オモシロイ!マークはあくまで私の好みです。
■2011年
ああ、ちょっと考えたことあるなぁ、みたいな妄想のオンパレード。
もしも自分が双子だったら、とか。
おもしろいところでは、うわさの姫子だったら、とか。w
わかる、思ったり。
イタタと思ったり、楽しく読みました。
妄想は細部まで設定を決めている人ほど上級者っぽいです。
不幸すぎないけど、特殊な過去を持ちゆがんでしまった姉妹の、ゆっくりとした再生の物語。
・・・と、いう風にとらえました。
ゆがみはけして悪いだけのことじゃないけど、人は生き進んでいかなければならなく、
そのためにはゆがみを内包しつつも変化していかなきゃいけない、ということでしょうか。
ドヤ街で暮らしている男のもとに、自分の妻をヒロインに小説を書いて欲しいという依頼がまいこむ。
「風に舞い上がるビニールシート」の時にも思ったのですが、この作者はいつの間にこんな骨太な小説を書くようになったのか。
「カラフル」「ラン」も読ませましたが、ここでまた新たな世界を読ませていただきました。
骨太で繊細!
雫石の娘の話。
名前がノニというだけで、らしいなと思った。
更にその彼氏がキノって。
このキノの裏稼業(表稼業はイラストレータ)がおもしろくて、本文では「猫の女王の家来」と呼ばれていたけど、つまりは、夢で無くなった猫好きの奥さんから、失踪猫の居所を聞くという猫探偵なんです。
この設定にグッときました。
短編集です。
「おしまいのデート」「ランクアップ丼」はそれぞれおじいさんがいい味。
「ファーストラブ」は男子高生が清々しい。
「ドックシェア」はへんな組み合わせがおかしくて、私の苦手な犬の(すこし)悲しいお話しなのに、軽い気持ちで読み終わることができた。(泣かなかったなんてめずらしい)
「デートまでの道のり」は保育士&子供の交流の力の抜け具合が、しんみりしそうな内容を明るく読みやすいものにしていた。題材はしんみりしそうな内容でも、
フワッと軽く飛び越える感じで終わるので、深刻に考なくて良いんだ、と気が楽になる。
「センチメンタルになって得することは何もない」
と、本文中にあるように。
傲慢で見下し型の主人公(男子校生)はいつもどおり。
閉鎖的な村に、都会から戻ってきた女優が持ち込んだ問題の間で、ゆれ動きながら成長していく主人公という図式ですが、
このヒロインである女優が気持ち悪いだけで魅力が感じられず、ただ、後味悪いだけみたいな読後感でした。
まったく好みの問題なんですけど。
副題にもあるように、千石なでこちゃんが語る物語。
自分のことを名前で語られると、イラッとくるなぁと思いつつ、なでこちゃんモノローグを読んでいたので、風火ちゃんの言動にはスカッとしました。
じっさいこういう娘が近くにいたら、めんどくさいなぁ思うので。
そして、ラストで(声のみで)登場したひたぎさん、いいとこ持ってくなぁ。
このシリーズでひたぎさんがいちばん好きです。
この人が出てくると、グッとおもしろくなるもの。
タイトルにある戯言使いこといーたんはあまり出ず。
京都連続通り魔事件を振り返っているので、読むとそこらへんの出来事が補完された感じがします。
シリーズ中ではいまいち地味な作品でした。
またしても人識の人の良さみたいなのが、出ちゃったストーリィ。
家族思いも大変です。
双識のマネッコしてる人識のカバーイラストがレア。
それはそれとして、次々出てくる刺客、おもしろいけどおぼえきれません。。。
なんというか、人識の面倒見の良さみたいなのが、じんわり出ちゃったっぽいストーリィでした。
伊織ちゃんのキャラがなかなか良くて、今後の活躍に期待したいけど、このシリーズ終わっちゃったし、出番なしかな〜。残念!
