I teie nei e mea rahi no'ano'a

文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

もしも皇室がなかったら……

PJニュース;篠沢さん、だから「皇室」はもう必要ないと思います。
 あまりに左翼的というか庶民的というか、短絡的な記事ですが、割とネット上では目にする意見なのでなので、一応ツッコミを入れておきます。
 私は右翼なんて嫌いですし『国家』さえなければ『皇室』はなくてもいいと思っています。全世界、完全ボーダーレスの世界なら、存在する意味がありませんから。
 しかし現に国境があり、お隣りでは核実験や拉致が行われています。のみならず、国内でも経済格差が広がって階層意識がボーダーレスどころか、壁はますます厚くなるばかり。
 こういうときこそ、象徴がモノを言うのです。

 何しろ、昭和天皇の“人柄”一つでGHQの判断を動かしたくらいです。もし天皇がいなかったら、現在の日本があったかどうか。
 イラクやベトナムのようなことになっていた可能性も否めません。

 皇室がなくなった場合の最大の問題点はここ。


  • 皇室外交がなくなる→外交は全て政府・外務省任せ

 遠くの島国から王様やプリンセス(正確には違いますが、相手国の印象ではこの通り)がやってくるわけですよ。それだけでも強い印象があります。
 外交上の雰囲気が柔らかくなるんですね。
 しかし、お○○でむさ苦しい外務省やお○○○な首相、果ては無○なプロレスラー出身議員が内紛の疵痕残る地へ赴いて「ファイアー!」と叫ぶなど、言語道断なことしか起こらなくなります。(笑)
 外務省も、首相も、プロレス議員も、揃って作法というものには疎いです。頭で知っていても、日頃からそうした生活をしていないので、いざというときに身体が反応しません。
 知っての通り、日本には『大統領』がいません。日本の元首は『首相』ですが、他国の大統領の前では必ず『格下』です。
 たとえば、必ず日本の元首は、韓国の元首よりも『格下』なのです。
 共産主義の世界では“地位”がありません(現実にはあるのですが)ので、書記長が元首に相当します。

 しかし、天皇ともなればたとい相手が『大統領』といえども、無礼な振る舞いは許されません。変なダジャレを言ってはしゃいだり、ですね。
 天皇というのは、あくまで政治機関よりも上に存在する人物なので、『格上』扱いなのです。

 これだけでも、外交への影響力がまるで違いますね。

 もし天皇制を廃して、格下外交だけになってしまうとなると、かなり不安があります。その点、皇室の人達は安心です。その道のプロフェッショナル(一部ど素人様がおわしますが)ですから。間違っても「ファイアー!」なんて叫びません。
 公務といえば、他に式典がありますが、出席するだけでもハクがつく存在といえば、皇室より他にはないような。

 要するに公務ってのは一見無意味なようで、日本の縁の下を支えているわけです。
 もちろん皇室制度がなくなっても国家運営は可能ですが、かなりの損失は覚悟しなければなりません。

 そして、その権威を守るためには男系(男性ではない。女性でも天皇にはなれる)の維持が絶対です。男系が維持できないなら、皇室制度はやめてしまった方がいい。


言いたい事が何も言えない、何も出来ない、人形のような存在

 それって仕事中の人は誰でも同じ。
 公人はプライベートも仕事中。アメリカ大統領だってプライベートで変なことをいえば、大変なことになります。
 哲学の世界になりますが、大部分な人が漠然と感じている、“自由”というものは、未だ存在が証明されていません。
 自分の意思で何かを決定していると思っても、それが自分自身の“自由意思”から発せられたものだと証明することは不可能です。

 もちろん、皇室は世襲という“生まれ”で全てが決定し、生涯仕事をさせられているわけで、その点では不憫ですし、適性のない人が現れたときには悲惨ですが。

Posted at 2006/11/05(Sun) 12:48:51

政治・宗教・世界 | コメント(0) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

この記事へのトラックバック

「もしも皇室がなかったら……」へのトラックバックのRSS