令和4年6月定例会 一般質問
◆21番(武松忠君) 通告に基づき質問いたします。
1、久野地区地区計画について伺います。
JT小田原工場跡地に、イオンタウンが取得時点の用途規制に対し、店舗面積と建物高さの緩和を求める提案をされた計画が、都市計画手順にのっとり都市計画決定されました。ここで、改めまして小田原市における工業用地に立地した主な大規模店舗を振り返ります。
1993年、イトーヨーカドー小田原店開店、店舗面積1万5151平方メートル。この開店時には、順礼街道が全線にわたり渋滞し、また、交差する道路の大渋滞もございました。
1999年、シティーモールクレッセ開店、店舗面積3万4513平方メートル。週末の順礼街道の渋滞が問題となり、打越跨線橋入口交差点の信号のタイミングの見直しや、信号の移設などが行われました。
2000年、ロビンソン百貨店開店、店舗面積4万8136平方メートルとなっております。
その後、全国的に工業地域等への大規模集客施設立地により、中心市街地の衰退や立地後の大規模集客施設の撤退により、自治体の財政や都市構造に大きな影響を及ぼし始めたことから、2006年に都市計画法の改正が行われました。これにより、大規模集客施設の立地を制限し、工業地域では、1万平方メートルを超える集客施設の立地は不可となっております。しかし、上位計画の位置づけがあり、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、都市構造に大きな影響を及ぼさないことを市が認めるものは、開発整備促進区を定める地区計画を決定することにより、立地が可能とされました。
その後の出店は、2008年、フレスポ小田原開店、店舗面積1万569平方メートル。
最近では、2019年、スーパービバホーム小田原国府津店、売場面積8453平方メートルとなっております。
法改正前後とも、既存の用途地域にのっとった立地がされております。
JT小田原工場跡地については、2013年にJTからイオンタウンへ所有権移転され、同年10月22日の小田原市議会建設経済常任委員会において、用途地域の工業地域にのっとった計画が示されました。また、当時は市の大きな課題として、市立病院建て替えがございました。その後、2017年8月に商工会議所とイオンタウンが記者発表した、いのち輝くまちづくり構想は、市立病院建て替えも内包したものになっておりました。
そして、2018年5月にイオンタウン株式会社より、都市計画の用途地域に認められた店舗面積を超える都市計画提案が出されました。それは、3階建て、延べ床面積6万平方メートル、商業施設床面積3万4000平方メートルの規模でありました。その後、市との協議の後、2020年5月に見直し案が示され、2階建て(一部3階建て)、床面積4万8000平方メートル、商業施設床面積3万平方メートルの規模となりました。
その後、市がこの提案は必要と意思決定し、関係各所との調整の下、特に交通関係の県警協議が調い、都市計画法にのっとり進められました。
私は、これまでイオンタウンの出店は、あくまで工業地域での出店規模にとどめるべきと主張してまいりました。それは、この立地による店舗過剰(オーバーストア)による市内既存商店街や大規模店舗への影響、立地を認める開発整備促進区を定める地区計画の条件である上位計画の位置づけが明確でないままに、こうした手法を市が決定したこと、さらには、他の工業地域でも同様な開発が可能となる先鞭をつけるのではないかと危惧したからであります。
私自身、店舗面積と建物高さの緩和に反対する意見を、市内全域に折り込み等も行いましたが、地区計画案の法定縦覧でも、6名の縦覧で賛成5名、かつ反対意見はなく、都市計画決定されました。決定した以上、地域の発展に寄与するものにしなければなりません。
そこで、(1)自動車交通量の増加について伺います。
まず、このたび久野地区地区計画が都市計画決定されたことにより、大規模集客施設の立地が可能となり、イオンタウンは商業施設の建設に向けて動き出すことになります。施設が完成すれば、この久野地区周辺の生活利便性も向上し、街なみも一変すると思われます。私も都市計画審議会の委員として、久野地区地区計画の審議には携わってまいりましたが、改めて確認させていただきます。