小学生の時、こんな夏休みをすごせたら、どんなに素敵だろう。
そんな風に思わずにはいられない。
主人公のまわりのキャラがみんな魅力的。
お父さんもお姉さんも、お友達も。
が、やっぱり主人公、良いです。
小学生にしてあのブレのなさときたら!見習いたいくらい。
とりあえず、ノートをつけるところから真似してみます。
莢香38歳になりました。
なにもかもを自分で引き受ける癖がすこしうすれた、かも。
ほんの少し、力が抜けたかな?
お馴染みのキャラのその後知りたさにずっと読んでるシリーズですが、ちょっとアラが目立ち始めてきたかなぁと。
伏線をちらかしすぎて、ストーリー自体が伏線の積み重ねだけみたいで、以前ほど情緒が感じられない感じ。
伏線もラスト近辺での2.3の謎を解決しておわりって、いろいろ考えて読むと肩すかしをくらいます。
安定感のあるおもしろさ。
絶対、ほっとした気分で終わらせてくれる、という信頼感を裏切られることもなく、気持ちよく読了できました。
人が人を想う気持ちの温かさを感じられる作品。
普通にまっとうな善意の中で生きる人々(家族)をあつかった短編集。
「甘い生活?」「ハズバンド」「絵里のエイプリル」「夫とUFO」「里帰り」「妻とマラソン」収録。
いちばんいいなと思ったのは「里帰り」。
北海道出身なので、その分析になるほど、と。
家族って替えがきかないからこそ、大切にしなくちゃですね。
今年の直木賞受賞作です。
とても池井戸さんらしい作品で、この作品で賞がとれてよかったなぁと、しみじみ思います。
以前直木賞候補にあがった「空飛ぶタイヤ」に通じる、がっしりと重厚でありつつ人情味溢れた作品。
さらに以前より脇役に血が通っていて、どの人物にも存在感がある。
主人公の佃はもとより、社内の人間一人一人のキャラクターがしっかりしているので、リアルに人や心の動きが伝わる。
銀行から出向してきた殿村や、社長のやり方に反対する社員などの使い方もうまい。
当初敵っぽかった財前がだんだん味方になっていくところとかその人間くささをしっかり描けるところが池井戸さんの味ですね。
物語も最初の特許の問題から、バルブエンジンの制作へとおもしろい広がり方だった。
傑作です。
4編の短編集どれもが快作。
家族のいろいろな形や、またいろいろな形の家族が語られている。
ダントツに好きだったのは、表題作にもなっている「at Home」。
日常よりズレた世界観で、好みのストーリィ展開。
読後感もすごく良い。
「リバイバル」 は少し悲しいお話しだったけど、希望のあるラストは良かった。
「日曜日のヤドカリ」 「共犯者たち」もバランス良くいびつな家族をあつかっている。
家族って不思議なユニットですね。
「可哀相」じゃなくて「可愛そう」なんですよね。
そんな、可愛そうな大人達のことが、きれいなかんばせを持つ少女七竈や、その周りの人々や飼い犬(!)の目線で描かれています。
男に狂った気持ちを「辻斬り」と例えたり、「いんらんな親」とか「かんばせ」とか七竈や雪風というような名前の付け方とか、どこか古風な単語や文章がこのストーリィを独特な雰囲気にしている。
モノトーンの旭川の街に、赤いマフラーと白いマフラーが、浮かんで見えるような気がしました。
明るい話ではないのに暗く陰惨にならないのも、文章の持つ雰囲気とヒロイン(?)七竈のブレのなさですね。
この文章はまた読みたいので、他の作品も読んでみます。
読み始めたらとまらなくて一気読み。1日で読了。
冒頭の方で少し泣きました。
そしてそれからは虜になったように読み続けました。
始まりの方は飼い主の女性目線なのですが、途中から語り手が変わり、女性の気持ちや行動が見えなくなるのが逆にうまい。
