令和3年6月定例会 一般質問

◆21番(武松忠君) 通告に基づき質問いたします。
 今回は1項目、防災対策についてであります。
 2019年以降、様々な被害想定が見直されてまいりました。2019年3月の富士山大噴火降灰シミュレーションは、1707年の宝永の富士山大噴火シミュレーションの被害想定であります。これによりますと、小田原市付近では、最終的に25センチメートル近い灰が積もり、噴火後の4日間で半分近い10センチメートルほどの降灰があった一方で、その後3日間はほとんど灰が降らず、残りの10センチメートル余りは、噴火から8日目以降、降り積もったという結果になりました。また、火山灰の大きさは、小田原市付近では直径1ミリメートル以上のものが75%を占める結果となっています。降灰に対する影響は、鉄道では、0.5ミリメートル積もると運行できなくなるとしています。また、電力では、送電施設に3ミリメートル以上の灰が積もり、さらに雨が降ると広範囲が停電になるとされ、これは、インターネットやスマートフォンの通信が長期間にわたり復旧しないと想定しておかなければなりません。
 本年3月26日に富士山火山防災対策協議会による富士山ハザードマップの改定では、溶岩流が富水・桜井地区、曽我地区まで到達する想定となり、関係自治体の避難計画等の見直しが行われております。
 さらに、本年5月28日には、県が台風による相模湾の高潮想定を公表しております。県内では、浸水する面積は小田原市が最も広く、約6平方キロメートル、浸水の深さは、酒匂川の周辺の地域で最大およそ5メートル、小田原市の沿岸の住宅地でも1〜3メートルとなっております。この浸水範囲は、おおむね1902年(明治35年)の小田原大海嘯と同様になっておりますが、当時なかった現在のJR東海道線の土塁の山側で浸水域が減り、この土塁と海側の国道1号とに挟まれる、国府津一丁目と小八幡三丁目が3メートルほどの浸水深さとなっております。ちなみに、私の自宅も3メートルほどの浸水深さの想定であります。
 そこで、今回の質問は、東日本大震災から10年経過し、東北大学災害科学国際研究所、今村文彦所長が、東日本大震災の教訓をまとめられました、その内容に沿って質問をしてまいります。
 東日本大震災の教訓、「我々は備え以上のことはできません」、「事前防災(取組)は確実に被害を軽減できますが、ゼロにはできません」、「危機管理と対応計画は、最悪のシナリオに基づいている必要があります」、「不確実な状況下での判断と対応が必要」とまとめられております。
 1 防災対策について。
 (1)被害想定について伺います。
 冒頭に述べましたように、近年、新たな被害想定が示されておりますが、危機管理と対応計画は、最悪のシナリオに基づいていなければなりません。地震、津波、噴火、洪水、土砂、高潮等、それぞれの災害が想定している災害の規模と被害想定について伺います。また、現在想定している最悪のシナリオを伺います。
 次に、(2)事前防災の取組状況について伺ってまいります。
 教訓では、事前防災の取組によって確実に被害を軽減できるが、被害をゼロにはできないとしておりますが、市の責務として、適切な避難で人的被害ゼロを目指さなければなりません。そこで、各所管における事前防災の取組状況を伺ってまいります。
 ア 防災部、消防本部についてでありますが、直接防災に関わる所管として、事前防災と発災後の減災に総合的に統括する役割であります。そこで、それぞれが所管する業務や設備において、主な事前防災の内容と取組状況を伺います。
 また、このたびの高潮浸水想定区域図によると、浸水範囲が津波浸水想定区域よりも大幅に広く、改めて防潮堤や防潮扉の重要性が認識されております。そこで、高潮浸水想定区域図に基づく事前防災の取組について伺います。
 次に、噴火による降灰についてでありますが、降灰による建物への影響として、7〜8センチメートルの降灰で、体育館等の屋根の大きな建物の損傷や倒壊のおそれがあり、4〜5センチメートルの降灰でも、雨が降った場合は同様の被害が出るとされております。さらに、10センチメートルの灰が積もると、1平方メートル当たりの重さはおよそ100キログラムとなり、古い建物などで被害が発生すると予測されております。防災部、消防本部において降灰に対する事前防災の取組状況を伺います。
 次に、イ 上下水道局について何点か伺います。
 市が直接設置し管理している重要インフラとして上下水道がございます。そこで、上下水道局における事前防災として、施設や管路の耐震化について取組状況を伺います。あわせて、他に実施している取組があればその状況を伺います。
