質問要旨(H11-09)
1 工業の事業所数と従業員数が減少しているが、その対策を伺いたい
(1) 増加人口が平成7年度急激に低下したが、行政の見解を伺いたい
(2) 工業の事業所数と従業者数が平成3年以降減少しているが、その対策を伺いたい
(3) 企業誘致事業の進捗状況を伺いたい
2(1) 下水道事業の地方債年度末現在高が一般会計歳入合計を上回る額にまでなったが、その対策を伺いたい
○5番【武松 忠君】
5番武松です。質問の前に一言申し述べさせていただきます。
去る8月14日に発生いたしました山北町・玄倉川の水難事故において被災した13名の方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、応援として本市消防職員の16日間、延べ153名に及ぶ協力で被災者全員を発見できたことに対し、深く敬意を表します。
それでは、発言通告書に基づきまして、工業の事業所数の減少と、下水道の地方債現在高の2点について質問させていただきます。
まずはじめに、工業の事業所数減少に関しましては、商業と産業の環境が大きく変わっていることについて整理したいと思います。
私は今、川東地区に住んでおりますけれども、工業地域がショッピングセンターに変わろうとしております。
元大同毛織、現在のダイドーリミテッドの工場であったものが、10年ほど前にNEC系列のビデオ工場になりました。その横は、6年ほど前にイトーヨーカ堂になりました。そのNECのビデオ工場も、NEC自体のビデオ事業撤退の後、コンピュータ周辺機器の開発センターとして、平成6年8月に川崎の開発センターと統合し、大井町へ移転しました。移転者数は、小田原と川崎を合わせまして1000名、小田原からは約200名が移転いたしました。幸い通勤圏であるということで、小田原から転出した方はほとんどないということです。また、川崎からの移転者は、ほとんどの方が県西部には転入しておらず、小田急線で通勤しているということです。NECがこの大井町に進出した理由というのは、駅から徒歩圏内であることと、本社とバスで連絡するために、東名高速までの距離が近いということからだそうです。ビデオ工場移転後の先ほどのダイドーリミテッドの跡地は、御存じのとおり、平成12年秋に(仮称)ダイドープラザ2として、ロビンソン百貨店を中心とした県内有数規模のショッピングセンターになろうとしております。
また、本年3月に開店いたしましたシティーモールクレッセも、土地と建物はアマダメトレックスの所有ですが、アマダメトレックスの小田原にあった本社部門は、平成4年4月に伊勢原市へ移転し、同時に400人の移転がありました。現在は、200人ほどの社員がシティーモール北側の工場で就業しております。
ユアサコーポレーションについては、平成10年3月に業務再編を行い、研究開発の比重を高めております。
ミクニ小田原事業所についても、本年4月に生産工場から開発部門主体になり、60〜70人が静岡の菊川工場に移転いたしました。これも、移転者の多くは単身赴任とのことです。
明治製菓についても、移転数等は明らかではありませんけれども、事業を変えておりまして、菓子製造から薬品製造主体に変わりまして、また、工場自体も研究開発が主体になってきております。クミアイ化学工業についても、工場自体は移転し、現状は主に物流部門だけが残っているようになっております。
このように、市内の大きな工場を分析しますと、製造工場は移転し研究開発部門になったもの、製造品目を変え事業転換したもの、製造工場が移転しショッピングセンターになったもの、このような傾向に分けられます。事業転換の原因を考えてみますと、確かに繊維や家電製品の製造はアジアに移りました。その結果、多くの工業系の企業は、日本国内を製造から研究開発に比重を移しております。家電製品でも、20年前25万円ほどしたビデオデッキも現在は2万円程度で手に入ります。当初、国内すべての家電メーカーが国内でビデオを製造しておりましたが、現在は一部のマニア向け高級品を除きアジアで製造し、現在はビデオ事業から撤退したメーカーも多くあります。パソコンを例にとりますと、この10年で大きさは3分の1、性能は100倍以上になりました。その一方、4年ほど前からの急激な価格破壊で、価格は2分の1から3分の1。こうなりますと、生産拠点のアジアへの移転、国内では統廃合や高付加価値製品への転換などが行われました。
