I teie nei e mea rahi no'ano'a

文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

意地でもチベットを離さない中共の政策

cnn.co.jp;中国、チベットへの鉄道を延伸へ

----(追加情報)----
ダライ・ラマ法王日本代表部;初のチベット行き鉄道が開通
------------------

 中国共産党のやり口は、とにかく民族のシンボル的存在や尊厳を徹底的に叩くか、あるいは掌握してしまうこと。かつての毛沢東はダライ・ラマを掌握することでチベットを完全にモノにしてしまおうと計画したが、ダライ・ラマの亡命が成功し、それを知った毛沢東は『だったら我々の負けだ』と漏らしたそうな。
 ダライ・ラマの決死の亡命という行為が無ければ、モンゴルなど他民族のようにチベット問題は完全にかき消されていた。しかしダライ・ラマがインドへ無事逃げおおせ、亡命を受け容れるという、時のネール首相の英断のお蔭で、チベット亡命政府が誕生し、中共による蹂躙の記憶は今でも忘れられないままにされている。
 日本だって侵略戦争をしたではないか、と反論する人がある(不思議なことに日本人も)。しかし、日本は中国や韓国などに謝罪と戦後補償を延々と繰り返しているが、中共はチベットに対し一切の補償をしていないどころか、国もチベット民族の主権も何も認めていないので、決して同列に置き換えられる問題でないことにご注意戴きたい。今なお、侵略と蹂躙は続いているのである。

 その、力業で手に入れたチベットを中国共産党は意地でも離さない構えの模様。
 今度はシンボルと言える市へ鉄道を敷いて、チベット色を一掃、完全に漢化してしまおうという意図が見え見えである。この鉄道の益を得るのは漢民族及び、中国共産党にくみする者のみであり、チベット民族は決して恩恵を受けないことにもご注意戴きたい。
 チベット民族と漢民族は階級の違いが暗黙的かつ明確に分けられ、チベット族は常に最下層に置かれ、言葉は悪いが奴隷階級のようなもの。
 アフリカで、白人を豊かにするための開発が黒人に何一つもたらさなかったこと、アメリカの開発によってネイティブアメリカンが蒙ったことを考えればよく解る。
 チベット民族は中共の支配によって、簒奪こそあれ、何一つもたらされていないのである。

 さて、チベットは農業においては不毛な土地だが、鉱物資源や発電も含んだ水資源の他、何よりも核実験場・核廃棄場という大きな役割を担っている。
 これは別に予言ではなく、誰もが想像し、そして決してそうあってならないことだと思うが、もし中共がチベットを返還する際には、大量の核廃棄物がおみやげとして残されることだろう。場合によっては、人も住めないような汚染された土地として返されるかもしれない。
 そうならないように、国際社会は常に中国に対し強い姿勢で働きかけなくてはならない。中国が破竹の経済成長により、アメリカを凌駕するほどの国力と軍事力を増強してからでは、全てが遅い。誰も中国に逆らうことの出来ない状況だけは、生み出してはならない(だからこそ、私はアメリカの軍事政策は嫌いではあるが、アメリカの軍事力増強についてはある程度支持する)

 かつて、ソ連があそこまであっさりと崩壊することを、誰が予測したであろうか。腐敗しきったソ連は、自己を治癒するために、自己崩壊以外の選択が無かったのである(最近再び共産主義への逆行が見えてきているようだが)
 とにかく、ソ連の崩壊は『共産主義国家は自己の腐敗によって、いつか必ず崩壊する』という一つの公式を世界に与えた。中国がどれほど共産主義の体裁を守ったまま“経済だけ”の民主化を進めようとしたところで、○○○○○○である。
 だったらせめて、醜く散るようなことのないように祈る。

参考:
超入門 チベット問題

Posted at 2006/08/12(Sat) 10:31:49

政治・宗教・世界 | コメント(0) | トラックバック(0) | この記事のURL

この記事のトラックバックURL ->

↑ページの先頭へ

この記事へのトラックバック

「意地でもチベットを離さない中共の政策」へのトラックバックのRSS