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オモシロイ!マークはあくまで私の好みです。


2014年




よしもとばなな「花のベッドでひるねして」

海で拾われ、田舎の民宿でそだった娘の話。
この民宿の(すでに亡くなっている)祖父がスピリチュアルな人で、そういう環境で暮らしてきたので、主人公が不思議なふわっとした感じなのは説得力があった。
キャラがはまってた。
この作者らしい内容だなと。
ほかの作品より、この作者のエッセンスがより濃くでている、そんな感じがしました。

〜以下本文抜粋〜

この世にはつまり自分しかいないんだな、とわかる。
自分が死ぬとき全てが消える。
しかし私を知ってる人の間では私はまだいる。それはつまり私の顔をしたその人のかけらなのだが、それでいいと思う。



よしもとばなな「ジュージュー」

ハンバーグ屋さんで育った娘さんのお話。
お母さんが亡くなっちゃって、しんどい状態からいろんな人と出会い、立ち直る。
死からなにを学ぶかどう乗り切るか、というパターンを小説で何度でも訴えてくるよね、この作者。
そしてその都度読む読者(わたし)。
ヒロインがハンバーグ屋さんで働いてるから、いつも肉くさくてふられるとか、おもしろいエピソードだった。
なんだか、わかる!牛肉焼いてると肉くさくなるもんね。



北村薫「八月の六日間」

女性編集者が仕事の合間をみつけては山に登る(挑む)という、シンプルな内容ですが、ビミョーなお年頃で、1人山に登ることによって、いろいろな気づきがある。
そこらへん、共感。
思ったのは「山では無理をしてはいけない」ということ、あまい見通しや油断が生命の危機に直結する。
ちょっとした判断がすごく大事になる。
あと、山での出会いも印象的。
ジャコウジカさん(山で出会った女性に主人公がつけたあだ名)、すてきな人でしたね。

〜以下本文抜粋〜

思い通りの道を行けないことことがあっても、ああ、今がいい。
わたしであることがいい。



恩田陸「雪月花黙示録」

刀と着物とイリュージョン。
作者の近未来感、今までの作品でも時々感じられたけど、和とスピリチュアルと化学の融合みたいな世界ですよね。
今回の小説でそれを具現化してる。
文章での可視化、というか、さらに細部までイメージできた。
作者はこの絢爛な世界がもっとはっきり見えているんだろうな。
イリュージョンに満ちた贅沢な映画活劇を観た感じ。
そういえば、巻末に美術監督として種田陽平の名が掲載されていました。



ジル・チャーチル「八方破れの家」

古い家の修復工事のインテリア監修を受けるか迷っているシェリーとジェーン、その家で殺人事件が起きる。
女性だけの現場とか、今現代の世風が反映されている。
女性の生き方みたいなことかさっくりと描かれている。
ジェーンもただ家いるだけの主婦でいたくない気持ちを小説に集中することでおさめている?
この心意気がジェーンっぽいかな。



西尾維新「終物語 下」

とりあえずうまく大団円をむかえて終わってよかったー!
へんなひきがなくてよかったー、という気持ち。
すでに続の話があるので、もやっとした気持ちのスッキリしない
終わり方だったら、どうしようと心配で心配で。
まよいちゃんの身の振り方といい、ほんと大団円ですね。



辻村深月「盲目的な恋と友情」

「恋」と「友情」の2本立てです。
「恋」の方はそれこそ恋に執着せざるおえなかった女性が語った話。
始終冷静な語り口だけど、彼女の視点から少しだけ離れるだけでその特異さがわかる。自分を見失っていた。
そして「友情」は恋でボロボロになっていく友達を見守る友情の話。
でもこの人もどこかいびつで、読んでいるとつい納得させられそうだけど、
「あれ?」とおもうことはいっぱい。怖いです。
でも、ありそうな感じ。
この2人の共通の友人としてもうひとり女性がでてきますが、この人がいちばんノーマルだったかもしれない。
でも、私は好きになれなかった。小利口な感じがキライ。