イオンタウンの出店に伴い、休日には1日当たり約6000台の車両が来店すると見込まれております。この自動車交通量が増加すると、周辺道路に影響があると考えますが、都市計画決定に当たり、どのような交通協議がなされてきたのか伺います。
また、都市計画道路城山多古線及び小田原山北線の山神下交差点北側における丘陵部の開削やトンネル工事等の進捗状況と開通予定について伺います。
次に、(2)久野地区地区計画における土地利用の方針について伺います。
出店予定地は、小田急小田原線の足柄駅から約1キロメートル、徒歩で12分と、駅からのアクセスには比較的優れているものの、計画地周辺には集会施設などのコミュニティ施設が不足していると感じております。今回のイオンタウン建設は、その規模から、地域の核となり、また地域に根差した施設としていかなければなりません。
イオンタウンでは、出店に際し、地域に貢献する施設運営を行っていくとの提案がなされておりました。そこで、久野地区地区計画における土地利用の方針では、その提案をどのように反映されたのか伺います。
次に、2、都市計画高度地区について伺います。
小田原都市計画高度地区につきましては、2005年6月に、第一種低層住居専用地域を除く市街化区域全域を対象として、高度地区を都市計画決定されました。2013年7月には、周辺環境への影響が少ない太陽光パネル等を既存建築物の屋上に設置する場合、市から適用除外の認定を受けることにより、高さの制限を超えた太陽光パネル等の設置を可能とする変更が行われました。2019年12月には、小田原駅周辺の容積率400%以上の商業地域において、周辺の市街地環境の改善に資する建築物については、高さの基本最高限度を45メートル以下の範囲で緩和することができるように変更されております。
そこで、(1)高潮浸水想定区域における病院の高さ制限の緩和について伺います。
2005年に高度地区を都市計画決定以降、2011年に東日本大震災が発生し、その後の度重なる水害により、日本全国で病院や高齢者施設が津波や洪水で浸水する例が数多く報道され、その頻度も、最近特に多くなっていると認識しております。
小田原市の新病院建設検討の際も、受電設備や非常電源の設置場所を、浸水想定高さ以上に設置する設計とするなど、災害に対する対策が取られております。
一方、川東南部には、津波災害警戒区域、洪水浸水想定区域には指定されていないものの、高潮浸水想定区域で、最大浸水深1メートルから3メートル未満で、かつ家屋倒壊等氾濫想定区域内にある病院や最大浸水深3メートルから5メートル未満の高齢者施設がございます。
高潮は、台風の進路や天文潮位で、ある程度事前に想定でき、避難等はあらかじめできますが、非常電源、受変電設備や高度医療機器が浸水深より低い場合、その復旧には年単位の時間と莫大な経費を必要とします。
そこで、高潮浸水想定区域内にある病院数と、その地域を伺います。
次に、高潮における浸水対策として、浸水被害を受けないよう盛土等により地盤面を高くすることや、高台に移転するなどが想定されますが、費用面や時間的な問題、隣接地への影響などから、その対策は容易ではありません。
こうした状況から、病院については同敷地で建て替えを行う場合、病床数や機能を確保しつつ、浸水深より高い位置に非常電源や受変電設備、高度医療機器を設置するためには、階数を増やすことが必要となりますが、高度地区の制限により、その対策の支障になっているのではと感じております。
そこで、建築物に対する、高潮における浸水対策として、受変電設備を屋上に設置する場合は、高度地区の適用緩和を受けられるようにすべきと考えますが、見解を伺います。
次に、(2)弁財天通り(市道0004)に隣接する建物の斜線制限について伺います。
2005年の高度地区の当初決定時において、お堀端通りのお堀の対面では、高度地区の制限で斜線制限が設けられております。その後、2019年12月に、小田原駅周辺の商業地域で容積率400%以上の区域において、周辺の市街地環境の改善に資する建築物については、高さの基本最高限度を45メートル以下の範囲で緩和することができるよう変更がなされました。
現在、城内の公有地化が徐々に進んでおります。2020年度に史跡小田原城跡保存活用計画が策定されたことは承知しておりますが、以前の構想である史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想では、弁財天通りのお堀側は、将来的に堀と蓮池に整備されることになっておりました。私は、こうした整備により、通りからの城の眺望が開け、小田原城整備が整うことを期待しております。
