年末 カウント2.9(第二十九回) |
何かと慌ただしい年の暮れ、皆様いかがお過ごしでしょうか。先月の独演会「遊史郎の会」には、超満員の300名のお客様に御来場頂きまして誠にありがとうございます。2001年を最高の形で締めくくることができて嬉しい限りです。会の前日電車に置き忘れた黒紋付も二日後に発見されました。ラッキーでした。ラッキーついでに12月16日にはテレビ東京深夜0時35分より放送の『麻布コネクション』という番組に出演が決まりました。1月13日に六本木のクラブ・イエローで、果たして独演会が開けるか否か?皆様の応援が頼りなのです。どうぞチケットをご購入頂けますよう、心よりお願い申し上げます。(詳しくは03−5966−2069 遊史郎までお問い合わせ下さい)
ここで近況をだらだらと。11月は歌舞伎座とディズニーシーに行きました。映画は遅ればせながら『シックスセンス』を。ラストのどんでん返しには超びっくり!落語の粗忽(そこつ)長屋を思い出しました。漫画は『狂四郎2030』と『ラストマン』と『バトル・ロワイヤル』がお気に入りです。プロレスはもちろんテレビ東京のライブワイヤーでしょう。マクマホン一家は面白過ぎます。WWFのソープオペラは過激でパワフルで猥雑で可笑(おか)しくって、まるで江戸時代の歌舞伎のようです。映画『ビヨンド・ザ・マット』をぼくは渋谷のレイトショーで二回見ましたが、馬場さん亡き後猪木のライバルは間違い無くビンスです。一方日本で面白いのは闘龍門、客席にいつもいらっしゃる闘龍門顧問の三遊亭楽太郎師匠をあなたも探してみませんか。今月はみちのくの後楽園大会もあるので楽しみだなあ。金メダリストのカート・アングルがアメプロであんなに活躍しているのに、小川直也の試合がなかなか見られない日本のプロレス業界は随分と未熟です。オーディエンスには常に最高のものを提供するのが真のエンターテイメントでしょう。お客様には最高のものを、ぼくは自分の落語会の時にはいつもそう考えています。それではまた寄席でお目にかかりましょう、どうぞお元気で、ごきげんよう。
(2001年12月2日)
それゆけアンパンマン カウント2.9(第二十八回)
神様なんて本当はいないんだ。
人を殺す人の信じている神様なんか、
ぼくは絶対に信じない。
空を飛ぶアンパンマンのようにやさしくて強い、
きみをまもるヒーローがぼくだ。
日曜日には自由ヶ丘のアンパンマンストアーへ行こう。
みんなで体操をして二人の写真のシールを作ろう。
髪飾りのおみやげを買ったら、駅前のシナボンで甘すぎるシナモン
ロールとコーヒーを注文するんだ。
そうそう家に帰ったら笑点を見なくっちゃ。
それからロマンチックな映画を見よう。
先週録画したライブワイヤーもおもしろいよ。
なんだかとってもいい気分だね。
きっと神様は心のなかにいるんだ。 (2001年11月3日)
イマジン カウント2.9(第二十七回) |
いたましい同時多発テロによって大勢の人が亡くなった。アメリカは報復に躍起になっているようで、日本の首相は自衛隊の海外派遣を推し進めていくのではと懸念されている。アメリカの反撃はいついかなる形でなされるのか?という報道をしばしば目にするにつれ、ふと思い出したのが先月歌舞伎座で観た芝居『野田版・研辰の討たれ』(とぎたつのうたれ)だ。中村勘九郎演じる守山辰次はどこまでも軟弱で情け無い男として描かれている。美談とされる赤穂浪士の討ち入りにすら、仇討ちのために一生を棒に振るなどまっぴらだと言い放ち、周りの者は彼を意気地の無い駄目な奴だとひたすら馬鹿にする。そんな「男らしくない男」辰次の生き方を見て、ぼくはある種の心地良さを感じた。殺し合いで命を落とすのは嫌だという彼の力強い主張に共感できるからだ。戦地で敵とやり合うよりも、ベンチで彼女と抱き合いたい。ディズニーシーにもまた行きたい。日曜日は笑点を見て笑いたい。じいさんになっても落語をしゃべっていたい。ジョン・レノンの名曲『イマジン』がアメリカで放送を自粛されたというニュースを聞いて、ぼくはとても悲しくなってしまった。
*