私事で申しわけございませんが、この6月末で会社を退職いたしました。会社では、半導体関連の製造装置のロボットの開発をしておりました。そのため、半導体業界が急激に成長して、また、激しい国際間の価格競争から、生産拠点が急速にアジアに移っていく様子を目の当たりにしてまいりました。10年前は国内が主流でありましたが、6年前からは韓国が主流になり、2年前からは台湾やシンガポールが主流になりました。以前は、パソコンの多くがMAde
in JApAn やMAde in USA でしたが、MAde
in
KoreA 、MAde in TAiwAnになり、最近では
Assembled
in JApAnというものになっています。この
Assembled
in JApAnというのは日本製という意味ではなく、日本で組み立てているという意味で、その製品を構成する部品は、アメリカ、台湾、中国、日本、世界じゅうの安くてよいものを集積して日本で組み立てる。こうして、性能がよく価格競争力のあるものができているわけです。
急激なアジア進出で、日本国内の空洞化が懸念されますが、設備面からアジアの半導体メーカーを見てみますと、その多くが日本の半導体メーカーと提携しており、日本のメーカーの製造設備と全く同じ組み合わせの設備が現地にあります。また、ラインの監督者も、日本の提携先の技術者が駐在しております。半導体の製造ラインに入りますと、そこが日本なのか台湾なのか韓国なのか、本当にわからないような状態です。このように、一見空洞化のようですが、実は日本のものづくりは、海外でも脈々と息づいていると思います。
日本は、御存じのとおり資源がありませんから、対外的には原料を輸入し、加工することにより付加価値をつけ、利益を上げていかなければなりません。事業転換で製造品が変わることは理解できますけれども、先ほどの工業地域がなぜショッピングセンターになってしまうのか。企業の事業転換とはいえ、既存の商店に与える影響はあまりにも大きいと言えます。ショッピングセンターとなり得る広大な土地は、駅前商店街や農地のように所有者が多い場合は既得権が錯綜し、現実的には開発できません。所有者が一つの工場跡地だったからショッピングセンターができたわけです。その結果、従来の商店街は売り上げと来客数の減少により経営状態が悪化し、シャッター街と言われるようになりました。また、新しくできたショッピングセンターの近くの商店街であっても、同様に客数の減少が激しくなってきております。このような状態では、周辺の経済効果というのはほとんどありません。商業地だけでなく、住宅地にあった青果店、精肉店が閉店し、下肢不自由者や高齢者がふだんの食料品の購入さえ困難になるという新しい問題も起きております。その一方、車を使える世代にとっては非常に便利になりました。多少渋滞しても駐車場の心配は不要で、1回の駐車でいろいろなものが手に入りますし、雨でも傘が不用など、ベビーカーを使う世代には本当に便利です。一度ショッピングセンターに行きますと、逆に商店街の不便さばかりが目立ち、商店街を使わなくなってしまいます。
これに関連しまして、職業分類別の従業者数を見てみます。まず、サービス業の職業ですが、内容としては、駐車場、自動車整備業、旅館その他の宿泊業、娯楽業、医療業、教育、こういった分野がサービス業となるんですけれども、この職業分類別の従業者数の順位は、平成3年までは1位製造業、2位卸売・小売・飲食業、3位サービス業で、どの職業分類もそれまでは年々増加しておりました。これが平成8年では、1位卸売・小売・飲食業、2位サービス業、3位製造業になっております。結果的には、製造業だけが減少しております。従業者数としては、平成3年から8年の6年間で6000人減っております。また、シャッター街、中心街空洞化と言われる中で、卸売・小売・飲食業の従業者数が減少ではなく増加しているということも注目できると思います。
