1999年〜2000年の年末年始は、素直に実家に帰省することにした。しかし、ちょっとした作戦を実行することにした。
今回の帰省では、家族総出でどこかの温泉に一泊することが既に決まっていた。そこで、兵庫の実家にも近い和歌山県本宮町の『湯の峯温泉』を宿泊先に決定 (城崎には行ったことがある) 、そこまでの足は車とフェリーで移動することにした。
使うフェリーは、もちろんブルーハイウェイラインの『さんふらわあくろしお』(東京〜那智勝浦〜高知)になる。この『さんふらわあくろしお』は東京発奇数日の出航が原則で31日は出航日に当たらない。ということで、1/1に東京発、1/2に宿着と考え、11月上旬に予約に踏み切ろうとした。
ところが1999年だけかどうかは分からないが、12/31は出航日になることが判明した。これは、まさしく渡りに船、船中で年越しとはなんとも楽しい旅になりそうだ。と、いうわけで12/31の船便を予約、ついで湯の峯温泉の宿も奇跡的に一部屋取ることができた。
というのが、ミレニアム・クルーズへの経緯だ。
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12月31日、ガラガラの都心の道をかき分けて、夕方5時過ぎに東京FTに到着。いつものように、車検証とチケットクーポンを抱えて乗船手続きに向かったが、いきなり訳の分からない放送が耳に入ってきた。 なんでも『現在、機関整備を行っているため出航が大幅に遅れる』というものだ (証拠の張り紙)。とりあえず、コンピュータ西暦2000年問題(Y2K)とは無関係に機器に故障を抱えいたらしく、いまこの場で修理を行っていると言うものだ。Y2Kとは無関係とは言うが、いま急遽修理をしているのは怪しいとしか言い様が無い。係員に散々文句を言って、乗船券を発行してもらう。それにしても、手続きに時間はかかるし(一人に2,3分はかかっていた)、発行された乗船券の氏名が『トシオリュウジ』になっているし、まったくもって窓口はタコだ。 (証拠の乗船券(控え)) 出航は遅れるとは言え、乗船そのものは定刻通り19:00過ぎから始まった。乗船後に、出航は2時間遅れの22:00頃になることが判明した。そこで、時間潰しにレストランで紅白を見ながら夕食をとることに。船内は、ツアー客でごった返しており、彼等はというと出航が遅れようとそんなの関係ないようで、楽しく紅白を観戦している。Y2Kでナーバスになっているのはどうも私だけだ。 21:30ごろ、風呂(ゆず風呂)に入る。上がる直前に床からガラガラという音が聞こえてきた。どうやら予定よりは少し早く出航できたようだ。慌ててデッキに上がってみると、もう既に港を離れていた。ちなみに、今晩の東京FTは天気があまりよくなく、レインボーブリッジ・東京タワーを見ることはできなかった。 横浜を過ぎ三浦半島が見えてくると、午前零時すなわち2000年が近づいてきた。白組勝利を確認してからしばらくデッキに上がることにした。実は船内ロビーでもカウントダウンのイベント(紅白勝利予想の抽選会など)が行われるのだが、やはり2000年1月1日午前零時に陸地で何がおこるのか心配であった。 やがて、船内放送でもカウントダウンが始まった。そして午前零時を迎えた。花火が一つだけ見えただけ。何も起こらなかった。あっけなかったが一安心した。 船内ロビーに戻り、振る舞いシャンパンを貰いさっさと寝ることにした。もう一つのイベントに備えて。 |
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午前6時に起床。あまりに船内は揺れていた。遅れを取り戻すべく全速疾走中で、時速にして50km弱は出していたみたいだ。缶のお茶を湯たんぽ代わりに、船尾のデッキを陣取る。 実は、那智勝浦と新年には、ちょっとした因縁があった。10年前、すなわち1990年の初日の出はこの地で迎えていたのだ。確か、新大阪から新宮行きの夜行列車に乗り那智勝浦で下車、少し海岸まで歩いて初日の出を拝んだのだ。ただし、この時は洋上は曇っておりご来光は少し高いところの雲の狭間からであった。10年前は東京に上京して、色々なことに打ちのめされ失意のままに迎えたことだけははっきり憶えていた。 それから10年、またこの地で新年を迎えることとなった。 6時過ぎではまだ暗かったが、徐々に東の洋上が赤く染まり始める。やがて、デッキには多数の乗客が集まり、船の速度もご来光に備えてスピードダウンを始めた。 そして、午前6時57分ついに初日の出を迎えた。今回は、何も阻むものはなく洋上からだった。空に染まりし黄金色の扇が印象的であった(上の2枚目)。船もデッキにいる全ての乗客に日の出を見られる様、Ω型に蛇行して進むサービス航行をしてくれた。 初日の出を拝んだ後は、振る舞い酒を飲んで、朝風呂に浸かり、その後のドライブに備えて仮眠した。そして午前9時過ぎに、那智勝浦港到着間近の放送が流れた。結局、遅れは30分程度取り返し、約1時間半遅れの9時30分頃に到着した。その後は、白浜まで移動して家族と合流し、湯の峯温泉に向かった。
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![]() 那智勝浦港 |