ビジネスを知らない審査員が主観的に審査をする恐怖

 今月12月のISOmanの記事は興味深い。英文の苦手な方のために以下にざーっと訳した。ISO9000は大きな転換期を迎えていると考える。本当に自社のビジネスに役立つように使うのが規格の意図だが、審査員は企業に役立たない「自分の考え」を押しつけることが起こっていることにISOManは警告している。

 

 移行期間の終了が近づくにつれて、多くの審査機関がどのような監査を行っているかを知る証拠をいくつか見つけた。94年版の規格文を質問文に変えて、その答えになっている証拠を審査を受ける会社の文書から探すのが過去の一般的なやり方だった。94年版品質システムは文書化された手順を要求し、その手順から審査員が質問する言葉を捜しだせていた。この同じ手法が要求事項どおり実行されていることを確認するシステム審査に使われていた。審査員は、規格のそれぞれの内容が実行されている客観的な証拠を見つけ出そうとしていた。
 プロセス・ベースの品質マネジメント・システムは、大きく異なった手法を求めている。以前に行われていたような要素ごとの審査ではなく、品質マネジメント・システムの各プロセスが審査されなくてはならない。

 
登録審査には、文書審査と現地での審査という二つのフェースがある。多くの審査機関は、文書審査が自分の事務所ではできないと認識している。どのようなプロセスが品質マネジメント・システムを構成しているか、そしてそれらが4.1項で要求されているように適切に確立され文書化されているかを現地で評価せざるを得ない。ところが、これらおのおののプロセスに対して「文書化された手順」を書き出すことは要求されていない。一方で、4.2d)項は、プロセスの効果的な計画、操業、管理を確実にするために組織が必要と認めた文書を要求している。文書はいかなる形式やメディアでも許されている。さらに、注釈があり以下の事由により文書化の程度は組織によって異なるとなっている。
  

  組織の大きさと活動のタイプ
  プロセスとその相互作用の複雑さ
  要員の能力


 審査員には、文書化の程度についてはプロ(職業専門家)としての判断が必要になる。組織が自分の品質マネジメント・システムには関係がないと考えているプロセスであるにも関わらず、審査員はプロセスとして明確化(訳者注:一般的には文書化を意味する)しなければならないと考えることもありうる。

彼らはいったいどのようなプロセスが必要だというのだろうか?
7節の製品の実現は間違いない選択肢である。審査員が必要と求める一方で皆さんが予想だにしないプロセスがあるかもしれない。そんなプロセスとして考えられるのは、以下のようなものである。  

  人的資源の管理プロセス
  施設および維持管理プロセス
  通常時のマネジメントプロセス
  輸送・ロジステックプロセス
  コミュニケーションプロセス
 
 これら、およびその他のプロセスは、すべての組織には当てはめられないかもしれない。審査員は、客観的ではなくより主観的な質問をすることになりうる。それでも、皆さんは準備できていますか?
 主観的な判定を必要とする皆さんのビジネスに関して審査員は適切に訓練され習熟しているのだろうか?客観的な証拠に結びつく文言は皆さんの文書にはまず記述されていないだろう。しかも、審査員の観察による主観的な評価がいまから必要になるであろう。これが、認証登録プロセスの著しい変化である。(訳者注:ビジネスの内容を具体的に文書に記載することはまずありえない。だから審査員の主観的な評価が審査の中心になるという意見。プロセス志向のマネジメントに精通していない審査員による主観的な考えを押し付けられることは、考えるだけで恐ろしい。)

 


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