産業構造の変化を否定するわけではありませんが、我々の子供たちが働く場、特に男子は製造業の比率が高いため、製造業が減るということは、市外への人口流出の原因になりかねません。卸売・小売・飲食業、サービス業の従業者がふえておりますが、小田原市統計要覧より、県内常用労働者30人以上の事業所における平成9年度の1人平均月間現金給与総額、わかりやすく言いかえますと、年間総収入を12で割った数値を比較いたしますと、調査した産業全体の平均では45万8022円、製造業では48万6962円、卸売・小売・飲食業は30万687円、サービス業は47万2066円となっております。サービス業は、医療業や教育が平均月額給与を押し上げておりますが、これらの従業者の増加は多くありませんから、旅館その他の宿泊業や娯楽業の従業者がふえていると言えます。旅館その他の宿泊業や娯楽業の平均月間給与は28万円から29万円です。製造業と比較すると、一月に20万円もの差が出てしまいます。業種の差別をするわけではありませんが、給与の差は明らかです。こうしたことから、私は、製造業の流出を食いとめ、製造業を誘致することは、政策として非常に大切なことだと考えております。
市長もよく地域間競争という言葉を使われますが、私は、地域間競争に勝つということは、20代や30代の人間をどれだけふやせるかということだと考えます。そのためには、事業誘致を進めること、子育て世代にメリットのある政策を打ち出すことが非常に重要ではないかと考えます。
次に、総人口を見てみますと、総人口は平成7年に20万人を超えた後は微増といったところです。そこで、増加人口を見てみますと、増加人口というのは、その年の総人口より前年度の総人口を引いたもの、すなわち前年から増加した人口のことですけれども、この増加人口は、昭和56年から平成6年までは年間1000〜2000人、平均で1500人ほどで推移しておりました。これが平成7年以降は500人以下にとどまっております。中でも、平成9年にはマイナス186人と、市制施行以来初めて人口が減るという事態を迎えました。ここで、質問の(1)といたしまして、増加人口が平成7年度急激に低下しましたが、行政の見解を伺いたい。
次に、先ほど説明いたしましたように、製造業で、これは工業の4人以上の事業所に限りますが、その従業者数を調べてみますと、平成3年度は550事業所ありましたが、平成9年度には426事業所に減っております。また、その従業者数は、2万4364人から、平成9年度には1万8087人まで減少しております。事業所については、この6年間、毎年20.8社の減少、従業者については、毎年1047人の減少が続いております。質問の(2)は、この工業の事業所数と従業者数が平成3年以降減少しているが、その対策を伺いたい。また、その対策の一つとして企業誘致が考えられますが、質問の(3)としまして、企業誘致事業の進捗状況を伺いたい。
次に、質問の2番目といたしまして、下水道の地方債年度末残高について伺います。
下水道事業は非常に難しい事業です。市民から見れば、下水道は必要なものという認識はあるのですが、年末や年度末に集中する下水道工事で渋滞で迷惑しましたり、単独浄化槽から公共下水道に接続する際に数十万円の工事費がかかったりしております。市民生活に一見何ら変化の見られないものに数十万円のお金を支払うということは、非常に難しいことです。ただ、周りをよく観察してみますと、確かに川の水がきれいになり、洗濯排水で川の至るところに石けんの泡が浮いている光景はほとんど見受けられなくなりました。海水浴場の水質検査でもほとんどが適で、不適はなくなり、酒匂川もアユ釣りの名所として有名になってまいりました。行政側から見ると、汚水処理場の処理規模を当初の計画値まで達成すべく計画を進めなくてはなりませんし、地域指定をし、順次工事を行ってきましたが、工事計画はともかく、想定した使用料金を徴収するためにも、実際に接続してもらわなくてはなりません。また、対外的に見ても、水洗化率の高さが都市化の指標となっております。しかし、小田原市の事業全体で約1400億円の地方債残高がありますが、中でも下水道事業特別会計の地方債残高は600億円になっております。
