいと言いますが、相対的に見て日本人は楽しむことが不得手のようです。民族性の違いと言えばそれまでですが、もっと客席が盛り上がればパフォーマンスもさらに盛り上がって余計に楽しめるのになあと思わずにはいられませんでした。
 
 今月見た映画はロベルト・ベニーニ監督・主演の『ピノッキオ』。特殊メークを使わずに演技の力でピノッキオになりきってしまうベニーニが素敵です。この監督の『ライフイズビューティフル』も大好きな作品の一つです。ぼくも以前はあやつり人形の・ようなものでした。これからはどんどん成長をしてブルーフェアリーのような寛容な人になりたいと思います。
 
 映画好きなプロレスラー、東北の英雄ザ・グレートサスケが岩手県議会議員選挙に出馬し、見事トップ当選しました。そこでサスケ先生の今後の活躍を期待して謎かけを一つ。
◎岩手県議会議員ザ・グレートサスケとかけて新型肺炎SARSと解きます。その心は、マスクは外せません。
お後がよろしいようで。   (2003年4月30日)



「帰って来たガラガラヘビ」  カウント2.9(第四十一回)
 ガチャーン筆が回らなかったら勘弁。今日は何を書こうか迷った。今も爆撃で人が死んでいるんだぜ。そんななか『タマちゃんを想う会』じゃねえだろう。俺にもホタテを食わせろ。鰻と生牡蠣も好物だぜ。古尾谷雅人は人間の盾になれ。自殺したって行くとこは地獄だ。この原稿を読んでくれる全ての者に感謝だ。そして言いたいことは一つ。遊史郎の会だ。マネーの虎。四月十六日。広小路亭。前売り二千円。当日二千三百円。三遊亭遊史郎。宮田章司。三遊亭花楽京。三笑亭春夢。夜七時開演だ。観に来るか?観に来るならGive me hell yeah!!
 What?『片棒』をやるぜ。『井戸の茶碗』もだ。杉花粉のくそったれにはスカッドミサイルだ。喉の痛みにはストーンコールドスタナー!ぶちかますぜ。死ぬまで語り続けるのが噺家だ。ストーンコールドユウシロウかく語りきよ!ガチャーン!



今月の歌
「新・エースをねらえ」
泣きたい時は高座で泣けと
竹ノ塚は竹ノ塚は教えてくれた
つまづいても打ちのめされても
私には見える一筋の光が
文七元結この一席に賭けた
浜野矩随私の青春
紺屋高尾だれにも負けはしない
ああ熱い熱い情熱だけは
熱い熱い情熱だけは

 板橋のガラガラ蛇、ストーンコールドユウシロウからお知らせと今月の歌二本立てでお送りいたしました。RAWに復帰したオースチンのマイクをモチーフにして書きました。遊史郎の会『マネーの虎』は動員60名以上から黒字になります。皆様ご来場をお待ちしております。来月もまた読んでくださいね。じゃんけんぽん(チョキ)。うふふふふ。 (2003年3月29日)



「ラスベガスだヨ 全員集合!」 カウント2.9(第四十回)

 5泊7日でラスベガスに行ってきました!新婚旅行で。池袋から成田エクスプレスで空港へ、それから飛行機に乗ること約12時間、途中シアトルで乗り継ぎをしながら砂漠の真ん中に作られた絢爛豪華なるショーとカジノの街ラスベガスへと降り立った二人は、旅の疲れが半分、期待感による興奮が半分といった心持ちで、宿泊先のホテル「サンレモ」へと無事、軽い時差ボケと共にチェックインをしたのでした(黄金餅調で)。「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国だった」という川端康成の「細雪」風に言うならば「入管のゲートを抜けるとそこはもうカジノだった」というような按配(あんばい)で、空港のロビーにずらりとスロットマシーンが並んでいる光景には驚かされました。「ラスベガスはクレイジーな街だろ?」タクシー運ちゃんのこの言葉に思わず「ベリーエキサイティング!」と応えたのは我ながらちょっといい感じだったように思います。何しろ半袖シャツからむき出した両腕とスキンヘッドの頭に、色鮮やかなTATOOを施したタクシードライバーなど生まれて初めてお目にかかりましたから。極限までにド派手にデコレイトされた街並みのすぐ隣に荒々しい大自然の象徴のようなグランドキャニオンがあるというのがまたすごい、まるで地獄極楽絵図のようです。たくさんのショーを見ました。順番に言うと「ショーガールズオブマジック」「リックトーマス」「ラ・ファム」「ミスティア」「シーグフリード&ロイ」「フォーリーズバジェー」です。どれも見応え十分の素晴らしいものばかりでしたが、特に印象深かったのがシルクドソレイユの「ミスティア」、これでもかというほどに華美な演出の「シーグフリード&ロイ」、目の前を歩くホワイトタイガーに興奮した「リックトーマス」、ジャグラーのウォーリィイーストウッドが最高におかしい「フォーリーズバジェー」です。他にも無料の楽しいショーをいくつも見てきました。本格的な海外旅行が初めての自分には、ショーのチケットを取るという行為すら楽しく、SUBWAYでサンドイッチを買うことさえも刺激的なイベントでした。フリーモントストリートを着物で歩いたのもいい思い出です。「またいつかこの街に来るかもしれない」空港のカジノのビデオポーカーで、ストレートフラッシュを出した瞬間にそう思いました。 (2月24日)




『新春大喜利スペシャル』 カウント2.9(第三十九回)


 新年明けましておめでとうございます。もち肌の色男三遊亭遊史郎です。2003年最初のカウント2.9は大喜利でスタートいたします。お題はおなじみのとんち相撲です。それではいってみましょう!

◎剛竜馬にはおばあさん、盗ったりで剛の勝ち。 (おいおい、勝っちゃいけないだろう、一枚取んなさい)

◎剛竜馬にはおばあさん、つき出されて剛の負け。 (本名は八木宏、一枚やっとくれ)

◎PRIDEの森下社長にはDEEPの佐伯代表、ネックハンギングで森下の負け。(気の毒なことを言うんじゃないよ、お正月なんだから、一枚取んなさい)

◎W−1にはガファリのコンタクト、両者ずれてて痛み分け。 (まあ長い目で見ていきましょう、座蒲団一枚)

◎アントニオ猪木には債権者、踏み倒して猪木の勝ち。 (不滅の闘魂、一枚やっとくれ)

◎蝶野正洋にはジョーニー・ローラー、もろ出しでジョーニーの勝ち。 (女は強し、婚約祝いで一枚やっとくれ)

◎棚橋には別れた女、上手く刺して元カノの勝ち。 (人生山あり谷あり、復帰祝いで一枚やって)

◎鈴木健想には女性ファン、首投げで健想の勝ち。(WJの道場でも得意の首投げがでるのか、一枚やって)

◎ケロちゃんの店にはキラーカンの店、ケロちゃんの店ぜんしょう。(マッチ一本火事のもと、ネタがマニアックだけど面白いよ、一枚やって)

 といったところで新春大喜利スペシャル、今回はこの辺で。本年もどうぞ良い年でありますように。イッツトゥルー!
イッツトゥルー! (2003年1月28日)