何が起こるか分からないこの時代、せめて自分の仕事ぐらいは一生懸命やりたいもの、三遊亭遊史郎の今年最後の独演会が決定いたしました。来る11月19日の午後6時30分より、場所はデビュー10周年を記念して、池袋の東京芸術劇場小ホール2でございます。ネタは『お見立て』と他二席、あと踊りも踊ってみようかと思っています。ゲストは爆笑漫談のローカル岡先生、大神楽(だいかぐら)曲芸の鏡味正二郎さん、青学落研の後輩春風亭柳如さん、前座が春風亭鯉奴さんです。ご来場のお客様に幸せが訪れること間違いなし!だまされたと思ってぜひ一度観に来てください。まあだまされるのも勉強ですから・・・。いや本当に面白いんですよ、実際の話。とにかくその目でご確認くださいませ。予約・前売りが1,800円、 当日が2,000円です。ご予約の電話番号は 03−5966−2069です。たくさんのお電話ををお待ちしております。(2001年9月28日)
『ソング・フォー・ビッグ・フォー』 (Song for Big Four) カウント2.9(第二十六回)
(与作のメロディーで)
大仁田吠えるよ、ファイアーじゃ、ファイアーじゃ
国会議員だよ、ファイアーじゃ、ファイアーじゃ
女房がいたんだよ、オイオイオイ、オイオイオイ
愛人怒ってる、オイオイオイ、オイオイオイ
厚、厚、もう遅刻する
厚、厚、始業のベルが鳴る
明大のぉー、明大のぉー
佐山が選挙出る、掣圏道、掣圏道
タイガーマスクだよ、掣圏道、掣圏道
闘い大好きで、ロシアンフック、ロシアンフック
ケーキが大好きだ、ロシアンダンス、ロシアンダンス
聡(さとる)、聡、選挙に落ちたけど
聡、聡、体重落ちゃしない
豊満よぉー、豊満よぉー
前田は怒るよ、おい東スポ、おい東スポ
フィルムを抜き取る、おい東スポ、おい東スポ
巨乳が大好きで、ツンツンツン、ツンツンツン
刀の手入れする、ポンポンポン、ポンポンポン
日明(あきら)、日明、選手が抜けていく
日明、日明、放映料が減っていく
WOWOWのぉー、WOWOWのぉー
猪木はびんたする、1・2・3・ダー、1・2・3・ダー
ブラジル育ちだよ、元気ですかー、元気ですかー
だじゃれが大好きで、アントントン、アントントン
詩集もあるんだよ、豆腐パン、豆腐パン
アントン、アントン、もうじき還暦だ
アントン、アントン、あの世で馬場が呼ぶ
寛(かん)ちゃんよぉー、寛ちゃんよぉー
(2001年9月5日 遊史郎の会へ多数のご来場頂きありがとうございます)
「耳よりなお知らせです!!」 カウント2.9(第二十五回) |
あつーい日が毎日続いておりますが、お元気でしょうか。構造改革の進むマット界には、今月もいい感じにさわやかな風が吹いているようです。新日本プロレスの札幌ドーム大会はとっても良かったですよ、辻さんと乙葉ちゃん以外は。寄席のプログラムが古典落語と新作落語のバランスの良い配置によって盛り上がっていくように、プロレスの興業も、勝敗に重きを置いた格闘競技的な試合と、観客の喜怒哀楽を刺激することに重きを置いた演劇的な試合との、程良いバランスによる相乗効果によって、よりいっそう豪華で贅沢な空間を作り上げることができるのではないでしょうか。あらゆる格闘家と全てのプロレスラーが集結する絢爛豪華なリング、新日本プロレスにはぜひそれを目指してもらいたいものです。そして寄席演芸の世界にも、今後ボーダーレスな興業がだんだんと増えていくことでしょう。
変革の時代を巧みに生き抜く三遊亭遊史郎からのお知らせです。9月2日、なかの芸能小劇場に於いて独演会「遊史郎の会」を開催いたします。演目は『怪談牡丹灯籠〜お札はがし』と古典落語もう一席、あと三味線による俗曲の弾き唄いをやります。『牡丹灯籠』と言えば三遊亭円朝の作による怪談噺の傑作として知られていますが、実は切ない恋の物語でもあるのです。『ゴースト〜ニューヨークの幻』の大江戸篇だと思って、ぜひ観にいらしてください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
続いてお知らせです。8月の1,4,8,10日は浅草演芸ホールの昼12時に、8月11日〜20日のうちの5日間は池袋演芸場の夕方5時に出演しています。HPをご覧の皆様にはチケットプレゼントがございます。9月2日の「遊史郎の会」または池袋演芸場のご招待券を抽選で10名様にプレゼントさせていただいきます。住所、氏名、年齢、希望のチケット名を書いて、はがきまたはメールでお申し込みください。宛先は