質問の(1)といたしまして、下水道事業特別会計における地方債現在高が増大し、補正予算前では平成11年度末現在高見込額が一般会計歳入合計額の約599億円を上回る約600億円になっております。そして、その償還に要する公債費が約40億円という多額なものになっております。しかし、環境に対する下水道の重要性を考慮すると、早急な下水道の整備が望まれますが、整備に伴い、公債費も増大すると思われます。そこで、下水道事業をどのように経営する考えであるのか伺います。
質問の(2)としまして、平成11年度当初予算の水道事業会計においては、水道料金収入が約33億円見込まれているのに対し、下水道事業特別会計においては使用料収入が約28億円見込まれております。地方債現在高の増大に対処しつつ下水道事業を運営していくためには、使用料収入が大変重要なものになりますが、水洗化率の向上により使用料の増収を図ることについて見解を伺います。
最後に、質問の(3)といたしまして、この下水道事業には多額の経費がかかりますけれども、公共下水道と合併処理浄化槽を普及させる区域の見直しをし、事業費の削減とともに水質浄化を図ってみるべきではないのか。
以上、御回答願います。(拍手)
○副議長【谷神久雄君】
市長、登壇願います。
〔市長(小澤良明君)登壇〕
○市長【小澤良明君】
5番武松議員の御質問に順次お答えをさせていただきます。
最初に、平成7年の増加人口が減少していることについての御質問がございました。確かに平成7年の対前年比での年間増加人口は363人と、平成6年の年間増加人口1835人に比べてその増加割合が大幅に減少しております。この人口増減の内訳を自然増減と社会増減とに分けてみますと、この自然増減では、年ごとに若干の増減はありますものの、年間増加人口は平成に入りましてから大体同じ量で推移しておるということでございます。一方、社会増減では、年ごとにばらつきが見られるものの、平成6年までは増加を続けまして、特に平成5年1109人、平成6年には1193人の年間社会増でありましたのに対しまして、平成7年には一転して217人の減少となりまして、その後もこの傾向が続いているところであります。お尋ねの人口減少の原因につきましては、各種統計データをもとに分析した中では、その原因を特定できるような要因を見いだすことはできませんでしたが、一般論としては、直接的あるいは間接的に、その時代の景気の状況、経済の状況等が影響しているものと推測されるところであります。
次に、平成3年以降、工業の事業所数と従業者数が減少し続けている中で、どのような対策をとっているのかとの御質問がございました。御存じのとおり、バブル経済の崩壊と企業内リストラ等に伴いまして、御指摘にもございましたが、幾つかの企業が市外の工場に生産施設を移したり、統合したり、規模を縮小したりしているということでございます。また、研究所や商業施設へ転換していくというケースもございました。これらはいずれも企業経営戦略の高度な判断のもとに決定をされたものと受けとめております。大手企業につきましては、その動向が、税収や関連企業の業績のほか従業員の雇用面にも大きな影響を与えますので、毎年、経済部に市内の大手企業を訪問させまして、今後の事業展開を伺うなど、本市との意思の疎通を図っておりますし、また、私自身も大手の企業の責任者と意見交換会を定例的に持っているところでございます。中小企業に対しましては、毎年、業種を特定して、中小企業診断士等の専門家を派遣して経営指導に努めておりますほか、小口資金等の融資制度やアドバイザー派遣事業等を実施いたしまして、その経営の安定と活性化に努めているところでございます。
次に、企業誘致事業の進捗状況についての御質問がございました。まず、羽根尾地区の西湘テクノパークにつきましては、組合施行による土地区画整理事業として工業団地の整備を進めておりまして、平成10年4月から造成工事に入っております。この工業団地に優良企業を誘致するために、平成10年度から特に庁内の組織として企業誘致担当部門を設置いたしまして、全力を挙げて取り組んでいるところでございます。現在、神奈川県企業誘致促進協議会や日本立地センターなどが主催する産業用地の斡旋会に積極的に参加するとともに、インターネットのホームページを利用いたしまして企業を直接訪問するなど、あらゆる手段、媒体を使って誘致に努めております。