宮部みゆき「泣き童子 三島屋変調百物語 参之続」

おちかを聞き役とした百物語シリーズ3作目。
今回は6編の不思議なお話。
表題にもなってる「泣き童子」印象深い業をせおった話だったけど、読んであとひくなーと思ったのは「節気顔」。
月に一度、顔が他人のものになってしまう男の話です。
その話をもちかけた商人風の男といい、じわりと心にのこる作品でした。



ジル・チャーチル「枯れ騒ぎ」

今回のジェーンはしょっぱなから骨折して、ずっとギブスしたまま。
でも、その苦労もおもしとおかしく表現してくれるのが痛快。
階段は後ろ向きにおしりでずりおりる、とか。
出かけるときは両手をあけるために、ポッケつきの半ズボンでマシュマロマンみたいになるとか。(両手をあけるために、荷物はポケットいれなければならない)
ガーデニングの話もいっぱいで、いろんな人のそれぞれのお庭の描写もおもしろい。
シャリィも骨折した友人を過保護にするだけじゃなく、良い距離感をもって、気楽に接していて、ほんとジェーンと良いコンビ。
あ、メルとジェーンのやりとりもかわいかったです。



ジルチャーチル「眺めのいいヘマ」

ひさしぶりに読んだこのシリーズ。
やっぱりおもしろいわ!
とにかくジェーンとシェリィのサバサバした会話が小気味よい。
シェリィみたいな友達がいたら心強いなー、と思う。
今回は頼まれた結婚式をしきるため、自宅から離れての作業。
向こうの(海外の)ウエディング様式が興味深い。
花嫁の付添人とかバチュラーパーティとか。
ミステリについては、動機とか犯人とかフワ〜ッとした解答で納得いった!とは言えないけど、出てくる女性達がステキで心地よく読めました。



万城目学「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」

去年の春先に買った本ですが、夏にテツ(猫)を亡くし、猫の出てくる本を読めずにいたのですが、やっと読めました。
主人公はマドレーヌ夫人なのか、かのこちゃんなのか、章が変わる毎に視点がかわっておもしろい。
脇役の玄三郎さん(犬)も良かったです。
昔買っていた黒というおとなしく賢かった犬を思い出しました。
小学生の友達のなり方とか、猫又になって冒険とか、玄三郎さんとの別れとか、子供の頃に経験したことを思い出される
懐かしい世界でした。



東野圭吾「夜明けの街で」

どうもしょっぱなからピンとこなかった。
男性側から語られる不倫だからか、どうもありがちでどこかできいたことあるような言い訳ばかりで、イラッとくる言動ばかりでした。
自分の結婚式ですでに
「これでワクワクするチャンスをすべて失われることになる」
とか考えているし!
奥さんいい人なのに、ぜんぜんわかってないじゃん、と厳しい視点で見てしまうのは、私が女性側だからか・・・。
秋葉の知れば知るほど気になる過去の事件、こうなのでは?と思っていた部分は合っていたけど、すっきりしなかった。
秋葉という女性がミステリアスすぎて。



東野圭吾「カッコウの卵は誰のもの」

血のつながりがないかもしれない娘をそだてた父親。
やがて本当の両親がわかってくる。
これは親にしたらかなり苦しいなーと、思うけど、でもこの父親の芯のブレなさが東野圭吾っぽいな、と久しぶりに読んでいて思った。
自分の不利になることでも信念に沿わなければ抹消しない、できない。
そういう強さに惹かれました。
ラストはああいうかたちで落ち着きましたが、よかった。
そしてあの結果を「ラッキー」と思う父親じゃなくてよかった。



本多孝好「MEMORY」

「MOMENT」「Will」に続く、商店街の幼馴染み、森野と神田の物語・・・
といっても、この二人が主人公というわけではなく、第三者が間接的に二人のことを語るオムニバス短編でした。
そういう仕組みなので、一つの主軸となるストーリィはあるものの、その合間に見え隠れする、二人のその後が気になって、なので、最終話「時をつなぐ」で二人の最新の姿が語られた
ところでは心の中で「おおっ!」と喝采をあげました。
よかったねー。
もちろん一編一編すてきなお話しばかりでした。
とくに印象深かったのは「風の名残」。
舞台が外国で、脇役のマークとランディがかわいかった。
と、読み終わって気になるのは、森野と神田の物語はこれで終わり?
ということ、まだ読みたいんですけど。



