かつてTETSU100%のCDは全部で四枚市場に出回っていたが、現在は全て廃盤。伝説のバンドとまで言われているようだが、かなり微妙な意味も混じっていると思われる。(笑)
1st てつ100%
2nd あと3cm
3rd JACK-IN-THE-BOX
4th 素直
Yahoo! オークション("TETSU100%"で検索しても引っ掛からないので注意)
1st てつ100%
1987年発売
1.泪のグラタン
作詞:杉原徹 作曲:菅野よう子
2.キング・コンブ
作詞・作曲:杉原徹
3.TOBACCO
作詞:杉原徹 作曲:金子利明
4.やきもちの焼きかた
作詞:杉原徹 作曲:菅野よう子
5.アメリカ
作詞・作曲:杉原徹
6.はじめての外泊
作詞:杉原徹 作曲:菅野よう子
7.ウォッカ一杯の話
作詞・作曲:杉原徹
8.エレベーターにのって
作詞:杉原徹 作曲:てつ100%
9.素敵なセッティング〜ふたりでリハビリ〜
作詞:杉原徹 作曲:菅野よう子
10.ガラス細工のつがい
作詞:杉原徹 作曲:金子利明
11.Benicoに
作詞・作曲:杉原徹
歌詞カードに挿絵が入っているが、菅野さんの手描きかもしれない。以前公式サイトで公開されていたイラストと絵柄が似ているので。
楽曲はどれも凝っていてなかなか面白い。メンバーも個性的。しかし、歌詞がギャグでなければならなかったのか……。
「泪のグラタン」
ぱっと聴くと菅野よう子だとは解らないが、オブリガードの癖はこの頃から特徴的。リフの印象も独特のもので『あ、菅野さんかな』と思う。
「やきもちの焼き方」
こういう曲の書いたのは、確実に『COWBOY BEBOP』に活かされているはず。
「はじめての外泊」
上二曲も含めてだが、既に菅野よう子の色はこの時点で完成していたのか、と感心する。ファンなら、ちょっと聴けば『あ、菅野さんだ』とピンと来ると思う。しかし、歌詞が……つボイノリオか?(笑)
「エレベーターにのって」
歌詞は『エレベーターにのって』だけ。メロディも一つ。こういうのは好きなんだけどね。
2nd あと3cm
1987年発売
1.私の自転車
作詞:杉原徹 作曲:菅野よう子
2.マンガ姫
作詞・作曲:杉原徹
3.いとしの森鴎外
作詞:杉原徹 作曲:金子和昭
4.ランドセルの時間
作詞・作曲:杉原徹
5.赤電話のむこうがわ
作詞:杉原徹 作曲:菅野よう子
6.恋のダイエット―食べてやせる―
作詞:杉原徹 作曲:菅野よう子
7.コレデモカ'88
作詞・作曲:杉原徹
8.避難訓練
作詞:杉原徹 作曲:菅野よう子
9.電車がなくなる日
作詞:杉原徹 作曲:金子和昭
10.あと3cm
作詞:杉原徹 作曲:菅野よう子
「あと3cm」
名曲。TETSUのボーカルもばっちりハマッてるし、楽曲も聴きやすくていい。
他の曲は……歌詞がギャグ。(涙) 楽曲そのものは悪くないのだけれど。歌モノはこれだからこそ難しいのだけれど。
やっていいギャグ、悪いギャグがある。「いとしの森鴎外」はまあ許せるギャグなのだが、「マンガ姫」で千人はファンをしくじった可能性が。『あたしの彼はマンガなの』と言われて引かない人はいない。(笑)
まぁ、暴走するTETSUと愉快な仲間達という感じで、これがTETSU100%かな――という気はするのだが。
「私の自転車」
リフがもう『COWBOY BEBOP』の曲にしか聞こえない。――で、なぜ自転車なのか。(笑) TETSUが自転車への偏愛を見事に歌い上げてくれる。
「恋のダイエット―食べてやせる―」
これはサビになるまで菅野よう子作曲とは判らない。こんな曲も書いていたのかー、と。しかしサビの部分はしっかり菅野よう子している。
時期が近いだけあって、前作「てつ100%」と雰囲気は近いが、こちらの方が圧倒的にバントとしての進化を感じさせる。楽曲のクォリティは確実に上がっている。
3rd JACK-IN-THE-BOX
1988年発売
1.君がたりない
作曲:菅野よう子 作詩:杉原徹 編曲:TETSU100%、中村哲
2.恋のやまいだれ
作曲:梶尾秀樹 作詩:杉原徹 編曲:TETSU100%、中村哲
3.ジェリー・ビーンズ
作曲:三田寿一 作詩:サエキけんぞう、杉原徹 編曲:中村哲、TETSU100%
4.JA・まぁいいか!