そのほかにも、それぞれの工業団地の事業主体等におかれましても、積極的に誘致活動を図っているところでございます。そこで、その状況でありますが、造成工事の完成を待って進出を希望している企業が数社ございます。また、数年後には進出したいという企業や問い合わせのある企業も何社かございます。次に、成田・桑原工業団地につきましてでございますが、平成10年度までに13社が進出いたしまして、既に操業を開始していることは御承知のとおりであります。しかしながら、工業用地として3ヵ所で2600平方メートル余の土地が残っておりまして、現在ホームページや「広報 おだわら」、業界紙への情報提供などを通じて企業誘致に努めているところであります。いずれにいたしましても、厳しい経済状況の中ではありますが、今後とも積極的に誘致活動を進めてまいりたいと考えております。
次に、大きな2番目の下水道事業についての諸問題でございますが、まず下水道整備と公債費、下水道会計の元利償還金との関係で、下水道事業をどのように経営する考えであるのかとのお尋ねがございました。地球的規模で環境問題に取り組んでいる中で、水質汚濁の改善策として下水道事業が必要不可欠であると認識いたしておりまして、市民の快適な居住環境づくりのためには、早急な下水道の整備が望まれるところであります。しかし、公共下水道の整備につきましては、建設期間が大変長期間にわたりますとともに、多額の先行投資を有する事業であるために、国や県の補助金の一層の確保に努めてまいりたいと考えているところでありますが、財源上、どうしても市債を活用していかざるを得ない状況にあることは御指摘のとおりであります。今後も、事業の推進に伴い、当然、市債残高は増大せざるを得ないということになりますが、全市街化区域に公共下水道が整備をされるころをピークとして、その後は徐々に減ってくる、逓減するものと思われます。この起債残高は、次世代の方々に負担が及ぶことになりますが、下水道施設は耐用年数が長いということもございますし、応分の負担はやむを得ない、何とかお願いしていきたいというふうに思っております。いずれにいたしましても、公共下水道の整備は、国の補助金の動向や本市の財政状況を十分に考慮して、一般会計からの繰入金等とのバランスも踏まえ、少ない市費で効率的な事業推進が図られますよう国・県の補助金の一層の確保に努めるほか、貴重な収入源であります使用料を確保するよう水洗化のPRに努め、事業の推進に取り組む考えでございますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
水洗化率の向上により使用料の増収を図るべきだろうという御提言がございました。5番武松議員の御提言のとおり、水洗化の促進は、環境問題解決策の一つであるとともに、特別会計の重要な財源としての下水道使用料の増収にもつながりまして、健全な運営に寄与していくものと考えております。そこで、水洗化促進策といたしまして、「広報 おだわら」への掲載をはじめ、受益者負担金及び工事の説明会やイベントでPRを行い、未接続、管はそばまできているけれども接続をして使っていただいていない家がございますので、そういう家あるいは事業所には戸別訪問等をしてお願いをいたしますほか、水洗便所改造資金貸付金、水洗化工事費補助金、これらの制度の利用を促しまして、また、排水設備指定工事店を拡充するなど、接続率の向上に努めているところであります。今後のPRにつきましても、地域と密着したきめ細かな方法で、さらに水洗化の促進に努力をして、使用料の増収を図ってまいりたいと考えております。
最後に、公共下水道と合併処理浄化槽を普及させる区域の見直しをして、事業費の削減と水質浄化を図れということでございますが、神奈川県では、快適な生活環境づくりや良好な水環境づくりのために、平成9年3月に神奈川県生活排水処理施設整備構想が策定されまして、人口が集中している地域では公共下水道の整備を進め、農業振興地域の中で集合処理が適当な地域は農業集落排水施設の整備を、また、集合処理が適していない地域及び施設の整備が長期間かかる地域では合併処理浄化槽の普及を進めることを基本方針といたしているわけであります。したがいまして、この県の方針にのっとりまして、本市といたしましても、市街化区域内は公共下水道の整備を進め、市街化調整区域内につきましては合併処理浄化槽の普及促進を図っているところでございますので、引き続きこうした方針をもとにいたしまして水質保全対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。なお、御指摘のございました事業費の節減につきましては、現在、設計手法の見直し、技術開発の推進、積算の合理化等を行いまして、一定の成果も上げておりますので、今後もこうした節減の努力をさらに続けてまいりたいと考えているところでございます。