〒173-0027
東京都板橋区南町19-10-103 オフィスゆうしろう です。メールアドレスは yusirou-3ut@docomo.ne.jp です。
たくさんのご応募をお待ちしております。それではお元気で、またお会いしましょう。 (2001年7月26日)
「晴れ時々ミスターバイアグラ」 カウント2.9(第二十四回)
更新が遅れちゃいましてごめんなさい。梅雨に入りうっとおしい天気が続く今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。マグナムTOKYO は相変わらずこの時期の空模様のように曇りがちな湿った心持ちのままなんでしょうか。CIMAとの試合は大切な試合だから簡単にはやりたくないだなんて、はなはだしい勘違いですよ!常に最高のものを提供するのが正しいエンターテイメントなのに。何度やってもその度に新鮮で色あせないのが本当の黄金カードでしょう。初代タイガーマスク対ダイナマイトキッド、ブラックタイガー、小林邦昭など、何度でも観客は熱狂したじゃないですか。挙げ句の果てには負けたら引退するだなんて、自分で自分を苦しめていく様は、まるで亡くなった桂三木助師匠みたいじゃありませんか。如何(いか)なる時でも自分自身(=マグナムTOKYO)であり続けるのがあなたの仕事でしょう!勝った負けたにこだわるんなら空手の大会にでも出てればいいんですよ。
煮え切らないマグナムとは対照的に、己を貫き通す藤田選手と高山選手の激突は素晴らしかったです。壮絶な潰し合いをしながらも、1R終了のゴングと同時に両者が共に見せた相手への尊敬の気持ち。あの場面にプロレスと格闘技の輝かしい未来が集約されていました。そしてもう一人賞賛の拍手を送りたいのが武藤選手です。川田戦に続いて天龍選手との三冠戦も最高の試合でした。IWGPは最強の格闘家が、三冠のベルトは最高のプロレスラーが本来巻くべきであり、二人のチャンピオンは実にベルトが似合っています。長州さんがフェイドアウトしてから、マット界にとてもさわやかな風が吹き始めたのは果たして偶然なのでしょうか?
さて、イチローやシンジョー、TAKAみちのくやTAJIRIに負けじとメジャーブレイクを目論(もくろ)む遊史郎は今日も変わらず自然体です。今月は相模原のラブホで恋のハッピーデートだったんだよーん。あと三宅島の被災者の方々を落語で元気づけたりもしちゃいました。C-MAXのSUWA選手とはメールの交換をしています。(自慢)小遊三独演会で角力甚句(すもうじんく)とから傘の弾き唄いをしました。漫画版バトル・ロワイアルを読んで涙が溢れました。プロポリスを飲んでいます。それでは来月までごきげんよう。 (6月27日)
「闘魂伝承」 カウント2.9(第二十三回) |
「さよなら」
どうぞゆっくり休んでください / 目も眩むほどのスポットライトは
もはやあなたを照らすことはなく /出発のその場所をよく見れば
荒れ果てた無人の終着駅 / 向かいのホームでぼくらは
はなむけの笑顔を浮かべる / いつかまた会わぬようにと
神様にお祈りしながら / そしてさびれた無人の駅では
発車のベルは決して鳴らない
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闘魂詩人のゆうしろうです。アントンに負けじと詩を作ってみました。時々新宿の構内で自分の詩集を売っている人がいますが、そんなストリートポエマーのようなメランコリックな気分になることだってたまにはあるんですよ。まあこの話はこれ位にしときましょう。
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先月の遊史郎の会『屋根裏の散歩者』は、おかげさまで前回同様満員となり、ご来場の皆様には改めて厚く御礼を申し上げます。次回遊史郎の会は11月19日、池袋芸術劇場小ホールにて開催いたします。キャパシティ三百席に再び挑みます。どうぞ応援をよろしくお願いいたします。川田武藤戦のように観る者の胸を打つ、そんな落語会にしてみたいです。
