I teie nei e mea rahi no'ano'a

文学・芸術など創作方面を中心に、国内外の歴史・時事問題も含めた文化評論weblog

中期までのムンクの作品なら燃やしたい気持ちもわかる

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200512200016.html

 CNNjpの翻訳が『ムンク博物館』となっているが、これは“ムンク美術館”の間違い。まぁ、どちらもmuseumなので誤訳するのも仕方がないのかもしれないが……。しかしオスローのムンク美術館はムンクの生涯の資料が豊富にあり、人によっては作品よりもむしろそちらの方が愉しめるかもしれない。
 私はムンクではpuberty(思春期)や、“死と少女”をモチーフとした連作群が特に好きだ。ムンクの暗いイメージは、がっしりした像よりも脆く果敢ない像の方がずっとしっくり来るように思う。残念ながら(?)私は辛気くさい人間なので、どうしても“脆さ”を愛してしまう。
 それでも「叫び」ほどに強烈なものになると、さすがに長時間は見ていられない。シャレで使うのはとても好きなのだが、本物のパワーはちょっと辛いものがある。
 もし狂人がこれらの絵を眼にしたら、悪魔的な魅力さえ持つ「叫び」や「マドンナ」を燃やしたり、ナイフで斬りつけたりしようと決心するかもしれない。そしてそれが何んらかの組織のボスだったりしたら……。
 
 ただ、「叫び」や「マドンナ」という作品は何枚も描かれており、1枚ずつ葬り去っただけでは世の中からは消えないし、むしろ報道で採り上げられることによりデジタル画像が世の中に溢れてしまうので、やはり作品の消失が目的ではなさそうである。

Posted at 2005/12/20(Tue) 21:39:16

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