以上をもちまして、5番武松議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。
○5番【武松 忠君】
答弁ありがとうございました。
増加人口の問題は、数値的には、1500人だったものが急激にそれ以降500人以下になっているということで、これだけ典型的な変化があれば、原因が特定されるのではないかと思って聞いてみたんですが、私もその後いろいろ調べまして、なかなか答えが見つからないということで、さまざまな複合要因が重なってのこの結果だというような認識で間違いないと思います。
それから羽根尾の工業団地の件ですけれども、数社希望があるということで、ある程度希望は見えていると思うんですが、確かにみかんの減反地の跡地利用ということで、工業団地としてはあまりいい土地じゃないというふうに私は認識しています。駅から遠く、西湘バイパスにつながったとしても上り線しか乗れませんし、丘陵地である。かなり問題があるんではないかというふうに思うんですが、例えば西湘バイパスが下り線まで使えるようなアプローチをしているかどうか、そういった件についてお聞きしたいと思います。
また、下水道の方に関しましては、先ほど下水道料金と水道料金の説明をいたしましたけれども、水道料金が33億円で下水道料金が現状28億円の利用料金ですけれども、水道ほどに普及率が高まっても、下水道料金はせいぜいあと5億円とかそのぐらいしかふえないわけですね。そういった状態で健全な経営ができるのかということについて、もう一度お伺いしたいと思います。
ただ、この事業自体は、どこにバランス点を求めるかということになってくると思うんですけれども、ここでやめるわけにはいきませんし、また行政側、市長の巧みな運転によって、バランスのいいところで最良の結果を求めるようにしたいと思いますが、最後に1点だけ要望としまして、市街化調整区域は基本的には合併処理浄化槽ということになっているんですけれども、市街化区域と市街化調整区域がしゃくし定規的に線引きされていますと、例えば市街化区域のすぐそばに市街化調整区域の集落があったとしまして、そこにつなぎたいというようなときでもつなげないとか、そういうことが多分出てくると思うんですけれども、そういうところをある程度弾力的に下水道が引けるとか、そういう応用ができるように政策を持っていっていただけるとありがたいと思います。
また、単独処理浄化槽から公共下水道に接続する場合があるんですけれども、これは結構新築の家も多いわけです。例えば新築で、家を建てて2年たったら下水道がきて、そこで接続しろと言われても、市民から見ればそこで二重の負担になってしまうわけです。新築のときに40万円とか50万円かけて浄化槽をつけているのに、公共下水道がきたからといってまた接続工事に数十万円かかる。それは非常に難しい問題で、こういうところに例えば新築何年もしくは下水道が償却していない段階で再投資しなければいけないという部分に対して、何か補助金制度みたいなものが運用できると、またさらに接続率が上がるのではないかと思いまして、これは要望として言わせていただきます。
○市長【小澤良明君】