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今月27日はPRIDE で藤田対高山という夢の対決が観られます。ジャンルの枠組みを踏み越えて行き来する勇気と才能を持つ男、それが藤田和之、高山善廣、小川直也です。規格外の存在感を持つ彼らこそが、新しい世紀のヒーローとなることでしょう。さて、私三遊亭遊史郎はアントンイズムの正統なる後継者として、本日ここに高らかに宣言いたします。いつ何時、誰からの代演も受ける!と。落語しゃべってりゃあハッピーだもん。お客様の笑顔が私のエネルギーなんですよ。だから皆様、どうぞ演芸場に足をお運びください。来てくれなかったらぶつよ!(玉川スミジョーク) (2001年5月13日)
「長州 力」 カウント2.9(第二十二回) |
『春眠暁を覚えず』 今日も元気にだらだらしている遊史郎です。やっぱだらだらですよ、だらだら。その方が身体にもいいし。あくせくする奴ぁごくろうさん、とは言いながらやるこたぁちゃんとやってます。今月23日は独演会だし(絶対きてね)、29日は国立小劇場の邦楽の会で三味線を弾いてるし、週2回踊りの稽古に通い始めちゃいましたし、楽しくデートもしちゃってますから。それでも、心は、だらだら。あるいは自然体と言った方が聞こえがいいですかね。気取って言やあ等身大の自分?みたいな、無為自然 by 老子?みたいな感じっすよ、ぶっちゃけた話が。なんか馬鹿っぽい文章で申し訳ない。ただ思うことは、アントンのホームレス姿は無茶苦茶かっこよかった!ということなんです。あと藤田選手の戴冠は本当に素晴らしい!それから長州力は川田選手にもっとぼこぼこと顔を蹴っ飛ばされて欲しかった!だって長州さんって「緊張」ばっかりで「脱力」が無いから嫌なんですよ。ぴりぴり沢山のだらだら無しでしょ、人を威圧するのが大好きだし。
『笑いとは緊張の緩和である』とは今は亡き桂枝雀師匠の言葉ですが、落ちが無いし笑えないんですよ、長州さんは。コピーライトのセンスはとっても有るんですがね。体育会系は卒業しなよって言いたくなっちゃいますよ、大きなお世話ですけれどもね。だらだらしようぜ、もうちょいとさ。
さて、だらだらと信念を貫く、ドブネズミみたいに美しい噺家、三遊亭遊史郎の独演会『屋根裏の散歩者』は、4月23日上野広小路亭にて午後7時開演です。学校や会社や家庭に馴染みたいんだけれど、なんだかちょっぴり疲れてしまうというあなた、花粉症の後は五月病が待っているというちょっぴりブルーな気分のあなた、「ラクゴテラピー」による安らぎのひとときでリフレッシュしてみてはいかがでしょう?皆様のご来場をお待ちしておりまぁ〜す(バスガール調で)。
(2001年4月14日)
「ディック東郷」 カウント2.9(第二十一回) |
ここは大人にならなくていい国、ネバーランドの北のはずれにあるみちのく村です。冬場は雪に閉ざされたこの村にも、ちょっぴり遅めの春がやってきたようです。誰もが待ち望むみちのく村の春、そんな春の訪れとともに、村一番のあばれんぼうだったとーごーがおおさか村からひょっこりと帰って来ました。
やあ、とーごーくん、おかえりなさい。この村もさいきんはかそかがすすんでしまって、村長も頭をかかえているんだよ。だけどほら、村長はいじっぱりだろ、だからみんなのまえでは「何しに帰って来た」なんて言っているけど、本当はとっても喜んでいるんだよ。たか坊もきみにあいたがってるよ。今じゃあかいえんたいどーじょーのお師匠さんなんだ。ああ、そうだったね、かいえんたいはきみが作ったんだよね。あの悪ガキの教え子がどんな子だか、早くあってみたいなあ。カニのなにわは女王様のすむお城へいったよ。だっぴして帰りますなんて言ってたけど、今ごろあわをふいているんじゃないかな。うん、ぼくもおどろいたな、ういりーのおじさんはおまわりさんにこってりしぼられてたよ。台車でくすりをはこんじゃったんだ。よねがいなくなってさびしかったのかな。もう二度としませんって反省してたからゆるしてあげたんだ。しんざきのお上人もがんこ親父のはまだも美しい野生のとらも、みいんな元気さ。もちろん村長はあいかわらずあの調子さ。忍者さすけのふくめんをかぶって、今日もびゅんびゅん空を飛びまわっているよ。おちょうしものでいじっぱりでたのしいことが大好きなぼくらの村長は、誰よりも速く空を飛べるんだ。ぼくはしってるよ、ぼくたちのすんでいるこの世界、ネバーランドの王様は、北のはずれのみちのく村の村長、ざ・ぐれーと・さすけなんだって。きみもそう思うだろ、とーごーくん。ねえ、ゆっくりしていきなよ、ここはきみのふるさとなんだから。 (2001年3月15日)