一方、将来の史跡整備を考えますと、弁財天通りの北側についても、容積率400%以上の区域でありますが、お堀端通りと同様に斜線制限を行うことにより、弁財天通りを歩く観光客から空が少しでも広くなることは、小田原城の観光的価値を高めるものと考えております。
そこで、弁財天通り北側沿道に斜線制限を行うべきと考えますが、見解を伺います。
次に、3、小田原大海嘯から120年を迎えて伺います。
2022年は、1902年(明治35年)に小田原を襲った高潮災害である小田原大海嘯、または明治大海嘯とも言いますが、発生から120年を迎えます。これまで市は、市制40周年記念誌「目で見る小田原の歩み」におきまして、小田原大海嘯を特集しております。その記載によりますと、「小田原地方を中心とする吉浜から大磯に至る県西海岸地方を襲った海嘯は、大被害をもたらした。この年、9月に入ってから波が荒れ始め、28日の午前11時頃、急に大波となって陸地に押し寄せてきた。激浪は防波堤を越え市街地まで浸入した」とのことであります。
なお、これより国会図書館デジタルアーカイブ「明治三十五年九月二十八日神奈川県下暴風海嘯被害記事」に記載の被害区域、気圧配置並びに土木学会附属土木図書館デジタルアーカイブにございます、許可を得た写真をモニターに示します。
〔議場モニターへ資料投影開始〕
これは、神奈川測候所がまとめた海嘯被害図であります。これには、高潮の被害区域と天気図が示してあります。拡大します。被害区域を黒で、浸水区域を灰色で示しております。この黒いところが被害区域、それから、その上にあるグレーのところ、これが浸水区域となっております。
ここで見えます線路は、当時の東海道線でありまして、現在の御殿場線が当時の東海道線であります。このように被害区域は、現在の小田原市沿岸全域となっております。
特に灰色の部分で三角に内陸に入り込んでいるところは、川を遡上した高潮が周辺に広がっている状態であります。
次が、当時の天気図であります。高潮が発生したのは午前11時頃でありますので、この左側が午前6時、右側が午後2時のものであります。当時の気圧の単位がmmHg(ミリメートルエイチジー)、水銀柱ミリメートルでありますので、換算いたしますと、ここは730とか周辺はなっていますが、中心周辺の気圧730は、973ヘクトパスカルとなっております。ですから、中心の気圧は、これより少ないということになります。
ここでは、二つ低気圧がございますが、これは、二つの台風が同時に襲来したというものであります。小田原に被害を及ぼしたこの右側の低気圧につきましては、南南東から三浦半島付近に上陸し、新潟を抜けて、それから北海道に再上陸した経路をたどっております。
次に、土木学会附属土木図書館より許可を得て画像提供いただいたものをお示しします。
これは国府津橋とありますけれども、現在の森戸橋になります。その被災後の写真でございます。ここに、もう橋の支柱しか見えておりませんけれども、この上部の橋は500メートル上まで流されたと言われております。
そして、線路がございますが、この線路は、国府津から箱根湯本に至る箱根登山鉄道の前身の小田原電気鉄道であります。
次に、小八幡の被災後の写真でございます。倒壊した、かやぶき屋根の民家、それからそれに集まる瓦礫がございます。「かどや」という屋号がありますけれども、場所は定かではありませんが、小八幡の写真ということであります。
次に、これは酒匂村の被災後の写真であります。現在の国道1号で、写真の右側が海になります。線路が曲がっておりますけれども、これも先ほど御説明いたしました小田原電気鉄道の線路。本来であれば、まっすぐ進んでいたものが、波の、高潮の被害により進行方向に曲げられたものとなっております。
これが山王原の被害後の写真でございます。流された橋は山王橋でして、線状のものはレールです。この小田原電気鉄道のレールが流され、川に引き込まれているような状況になります。
次が、小田原町の被災後の写真でございます。当時の旅館でしょうか、唐破風の玄関、屋根が傾いております。それから奥には、壁が抜けて、柱で建っている建物が見えるかと思います。また、この右側のところは、屋根が流れ着いているものでございます。