結果的に、犬にやさしかった人が良い人であってよかった、というところに落ち着きました。
そして興味深いのは、悪人はそれとなく作られる、ということです。
悪人になる過程ってこういう感じかも、と。
悪人とそうでない人と、その一線はなんともろいことか。カバーの犬さんがかわいかったです。
すみませんが、おもしろくなかった、です。
好みじゃない内容で。
物語とはいえあちこち抵抗あるし、からくり、も効いていなかった。
6編の短編集。どれも読み出すとひきこまれる、登場人物が脇役にいたるまでリアルに活き活きしていて
物語として安心して読んでいける。
「十年目のクリスマス」「セールストーク」は爽やかなラスト。
「芥のごとく」や「妻の元カレ」は現実を映した辛めのラスト。
「手形の行方」はその中間。そして、「かばん屋の相続」。
タイトルでピンときますが、現実に似た出来事ありましたよね、その辺の顛末と読み比べてみるとまた一興です。
とにかく、どれもおもしろい。さすがです。
ハワイという場所の持つパワーを思いながら読みました。
あの土地のあたたかくて甘い花の匂いのするような濃い空気、そんな手では触れられないなにかに後押しされてちょっとした一歩を踏み出す人々のお話です。
ホテルの朝食ビュッフェのエピソードが出てきて、そのオムレツをものすごく食べたくなりました。(後日自分で作ってみました)
なにげにDVのお話なのですが、主人公の性格であまり暗くならずに読める。
義父の優ちゃんがどうしてキレてしまうのか、もうすこしだけ追求して欲しかったけど、でも、実のところ、こういう風にこれという理由の見つけられないままキレてしまうというのがより現実に近いのかも・・・。
キレるのを防ごうと頑張る2人の物語だけど、その過程で自分を見つめ直し成長していく少年の物語でもある。
気づき、思いやり、やさしくなったエピソードがよかった。
普通の人ってどんな人のこというんだろう、とふと思いました。
出てきた人がみんなちょっとアレ?というような人なんだけど、一般には充分普通の人として通っているから。
清濁あわせもつのが人で、濁はもちろん、清だけでも怖い人になっちゃうんだなぁ、と。
ところで、最近の京極氏の小説はしんどい内容が多いな、と思う。
せちがらい現代物は辛いので、京極堂シリーズを読みたいなぁ。
アララギ君の卒業してしまった高校での駿河ちゃんのお話。
駿河ちゃんは私のお気に入りのキャラだったんですけど、一人称の語り手になると、勝手が違うなぁ。
・・・おもしろく、ない。
期待していたノリと違って真面目じゃん、と。
やっぱ、アララギ君必要!と思いました。
「11人いる!」「くらのかみ」「六番目の小夜子」をシャッフルした感じ?
これだけでわかる人には内容ピンと来ちゃうかな?
でも、ネタバレにはなっていないかと。
学園ホラー(学校の怪談?)としては、新設定なので、その説明というか現象についての文章がやや無理矢理でまどろこしい。
もったいぶった分流れが滞り、入り込みづらかった。
が、ホラーとミステリがうまく融合していて、“現象”を理解した後半からはぐいぐい読みました。
鳴のビジュアルがそそります。(アニメではいとういのぢ氏のイラストですね)
ホラー系ミステリ短編集。
バラエティにとんだ内容だけど、ずっと宮部さんの本を読んできた身にはなるほど、という流れがみえます。
「いしまくら」がいちばん好きで、登場人物も魅力的だったので、シリーズ物にしても良いんじゃ?と思いました。
「聖痕」は「英雄の書」に通じるような雰囲気の作品。すべて単行本未収録の作品集で、解説が大森望氏で読み応えあり。
お買い得な文庫本でした。
飲むのが大好きな女性編集者・都さんの、お酒にまつわるアレコレ。
