『天使が舞い降りてくるのよ』「えっ?」『だからここを見てよ。』
一瞬、夢かと思った。眼を開けるとまだ幼さの消えない、Aタイプの少女が
不揃いな脚の椅子に腰掛けてじっと僕を見ている。
Aタイプはすぐに見分けがつく。
成長仰止剤を投与され続けた結果、副作用でひどくいびつな骨格になってしまう。
Aタイプとは「リンゼイぐるーぷ社」が開発した少女売春組織の総称でもある。
『わたし違うわよ』「ん?何が?」『Aタイプなんかじゃないわ』
「そんなことどうでもいいよ、僕はアーネスト」
「みんな呼びずらいからアネストって呼んでる。」
『いえっどうでも良くなんてないわ!』『いつも間違われるんだもの...』
僕はまずいことを言ってしまったようだ、コミニュケーションは酷く苦手だ。
でも、好かれようと嫌われようとそれも、今の僕にとってはどうでもいいことだ。
『わたしは予見者なの。』「・・・」
『未来を予測する為に自ら成長を拒んでいるのよ。』
「クレージーだよ!」『あらっ、信じないのねっ『
クレージーだ、イカレてる、少女も世界も僕も。何もかもがイカレてる。

『そこの本をとってくれる』やれやれ、さっきまで少女が机に広げていた本が
床に転げ落ちている。僕は本を拾って彼女に渡そうとした。
その本は聖書だった。まだこんな前世紀の遺物が残っているとは。
何気なく開いた章の言葉が溢れて飛び込んできた。
そこには、こう書かれてあった。

               (つづく・・)

  
BY 高野

Water Circle


Up Date 5/301997 By T.M