令和7年12月定例会 一般質問

◆18番(武松忠君) 通告に基づき質問いたします。
 1 小田原城南曲輪の二重櫓について。
 (1)南曲輪の現状について伺います。
 小田原城の南曲輪は、現在、郷土文化館の老朽化と旧市立図書館(星崎記念館)の閉館により、史跡の中に、史跡とは異なる建物が現存している状態となっております。
 郷土文化館の建物は1945年に建設され、旧神奈川県立小田原婦人専修職業訓練校として使用していたものであります。郷土文化館が1973年に現地に移転し、現在も使用されております。築80年を迎え、老朽化が進むものの、史跡内にある建物のため大規模改修ができない状態であります。
 星崎記念館は1959年11月、星崎定五郎氏の寄附金を基に、県費及び市費を投じ開館いたしました。築65年を迎え建物の老朽化が進む一方、郷土文化館同様、史跡内にある建物のため大規模改修ができないことから、2020年3月末に閉館をしております。現在は、所蔵図書の保管をしていると伺っております。
 そこで伺います。まず、史跡小田原城跡保存活用計画における南曲輪の位置づけについて伺います。
 また、江戸期から現在までの南曲輪の整備と改修について伺います。
 そして、南曲輪の石垣の歴史的評価について伺います。
 次に、(2)古写真の評価と整備についてでありますが、南曲輪が撮影された古写真の歴史的評価及び今後の整備について、順次伺います。
 現在の小田原城の整備は、1934年に隅櫓が再建され、1960年5月には廃城以来90年ぶりに天守閣が復興されました。続いて1971年3月に常盤木門、1997年10月に銅門、2009年3月には馬出門が完成いたしました。さらに天守閣は、耐震補強、屋根・外壁補修、空調設備工事と展示のリニューアルである「平成の大改修」を行い、2016年5月に再開をしております。この当時、熊本地震の熊本城の復興支援として、オープン初日の入場料金が寄附されたことも記憶に新しいことであります。
 さて、御存じのとおり、史跡建物の整備には、写真があることが鍵となっております。
 モニターに写真を映してください。
     〔議場モニターへ資料投影開始〕
 これは、小田原城下絵図「文久図」と言われるもので、市のデジタルアーカイブからいただいたもので、許可を得たものであります。この南曲輪がこの左のところにありますけれども、この南曲輪には西南二重櫓、この矢印のところ、それから東南二重櫓が掲載されております。ほか、馬出曲輪の南東二重櫓、こちらです。これが三の丸小学校の体育館の北向かいになります。それから、二の丸広場の北東の角、こちらにも二重櫓が掲載をされております。
 拡大をしますと、櫓の説明には、京間の和室、1階が4間掛ける5間、2階が3間掛ける4間、それから石垣を含むと書いてありますけれども高さが6丈7尺等の情報が書いてあります。前述の4か所の櫓は全て同じ間取りとなっております。
 次の写真を示します。これは、南曲輪西南二重櫓を南側から撮影したものです。これは、横浜の英字新聞ザ・ファーイースト、1871年12月1日に掲載されたもので、長崎大学附属図書館に許可を得て提示をしております。文久図によりますと、この石垣の下から、この建物の上までの高さが6丈7尺、約20メートルになります。この写真で見るとおり、崩れ落ちた白壁、それから樹木が繁茂し過ぎた様子がうかがえます。ちょっと拡大いたしますと、かなり白壁が傷んでいるということと、それから右の背面に、この常盤木門が見えております。
 次は、この櫓を常盤木門側から見た写真でございます。この写真の所蔵はメトロポリタン美術館コレクションで、写真家スチルフリートの「日本の風景と装束」に掲載されている写真で、使用許可不要のものであります。これを見ますと、左背面に早川や根府川の尾根が見えます。それから、この奥に武家屋敷のような階段と立派な門を備えた屋敷が見えます。ちょっと拡大いたします。門と階段、それから奥にこの屋敷が見えるような形となっております。この写真の解像度がかなり高くて、この破風の懸魚というのですか、ここに模様があるのですけれども、この模様も、この意匠も見えるというような解像度になっております。
 次が、今度は、現在の郷土文化館のところを南側から見たものです。南曲輪東南二重櫓の古写真であります。これも、オーストリアの写真家スチルフリートによって撮影され、そのアルバムが長崎大学附属図書館に所蔵されております。長崎大学附属図書館より提示、録画中継の許可を得たものであります。これも同様に、崩れ落ちた白壁、樹木が繁茂し過ぎた様子が分かります。ちょっと拡大をいたします。これもかなり解像度がよくて、崩れ落ちた壁の内部構造とか、そういったものも分かるようになっております。
 それから、この左背面には常盤木門が見えております。
 全体のところに戻しますと、この一番下のところに御茶壺橋が見えております。
 映像を元に戻してください。
     〔議場モニターへの資料投影終了〕