 次に、噴火による降灰により、一般に水道では、2ミリメートル以上の降灰で一部の浄水場は稼働できなくなり、水の供給に影響が出るおそれがあるとしています。また、下水道でも、2ミリメートル以上の降灰と降雨で一部の下水管が詰まるなどとして、下水があふれるおそれがあるとしています。そこで、上下水道局における噴火による降灰について事前防災の考え方について伺います。
 次に、ウ 建設部について伺います。
 まず、酒匂川と狩川について事前防災の取組状況を伺います。あわせて、他に実施している取組があればその状況を伺います。
 次に、噴火による降灰により、道路では、降灰が1ミリメートル以上で車が出せる速度は時速30キロメートル程度、5センチメートル以上積もると時速10キロメートル程度とされております。さらに、10センチメートル以上積もると通行ができなくなり、3センチメートル程度の降灰でも、雨が降った状態では通行できなくなるとしております。また、河川や水路については、それらに灰を廃棄したため、河床が上がり、酒匂川の場合は約100年にわたり暴れ川となった歴史も認識しております。そこで、道路や河川等において噴火による降灰への対応について取組状況を伺います。
 エ 都市部についてでありますが、木造建築物の延焼を防止するため建築基準法では、建物の延焼のおそれがある部分として、隣地境界線、道路中心線または同一敷地内の建築物相互の外壁間の中心線から、1階で3メートル以下、2階以上で5メートル以下の距離にかかる建築物の部分は防火措置を取るよう義務づけられており、例えば、火災に対し、1時間以上耐えられる壁や20分以上耐えられる網入りガラス等の防火設備にしなければならない場合もあります。
 市内においても国道1号の両側十数メートル入った地域は、現在でも狭隘道路と古い木造住宅の密集地がつながっており、地震等で火災が発生した場合には、延焼する可能性が極めて高くなっております。他市では、防火建築帯、防火壁の設置や延焼を防ぐ道路拡幅などを実施している例も伺っておりますが、地権者等の理解や費用面などからも、この対策は難しいと考えております。そこで、都市部の事前防災における延焼防止に対する取組状況を伺います。
 次に、オ 教育現場について伺います。
 教育現場においては、児童・生徒の生命を守ることが第一であります。それは、避難訓練、防災装備の充実や防災教育の実施が重要であります。
 そこでまず、ペットボトルを利用した救命胴衣を紹介したいと思います。議長に許可を得て持ち込みました。このランドセルです。実は、この中に2リットルのペットボトルが2本きちんと蓋をして入っている。法定浮力というのがございます。標準体重の大人1人が淡水中に24時間浮き続けられるための浮力を国が定めたもので、浮力7.5キログラムで体重80キログラムの人間が浮くように設定されております。一般に水中での必要浮力は陸上体重の10分の1と言われております。2リットルの空のペットボトルには20キログラムの体重の人間を浮かせる浮力があることになり、この2リットルのペットボトル2本で40キログラムの体重の人間を浮かせる浮力があります。こうした例で、ペットボトルであれば、朝学校に行って教科書を出してペットボトルをここに入れた段階で、もう常に救命胴衣が用意できているという状態になります。
 次に、小学校の場合、基本的に広域避難場所にされており、災害の種類によっては体育館だけではとどまらず、普通教室等への避難もあらかじめ想定しておかなければなりません。そこで、教育現場における事前防災の取組状況について伺います。
 次に、(3)広報について伺います。
 まず、行政の特性として、主に市民の納税によって事業を実施しているので、市民からの要望に対し、時に、できないことをできると言ってみたり、想定したら対策をしなければならないとして、想定そのものを詳細に検討しなかったり、想定することを先送りしたりする傾向にございます。もちろん民間でもそうでございます。さらに残念ながら、行政としてできないことをできないと言えないという面がございます。特に新市長に替わった現在は、注意をしなければなりません。そこで、防災に対する広報ですが、各所管の事前防災の取組状況をまとめて見やすく広報する必要があると考えますが、御所見を伺います。
 次に、事前防災の第一である避難方法についてでありますが、東日本大震災以降、国においても自動車での避難が認められるようになってまいりました。ただし、あくまでも徒歩避難が原則であることに変わりがなく、狭隘道路が多く、大型店舗も多い川東南部地区は、曜日や時間帯によっては、自動車による避難により渋滞や車の乗り捨てによる徒歩避難への支障となることが十分予測されます。テレビ等で避難が自動車でできると放映されれば、避難手段の第一を自動車としてしまうのが、残念ながら市民の行動であります。そこで、改めて基本的な避難方法を広報すべきと考えますが、御所見を伺います。