銀色夏生「ひとり、風に吹かれるように」

今回はちょっと大丈夫?という場面が多くて、長年の読者としてはまいったなーという感じ。
サクくんの教育方針とか、こちら側からみると、あやしいスピリチュアル方面に入り込んでいたりとか。
客観的に語っているようにかかれているけど、私には、彼女は自分の思いに固執していて、自分にとって心地よい言葉にしか耳を傾けていないような気がした。
読者からのメールも、自分のやつことに反対意見されたという思いが強くて、読者の心配する気持ちもくみとれていない。
正直な人なんだろうけど、今後に不安を感じるなぁ。
でも、心を打つ言葉があるので、また読みます・・・。



瀬尾まいこ「春、もどる」

結婚を間近にひかえたさくら(主人公)のもとに、どうみても年下の男の子が兄だと名乗り出てくるところから物語はスタートする。
どうしたってあやしいのに、にくめない「おにいさん」はさくらの婚約者からも「おにいさん」と呼ばれ、どんどんさくらの生活の中に入り込んでくる。
このへんのさくらをめぐる人々のほほえましさが和む。
最後で真相が明らかになってからの展開もやさしくて、さくらが迷いも曇りもなく結婚できて、よかった。。。



西尾維新「終物語 上」

アララギくんはどうしてこう扇ちゃんに丸め込まれてしまうのかが、一番の謎でした。
ストーリィはちょいさかのぼって、アララギくんが「人間強度が下がる」と言い出した原点に触れつつ
新キャラも登場。
老倉育さん、強烈でした。
シリーズ中でもかなり暗い過去を持ってて。
ラストにはしっかり立ち直りましたが(よかったよかった)。
扇ちゃんの真意が気になりますが、次で羽川さんがつきとめてくれる、かな?



西尾維新「暦物語」

暦にかけて12の短編ストーリィ。
それぞれにプチミステリーが含まれつつ、月を追って、語り手も交代しつつ物語がすすむので、シリーズのおさらいもできた。
こうしてならべてみると、短い間にいろんなことが起こったのがよくわかる。
これじゃ、アララギくんの吸血鬼バランスもおかしくなるわけだ。
注目はラストの1話。
ついに現在においついた、と思ったら・・・すごいことになりそうです。



伊坂幸太郎「首折り男の狂想曲」

あとがきに書かれてましたが、もとは別々の短編に手を加え、首折り男をキーにオムニバスに組み直したそうです。
ということで、それぞれのストーリィから受ける印象が違い、これはこれで新鮮、という印象。
おもしろかったのは、首折り男の人となり。
こまった人の助け方とかね、なるほどと思った。
出来事には裏の面もあるということ。
あと、ひさしぶりに泥棒の黒澤さんが出てきて、おなじみのキャラを出すサービスですね。

(本文抜粋)
「神様はいつもこっちを観ているわけではない。
その点はがっくりきますけれど、ただ、見ている時には、ルールを適用してくれるんです。」



綿矢りさ「大地のゲーム」

なんかあんまり好きじゃないなと思いながら読みすすめてました。
SFっぽい設定(大地震後の都心)といい、ヒロインといい、ピンとこない、はまらない。
内容も気持ちの良さのない、どこかじめじめした感じで気持ち悪い、すわりが悪い、と思いながら読了。
で、どうしてこんな拒否反応してしまったのか、考えてみた。
多分、私が極限になって理性を失った人間が怖いから、だと思う。
追いつめられて自分を失っている人がとても苦手で怖いから。



