根津(2)
〜根津界隈の坂〜
 

■ 根津を隔て根津を誇示

 根津(1)でも記したのだけど、根津は谷中・千駄木とまとめて『谷根千』と呼ばれ、下町感ある町並みとして注目されているのだが、どうも根津だけは雰囲気が違うような気がしている。

 まず、全体がひっそりとしているのだ。活気のある商店街があるようでない。谷中と千駄木は、団子坂付近や谷中銀座のあたりなど下町商店街の活気を感じてしまうのだが、根津は静かな下町の雰囲気しかない。根津一丁目の交差点だけはさすがに活気はあるが、いかんせんエリア的に狭い。

 更に、谷中と千駄木とは町が区境を越えてつながっていて一体感を感じるのだ。根津の場合、不忍通りを除くと、どこに向かうにもひっそりといつのまにか隣の町に入っていたなんて感じなのだ。谷中と千駄木だけでなく、弥生・池ノ端でもそ同じだ。

 この辺の違いは、きっと根津の地形的なところに由来しているのだろう。根津は藍染川が流れる谷のそこにあり、両壁を坂に挟まれた恰好になっているのだ。そして、特筆すべきことは、根津にはほとんど坂がないということだ。つまり、根津は坂に隔てたれたところで、独自の世界を作っているのだ。

 そんなわけで、ここでは根津を隔てる坂を紹介しよう。先ずは一丁目から。大体4つくらいカウントでき、二丁目に比べると個性のある坂が多い。弥生に位置する。

 まずは、根津神社横に権現坂(S坂)がある。この坂だけ辛うじて根津にある坂と呼べるものだが、その名の通りS字の構成をしている。S字なのにまだ急な坂だ。

 その隣に、石段の坂がある。通称オバケ階段と呼ばれている。階段の上側からは、容易に発見できるのだが、下から探すのは極めて困難だ。確かにオバケが出ても不思議ではない、ちょっと不気味な坂(石段)だ。ぜひ頑張って探してもらいたい。

 根津小学校の南側には、異人坂がある。片側が切り立っていて坂の様子が長崎オランダ坂のような雰囲気がある。この片側というのはもちろん根津のことで、この坂からは根津一丁目が見渡せる。

 そして言問通りには、弥生坂がある。これは特筆すべきことはないかな。

 

 


権現坂(S坂)

オバケ階段

異人坂

弥生坂

■ 猫の住む根津

 続いて、二丁目の方だ。こっちは3つかな。いづれも谷中にある。

 弥生坂と対を為すのは、善光寺坂だ。根津の商店街が切れ谷中に入ってから坂道になる。言問通りにあるだけに活気はあるのだが、傾斜が低くダラダラと上がっているような感じであまり面白くない。この坂を上がると、谷中のお寺や谷中下町風俗資料館がある。

 二丁目界隈で最も面白いのは三浦坂。急な直線の坂で自転車で降りるとなかなかスリルが味わえる。しかし、面白いのはその坂の途中にある、『ねんねこ屋』だ。なんでも、ネコグッズを扱うもの店なのだが、根津を中心としたネコの生息マップが写真付きで紹介されている。ここまで、調べられるネコの立場は複雑なのかもしれないが、まあ見ていて面白い。ちなみに、平日はお休みである。

 千駄木側にあるのはあかじ坂である。文京区に比べると、台東区の坂はあまり坂道の紹介に熱意がないせいで看板はない。この坂を上がると、大名時計博物館がある。このあたりは、谷中でもちょっと高級住宅街の雰囲気があり下町感を感じないところである。大名時計博物館があるくらいだから、昔から裕福な文化人が住んでいたのかもしれない。


 ということで、ちょっと気合いをいれて根津を紹介してみた。少し気合いが空回りして、期待外れなところもあったけど、やはり自分にとっては大事な東京の故郷であることには変わりない。 

 

撮影:2000/12/02
執筆:2000/12/23


善光寺坂

三浦坂

あかじ坂

[←Story#22|Story#24→]