お酒での失敗も多々あれど、それをまたバネ?にちゃっかり幸せをつかんじゃうのがすごい。
編集者って強い。
ただ、飲んでの失敗談のおもしろさが、飲まない私にはいまいちピンときませんでした。
今までチラチラにおわせていた、委員長ちゃんのGWの出来事。
もたいぶってひっぱられていた分、肩すかしでした。
白の方がおもしろかった。
ひっぱりすぎるから、期待度あがっちゃうんだよー。もう。
タイトル通り、大安吉日の結婚式場で起こった1日の出来事。
結婚まで至るのだって大変だけど、式の当日だって大変だしドラマティックでもあるのですよ、という内容。
双子姉妹のお話がおもしろかった。なかなかの心理戦。
あと、「りえちゃん」と真空くんのところ。
後半からグッと良い展開になってひきこまれた。
見方を変えるとガラリと景色もかわる、みたいな展開好きです。
読後感の良い作品でした。
ストーリィの原形を募集して、それをリメイクした作品集。
そういうなりたりなので、いつもの乙一作品とちょっと違う雰囲気をかもしつつ、でもやっぱり乙一作品でした。
文善寺町と潮音さんという人がキーとなって、バラバラに見える世界でも違和感なく、それぞれの世界を楽しめました。
特に印象に残ったのは、「ホワイトステップ」。
目の前に映像が浮かぶような物語でした。
以前、死んじゃうということの理不尽さや不安を、「Papa told me」で克服というか納得したのですが、その時のことを思いだしました。
そういえば、あれも雪にまつわるお話しでした。
あと、「青春絶縁体」の会話、おもしろかったです。
主人公(中2)達がイタすぎておもしろい。
たしかに中2ってこんなだったなと、身に覚えがありすぎてもぞもぞしてくる。
学校での出来事が世界のほとんどで、心の大部分を占めていて、ちょっとしたことで右往左往して。
ストーリィはそんなほのぼした内容じゃないのですが、そういう懐かしさを感じました。本文抜粋
自分の世界で手一杯で、人のことが見えず、人の話を聞かない、考えることと人をバカにすることだけ一人前で、隣にいる男子1人が抱えた事情にも気持ちにも気づけなかった。
大店の病弱若旦那・一太郎と妖怪たちの人情推理帳。
ファンタジーノベル大賞優秀賞だそうで、読みやすく、そつなくまとまってると思います。
が、ちょっと長くひっぱりすぎな気も。
もっとテンポ良く終われそうな気がしました。
人情ってところももう一息。
ただ、キャラが今後魅力的になりそうなので、是非続編も読んでみたいと思います。
花井愛子「ときめきイチゴ時代」
コバルト文庫や講談社X文庫がノリノリだった頃、(ちなみに私はコバルト派でした)
ブイブイいわせていた作家さんのエッセイ。
あの時代、ティーンズ小説をメジャーに売り出そうしていた熱意が、すごく伝わってきました。
ただ、文章がラフすぎて、読んでいてやや疲れました。
本書のちょっと恥ずかしいタイトルでも感じましたが、このセンスではもう少女小説はキツイのでは・・・。(偉そうですみません、でも、ねぇ?)
あとは、「コバルト風雲録」も読まなくちゃかな。
近藤史恵「モップの妖精と二匹のアルマジロ」
キリコシリーズ4作目は初の長編でした。
浮気を疑われていた夫が事故で三年分記憶を失ってしまう…という。
対称的な2組の夫婦が出てきて、結婚生活について考えさせられるストーリーです。
大介さんのキリコを思う気持ちがかわいらしかった。
伊藤 計劃「虐殺器官」
面白いけど、先が気になってサクサク読んじゃうという内容ではなくて、主人公といっしょに思考しながら読み進める感じでした。
近未来のテクノロジー世界のヴィジョンを想像しながら、なのでさらに読むのに時間かかった。
でも、傑作!