 これらより、西南二重櫓は南側と北東からの写真があり、全ての面の意匠が明確となっております。
 そこで、古写真の歴史的評価について伺います。
 そして、南曲輪及び二重櫓の整備について伺います。
 次に、2 現在策定中の小田原市・足柄下地区ごみ処理広域化基本構想(案)について伺います。
 11月10日に総務常任委員会行政視察で、北海道千歳市の道央廃棄物処理組合の広域ごみ処理施設に行ってまいりました。この組合は、廃棄物焼却施設と最終処分場等を受け持ち、参加自治体が協力して設置や管理、運営をしております。
 焼却施設は千歳市にあり、小田原市環境事業センターと同じ日立造船製のストーカ式で、1日158トン(79トンを2炉)を24時間体制で処理をしております。余熱利用として、連続最大出力1990キロワットの発電設備を設置し、焼却施設内で利用するほか、余剰電力を電力会社に売却しております。その売電による年間収入は、2025年度約9000万円を見込んでおり、これを委託費に充当し、関係市町からの負担金の低減に努めております。
 焼却施設の選定方法や管理の方法でありますが、DB+O方式(設計・建築一括発注、運営管理は別に発注する方式)を用い、設計建設は制限付きの一般競争入札で行い、管理運営は20年間の長期委託を公募型プロポーザルで決めております。
 参加自治体2市4町で、役割分担や設置場所について話合いをしており、焼却施設の場所は、法律や物理的な条件を考慮の上、1次から3次までで選定をしたそうであります。
 1次選定では、文献調査で建設が難しい地域を除外し、5キロメートル四方のブロックに分けて複数の候補を選定しております。北海道は土地が広いので、5キロメートル四方のブロックということでありました。
 2次選定では、運搬やインフラの条件でさらに絞り込み、3次選定では総合点数で順位をつけて、一番いい場所を最適候補地にしております。
 なお、最終処分場の場所は現在も協議中であります。
 建設地における住民合意の形成については、特に反対はなく、説明会でダイオキシン対策などを説明し、理解を得たとのことであります。
 また、分別方法や手数料の統合はせず、市町ごとに対応をしております。
 そして、負担割合や算定方式は、経費ごとに計算をし、年3回納入という方式を取っており、その金額等は公平性を重視し、約4000通りの組合せのシミュレーションをして決定したとのことであります。
 そして、収集業務の変更については、北広島市では新しく中継施設を造り、ごみを集約・圧縮して焼却施設への搬入を効率化しているということでございます。
 (1)現在の検討状況と今後の予定について伺います。
 2月4日の総務常任委員会で、ごみ処理広域化の基本構想について報告がございました。プロポーザルの結果、株式会社建設技術研究所に決定したとのことであります。その仕様書に、10月末に中間報告案が示されることと記載がございました。そこで、中間報告案の現状について伺います。
 次に、3 データセンター立地に伴う環境課題について伺います。
 旧株式会社HGSTジャパン小田原事業所跡地、その前は旧日立製作所小田原工場跡地が分かりやすいと思いますけれども、その跡地のスーパービバホーム小田原国府津店の北側、マルハン小田原店の東側の空地が、Google Mapsでは「Data Center」となっており、その敷地の北側には特別高圧の受電設備が最近整備されております。
 データセンターの立地に関しましては、千葉県印西市がデータセンター銀座と言われており、地域の発展が期待される一方、新たな課題や問題が発生していると認識しております。
 また、江東区では「江東区データセンター建設対応方針」を決定し、本年4月1日より適用開始をしているとのことであります。その内容は、データセンター建設に特化した取組で、120日前の標識設置や空調室外機への対応等、近隣配慮事項を明確にさせることによって区民の不安を和らげ、健全な生活環境の維持を図ろうとするものであります。
 (1)現状について伺います。
 現在、市が把握しているデータセンターの施設規模及びインフラの整備内容について伺います。
 次に、(2)課題と対処についてでありますが、データセンター立地の課題として、電力消費の増加と環境負荷、土地・インフラ・人材の確保、災害リスク、物理的・規制上のセキュリティーといった課題があると認識しております。特に、電子機器等の冷却用に地下水等を使用するとなれば、建設地海側の井戸水の塩水化や、24時間常時設備が稼働し夜間の騒音が懸念されるなど、新たな環境課題も想定されます。そこで、市が認識している周辺環境の課題と対処を伺います。
 以上をもちまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)

○議長(井上昌彦君) 市長、登壇願います。
     〔市長(加藤憲一君)登壇〕

◎市長(加藤憲一君) 18番武松議員の御質問に順次お答えをいたします。