 次に、正確な情報を広報することが大切でありますが、市は、備え以上のことはできないこと、事前防災の取組は確実に被害を軽減できるが、ゼロにはできないことなどを明確に広報すべきだと考えますが、御所見を伺います。
 次に、(4)不確実な状況下での判断と対応について伺います。
 不確実な状況下とは、災害発生中に災害対策本部に入ってくる被害情報、もしくは入ってこない情報への判断や対応など、将来起こり得る大災害への対応であります。まず、災害発生中並びに災害対策本部での対応についてでありますが、権限移譲のルール化、指揮命令系統の一本化、そして訓練等を実施しているか伺います。
 次に、将来起こり得る大災害についてでありますが、巨大地震、強大化する台風、地球温暖化により、複数の災害が同時もしくは災害復旧中に発生することも想定されます。そこで、将来起こり得る大災害について、不確実状況下での判断と対応について御所見を伺います。
 以上をもちまして、登壇しての質問を終わります。

○議長(大川裕君) 市長、登壇願います。
     〔市長(守屋輝彦君)登壇〕

◎市長(守屋輝彦君) 21番武松議員の御質問に順次お答えをしてまいります。
 初めに、災害の想定している規模と被害想定及び最悪のシナリオについて質問がございました。地震では、相模トラフの西側モデルをマグニチュード8.7として、1万5000人を超える人的被害、4万棟を超える建物被害が発生することが想定されておりますが、他の災害につきましては、詳細な被害想定はなされておりません。台風到達時に地震が発生することなどが最悪のシナリオとなりますが、その最悪のシナリオの被害想定については技術的な課題もあり、示されていないのが現状でございます。
 次に、事前防災の内容と取組状況について質問がございました。まず、防災部では、ハザードマップや「わが家の避難行動マニュアル」等によるリスクの周知や避難に対する啓発、また、市の職員、地域及び各種団体等との訓練による災害時の対応の確認のほか、危険なブロック塀の撤去に関する補助金などの地震被害軽減対策を取っております。消防本部では、消防庁舎の建て替えによる耐震性の強化や耐震性貯水槽の設置などの取組を行っております。
 次に、高潮の浸水想定に対する事前防災について質問がございました。防災部では、今回指定された高潮の浸水想定区域については、先ほどお認めいただいた補正予算によりまして、地理情報システムのデータ作成を行うとともに、浸水想定図を作成し、影響が及ぶ地区の住民等へ配布を行うなど、まずは周知を図ってまいります。消防本部では、高潮浸水想定の指定以前から、高潮の被害が予想される場合には、森戸川以西の沿岸沿いに設置されている23か所の防潮扉を閉鎖することにより、未然に被害を防いでおり、今後もこれを継続してまいります。
 次に、降灰に係る事前防災の取組について質問がございました。防災部では、火山災害対策について、地域防災計画に基本的な事項を定めておりますが、富士山の大噴火による大規模な降灰への対応については定めておりません。なお、小規模な噴火で想定される降灰等への対応は、平成27年に策定した「箱根山(大涌谷)火山災害対応マニュアル」を参考にしていくことになります。このマニュアルでは、市民や観光客の安全確保を目的に、市民等への情報提供、住民避難及び関係機関との連絡調整などについて定めており、関係部署で共有しております。消防本部では、平成28年度から令和2年度の5か年間で、現場活動用のゴーグルと防じんマスクを整備しております。
 次に、上下水道のうち水道の施設や管路の耐震化及びその他の取組状況について質問がございました。水道事業における施設につきましては、中河原配水池、管路については、基幹管路である導水管、送水管及び配水本管の耐震化対策を優先的に進めております。これらを含めた令和2年度末の耐震化の状況は、配水池の耐震化率が58.7%、管路については、全体延長約770キロメートルに対する耐震管率は29.5%であり、このうち基幹管路延長約69キロメートルに対する耐震管率は57.4%となっております。その他の取組といたしましては、第二水源地の浸水対策は令和2年度に完了し、残る第一水源地などにつきましては、今後、令和3年度に改定する「おだわら水道ビジョン」に位置づけ、着実に実施してまいります。
 次に、上下水道のうち下水道の施設や管路の耐震化及びその他の取組状況について質問がございました。下水道事業における施設につきましては、令和6年度の完了を目指し、早川及び南町中継ポンプ場の耐震化対策を順次進めております。管渠につきましては、重要な管渠に位置づけた緊急輸送路下や広域避難所の排水を受ける管渠等の耐震化対策を優先的に進めております。令和2年度末の耐震化の状況は、管渠の全体延長590キロメートルに対する耐震化率は34.1%であり、このうち重要な管渠の延長約149キロメートルに対する耐震化率は41.6%となっております。その他の取組といたしましては、寿町雨天時貯留施設、早川及び南町中継ポンプ場などの洪水・津波対策につきましては、今後、令和3年度に改定する「おだわら下水道ビジョン」に位置づけ、着実に実施してまいります。
