ISO9001:2000はむつかしい

 去る2月末にラスベガスで開催された品質会議でJackWest氏が講演を行い新規格のどこが難しかを列挙した。ISOmanの報告から転載した。

 

 Jackは、新規格の七つの難しい条項を明らかにした。著作権保護のために彼が発表した詳細には言及できないが、みなさんの注意を喚起する上で役立つと考えるし、ASQ 出版社から入手できるJackの本を参照する上でもよいことだと思う。

 難しい条項1−プロセスアプローチ、なぜならば、品質マネージメント・システムの要求事項を述べるために異なったフレームワークを作り上げているからだ。
さらに彼は述べている。「組織の中にある全ての業務を付加価値創造のための相互に関連したシリーズとして考慮し、個別に分かれたエレメントのセットではないことを理解することが必要である。」


 Jackは、0.2項および4.1項が難しい条項として引用した。

 難しい条項2 ー 製品実現の計画 これは製品の全ての側面に渡って配慮することを求めている。

 彼は、考慮すべき要求事項として以下を挙げた。
  製品の目標
  製品を実現するために必要なプロセス
  人的および資金を含む必要な経営資源
  必要となる文書と文書化
  製品およびプロセスの合否判定基準
  製品とプロセスが要求事項を充たしていることを明示するために必要な記録
  必要なるモニタリング、測定、試験、検査、検証および妥当性確認の活動

 Jackは、7.1項が難しい条項として引用した。

 難しい条項3ー継続的改善
  
  要求事項は、品質マネージメント・システムの効果を改善するためにある。
  これを上手に実行するには数種の分野をリンクされる必要がある。
  組織全体が参画する必要がある。
  組織がこの要求事項を充たしているかをいかにして明示するか?

  Jackは、8.5項が難しい条項として引用した。

 難しい条項4ー能力

 この条項は能力について取り扱っているが、単に業務の要求事項やトレーニングだけでない。「多くの人々はこれの意味する本当のことを理解していない。能力を持たせるために取られたトレーニングやアクションの効果を評価することを求めているのである。」とJackが述べた。

Jackは、6.2項が難しい条項として引用した。

 難しい条項5ー顧客満足

「多くの人々がこの要求事項の本当の意味、あるいはどの程度行うかについて理解していない。1994年版は、顧客の願望やニーズに適切に対処していなかった。」とJackが述べた。

 Jackは、8.2.1項が難しい条項として引用した。

 難しい条項6ー適用
 
 この条項を正直に適用すること、あるいは悪意のある乱用も可能であるとJackは感じているが、品質マネージメント・システムは顧客に提供する製品に影響を与えるすべてのエレメントに渡って適用させることが望まれると強調した。

 Jackは、1.2項が難しい条項として引用した。

難しい条項7ー経営者の責任

 トップマネージメントを引き込むことが必ずしも容易なことではないが、新規格はトップマネージメントの参画を強調している。単なる同意、あるいはリップサービスであってはならない。

  Jackは、5.1項が難しい条項として引用した。

 Jackが発表している間、「考える必要性」を彼は幾度も強調した。

 

 セミナーや講演を通じて「部門横断的な価値創造がISO9001品質マネージメント・システムのプロセス指向だ。」と繰り返してきた。そして、「プロセス指向では、本質的には縦割りの組織は必要なくなる。」とも言い、部門間の障害が生じているなら、本当のISO9001:2000を導入すべきであると強調している。Jack West氏がそれを支持していることがわかった。「THINK」が必要である。


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