経済のスローダウンと2000年版ISO9000

 新聞情報によると、我々はいま減速、もしくはマイナス成長の時代に入ったようだ。このような状況では、ISO9001のようなひだ飾りを切り取るべきなのだろうか?前回の不況で経営者が最初に行ったカットバックは、クオリティや人的資源であった。あのときこのような削減を行った企業は、当然起こる景気回復を見ることもなく生き残れなかった。

 何をすべきか?

 最近のフォーチューン誌は、生き残りのための十三の行動を明らかにしている。小規模企業に対していくつかのことを考慮することを促している。

 1。現実を澄んだ目で見定めること。自分のビジネスの現実を見定めると、成長、競争力、製品に関連して何が可   能かを認識する。現実的になれ。
 2。自分のビジネスには自社の人々がもっとも重要と認識すること。お金をケチるためだけに解雇するのではなく、自社の中でスター的な成果を上げている人を評価し、新入りを支援し、実績がよくない人にはもっと適切な機会を見つける。
 3。毎日毎日生産性を向上すること。

 彼らは次のように勧める。

あなた自身が顧客にとって理想的人物となれ。
顧客との新しい関係を築き上げ現在の関係を強固にする機会をもつこと。新規の顧客を得ることは現在の顧客を守るより大幅に高くつくのだ。

 下請け業者ともっと緊密になれ。
 下請け業者との連結は複雑で、景気の下降期には注意深いマネージメントが必要になる。多くの企業にとって下請け企業との関係は顧客との関係と同じほど重要なのだ。

 技術に投資しろ。
 投資の引き延ばしは競争力の上で重要な有利性を引き延ばしているかもしれない。競争相手は何をしているのか?

 コミュニケーションを行え。
 社員、顧客、下請け業者、そして株主は、あなたを助けお互いにとってより効果的な関係であるために、何が起こっているのかと変化する条件下であなたがどう処理しようとしているのかを知る必要がある。

 多くのビジネス雑誌や業界誌は、経済の変化をいかに処理するかのアイデアや考え方を掲載している。我々が覚えていなくてならないことは、物事が変われば変わるほど、掲載内容は同じところにとどまり何も変わらないことである。これは古い格言である。

 クオリティの原則と2000年版ISO9000の要求事項を応用することは、生き残りの精神性を実行に移す上でまともな方法である。経済が低成長を示しているときこそ2000年版ISO9000を採用するもっとも適した時である可能性がある。その理由は、

 1)企業が多忙であるときには、職員達が2000年版ISO9000の準備をする時間が充分にない。がしかし、ビジネスがいささか下降する時には物事を改善し確固たる将来を築き上げる上で時間もあり興味も高まる。

 2)顧客と下請け業者との関係は2000年版ISO9000の非常に重要な部分であり、それらをいかに措置するかもっとよいモノにするかについて明快なガイドラインがある。

 3)規格は、あなたの方針と目的を社員に伝達し、社員がもっとよい仕事ができるように明快な指示を出すように求めている。

 4)プロセスが明瞭に記述されていれば、社員が容易にプロセスをよくし改善することができる。

 マネージメントの教祖やスタイルは、ファッションのようなモノであり新しい本で勧められる中身によってくるくると変わる。アルビン・トフラーからジャック・ウエルチまで非常に賢明なる人々から分かるように過去30年間、多くのアイデアが生まれたり消えてしまったことを見てきたでしょう。あなたが選んだ本が何であり真実は明らかであり基本的には同じである。結局、顧客、社員、下請け業者、そして財務上の潤滑剤をうまく処置することに集約される。2000年版ISO9000の指向している手法は、将来に向かって準備するためにコスト的に非常に効果的である。


|ホームペ-ジ|