IAF審査日数と認証の移転に関する新ガイドラインを発刊
The international Accreditation Forum(IAF)は、審査機関のビジネスの運営の仕方を変えることを強制するかもしれない新しいガイドラインを発表した。これには、すでに取得している認証を他の審査機関に移行するためのガイドラインも含まれている。 45ページの改訂されたISO/IEC Guide 62:1996(品質システムの認証・審査の適用)ガイドラインは、チェックリスト型の審査からよりシステム指向のアプローチへのシフトを促すことを試みているとIAF技術委員会のヘッドであるRoger Brackway氏が述べている。 同氏が言う。「システムは品質目標を取り囲んで構築されいることを審査するように求めている。」、「ISO9000は条項のシリーズではなくもっと全体を表す規格であることを理解するように審査機関がトレーニングを実施し終わっているという期待をしてISO9000:2000の要求事項を語っている。」 このガイドおラインは、2002年7月には有効となり、主要なAccreditation機関であるUKAS,RcA,The National Accreditation Program(北米でのメジャー)によって採用されるであろう。 初回審査を実施する審査日の最低数に関する今までのガイドラインは、より柔軟になるように改正された。Roger Brackway氏は、「おまりにも多くの審査機関は、旧ガイドラインを固守ししている。審査時間をどの程度の長さにするかには多様な見方をすることが出来ると堅く信じている」という。(以下省略)
Quality System Update より抜粋
改正されたガイドラインをみてみると、審査の日数を下図のように種々の要因を考慮して決めることになる。すなわち、組織のシステムの複雑さと組織の大きさ(サイトの数も含む)に配慮して審査時間が決まる。
ただ、審査日数にこのような柔軟性を持たせると、審査機関によるばらつきが大きくなり、ひいては審査費用面での競争が激しくなるという批判もでている。改正されたガイドラインは、この点を考慮していろいろな制約条件を盛り込んでいる。
今認証取得している企業が何らかの理由で他の審査機関に移行したいならば、自由に出来ることを知っている企業がすくない。しかし、移行に関するIAFガイドラインもISO/IEC Guide 62:1996 付属書4に決められている。もし、今の品質マネージメント・システムが「重く」しかも使い勝手が悪く業績に悪影響が出る結果になっているならば、2000年版ISO9001への移行をチャンスにして思い切って審査機関を変えることを勧めている。定期審査の度に書類が増え、いまや重くて使い物にならないような品質システムを運営しているならば、いっそ過去の清算をするべきだ。清算するには、他の監査機関に切り替えるのが一番手っ取り早い。一考してみる価値があると考える。ISO/IEC Guide 62:1996の入手先は、www.accreditationforum.com
5月6日付けISO事務局のプレスリリースは、ISOとIAFがISO9000の苦情に関する情報をプールすることを決めたと報じている。審査機関による問題を以下のように整理している。すなわち、
ISOとIAFが顧客またはシステムの使用者からの苦情を共有し、倫理面で正しく運営し能力のある審査機関を選定し、適合性審査の不正を無くすことにした。具体策としては、審査機関はISO/IEC Guideに従って顧客からの苦情を処理するシステムを持つ必要があるとしている。
苦情を申し立てることがほとんど機能していなかったことを考えれば、改善されるだろうとは思うが、楽観はできない。なぜなら、監査員は人間であり、その性向が短時間に変化するとは思えないからだ。企業の対抗手段は、よい審査機関に出会うまでどんどん切り替えることである。これ「市場競争の原理」ではないのか?