私の方から、2点目の下水道特別会計の今後の問題につきましてお話をさせていただきますが、御指摘のとおり、私も下水道事業特別会計というのには大変大きな問題意識を持っております。いまだ人口普及率は62.7%でございますし、これからだんだん効率の悪い部分に入っていくわけです。小田原はやはり面積が大きいですし、市街化区域の中でこれから相当集落が点在していく。密集している部分は少しずつ整理が済んでおりまして、お金の効率の悪い仕事をこれからやっていかなければならないというところにいきます。そこで、現在でもこれだけの累積債務を抱えておる中で、今後この下水道をどう進めていけばいいのか、非常に大きな問題ととらえております。ただ、一方では、一般会計からどんどん繰り入れをしても、市民全体の中で負担をしていただいても、少なくとも市街化区域の中の下水道は進めていって、環境問題あるいは市民の健康で文化的な生活を保障するという部分もございます。全体の中で、人口普及率の増加の状況、それから一般会計からの持ち出しの部分、そして受益者負担という使用料等の部分、こうした部分をそれぞれ勘案しながら、今後も厳しく、いつも普及率と同時に市財政全体の中でこの下水道の債務をどう位置づけていくのかという視点は必ず忘れずに、この普及を進めてまいりたいというふうに思っております。
先日、まちづくりトップセミナーといいまして、建設省の幹部の皆さんと全国の首長が集まる勉強会がございました。その場で、建設省の下水道部の方々にも、私たち地方自治体としての不安な思いといいますか、そういうものは切実な声として強く私からも訴えておきました。ただ、率直に言いまして、小田原市の場合は下水道料金がどちらかというと県内でも安い方の部類になっておりまして、ここのところはずっと歴史的なものでもございますし、では下水道料金をもっと上げたらどうですかみたいな話も一部で出てきますと、これはこれでまた別の問題としてあるというようなこともございます。料金の問題はそういうことで、審議会の皆さんに御相談をしながら考えるわけでございますけれども、あまり急激なことももちろんできないし、一方では、大量の使用者にかけますと、先ほど前段の御質問にもございました生産工場等がどんどん出ていってしまう一つの大きな原因になってしまう。そんなこともありましたり、これは全体の中で下水道事業をどう考えていくのかということだと思っております。合併処理浄化槽の問題等につきましては、国全体としてまだ仕分けがしっかりとできていませんので、調整区域の中で合併処理浄化槽で集合処理とかをやっていくというような形で、当面は小田原市としてもやっていきたいと、こんなふうに考えております。
以下につきましては、担当の方からお答えをさせます。
○助役【内藤武彦君】
最初に再質問のございました羽根尾工業団地の件でございますけれども、これにつきましては、進出企業がこういう状況であるというのは先ほど御答弁させていただきましたけれども、確かに御指摘のように、立地上のアプローチの面での難点というのはございます。ただし、今御紹介しましたように、何社か企業が進出要望できておりますけれども、それは織り込み済みといいますか、そういう条件を承知の上で今きていられるわけです。逆に言いますと、羽根尾工業団地のよさといいますか、一つは環境面といいますか、あそこはちょうど海が見えるんですけれども、環境面のよさとか、あとは価格が必ずしも一番安いというわけではございませんけれども、県内においてはかなり安価である。こういう点に進出企業に魅力の点があろうかということでございます。先ほどの西湘バイパスのアプローチの件は、これは確かに現在下り線の方はできませんけれども、この工業団地のためにどうこうということではなくて、いずれはその辺はまた別途交渉していきたい。現実の話として、工業団地のためにそういった西湘バイパスについてのアプローチはしてございません。
また、下水道の件で、市街化区域と市街化調整区域における境界のような場合の対処の仕方でございますけれども、現在の計画上は、市街化区域においては公共下水道、市街化調整区域においては合併処理浄化槽というようなことが一つの計画としてございますけれども、現実の問題としてそういう具体的な問題が起こった場合は、それはどちらがよろしいのか、またその段階で具体的な取り組みをしたいというふうに考えております。
以上です。
○5番【武松 忠君】
いろいろ答弁ありがとうございました。
既に下水道の引かれている地域に多くの若い人が入って、下水道料金もいっぱい入るような政策をお願いいたしまして、質問を終わります。
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