地に足のついたSFを読ませていただいたな、という感じ。
作者はすでに他界してしまっているのがほんとうに悔やまれますね。
この本を読んで、そのことに惜しむ気持ちを持った人が自分の寿命から1時間プレゼントしたら、いったいこの作者はどれだけ時間が与えられ、どんな作品を読ませてくれたのだろう、と思いました。
若竹七海「みんなのふこう」
事件の発端はラジオの不幸コーナーへの投書。
おどろくほど不運にみまわれっはなしのココロちゃんの不幸連鎖が、話題になり、人々をまきこんでゆく。
ココロちゃんを軸に、語り主が入れ替わっていくのがおもしろかった。
ラジオ投書から、スタッフの日記、病院のボランティアだより、地元の作家のエッセイなど、いろいろな媒体で語られていく。
しかも、おなじみの葉崎の人達。粋な演出でした。
京極夏彦「オジいサン」
読みはじめは、おじいさんの思考トレースのようで、自分もぐっと老け込んだ気分になり疲れましたが、
慣れてくると、老人生活にも味わいを感じるようになり、田中電気二代目とのやりとりには、
だからこそホクホクした気分になりました。
あと、時間の流れを乗り物に例えたのがなるほどと。
子供のころは各駅停車の電車、歳をとるにつれて、急行や新幹線、そして飛行機になるという。
一年の長さが距離で、乗ってる乗り物によって速さの体感がちがうと。
なんだか納得。
益田ミリ「前進する日もしない日も」
同世代の女性の、しかもフリーのクリエイターさんのエッセイということで、どんなかなーと拝読。
あるある!とかふ〜む?とか近いスタンスで読了しました。
同世代の人の考えてることって、興味あります。
おもしろすぎて、先が気になって1日で読了しました。
檸檬に蜜柑、木村に王子、マリアにてんとう虫、そしてちょっと聞き覚えのある鈴木(「グラスホッパー」ですね)というメンバーが新幹線の中で繰り広げるドタバタ劇。
それぞれの視点でその場の出来事が語られてるのですが、こっちは神の視点でそれを眺められるという、
贅沢でだからこそハラハラ見守ったり。
てんとう虫くんの不運慣れしてるところと、檸檬のトーマス談議と、木村両親がおもしろかった!
ラストもオチが効いてました。
ポリス猫の活躍はもちろんですが、猫島がシムシティのごとく発展していく様子も面白かった。
温泉を掘ってみたり、とか。
島のみんなが猫島をもっともっとなんとかしようと、知恵をしぼっている姿が良くて、今後も楽しみ。
森流「武士道」の書?
とはいえ、まだ未完とも言えるし、いちおうの決着がついたともいえる。※続巻が出ることが後に判明。
ササゴマのエピソードとキグサのエピソード(語る言葉)が印象的。
武士が主人公って、過去の作品(ミステリやSF)から遠い印象を受けましたが、読んでみると今までの流れからちっともそれていなくて、とても森先生らしいと思える作品でした。
PTA小説と言うか、働くお母さん小説。
なので、戦いの場は会社じゃなく、外。
身近だけど、知らなかった世界のことがわかりました。
七人の敵がいるに続く言葉「されど、八人の仲間あり」って知りませんでした。
そうか、そういう風に続くのか、そう聞くと、人生捨てたもんじゃないって気分になりますね。
↑こういうタイトルだけど、きっと斜に構えたひねたアプローチをしてくるんだろうなぁと思いきや、しごくまっとうで、いちいちごもっともという、逆に肩すかしくわされました。
あるいは、私自身にあんまり迷いがないので、すとんと納得できたのかも。
あとは・・・自分がすでに森的思考を身につけたからだったりして。
論理的ですごくわかりやすかったです。
まよいちゃんとのアレコレを期待していたのですが、その件に関しては肩すかし。
しかし、今までにない新展開。
SFになっちゃうの!?のぶえもん!