 初めに、大項目の1、小田原城南曲輪の二重櫓についてのうち、史跡小田原城跡保存活用計画における南曲輪の位置づけについてでございます。南曲輪は、本丸の南側に位置をし、江戸時代末期に描かれた小田原城絵図「文久図」によれば、北側の本丸と南側の三の丸とは水堀で区画され、東側の二の丸と西側の小峰曲輪とは門で区画をされておりました。また、南側の水堀に面した東西の角には二重櫓が建てられておりました。令和3年に策定いたしました史跡小田原城跡保存活用計画では、曲輪、南曲輪南堀・石垣、東西の二重櫓を、南曲輪の本質的価値を構成する諸要素とし、取り扱い方針において「櫓の復元整備は、石垣の取り扱いを含め関係者と調整の上、将来的に検討する方向性とする」と位置づけをしております。
 次に、南曲輪の整備と改修についてであります。南曲輪は1632年(寛永9年)の頃は鷹部屋曲輪と称していたところでありますが、1697年(元禄10年)に南曲輪に改称されております。東西二つの櫓のうち、西櫓は1640年代に二重櫓として建てられ、東櫓は1670年代に平櫓として建てられたと見られますが、1703年(元禄16年)の元禄大地震により倒壊し、その後、改めて東西ともに二重櫓として再建されたと考えられております。二重櫓は1870年(明治3年)の廃城に際し解体をされ、南曲輪は1923年(大正12年)の関東大震災により石垣の一部が崩落し、1938年(昭和13年)に積み直しがなされております。
 次に、南曲輪の石垣の歴史的な評価についてであります。ただいま御答弁申し上げましたとおり、南曲輪の石垣は、残念ながら関東大震災により一部が崩落し、1938年(昭和13年)に積み直されたものでございますが、江戸期に積まれた部分が残っている可能性が高いと考えております。また、南曲輪における過去の地震の被害による石垣の積み直しも、小田原城の大切な歴史の一つであると認識をしています。
 次に、南曲輪の古写真の歴史的評価についてであります。幕末から明治初期にかけまして、小田原城を被写体とした古写真が幾つか知られておりますが、そのうち南曲輪につきましては、二重櫓や石垣を写したものが、18番武松議員から御紹介いただいたものも含めて5カットほど知られております。小田原城を被写体とした古写真がそもそも少ないため、南曲輪の古写真は、当時の小田原城の姿を知る上で大変貴重であり、歴史的な価値が非常に高いと認識をしております。
 次に、南曲輪及び二重櫓の整備についてであります。南曲輪及び二重櫓の整備を実施するためには、まずは石垣カルテを作成し、整備基本計画の中で整備の方向性を示した上で、古写真、絵図、文献等の調査、最終的には遺構を確認するための発掘調査を行う必要があるものと考えています。発掘調査を実施するためには、南曲輪に現在建っております旧市立図書館の建物の除却や郷土文化館の移転が必要となってまいります。古写真が存在しておりますことから、南曲輪に二重櫓を復元できる可能性は高いと考えておりますが、解決すべき課題が数多くございますことから、まずは、こうした課題を解決していきたいと考えています。
 次に、大項目の2、現在策定中の小田原市・足柄下地区ごみ処理広域化基本構想(案)についてのうち、ごみ処理広域化基本構想の検討状況についてでございます。小田原市・足柄下地区ごみ処理広域化協議会では、現在、地域の人口、ごみの質や量の将来見通し等を基に、1市3町のごみ処理広域化の基本方針、必要な施設の種類や規模、広域化による効果などを精査している段階にございます。今後、12月中に開催する首長の執行者会議において協議の上、基本構想の素案を作成し、各市町で議会への説明及びパブリックコメントを、来年2月頃までに実施する予定となっております。その上で、年度内を目途に、ごみ処理広域化基本構想を取りまとめ、その後、公表を行ってまいります。
 次に、大項目の3、データセンター立地に伴う環境課題についてのうち、データセンターの施設規模等についてであります。データセンター建設に係る開発につきましては、開発許可証が令和5年2月に、建築確認済証が令和5年4月にそれぞれ交付をされています。施設計画では、敷地面積約2.9ヘクタール、建築面積約8700平方メートル、延べ床面積が約2万9600平方メートルであり、建物高さ30.9メートル、地上5階建ての規模となっております。また、敷地内のインフラ関係では、電気・通信、給排水設備のほか、防火水槽や雨水貯留施設、地下水の揚水施設を整備する予定となっております。
 次に、地下水等の周辺環境の課題と対処についてであります。本データセンターでは、非常時用の水源確保のために地下水を利用すると聞いており、揚水施設が設置される場合には、小田原市豊かな地下水を守る条例に基づき、事業者にくみ上げ量及び水位等の報告を義務づけており、市が地下水の状況を監視してまいります。また、騒音規制法等の届出対象施設には該当いたしませんが、18番武松議員御指摘のとおり、24時間稼働のため夜間の騒音が懸念されることから、規制基準に適合する対策を事前に講じるよう指導をしております。