次が、早川口の被災後の写真であります。水車小屋でしょうか、河口側へ倒壊をしている様子が分かります。
最後の写真が、石橋の被災後の写真であります。ここにも線路がありますけれども、これは小田原から熱海までつながっていた豆相人車鉄道の線路であります。線路が空中に浮いておりますけれども、ここの線路の下側が波により洗われて、この線路が宙に浮いた状況となっております。
写真は、以上でございます。
〔議場モニターへの資料投影終了〕
これらの写真から分かりますように、当時、小田原を襲った高潮は、浸水しただけでなく、相当な勢いを伴い、地震の津波のように押し寄せたものでありました。
(1)高潮対策について、何点か伺います。
昨年、2021年に神奈川県により高潮浸水想定区域が発表されました。また、説明会等実施されたと認識しておりますが、現在の高潮の想定と小田原大海嘯の被害等について、市の考えを伺います。
次に、高潮に対する市のソフト対策について伺います。
また、高潮対策のうち、海岸に設置された防潮扉の閉鎖について伺います。
次に、ハード対策について伺います。
本市の特徴の一つに、海岸ぎりぎりまで家屋が軒を連ねている状況がございます。本年は、小田原大海嘯から120年という節目の年でもあり、行政や市民が高潮対策の重要性について、改めて認識することが肝要であると考えております。
記憶に新しいところでは、2019年の台風第19号の影響により、本市の沿岸部の各地で高潮・高波の被害が生じております。東町海岸では、西湘バイパス小田原インターチェンジの道路擁壁を高波が越え、家屋への被害がございました。また、国府津海岸の国道1号が、海に面した箇所や前川海岸の広い範囲において、高波により家屋が損壊するなど、甚大な被害が生じております。こうした被害を受け、市では速やかに国や県などに高潮対策を要請し、取組が開始されていることは承知をしております。
そこで、国や県などがハード対策として進めている東町、国府津、前川海岸の高潮対策について、現在の取組状況を伺います。
次に、(2)周年事業について伺います。
私は、こうした災害の記録は、周年事業を通して多くの市民に周知することで、市民の避難行動を促すきっかけとなり、ひいては減災につながるものと考えております。1902年9月28日から120年を迎え、市民周知のために、災害の概要や状況を検証すべきと考えますが、御所見を伺います。
以上をもちまして、登壇しての質問を終わります。
◎市長(守屋輝彦君) 21番武松議員の御質問に順次お答えをしてまいります。
初めに、久野地区地区計画の交通協議について質問がございました。都市計画決定に向けた交通協議では、歩行者の安全性の確保や自動車交通の円滑化などについて協議を行いました。その結果、区域内の市道0032や市道2289、県道小田原山北線において、歩道設置や道路拡幅などの改良を行うことといたしました。また、増加する交通量に対しまして、周辺の主要な信号交差点において、交差点需要率が規定値内に収まっており、処理能力に支障がないことを確認したものでございます。なお、信号機の表示時間の調整や右折レーンの設置などについては、今後の実施協議で決定してまいります。
次に、都市計画道路城山多古線及び小田原山北線の進捗状況等について質問がございました。県では、この2路線を1事業として進めており、事業用地の約9割が取得済みとなっているほか、穴部側では約300メートルの区間が整備済みであります。お尋ねのあった山神下交差点北側からトンネル手前までの区間については、令和4年4月に掘削工事に着手したところであり、トンネル工事については、令和4年度中の着手に向け準備を進めております。開通予定につきましては、令和7年度中を目指していると伺っております。
次に、久野地区地区計画の土地利用の方針について質問がございました。久野地区地区計画では、イオンタウンから提案がございました地域貢献に資する取組が着実に推進されるよう、土地利用に関する基本方針に位置づけたものでございます。その内容は、「地域の特産品の販売や農林水産物の地産地消に貢献する集客施設の立地」、また、「未病改善に取組むことができる多世代交流拠点の形成」、「災害時に施設が一時的な避難場所として機能するなど、地域の防災力の強化」を図ることとしております。
