第75回 雪崩講習会 2008

はじめに

 今だに裏山に入る事に若干自信がない2008シーズン。そりゃ、そうです。スキーすらしてないですから。なんで経験値も全然たまりません。そんな中、ボトムラインから一通のメール。「今年も雪崩講習会やるから、手伝いにきなよ!」(文章はイメージです、はい)ほほう。これは復習も兼ねて、違った角度から勉強できるかも。早速、平野さんを誘い、2/23-2/24で開催された「雪崩講習会 2008 in 関温泉」のレポートです。あ、昨年の様子はこちらからどうぞ。えーと、これに参加した後どうなったかというと、裏山に入る自信?覚悟?がようやくできました。おそっ!

 ぎりぎりまで私のスケジュールがつかなかったため、我々が知っている情報は、事前に送られてきたスケジュールのみ。水〜金はトラブル対応で久々の会社に二泊三日、寝ずに働いてまして、意識はもうろう。もちろん、スケジュールなんてあんまり読んでません。迎えに来てくれた平野さん。運転頼みます。のどか沸きました。トイレ行きたい。寝ていーすか?そんな私のわがままを文句一つも言わず対応してくれた平野さん。ホントありがとうです。昨年と同じように冬季閉鎖の道路まで行って迷ってみたりと、あいかわらずのそんな感じでしたが無事付いたのは朝の4時。スタッフミーティングが7時なので、これはちょっと寝れる。平野カーの後部座席には、布団が綺麗にひいてありまして、そりゃもう気持ち良いのなんのって、疲れたからだも癒されるってもんです。はい、おやすみなさい。

まずは来い

 なんか暑いんですよ。なんか眩しいんですよ。ええ、時計見たら9時を回ってました。焦ってグリーンビラに行こうとするも、遅刻は遅刻。そこはこの年になると慣れたもんです。昨年は午前中いっぱい、グリーンビラでロープワークだったよなーと、勝手に都合よく思い込み、焦りつつ、しかしゆっくりと準備をし、グリーンビラへ。はい、誰もいません。タイムスケジュールを改めて見ると、5班に分かれたそれぞれは、既に山の中へ。さすがに急いで田畑さんに電話するもなかなか通じず。焦ってチョコとか食べてると、折り返し電話がかかってきて一言目が「まずは来い、話しよ」と。はい、ごめんなさい。すみません。もうしません・・・って書くと、田畑さん、なんかものすごく怖い人に聞こえますが、実際は事故にでもあったのかと、とても心配してくれてまして・・・ほんとすみませんでした。

 今年のタイムスケジュールは5班に分かれて、それぞれの班が関温泉の各講習ポイントをぐるぐると回る形式。スタッフはそれの誘導。で、私はプラスで記録係。内容は以下。

■土曜日
・ビーコン・プローブ
・梱包
・ピットチェック
・ロープワーク
・フリー
・グループミーティング(セルフレスキュー・読図)

■日曜日
・救出・搬送
・待機(シャベル)
・パーティー・読図
・フリー

眠い目をこすり
早めにつくも
寝坊・・・
既に始まっていた

土曜日

 私の担当はB班。黒木組ご一行様です。早速向かうと、すでに2つ目の講習であるピットチェックを実施中。講師はもちろん、力さん。ポイントは、今後、山に入ったとき、できるだけ同じ力のかけ方でやる事。ちょいテクとしては、下の写真の一番左。下から刺して、上に向けるとすすーっと雪が落ちて楽。

@雪柱(30cm x 30cm)の切り出し
A手首で10回
Bひじで10回
Cうでで10回

掘り出して
手首
ひじ
うで

 この時点でB班はお昼。雪がわんさかふっているため、お昼をさっさと食べて2本程度ご馳走様。

 さて、次のロープワーク場所は第3をちょっと登った所。B班が講習を受けているあいだ、私はすることがありました。私の役割は誘導。この、ロープワークのポイントから、春井沢に移動なんですが、プチBCに近いルートで全く分からない!どーまわればいーんだろ?しかも視界も悪く、たどり着ける確率は・・・と思ったんですが、私、GPSもってるじゃないですか。そうですよ、こんな時のGPSですよ。で、GPSを取り出して唖然。1/25000の地図、入れてくんの忘れた(涙)こうなりゃ、最悪みんなで遭難で、勝手に読図とかやってやれと。こちとら、昨年栂池のあれを乗り越えたんだ・・・と覚悟を決め始めていたのですが、やはり視界と天気の悪さで春井沢中止の連絡あり。ロープワーク実施後はほとんど誰も滑っていないゲレンデをいただいて、一番下で全員集合です、はい、泣かなくてすみました。

だんだん
吹雪で
つらくなってくる
これは良い!

 集合場所に着くと、棚橋さんが既に準備をしていまして、挨拶しに行きます・・・が、一言目が「今回は森くん、こないよ」って・・・そんなにコンビですか私・・・(笑)てか、こない?あー、楽しみ半減。さて、予定を大幅に変更したゲレンデの一番下でのビーコン・プローブ。今年の私はビーコンを隠す役。一度やってみたかったんですね。で、電波特性とかいろいろと考えて・・・と、これはまた勉強になる。まさに「人に教えるとは二度学ぶ事」!