タイムパラドックスの説明はすごく合点がいきました。
問題はのゆりさんの気持ち次第だったということ。
自分の気持ちを確かめるために、夫を見限るために小説1冊分かかるということか・・・。
↓短編集だったので、覚え書きっぽい感想になってしまいました。
「小屋のある屋上」
妙ちゃん、魚春の源さん&平蔵さんを語る。
「午後六時のバケツ」
譲とその父・渉の話。三田村サチとその母も登場。
バケツでなにか洗ってるおばあさんも登場。
「夕つかたの水」
サチ目線で母の話。ロマン(たこ焼き屋)で譲を見かける。
「蛇は穴に入る」
転職をくりかえしてケアマネージャーになった、谷口くんの目線。
ロマン常連の辰次さんと美根子さん登場。
「長い夜の紅茶」
時江(千木良)とその(むずかしい)お姑である弥生さんの話。
バケツおばあさん・茅子さん登場。
「四度目の浪花節」
割烹の店「ぶどう屋」の板前・廉ちゃんとおかみの央子さんの4度目はあるのか!な話。
お運びの佐羽さん(さっちゃん)登場。
「急降下するエレベーター」
友達が佐羽さんを語る。
「濡れたおんなの慕情」
占い師・清の半生と友人坂田の話。
同じアパートにロマンのあけみさんが住んでいる。
「貝殻のある飾り窓」
カメラが趣味の女性目線で、社内の不倫の話など身の回りこと。
ロマン常連の辰次さんも再登場。あけみさん町から退場。
「どこから行っても遠い町」
昔、魚春の側に住んでいた男が語る、自身の不倫と魚春の春田さん(真紀さん平蔵さん)の話。
真紀さんが源さんのところへ行くのを目撃。
「ゆるく巻くかたつむりの殻」
真紀さん(のような人)の語る、平蔵さんとの出会いと結婚。
そして亡くなっていく家族達。
ツナグという使者に依頼すると、1度だけ死者と会うことが出来る、そんな機会を持った人と、ツナグ自身の物語がオムニバス式に描かれています。
「長男の心得」と「親友の心得」がおもしろかった。
ちょっとひねていて。
川上版トムソーヤの冒険という感じ?
主人公の江戸翠がトムで花田くんがハック。
周囲のちょっと奇妙な大人達、翠の家族もなかなかに変わっていますが(特に『江戸の日』のエピソードおもしろかった)担任のキタガーくんがいい味だしてました。
著者の作品ではちょっと異彩を放つ感じがしましたが、私はこういうの好きです。
委員長ちゃんこと羽川翼側の物語。
語りも羽川さん視点なので、ちょっとテンポにかけ、盛り上がりもイマイチ。
(ひたぎさんと絡むとおもしろいのですが)
どうしてもBパートという感じが否めませんでした。
裏バージョン?の「猫物語 黒」に期待。
「おそろし」に続く、おちかの百物語。
表題にもなっている「あんじゅう」のあんじゅうことくろすけがいじらしくて、そしてその周りの人々が優しくて、じんときました。
他にも、登場人物の人柄が良くて活き活きしていて、読んでいて楽しかった。
少年法のありかたを問いたくなる、重いストーリィとラスト。
トーンは暗く重かったけど、ちょっとしたサプライズもあり、落ち着くところに落ち着いたという印象のラストでした。
けど、やっぱりやりきれないなぁ・・・。
武士道シリーズ完結編・・・になるのかな?
今回は香織と早苗と、そのまわりの人々のお話。
特に好きだったのは早苗のお姉さんの恋物語です。
そして、桐谷道場の過去にゾクリとするとともに、その後の吉野先生のお話しとのリンクにはニヤリとしたり。
どれも語って欲しかったストーリィ。
フィナーレはさみしいけど、大満足の内容。
で、やっぱり良いのは香織ですね。
つきぬけて格好良くておもしろい。
早苗におごらせたハーブティを「くっせえ」といって残したり、やりたい放題で笑えました。
前作は香織が悩んで悩んで成長していきましたが、今作は引っ越していった早苗の成長の物語。
前作同様、二人交互に語っていますが、今回は前作で成長した香織がゆるぎなく頼もしかった。
「剣道は、武道は、武士道は、相手の戦闘能力が奪い、戦いを収める。そこが終着点たい」
と語る吉野先生の言葉、なるほどと思いました。
武士道という言葉や成り立ち、震災後、日本人についていろいろ考えていたので、いろんなことがあいまってじんと来ました。
巻末の著者紹介文に、「(本書は)著者初の、人が1人も死なないエンターテイメント」とあった通り、剣道をとおして女の子の成長を描いた物語。
2人の女子高生の視点で語られるのですが、どっちも個性的でかわいらしくて応援したくなりました。
関西弁の会話のテンポがよくて、くすくす笑いながら気持ちよく読了。
関西人おもしれー!