次に、都市計画高度地区について何点か質問がございました。まず、高潮浸水想定区域にある病院の数と、その地域について御質問がございました。現在の高潮の想定は、我が国の既往最大規模の台風が本市に最接近したと仮定した場合を想定したものであり、その高潮浸水想定区域に病院は5施設ございますが、大部分は浸水深1センチメートルから30センチメートルの区域に位置しております。なお、地域別では、緑地区、酒匂・小八幡地区、国府津地区に各1施設、幸地区に2施設となっております。
次に、高潮における浸水対策として、高度地区の適用緩和について質問がございました。高潮浸水想定区域を対象とした、高度地区の適用を緩和する規定は設けてございません。なお、高潮による浸水対策につきましては、課題認識を持って、都市機能の維持のため様々な角度から研究をしてまいります。
次に、弁財天通り北側沿道の斜線制限について質問がございました。小田原駅周辺の商業地域は、土地の高度利用を促進する区域であることから、高度地区の緩和規定を設けております。緩和の適用に当たりましては、幅員2メートル以上の歩道上公開空地を設置するほか、敷地内にも空地を求める基準を設けており、良好な市街地環境の形成に配慮することとしております。斜線制限につきましては、高度利用を可能とする土地利用を規制する懸念もございますが、小田原城の眺望に配慮することも重要であると考えており、史跡整備の進捗状況等を踏まえながら慎重に対応してまいります。
次に、小田原大海嘯について何点か質問がございました。まず、現在の高潮の想定と小田原大海嘯の被害等についてでございます。現在の高潮の想定は、台風の中心気圧を我が国の既往最大の室戸台風、また、移動速度と半径を伊勢湾台風と想定し、予測したものでございます。小田原大海嘯は、大波が打ち寄せている時期に台風が通過し、満潮時に大波が堤防を越え、死者56名、行方不明者4名、負傷者343名、流失家屋552戸、全半壊家屋470戸の被害をもたらしており、海岸には当時、波よけ土手があるに過ぎなかった状況でございますが、県に補助を求め、1503メートルに及ぶ防波堤を建設したとのことであります。
次に、高潮に対する市のソフト対策について質問がございました。最大規模の高潮につきましては、令和3年8月に、県から高潮浸水想定区域が指定され、市のソフト対策として、その直後に浸水想定図及び家屋倒壊等氾濫想定区域図を作成し、自治会を通じて市民の皆様に配布することで、自分の居住地域の高潮に対する危険度を把握していただいたところでございます。また、台風が接近した場合には、事前に立ち退き避難が必要であることなど、避難に関する情報を直接市民の皆様へ伝えるため、浸水が及ぶ想定となっている自治会を対象に4回の市民説明会を開催したほか、その後も防災教室を活用し、啓発を図っております。
次に、防潮扉の閉鎖について質問がございました。防潮扉につきましては、小田原市消防本部防潮扉取扱要領に基づき、台風や発達した低気圧の進路、風向きなどを考慮し、高潮による被害が予想される際は、森戸川以西の海岸沿いに設置されている23か所の防潮扉を事前に閉鎖することにより、被害を防いでおり、今後もこれを継続してまいります。
次に、東町海岸における高潮のハード対策について質問がございました。東町海岸は、海底地形が急峻なため、防波突堤や人工リーフ等による高潮対策が困難とされており、海岸管理者の県では、有識者の助言をいただきながら有効な対策を検討していくと伺っております。そこで、当面の対策として、西湘バイパスを管理するNEXCO中日本が、道路擁壁のかさ上げを実施することとなり、令和4年度中の工事着手を目指しているところでございます。
次に、国府津海岸及び前川海岸の高潮のハード対策について質問がございました。国府津海岸の国道1号に面する場所につきましては、国土交通省が、道路擁壁のかさ上げ工事を進めているところでございます。前川海岸につきましては、県がNEXCO中日本と、護岸のかさ上げ構造の検討を進めており、地元住民の合意を得て、工事に着手する予定と伺っております。本市といたしましては、いずれの箇所においても、国・県等の事業者と地元関係者の調整役となり、市民の安心・安全のため、今後も高潮のハード対策を促進してまいります。
