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認証認定審査での不適合
2000年版ISO9000での審査が進められているが、多くの企業はこれから審査を受けようとしている。初回審査では担当者だけでなく社員もいつも神経質になったり不安に襲われる。その大きな原因の一つは、何が不適合なのかという情報がないことである。審査員は訓練や経験で何を不適合とするかをよくわきまえている。それが彼らの唯一のよりどころでもある。ならば、彼らの不適合リストを用意できればもう何も心配することはなくなる。そのことを祈ってこのリストを作成した。ただし、不適合になる可能性のある事項を思いつくままに羅列しただけで完全なリストとは言えないことをお断りしておく。
その前にアメリカで実際に起こった間違った「不適合」を紹介したい。まるでお笑いなのだがこんなことを云う審査員や審査機関があることを気づいてほしい。 最悪のケース 主要な審査機関の副社長であり、しかもTC176委員会のメンバーの一人である人が被審査企業に対して指摘したメジャーな不適合とした挙げたことは、「管理責任者が会社の予算と計画に関与していない」ことだった。この副社長が引用した規格は、ISO9000:2000の中にある「マネージメント」であった。ミステリアスで秘密のめいた意味合いを用いている。 ばかげたケース 「2000年版ISO9001に対応した品質マニュアルに1994年のマニュアルに使われている言葉が多く用いられている。」ことをマイナーな不適合とした。 ソフトウエア部門の予備審査ですべて不適合であると指摘を受け、それがなぜなのかを訪ねたところ審査員曰く、「えーっと、新規格はソフトウエアには適用出来ないからです。」と。 品質マニュアルに使われている章や条項の番号が規格の番号と同じでないからマイナーな不適合であると審査員が指摘した。不信になったので聞き返したら、「品質マニュアルの中身が規格のshall項目のどこに当たるかを見つける時間がないからだ。もしもっと時間があれば、メジャーな不適合を見つけることが出来るだろう」と云った。 オープニングミーティングで審査員が「みなさんの文書を読みましたが、2000年版規格の意図に適合していない」と云った。会社の社長は心臓発作を起こすほどショックを受けた。そこで訪ねた「どこが不適合なのですか?」と。そして審査員が答えた。「おー、何も不適合はありませんが、みなさんは意図を充たしていないのです。みなさんのシステムはMIL45208に基づいています。新規格はMIL-Q-9858を基本に作られています。」(注:とはいえ、審査は合格となった。) 審査員はトレーニングに対して不適合を出して曰く、「ISO管理責任者は最低でも五日間のLAB認定主任審査員コースに出席していなければならない。」と。そこで本当ですかと訪ねたら、審査員は「新規格はそう要求している」ぶつぶつつぶやいた。 ことごとさように2000年版ISO9000での審査は今以上に規格の解釈が審査員毎に異なる可能性を含んでいる。間違った解釈のもとで翻弄されるのは企業側である。日本の場合、英語の規格文を使うアメリカ以上に問題が混乱するだろう。なぜならば、JIS規格そのものが日本語だからだ、 |
品質マネージメント・システム
適用しなくてはならない規格の要求事項を全てシステムに組み入れられていない。 経営者の責任 経営者のコミットメントが存在しない。 品質方針と品質目標 品質方針を記述した文書が存在しない。 責任と権限 責任と権限が明確にされていないか、現時点での業務に反映していない。 管理責任者 管理責任者には責務を果たす上で必要な強い権限が与えられていない。 マネージメントレビュー マネージメントレビューの内容が理解されていないかもしくは決められていない。 経営資源の運営管理 適切な資源が提供されていない。たとえば、内部監査が客観的で公平であることが疑わし人によって実施されている。 (以下続く)
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