作曲:岩田雅之 作詩:サエキけんぞう、杉原徹 編曲:中村哲、TETSU100%
5.素顔のまま
作曲:梶尾秀樹 作詩:サエキけんぞう、杉原徹 編曲:中村哲、TETSU100%
6.HANDS DOWN―恋のテレポート―
作曲:Dan Hartman 作詩:サエキけんぞう、杉原徹 編曲:中村哲、TETSU100%
7.…かもしれない
作曲:菅野ようこ 作詩:サエキけんぞう、杉原徹 編曲:中村哲、TETSU100%
8.グシャグシャ恋(ラブ)ROAD
作曲:上綱克彦 作詩:サエキけんぞう 編曲:中村哲、TETSU100%
9.アディオ―さよならのこと―
作曲:梶尾秀樹 作詩:杉原徹 編曲:TETSU100%、中村哲
10.真夏のサンタクロース
作曲:菅野よう子 作詩:杉原徹 編曲:TETSU100%、中村哲
中村哲プロデュースとサエキけんぞうのお蔭で、クレジットがごちゃごちゃしてしまった。
そのサエキけんぞうの作詞もイマイチだし、このCDにはめぼしい楽曲が無い。徹の歌声とも合っていない。
「…かもしれない」「真夏のサンタクロース」は比較的聴けるのだが……。ジャケットを見る限りは一番マシな風に見える(笑)のだが、なんだか消化不良のアルバムだった。思うに、プロデューサーがてつ100%の魅力を理解していなかったのではないか。これは戴けない。
4th 素直
1989年発売
no. 曲名 作詞・作曲・編曲
1.恋はパズル TETSU100%
2.ハリウッドにいこう TETSU100% ?
3.土曜日のスクリーン TETSU100% ☆
4.君は避暑地 TETSU100%
5.彼女はピーク TETSU100%
6.雨 TETSU100% ☆
7.夏に願いを TETSU100%
8.100万$の誕生日 TETSU100%
9.サーカスのイヴ TETSU100% ☆
10.あいしてる TETSU100% ?
11.2001年 TETSU100% ☆
☆……菅野色強(個人的見解) ?……自信が無いけど菅野さん?
突然歌詞がマトモになる。一体何があったのか。楽曲も猛烈な進化を遂げる。
作曲者表記が全てTETSU100%名義になっているので、菅野よう子特集としてはちょっと困ってしまう。
とりあえず、私が聴いてみて菅野臭い音には☆マークを付けてみた。ただし、部分的フレイズや菅野アレンジにも反応してしまうため、作曲が菅野よう子とは限らないので、悪しからず。しかし「土曜日のスクリーン」と「雨」の大部分を書いたことは確実だろう。慣例では(?)一曲目が菅野作曲のようだが、らしく聞こえないので外しておいた。まぁ、全ての楽曲に、どこか影は見えるのだが。
この「素直」というアルバムは名曲が多く、TETSUのボーカルもばっちりハマッているので、『てつ100%のCDを一枚記念に持っておきたい』という人にはお奨め。
「ハリウッドにいこう」
導入部の『ゴー、ハリウッド、オー、マイディアー』ってきっとどこかで聴いたことがあるかと。
「土曜日のスクリーン」
こんな歌詞;『来週の土曜は、エディマーフィに会いにいこうか? 街の灯あびて めぐり逢えたら ウエスト・サイドでレイトショーでも』
ネタを織り込むなら、最初からこの程度にしておけば良かったのにな。面白いし、格好いい。
「雨」
菅野よう子ピアノサウンドを満喫出来る。とにかくリフが素敵。ピチカートの入りなど、もう気持ち良すぎて、眠くなってしまう。
「サーカスのイヴ」
サビが有名かもしれない;『ランナ サーカス、タパダンシン、ウォカナボール、プリテンダガール、エレファントショー、ミラボル、ライカピエロ、ラブロンフェース』
魔法語ではない。(笑) しかし、ベタベタのジャパニーズ・イングリッシュなので恐らくネイティブには通じない……やはり魔法語か。(笑) サーカスの不思議な感じが伝われば良い――ということだろうか。
「あいしてる」
高音でややハスキー気味に気持ち良く通るのがTETSUボーカルの真骨頂。こういう楽曲をもっと歌えば良かったのに。個性が強すぎて、自分の魅力まで潰すタイプなんではないかと。
「2001年」
導入部のボヨンボヨンとピロピロの絶妙なまでに配置された(俺は何を言っているのだ?)サウンドは、これから先菅野よう子の楽曲で何度か耳に掛かることがある。
とにかく名曲。2001年を迎えた時には結構鳴らされなかっただろうか?
