十数年程前の夏、私が九州に住んでいたとき、炭鉱の島として栄えた長崎県端島(通称軍艦島)に渡ったことがあります。
すでに無人島と化し、荒れるに任されたアパート群を前に呆然とさせられました。
この体験を契機に、鉱山関係の史料を読むにつれ、日本の近代化、そして高度経済成長を支えてきたこの産業には、いろいろな意味で重厚な歴史があったこと知りました。
古くなり、人から忘れられていき、滅んでいくものの存在を人よりも多く見ていきたいと思ったのはあの時からです。
それから長い年月が経ち、炭鉱も日本では2箇所が操業を継続しているのみ、金属鉱山も数える程度となってしまいました。
かつて日本の中心的産業であった鉱山はほとんどが閉山、閉鎖され、静かに存在を忘れられようとしています。
日本の近代化と、戦後の高度経済成長を支えた産業、そこでの生活の文化は、まもなく日本の歴史の1ページとして語られるのみとなるのでしょうか。
いまも現実に存在し、ほんの少し前の時代にさかのぼることのできるそれらの鉱山跡を訪ねてみることにしました。
わたしには廃墟として語られる場所はすべて、かけがえのない歴史的遺産に見えます。
1985年夏 - 端島 - 軍艦島関連資料
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