「ショーシャンクの空に」 カウント2.9(第二十回)
クレイジィィィィー、ファンッキン(x3)!! 2001年暮れでデビュー10周年となる三遊亭遊史郎です。プロレスラーは受け身を取って10年だとグレートサスケが言ってましたが、思えば私の噺家人生もハードな受け身の連続でありました。ノアの社長三沢光晴も新弟子時代はグレート小鹿にガスコンロで殴られていたそうですが、修行時代の苦しみを乗り越えてこそ、人は逞しく成長することができるのでしょう。私と同じ日に楽屋入りした同期の噺家が、春風亭鯉之助さんと桂歌男さんでした。いずれは三人で会をやろうなんて語り合っていたのですが、半年後には私一人になっていました。映画『ショーシャンクの空に』を見ると前座時代の自分を思い出します。面白いですよ、スティーブン・キング原作の監獄を描いた作品です。この映画のラストシーンは私が二ツ目に昇進したときの気持ちそのものです。そして10年、おかげさまで今では芸人として充実した毎日を送っています。闘うサーファー堀口元気のように、人生の荒波を巧みに乗り越えていきますよ。今年もやるぜ!
さて、スモウ・ダンディ・フジ・二千改めビック・フジの如く、新世紀に躍進を誓う三遊亭遊史郎の2001年最初の独演会が決まりました。4月23日上野広小路亭にて午後7時開演、タイトルは遊史郎の会「屋根裏の散歩者」です。『つるつる』と『不動坊』の二席をやります。これは見ないと損しますよ!(僕がね)。恋愛をしている時の、なんとも言えない胸のときめきや高揚感を描いてみたいです。ジョン&ヨーコの映像のような、そんなハートウォーミングな会になれば良いなぁ。ゲストは紙切りの林家今丸師匠です。どうぞお誘い合わせの上、ご来場下さい。それではここで会の成功を祈って雄叫びを、皆さんも一緒にご唱和下さい、
ウノ!ドス!トレス!スィィィー!!
(2001年2月9日)
「さよならケンちゃん食堂」 カウント2.9(第十九回)
A Happy New Year. 新年明けましておめでとうございます。顔のきれいな遊史郎です。(初パクリ小遊三ギャグ)。今年も残すところあと三百五十日余りとなりました(返す刀で歌丸ギャグ)。正月早々亡くなった三木助師匠、『死ぬなら今』って思ったんでしょうか。あの世のケンちゃん食堂で言われてますよ、「他に行くとこなかったんですかぁ?」って。読ませたかったですよ、あいだみつをの教訓を。でも今さら言っても仕方が無いことですね。合掌。
江川達也の『東京大学物語』の最終回はグッドでした。夢オチってやつ。この世は夢であるっていうね。暮れの番組でサイババの物質化のトリックを暴くなんてのやってたけど、あんなもなぁハナっからマジックだって分かってんですよ。ただそれをどうとらえるかによって、逆にその人が試されるんです。サイババなる人物が何をしようとしているのか、人々がそこに何を見ようとしているのか、そこに真実があるのではないでしょうか。表面上のウソやホントよりも大切な本当のことを見出しましょうよ。表現や芸術、落語や演劇やプロレスを楽しむというのはそういうことだと思うんです。上手にだまされる心地よさってあるじゃないですか、見世物小屋の六尺の大イタチとか頼朝公のご幼少の頃のシャレコウベとか。そういうのっておもしろいなあと思うか、ウソじゃん、終わりにするか。ぼくはこれからも色んなものをおもしろがって、ヘラヘラ笑いながら生きていきますよ、盛夫(注)さんの分までたっぷりと。『くだらなくたっていいじゃない、噺家だもの』ゆうしろう
(2001年1月12日、闘龍門の後楽園で会おう!) (注)逝去された三木助師匠の本名