 以上をもちまして、18番武松議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。

◆18番(武松忠君) それでは順番に行きます。
 南曲輪の現状ですけれども、史跡小田原城跡保存活用計画については、この南曲輪というのは将来的に検討を行っていくという御説明でございました。それについては分かる部分もあるのですけれども、その後、江戸期からの御説明をいただきました。南曲輪が寛永9年(1632年)には鷹部屋曲輪と称していたということでございます。1697年に、この鷹部屋曲輪から南曲輪に変わったようでありまして、私、調べていまして、なぜ曲輪の名前を改称したのかなということが疑問でありました。
 鷹狩りは、将軍や大名の権威の象徴であり、武士のたしなみ、武芸鍛錬として重要視されております。家康は天下統一後、鷹の売買を禁止し、徳川家がタカを独占するということで権威を高めたということであります。ただ、この鷹狩りは、中学で習いました生類憐れみの令の期間、これは1685年から1709年なのですけれども、この間は行われなかったということでございます。曲輪の改名が、ちょうどこの時期に行われているということから、新たな知見となったところであります。
 そして、南曲輪の石垣の歴史的評価ですけれども、過去の地震の被害による積み直しも、史跡小田原城跡における重要な歴史の一つであるということでございました。それも分かるのですけれども、いつの時点で整備するかということで変わってくるかとも思います。
 そして、古写真のほうですけれども、実際に整備するには、整備に取りかかるには石垣カルテの作成、それから整備基本計画の策定が前提ということでございました。以前伺った熊本城では、お城の震災復旧の途上であり、城内の空地に、倒壊した石垣の石一つ一つに識別標識がなされ、並べられておりました。積み石の位置が、倒壊前の石垣の写真と現在の写真を、AIでマーキングして、瞬時に、どの石がどこにあったかというのが分かるようにしていたということでございます。新しい技術も使って、その石垣カルテというのも、ぜひ、小田原市のほうで整備をしていただければと思います。
 改めまして、この南曲輪というのは将来的に検討を行っていくだけではなく、課題が多いことも分かりますけれども、速やかに検討を行っていただきたいことを求めまして要望とさせていただきます。
 次に、ごみ処理広域化基本構想(案)なのですけれども、すみません、少し質問が早かったようで、基本構想の概要を説明いただきました。私が思っているこのポイントは、やはり足柄下地区というのは観光系のごみが発生する地域であり、住民1人当たりのごみの量が多いということです。住民よりも、1日当たりの来訪する観光客が多いということでございます。そうすると、分別が不徹底のものが多いということにもなります。事業系ごみであっても、最終的には小田原市等の焼却場に来るわけでございますので、そういったことが課題かと思います。
 それから、今後、協議するとは思いますけれども、事務の方式が一部事務組合でやるのか、それから、もしくは消防のように人口最大の小田原市の事務委託となるのか、それから、ごみ焼却場の位置がどこになるのか、こうしたことがポイントとなるかと思います。これについては基本構想でどこまで明らかになるか分かりませんけれども、これについては公表の時期を待ちたいと思います。
 そして、最後にデータセンターのほうですけれども、かなりの規模です。建物で2万9600平米ということで、かなり大きいのかなということでございます。このデータセンターの事業者の本社は、実は香港であります。残念ながら国家安全保障リスクがあるという中で、中国系のデータセンターにどれだけ日本企業のニーズがあるかは分かりませんけれども、観光地周辺で中国人による百度(バイドゥ)であるとかWeChat、DiDi等の利用も多いことから、設置が検討されたのかもしれません。一応、市も許可を出している以上、小田原市にとっては雇用や固定資産税等、市への貢献を期待しておきます。
 そして、この課題と対処についてでありますけれども、まず地下水についてでありますけれども、実は、フレスポ小田原シティーモールがありますけれども、当初は水道水を使っておりました。しかし、途中で井戸を掘り、水道水の使用量を削減しております。特に中国系企業は意思決定が早いのが特徴であります。市には、水道使用量や地下水の状況監視をよろしくお願いいたします。
 そして、夜間騒音についてでありますけれども、事前に指導しているとのことであります。この当該地が工業地域でありますけれども、実は北側と東側は、準工業地域に建設された住宅地が隣接しているという場所でございます。住工近接による環境課題は、たとえ基準値以内であっても操業後に課題となるケースが全国で見られ、防音壁の追加工事などが行われた例もございます。市は、住民側に立って監視と指導をお願いいたしまして、質問を終わります。