 次に、上下水道の降灰に対する事前防災の考え方について質問がございました。水道施設につきましては、高田浄水場を除く浄水場や配水池は、屋内や地下式の施設であるため、直接的な降灰の影響を受けるものではございません。高田浄水場につきましては、現在、沈殿池やろ過池など開口部分がありますが、高田浄水場再整備事業によりまして、施設の屋内化や覆蓋など必要な降灰対策を講じてまいります。また、下水道につきましては、各施設は屋内であり、管渠は汚水と雨水を分けて排除する分流式となっていることから、降灰による影響はほとんどないと考えております。
 次に、神奈川県が管理する酒匂川、狩川の事前防災の取組について質問がございました。県では、水害への対応力を強化するため「神奈川県水防災戦略」を策定し、被害を最小化するハード対策を計画的かつ重点的に進めることとしております。酒匂川では、堆積土砂の撤去を継続的に実施しており、狩川におきましても、本市の全区間(延長約3キロメートル)につきまして、令和2年度に着手し、おおむね3年間で実施することとしております。こうした県の水防災の取組が、事前防災としても有効であると考えております。
 次に、市が管理する河川等の事前防災の取組について質問がございました。市が管理する河川等につきましては、台風や局地的豪雨に備えるため、計画的に河川改修や河床整理を行っております。また、建設業団体等と「災害応急復旧工事等に関する業務協定」を締結し、災害時における人員や資機材を確保するほか、市民の自主防災のため、自由に持ち出し可能な「土のうステーション」の設置を試行的に進めるなど、事前防災に努めております。
 次に、道路や河川等に係る降灰時の対応について質問がございました。「箱根山(大涌谷)火山災害対応マニュアル」では、降灰の状況を調査し、必要となる措置を講じるとともに、関係機関との連絡調整を行うこととしております。具体の対応といたしましては、協定を締結している建設業団体等と連携し、緊急輸送道路などの清掃や、河川・水路のしゅんせつを実施するほか、道路の交通規制、降灰の処分等について、関係機関と調整することなどを想定しております。
 次に、都市部の事前防災における延焼防止に対する取組状況について質問がございました。本市の都市計画では、火災の危険を防除するため、建物が密集する商業地や住宅地を防火地域または準防火地域に指定しております。この地域における建築物は、耐火構造や準耐火構造、防火構造等とすることが規定されており、建物の不燃化・難燃化により延焼防止につなげております。また、建物の倒壊に起因した延焼を抑制するため、耐震性が不十分である住宅等への補助制度を設けるなど、耐震化の促進にも努めているところでございます。
 21番武松議員の事前防災の取組状況についての御質問のうち、教育現場については、教育長からの答弁といたします。
 次に、各所管を取りまとめた事前防災の広報について質問がございました。「小田原市地域安心安全ユビキタスポータル『ユビ・オダワラ』」では、緊急の災害情報のほか、本市の防災、防犯、安心・安全に関するホームページ上の情報を集約し、市民等に提供するサービスを行っております。利用できるツールにつきましては、市民の年代や生活スタイルによっても異なるため、今後も、分かりやすい広報などについて、各部局それぞれの取組にこだわらず工夫をして発信してまいります。
 次に、避難方法の広報について質問がございました。避難方法につきましては、徒歩避難を原則としておりますが、コロナ禍における風水害時の避難では車避難も可能としており、状況に応じて適した避難方法を選択していただくことになります。これらにつきましては、「わが家の避難行動マニュアル」の配布や広報、防災教室等を通じて周知しておりますが、今後も継続して普及啓発を図ってまいります。
 次に、事前防災の広報について質問がございました。一昨年の台風第19号や近年の災害の激甚化を考えると、行政の取組だけでは被害をゼロにすることは極めて難しいことであり、被害の最小化を主眼とする「減災」の考え方に基づき、市民や地域と一体となって対策を講ずることが重要であります。人的被害はゼロ、またほかの被害についても最小化を目指して、自助、共助、公助としてそれぞれがどういった役割を持って対策を進めていくべきかについて、市民や地域が主体的に被害の軽減化について意識できるように、継続して広報を行ってまいります。