兄弟の対比がよかったです。どっちも良い子だし。
まぁ、やっぱり兄のが一枚上手でしたけど。
でも、このタイトルは・・・ちょっと。
どうしてこんなになったのかな?
作者が決めたのか、それとも編集(出版社)の意向?
本の作りもイマイチでした、それぞれに扉はあるものの、目次(章タイトル一覧)のページがなくて、読みにくかった。
本を作るという仕事としては、とても雑に感じました。(出版元、去年民事再生法適用となった理論社でした)
お金のことや、ごはんのことや、インテリアのことなど、身の回りのあれこれについて書かれたエッセイ。
いっしょに考えながら読みました。
そしてひじきを煮たくなりました。
いちばん良かったのは1話目の「a story」。
骨が1コ多いとか本当にあるのかな?
骨から男の人が出てくるとかいう発想もすごい。
他は、脚本形式なので、いまひとつマイジョウっぽさが薄れていた気がする。
「サクリファイス」の続編。
ほんの少しミステリタッチでした。
チカの外国で発揮される日本人性質みたいなのが、誇らしかった。
近未来のテクノロジーがいろいろ出てくるのですが、でも、それを使う人の人間的としての普遍性は大きく逸脱していない、そのバランスがリアルでまた絶妙。
そしてそこに物語がある。
ハートウォーミングなSF作品集です。
「エクステ効果」「笑い袋」が好みでした。
おしつけがましさのない優しさがあります。
SF短編集。
特に好みだったのは「夜を駆けるドギー」。
ラストも爽やかで温かくもしろかったです。
「優しい音楽」「タイムラグ」「がらくた効果」の3編収録。
どれもおもしろい!
優しい音楽:家族とは思えなくなったことを湿疹の件で、さらっと象徴したとことか、なるほどーでした。
タイムラグ:しんみりしそうな内容なのに、登場人物の明るさが帳消しにすている。
がらくた効果:佐々木さんの人徳で、こういうのも楽しそうだなぁとか錯覚してしまう。とにかく誰もが明るい方を向いていく、そんな一冊でした。
-本文抜粋-
「でもスタートするのですね」
佐々木さんは静かに口を開いた。
「え?」
「前の人が到達できなくても、スタートのチャンスがあるし、
たすきがなくても、スタートしなくてはいけないのですね」
「ええ、まぁ、そうですね」
「もうだめだとわかっていても、走らないといけない」
佐々木さんがつぶやいた。静かに、しっかりと。「がらくた効果」より
著者の自伝的小説とい言われています。
派手な出来事があるような物語ではないけど、引き込まれるように読んでしまったのは「気」がこもっているからか。
ラスト余韻は残ったけど、ちょっとさみしかったです。
自殺するはずだったのに失敗してしまった女の子のトンチンカンでバランスの悪いような良いような性格がおもしろい。
再生するまでの物語と言ってしまえば簡単だけど、それ以上の良い空気を感じた。
へんてこな家族の日常をたんたんと語り見つめる主人公(ヒロイン)の目線が読み心地よい。
そして起きた悲劇で心に傷跡は残ったけど、ラストの弟の言動に救われた感じがまた良い。
なつかしの山崎ぶたぶた本です。
このシリーズ久しぶりに読みましたが、やっぱりぶたぶた良いですね。
タイトル通り、料理がからんだストーリィでどれも食べたくなる!
いちばん惹かれたのはかき氷でした。あとガレットですね。
南国を舞台にしたショートショート。
多数の写真とあいまって不思議な世界を見せてもらいました。
┃Index┃