新井素子「銀婚式物語」

「結婚物語」から25年が流れ、2人が渋谷で銀婚式ディナーするまでを、ヒロイン陽子さん目線で語られています。
25年をふりかえるというエッセイっぽいフィクションです。
飼い猫のこと、家を建てたこと、病気や不妊治療とか、この年代の女性にとってはすごく身近な話題ですが、なにせSF作家さんなので、どこかピントがはずれている。
そこが相変わらずでおもしろい、安定感ある。
この感じがなつかしかったです。
「金婚式物語」も出ますよね?楽しみです。



森絵都「漁師の愛人」

5編からなる短編集。
子供視点の「少年とプリン」「老人とアイロン」、そして震災後のことを描いた「あの日以来」。
私はこの1編がとても気になりました。
あの時の独特の雰囲気がよみがえってきて・・・。

(本文抜粋)
問題は、私たちが今、幸せであったらいけないと感じていることかもしれない。

そして「アラモード」はユニクロのヒット商品がおもしろいオチになっていた。
そして表題にもなった「漁師の愛人」ですが、これはちょっと苦手な感じでした。狭い街の人間関係とか、苦手!



銀色夏生「自分の心も好きになりたい」

つれづれシリーズです。
ずいぶん身体を使う習い事に凝っていて、そういう気分なのかな?と思っていたのですが本文中にその答えが書いてありました。

体と心や感情とは関係があると思う。
心の限界を体で克服したいと思う。
心が袋小路に入って憂鬱な時、体を使って修正できないだろうか。
助けられないか。おまじないみたいなのでいい。効けば。
(本文抜粋)

憂鬱な気分を体を使って修正する・・・か。
なるほど、と。
心も体もひとつの人間の体に入ってるわけなので、一理ある、体のどこかにそのヒントが眠ってる、かも?
いつか、その答えが書かれるといいな、と思いますが、でもきっとその方法があったとしても、オートクチュールみたいに万人には合わないんでしょうね。
ひとりひとりが自分で見つけないと。



本多孝好「ストレイヤーズクロニクル Act.3」

ついに最終巻。
本当の敵が見えて、それぞれの思惑のあげくクロスするスバルたちとアゲハ。
前巻でアゲハの過去(なりたち)が明かされ、まったくの悪と思えなくなっていたので、それだけにラストさみしかったです。
どうなるんでしょうね?未来は。
でも希望の持てるヒントが散らばったラストでした。
けっきょくラスボスだった(?)渡瀬もね、頑張ってましたね、
頭へんだけど。



三浦しおん「まほろ駅前狂騒曲」

この本を読んでいる間に親しい人を亡くしたので、行天が曽根田のおばあちゃんに言った言葉が身に染みた。
多田さんの言葉とともに。
死んでしまった人にできることは、「なるべく覚えているようにする」こと。
そして、それは辛くもあるけど、失った幸せな時間がよみがえる瞬間でもある、ということ。
生きてる者が記憶し続けるということ。
・・・胸に刻み込んでおこうと思います。
あと、ネタバレになっちゃいますが、ラスト方面でやっと多田が行天の大切さを認識したのは
新たな一歩でしたね。
ちょっとBLっぽくもなったけど☆



奥田英明「沈黙の町で」

学校で見つかった1人の生徒の死体。
事故?いじめ?他殺?ちいさな町が揺れる。
生徒自身や生徒の親目線、語る側の思いによって、事件はいろいろな様相を示す。
いろいろな思惑が交差する。
最後まで死の真相がわからず、どう落ち着くのかと思って読んでいたら、あのラスト。なるほど。
見どころは生徒それぞれの個性。
中学生・・・これが中2病なのかな?
感じ方やヒロイズムがやっかいで、そしてかわいい。



森博嗣「γ(キウイ)は時計仕掛け」

やっと出ました、ギリシャ文字シリーズ。
今回はひさしぶりだったせいか、いろいろと時間経過があって、主要メンバー勢揃いの豪華(?)バージョンでした。
つまり犀川先生と萌絵さんのことですけど。
彼ら、なかなか意味深なことになってました。
うわー、ほんとのとこどうなんでしょうね?
あと、恵美ちゃんいいこだね、そしておもしろいね、ズレっぷりが。
最後のマグカップのエピソードもかわいかった。
四季さんの影もちらちらしてるし、ラストでの島田さんの就職先もなんとなーく、
女王シリーズにつながる布石でしょうか?