次に、小田原大海嘯の周年事業について質問がございました。小田原大海嘯の時代と現代では、気象や沿岸等の状況が違うので、小田原大海嘯の際の対応を、現在の災害対応にそのまま活用することは困難と思われますが、過去、本市が経験した災害の一つとして、本年度拡大を予定しております防災教室で伝えていきたいと考えております。
以上をもちまして、21番武松議員の御質問に対しての答弁といたします。
◆21番(武松忠君) 御答弁をいただきました。
では、まず順番に伺ってまいります。久野地区地区計画のほうですけれども、交通協議のところについては、歩道や道路の拡幅等されるということでございました。また、交差点については、処理能力には問題がないという認識でございます。ただ、6000台車が増えるということなのです。車の1台当たりの長さを4メートルとしますと、6000台といいますと、それを一列につなげますと24キロメートルになるわけです。それだけのものが、あの道路に増える。もちろん、時間は、日中の時間に分散されるとは思いますけれども。それが、例えば道路が2車線あって、交通量がかなりはけるのであればいいのですけれど、交差点はともかく交差する道路も、どちらとも1車線になっているわけです。ですから、専門家が導き出した問題ないというところで回答なのですけれども、なかなか個人的には、それだけの能力が本当に1車線ずつの道路で対処できるのかなという懸念を持っております。これにつきましては、実際に開通しまして、信号のタイミング等も協議されるということですので、その辺は抜かりなく調整をしていただければと思います。
それから、城山多古線及び小田原山北線の件は分かりました。ただ、これは事業用地の9割が取得済みというのが、たしか以前も同じような答弁だったと思うのです。今回の事業が3年ぐらい遅れているかと思いますけれども、その間、あまり取得が進んでいないような認識を持っております。これについては、小田原市が答えるところではないかもしれませんけれども、その1割の未取得の用地につきましては、市も一緒になって県と協力して、ぜひ進めるように、これは要望とさせていただきます。
これが、城山多古線の部分のトンネルが開通しますと、本当に多古の交差点だとか、その下の飯泉のほうの交差点まで、かなり交通量が減るのではないかとも期待をしております。
それで、次の久野地区地区計画における土地利用の方針について御答弁をいただきました。特産品であるとか、未病関係で多世代交流の場、それから防災等、提案があったということでございます。イオンタウンからの提案が確実に実行されること、これをまず願っております。
一方、多分その場所を用いて、市とのいろいろな協業事業が出てくるのではないかと思います。協業といいますと、必ず委託料前提ということになってくるかと思います。そうするようなことがなるべくないように、あくまでも市の委託料前提の事業ばかり増えるようでは、結局市がその場所を間借りしているような、せっかくイオンタウンが提案してきたのに、市が委託料を払って、空いた店舗の部分を補填するようなことになっては困ります。その点は、まずは指摘をしておきます。
それから、残念ながらイオンタウンのような首都圏の大きなモールというのは、地域経済の好循環を、残念ながら破壊するものだと捉えております。ですが、しかし、それを少しでも緩和するためには、例えばそのモール自体が子会社で、本社機能が小田原市にあれば、その法人税が小田原市に入ってくるわけです。そういったことや、進出に当たって商工会議所の会員に必ずなることとか、そういったようなことも調整をしていただいて、あくまでも地域経済の好循環に資するもの。地域経済を吸い上げて、中央に持っていくような施設になってはいけないのです。この点について、守屋市長の考えている地域経済の好循環を生かすための施設になるかどうか、そのあたりの守屋市長のお考えを、まずお伺いしたいと思います。
◎市長(守屋輝彦君) お答えをいたします。
イオンタウンのような大型の商業施設ができることは、地域にいろいろな影響をもたらすのだと思います。先ほどお話しになった、例えば発生交通量が増えるとか、その辺に加えて、今御指摘のあった既存の地域経済に対して何がしかの影響があると。この何がしかの影響というのが、取り方によって、持っていき方によって、プラスになる部分とマイナスになる部分というのがあります。そこら辺を、やはり心配される地域の商業者の方がいらっしゃるのもまた事実でございますので、イオンタウン側から出された提案をしっかりと実施することによって、地域経済の好循環につなげていきたいと考えます。