 捜索ですが、昨年は探すのに夢中すぎて気づかなかったんですが、外から冷静に見ていると、全員がビーコンの電波特性にそって移動しているのが手に取るように分かる。これは、やらないとわからないです。その後はゾンデレーン。人数多いと、それだけで圧巻。

捜索開始
近いですよー
ゾンデレーンで
刺す!

なるほど

 夕食の後は、グループミーティングの前にスタッフミーティング。どうやら最強の西高東低の気圧配置。一晩で1m積もるかも・・・との予報も。急遽、翌日の予定が話し合われ、安全を期するため、多少変更する形となりました。

 さて、グループミーティング。日曜日に実施する課題について、チームごとに話し合います。さて、皆さん。BCに行くとき、パーティーのメンバーそれぞれが持っているビーコンって、なんだか把握してますか?自分が持っているビーコンと異なる場合、受信・送信・電源の切り方って知ってますか?これ、知らないと大変な事に・・・と教えられ、まさにその通り。言われるまで全然気づきませんでした。

スタッフミーティング
グループミーティング
ビーコンの使い方
ミーティング中

救出・搬送・雪洞

 翌日。朝から雪。予定を若干変更した形で講習が行われます。まずB班は、総合的な部分が試される「救出・搬送」。場所は春井沢。合図と共に、B班が散らばり、埋められたビーコンを見つけ、掘り出します。今年は等身大の人形も埋められており、ゾンデレーンで救出後、搬送まで。以下、B班の状況。なかなか素晴らしい結果です。

10:33 雪崩発生
10:35 ビーコン切り替え・捜査開始
10:36 警察へ通報
10:39 一人目発見
10:40 一人目救出
10:41 二人目発見
10:42 二人目救出
10:46 ゾンデレーン開始
10:47 三人目発見(ビーコンなし)
10:51 三人目救出

雪崩発生
受信モードへ!
ビーコン部隊と
掘出部隊

 さて、やっぱり雪が降りすぎな関温泉。お昼を食べた後、2本だけ滑れたんですが、雪が降り過ぎて、板はずしての乗車。関ローカルもびっくりだそうな。ええ、雪は最高でしたよ。いたるところで下品な雄たけびがね。

楽しみ!
板を持って
乗る
怖い

 お昼の後は雪洞。あんまり暇なので、私も一つ掘ってみました。こつはブロックで切り出すことと、斜面の上の方に作ると、掘り出した雪を出すのが楽な事。うむ、昨年やったのに、全部は覚えていないですね。復習です。

なんか
楽しそう
なんで
私も作った

総評

 さて、最後はクロージングでの講師の方からの言葉をサマリしてみました。

棚橋さん
・BCは危険という事を再認識して欲しい
・お願いしたいことは以下の2つで、今回の講習でやったこと
 @雪崩にあわないために、多くの努力をする事が一番大切
 A雪崩が起きてからの対応を、絶えず頭にいれて行動する

■稲葉さん
・警察に通報する場合、「雪崩」「山岳遭難」と明確に伝える事
 →電話を受ける担当も、状況が分からないため、交通事故とかと一緒にされてしまう
・ヘリは手続きが大変で、なかなか飛んでくれない
・生き残った人は、ある程度の装備を持っている
 →雪洞がほれて、水がつくれれば、かなり生存率は高くなる

力さん
・山は本当に分からないし危ないところ、それを認識して欲しい。
・自信過剰にならず、楽しんだ後は必ず家に無事帰る事!

■田畑さん
・おつかれさまでしたー!

最後に

 年に一度は初心に戻るって意味で参加したい。来年も行きたいなと。昨年受けていた事もあって、講師の方の話を聞きながら、つねに「自分ならこう」って予想をしながら実施してみました。とりあえず、ある程度は身についているみたいです。ボトムライン、日本山岳会、そして、参加者の皆様。お疲れ様でした。次は山でお会いしましょう!

 さて、この2日間。私にとって、関温泉のイメージを一新する出来事が。雪は多いとは聞いていたのですが、「雪が重い」ってのが今までの印象。講習が終わったあと、関ローカルのさぶちゃんに案内され、ちょっと裏に入ったんですが、こ、これは・・・関ってめっちゃ面白いじゃん!地形、めっちゃステキじゃん!てか、何でもできるじゃん!これは、確実に来年は関も射程距離ですね。平野さん、はるかちゃん、3人なら交通費割れるし、行きましょうよ。3月すぎるとHPとかも出来るしさ!という事で、学んで滑ってさらに、こんなおいしいルートも教えてもらって、もう、ほんと感謝です。こんな貴重な情報を、喜んで教えてくれるなんて、どうやってお返ししたら良いのやら・・・さぶちゃん、好き☆

 宿の温泉入ってうだうだしていると、ここでもさぶちゃん登場。何でも、オススメの店があるとの事。グリーンビラの方に予約してもらって向かった先は鳥新。これは旨い!やっぱりスキーには温泉と旨いもの。この3点セットですな。もー、さぶちゃん、大好き☆

 さぶちゃん、本当にありがとうございます。振り返ると、私のとって二日間で一番の収穫は、全てさぶちゃん情報かもしれません。ま、それだけ講習ではなく、現実に近くなってきたって事ですね、はい。


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