森博嗣「赤目姫の潮解」

潮解の意味も知らずに装丁でなんとなく女王シリーズかなと
思いながら読みはじめたのですが、なんとも・・・わかりづらい世界。
でも、シーンが映像的に浮かんでくるので、その心地よさで読み進めました。
他の感想を読むとマトリックスを例にあげてるけど、私が思いだしたのは「リング」「らせん」「ループ」のあのシリーズです。
でも、ラストまで読むともっとSFよりかな。
女王シリーズらしいけど、他とは異なる方向性を持った作品でした。
これがどうつながっていくのか、
つぎの女王シリーズなにがでるのかな?



辻村深月「島はぼくらと」

瀬戸内海に浮かぶ(架空の)冴島を舞台に、4人の高校生が成長してゆくストーリィ。
特徴的なのは島育ちということ。
実際、島おこしの現状について、ずいぶん多くのページが使われている。
Iターンの人々の生活、シングルマザー達、そしてその間をとりもつ人間(ヨシノさん)、いろんな要素がからまりあっている。
後半ではあの赤羽環がちょっとからんで冒険があったり。
(ここがいちばん読んでいて盛り上がりました)
あとはラストの後日談がもう少し密度あったらなーと思った。
朱里と源樹のこととか。
でついでに、霧島ハイジにぎゃふんと言わせたかった。
まぁ、環さんがなんかやってると思うけど。



本上まなみ「ほんじょの鉛筆日和」

平成18年発行のエッセイ集。
ということで、内容が古い。
本上さんも若い。
一人称が「オレ」っていうのも、その当時らしくてかわいかったんだろうなぁ、とか。
日常生活のあれこれについて書かれてますが、女優さんの日常なのに気どってなくて、へもへもになった毛布が好きで、巣鴨が好きで、ちゃぶ台を買おうか迷ってる、そんな暮らしを楽しんでいる。



よしもとばなな「人生のこつあれこれ2012」

2012年はいろいろなことがあった。
まだ、震災もひきづりつつ・・・。
そしてこの著者は両親を亡くした。
そして向き合って、立ち上がっている。
こういうことって、だんだんと時間をかけてゆっくり受けいれて気持ちを癒していくしかないんだなってこと。
悲しいのは当然のことなので、折れずに、悲観的になりすぎずに。
でも、それって心がある人間にはたいへんなことだよね。



伊坂幸太郎「死神の浮力」

よかった!おもしろかった!
サイコパスに対する作家夫婦と死神の千葉。
千葉のキャラが立ってましたね、自転車のシーンとか笑えます、ほんと。
あと、「還元キャンペーン」の使い方がうまかった。
20年の寿命プレゼントがこういう風に活きるとはね。
で、作家の山野辺さん「僕みたいのに面倒くさいことしてくれた」と「晩年は悪くなかった」をつなぎあわせて、20年キャンペーンもらったのか?
って思ったのですが、他の人の感想では「可」みたいで、そう思ったのは私だけかーとしょんぼり。
たしかにキャンペーン使用するなんて千葉らしくないけど、そうだったらいいなと思ってしまって。
「敬意とは面倒くさいことをする」とか、
「25人に1人はサイコパスがいる」とか、
考え深かったです。
あと主人公のお父さんの話、ひそかによかった。
先にみておいてくれる人がいると、死が怖くなくなるね。



村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

おもしろかったとか、そういうことはおいといて、今まで読んできた村上作品の主人公の中でも、この多崎つくるはもっともいけすかないなぁ、と思った。
決定的だったのはフィンランドでエリと再会し有意義な話をしてハグした時でも胸(巨乳)のことを考えてるとこ、この感動のシーンででそれ考えるかなぁ?と。
エリに対してそれが正しい反応?
ラストも読みながら残りページがどんどん少なくなって、もしやと思っていたけど、やはり尻切れトンボなうすぼんやりした結末で、いろいろとわだかまりが残る作品でした。


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