 次に、災害発生時における災害対策本部について質問がございました。災害時には、災害対策本部を設置し、市長である私が本部長となりますが、不在の場合は、副本部長である鳥海副市長が、さらに不在の場合は、同じく副本部長である玉木副市長が指揮することとする権限移譲のルールを条例等で規定しております。また、本部長以下、各チームの指揮命令系統につきましては、災害対応に混乱が生ずることのないよう、災害対策本部の組織をあらかじめ地域防災計画に規定しております。訓練等につきましては、今後機会を捉え、私が不在時の権限移譲などについて取り入れてまいります。
 次に、不確実な状況下での判断と対応について質問がございました。現在、地震、津波、火山などの各種災害について、想定外をなくすことを主眼に置いたシミュレーションによる災害想定が示されており、平時におけるハード・ソフト両面において、できる限りの対策を講じておくことが重要であると認識しております。しかし、実際に大規模災害が発生したときには、不確実な状況に陥ることは十分に考えられるので、私は、そうした場合でも何よりも人命を最優先に考え、想定や計画のみにとらわれず、状況に応じた柔軟な判断を迅速に行ってまいりたいと考えます。
 以上をもちまして、21番武松議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。

◎教育長(柳下正祐君) 21番武松議員の御質問のうち、教育現場における事前防災の取組については、私から答弁をさせていただきます。
 市立小・中学校及び幼稚園では、それぞれ学校防災計画を策定しておりまして、それに基づいた避難訓練や引き取り訓練を行っております。また、防災教育事業といたしまして、学校防災アドバイザーの派遣による災害についての講話、防災計画や訓練についての指導・助言を受けております。小学1・3・5年生と中学1年生の全員には、本市が作成いたしました防災教育リーフレットを配付しており、防災についての児童・生徒の学びを深める取組を実施しているところでございます。
 以上をもちまして、21番武松議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。

◆21番(武松忠君) 御答弁をいただき、ありがとうございました。
 順に被害想定のほうから再質問してまいります。
 被害想定のほうですけれども、最悪のシナリオというのは本当に難しいと思いますけれども、私が想定しているシナリオというのを御紹介したいと思います。これは、1703年の元禄の小田原大地震、これがマグニチュード8.1だったです。このときは本丸御殿とか天守閣をはじめ小田原城全壊、それから火災で城下全焼、領内死者2261人。その4年後の1707年に宝永地震がありまして、これは東海・東南海・南海連動型地震と言われておりまして、小田原での地震の記録は、箱根で地震があったという程度だったのですけれども、その49日後に富士山の宝永の噴火があったということであります。ですから、城下が丸焼けになった状態から4年たって、やっと復旧したかというときにこの富士山の大噴火があったということです。それ以降、箱根の氾濫が頻発して、米の生産量が元に戻るまで約100年を要したという歴史がございます。
 次に、事前防災の取組について再質問をさせていただきたいと思います。
 5月28日、県発表の高潮浸水想定区域図により、改めて防潮堤の重要性が高まっております。西湘バイパスは、歴史的に漁業権等もあり、前川海岸と元小八幡漁場付近等の一部が高架式となり、この部分の防潮堤のかさ上げが喫緊の課題であります。そこで、前川海岸、元小八幡漁場付近の防潮堤のかさ上げ等についての取組状況を伺います。

◎理事・技監・建設部長(小澤千香良君) 前川海岸と元小八幡漁場付近の越波対策について質問がございました。令和元年の台風第19号では、市内沿岸地域の各所で高潮・高波による被害が発生したため、市から、海岸管理者である県に越波対策を要請いたしました。県ではこの要請を受け、多くの家屋等が損壊した前川海岸を優先し、堤防のかさ上げ等の検討を進めているところでございます。なお、元小八幡漁場付近の対策につきましては、前川海岸の進捗状況を踏まえ、県と調整していくこととなります。

◆21番(武松忠君) 分かりました。元小八幡漁場の付近は、実際には開口が広くて、実際の防潮扉も40センチメートル程度しかなくて、上が開口なのです。実際にそこから潮が入ってきて、近くのマンションにも被害が起きたということですので、県にも引き続き要望をお願いしたいと思います。