杉原徹のボーカルが米米のカールスモーキー石井を微妙に彷彿とさせる。加えてウケ狙いとしか思えない歌詞がばりばり炸裂している。「キングコンブ」ってなんだよ。(笑) いい曲にどうしようもないような歌詞が乗っていたりする。
中でもマンガ姫はやめた方が良かったなぁ。なんだか、引く。つボイノリオじゃないんだから。
楽曲の方はジャズっぽくて『COWBOY BEBOP』のノリに近い曲が多い。あのノリは菅野よう子の新たな面というよりも、原点だったのかもしれない。
てつ100%で押さえておきたいのは、「あと3cm」「ハリウッドにいこう」「土曜日のスクリーン」「雨」「あいしてる」「2001年」――CMなどで流れた音楽が多い気もするが、他はウケ狙いの音楽、と割り切って考えると気が楽である。
ところで、菅野よう子はバックコーラスもやっているそうな。あ、この声は……Gab……かどうかは判らなかった。(笑) まぁ、本人が隠したいものを無理矢理暴くこともない。
Posted at 2006/04/22(Sat) 18:20:09
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この記事へのコメント
てつ100%にサエキけんぞうが参加した事があったなんて知らなかった…。時期的に「パール兄弟」の活動が忙しかった頃のような気がするので(この頃サエキけんぞうはPSY−Sとかにも歌詞を書いていた)片手間とかネタの枯渇とかという事は無いだろうけど、傍目から見ると非常に組み難い組み合わせのような気がする(苦笑)。
Posted by ス at 2006/04/22(Sat) 23:05:19
個々の要素は決して水準低くないんだろうけど、なんかかみ合ってないんだよねぇ。
てつ100%ってTETSU+ゲストミュージシャンを表すみたいです。毎回豪華ゲストが……。一曲ごとに新たな顔がある――というのが売りかもしれません。そう思うと、消化不良のアルバムの1枚や2枚あって当然だよなぁ、と。
さてさて、ここまで詳しくてつ100%についてレポートしてあるサイトは他に1〜2箇所程度しかないので(笑)、万に一つでも検索で辿り付いた人の何か助けになればいいんだけど。
そうそう、本文に入れ忘れてたけど、杉原徹のサイトはこちら。
http://www.tetsu100.com/
Posted by 紫陽 at 2006/04/23(Sun) 13:32:07
本当は菅野よう子作品初期ベストとして、個人的な選曲をまとめたかったのですが、
『中国〜12億人の改革解放』
――がどうしても手に入らなかったので保留にします。初期の菅野よう子を語る上で外せない一枚ですので。
時価三万円、支払う気は満々なのですが、もはやオークションにすら出回っていない状況で。販売している店があったら是非教えてください。
見掛けたら即刻捕獲します。お金が無かったら聴いてから転売の危険性もありますが。(笑)
Posted by 紫陽 at 2006/04/25(Tue) 19:12:16
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