以上です。
◆21番(武松忠君) ありがとうございました。まさにそのとおりで、やはり市がそのところにポイントを絞って、きちんと見ていかないとならない課題であると思います。資金面、人材面においても、イオンタウンが市に対して配慮、貢献いただくことが肝要であるかと思います。ということを指摘しておきます。
次に、都市計画高度地区について、高潮浸水想定区域における病院高さの制限の緩和について御答弁がございました。浸水想定区域には、深さはそれほどではないものの、浸水する施設は5施設あるということでございます。いずれにしても、こうした高潮等の災害によって、受電設備だとか非常電源であるとか、特に高度医療施設が水没いたしますと、1台1台莫大な、数千万円、億単位の金額となってまいります。それらが機能しなくなりますと、沿岸地域だけではなくて、小田原市の医療体制が抜本的に崩れてしまうというような状態になるかと思います。
これに対して、建築物に対する高潮の浸水対策として、高度地区の適用緩和を受けられるようにすべきとも伺いましたけれども、これについては研究いただくという御答弁をいただきましたので、それ以上は述べませんが、これについては期待をしています。なぜかといいますと、この高潮浸水想定区域が発表されて約1年になろうとしております。最初、5月に出されたのですけれど、何かシミュレーションが間違っていたということで、8月に直されたということで、最終的には8月に出されたという形になっております。
また、都市計画マスタープランの改定が行われておりますけれども、これも都市防災の方針で、津波とか水災害の見直しも行われているかと思います。これらも、タイミングもありますので、こういった災害があるということを具体的に策として、都市計画上で出せるものであれば、やはり研究していただいて、いい提案を御期待をしております。
それから、弁財天通りの斜線制限について、進捗を見ながら検討されていくということで、きちんと配慮いただいていることが分かり、安心をしております。この45メートルの規制があったときに、私もたまたま都市計画審議会の委員で、その部分の斜線制限が入っていないことを指摘はしたのですけれど、ちょっと間に合わなかったという経緯もありまして、改めて指摘をさせていただきました。御存じのとおり、城址公園の東側と北側で斜線制限に差があるというのは、やはり問題があることだということは、共通の理解が得られたものと思います。
最後、小田原大海嘯から120年ということで、周年事業については行われないというようなことだったかと思いますが、120年前の対応と現在の災害対応に差異があることは当然といたしまして、実際に高潮浸水想定区域が示されました。その範囲は、実はかなり大きくて、特に私の住んでいる小八幡とかは、3メートルから5メートルの浸水深なのです。それはもうかなり、今までの津波の被害でもそれほどでもなくて、洪水等の浸水深でもそれほどでもなかったのですけれど、この高潮については3〜5メートルの地域もかなりあるということでございます。
実際に120年前の小田原大海嘯の際には、小八幡の死者が一番多かったとも伺っております。また、小八幡に三宝寺というお寺があるのですけれども、その9月28日に亡くなったという方のお墓に書いてあるのが相当数あるとも伺っております。
御答弁の中で、拡大を予定している防災研修等もあるということでしたので、こうした防災研修も、例えば三の丸の大ホールで一般市民も対象にした研修にするなど、検討いただければと思います。
それから、今回、土木学会附属土木図書館の写真をお見せしました。これは写真の使用の許可は、公が使う場合は、電子申請で1日で許可が下ります。1日で許可が下りますから、1週間後のイベントであっても間に合うぐらい、本当にすぐに許可を検討していただいて、もちろん無料です。有料配付するものとなると、1枚1000円かかるという話ですけれども、公が使う場合は、何と何の写真を、どういう目的でいつ使うという電子申請をすれば、すぐに許可できるものなので、こういった民間の資産も、ぜひうまく活用していただければと思います。
さて、来年は大正12年(1923年)9月1日に発生しました関東大震災より100周年を迎えます。そうしたことを申し上げまして、質問を終わります。(拍手)