 それから、上下水道局のほうは大体分かりました。これにつきましては、耐震化等も含めて進めていただきたいと思いますが、ここで1点、市長にも分かっていてほしいのですけれども、東日本大震災の際に小田原市内でも井戸がかれる等の影響がございました。その際、県企業団の飯泉取水堰から伊勢原市を経由して相模原市の浄水場に至る送水管があるのですけれども、これが国府津−松田断層に近い中河原交差点付近で破断しまして、数か月間にわたる工事が行われておりました。この付近には、すぐ横を高田浄水場から中河原配水池までの送水管も設置してあります。こちらは大丈夫だったのですけれども、小田原市の水道の約7割を占める高田浄水場と中河原配水池の間に国府津−松田断層が横断しているという事実。ですから、私は、断層が横断しないような位置、その手前にも、やはり3割程度を分担するような配水池を設置すべきであるということを、これは指摘しておきたいと思います。
 次に、都市部のほうについてですけれども、延焼防止につきましては、建築基準法はあくまでも最低限度であるということであります。地震で多発的に火災が発生し、消火活動が実施できない想定はされていないわけです。ですから、やはり大規模災害時に延焼を防ぐには、一歩踏み込んで都市計画による延焼防止、例えば都市計画道路の設置等を推進していただきたいと考えております。質問では触れませんでしたけれども、現在、空き家が問題となっております。付近が狭隘道路で、かつ木造住宅の密集地に存在する空き家であれば、市が取得して消防機能を持った防災広場というようなこともぜひ検討していただければと思います。
 次に、広報について再質問をしたいと思います。
 改正災害対策基本法によりまして、避難勧告と避難指示が分かりにくいことから、警戒レベルの見直しが行われました。あくまでも危険な場所からの避難でありますが、防災無線やエリアメールでは、避難指示が連合自治会単位等となっております。2011年台風第15号の際には、酒匂川などの水位が上昇し氾濫の危険が出たため、市内の4万3509世帯10万3940人に避難勧告を出されました。この際には、私も県外から多くの心配の声をいただいております。人口の半分以上の避難勧告は、都市セールス上、負の印象となってしまいます。ここでの問題は、危険な場所の住所と連合自治会が必ずしも一致しないことであります。また、日本語に支障のある方や警戒レベルの使用に慣れていない方にも配慮が必要であります。そこで、避難指示等をよりきめ細かい情報提供へ、デジタル化により進めることが必要と考えますが、御所見を伺います。

◎防災部長(韮澤浩一君) 情報提供のデジタル化についての御質問をいただきました。今年度、民間企業との連携による広域避難所の混雑状況のインターネットでの配信など、情報提供のデジタル化を進めている状況にございます。また、来年度にかけましては、防災情報伝達に関する基本計画を策定することとしておりまして、その中ではさらにきめ細かな情報伝達が可能なデジタル技術の活用を意識しながら、情報が伝わりにくい方に対しましても伝達手段が確保できるよう、新たな体制を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆21番(武松忠君) デジタル化に対しての御答弁をいただきました。一歩一歩確実に進めていただければというふうに思います。新しい技術ですが、どうやったら便利になるか、どうやったら伝わるかというのを職員が考えるというのが非常に大切ですので、そこは心してやっていただければと思います。
 最後、不確実な状況下での判断と対応ということで、指揮命令系統の一本化の訓練として、一般には図上訓練というのも行われます。市長も経験があると存じておりますけれども、私がエンジニアだった際の経験をお話ししますと、私の場合、実際にトラブルが起きているときの判断とか対策というのはかなり的確にできました。これは自負しているのですけれども、その後、図上訓練を実施したときは全く的確な判断ができませんでした。その一方、図上訓練では的確に判断、対策ができた人間が、実際のトラブルが起きた際に全く役に立たなかったという例も見てきております。守屋市長がどちらのタイプかは存じませんけれども、御自身の能力を過信することなく、訓練を実施していただければと思います。
 最後に、改めて東日本大震災の教訓を述べさせていただきます。我々は備え以上のことはできません。事前防災(取組)は確実に被害を軽減できますが、ゼロにはできません。危機管理と対応計画は、最悪のシナリオに基づいている必要があります。不確実な状況下での判断と対応が必要であります。
 以上、防災対策につきましては、今後も常に見直すこと。また、実は来年(2022年)は小田原大海嘯から120年目の区切りの年となります。これについては、市民周知の施策実施等も要望し、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)