令和元年 12月定例会 一般質問
22番武松議員、登壇願います。
〔22番(武松 忠君)登壇 拍手〕
◆22番(武松忠君) 通告に基づき質問いたします。
1、小田原市公共施設再編基本計画についてでありますが、これまでの公共施設管理にかかわる取り組みといたしまして、2009年度、施設白書を作成し、以降毎年データ更新、2010年度は市有施設の管理運営に係る基本方針の策定、そして2013年度から2014年度は市有建築物劣化等調査の実施、2014年度、2015年度につきましては、市有施設の管理運営に係る基本方針の改訂、2016年度は公共建築物マネジメント基本計画の策定、2018年度には小田原市公共施設再編基本計画を策定と、10年にわたり市有建築物等の現状把握と今後のあり方について検討されてきたと認識しております。
その結論として、現状のままでは約1070億円の財源不足になること、そして計画どおりの施設再編を実施してもなお約500億円の財源不足が見込まれるとまとめております。その解決のために、施設の総量縮減や機能・配置の適正化を行い、公民連携の推進及び管理運営の効率化を図るため、公共施設包括管理マネジメント事業の導入を計画に位置づけ、取り組みを進めてきております。
公共施設包括管理マネジメント事業は、複数の公共施設に係る保守管理業務を包括的に委託し、各施設の劣化状況等の情報を集約し適切にマネジメントすることで、点検から維持修繕に至る施設保全のサイクルを確立し、公共施設の維持管理の質の向上、予防保全による総費用の削減につなげるとともに、契約等に係る事務の省力化を図るものであると説明しております。
そこで、(1)目的について何点か伺います。
まず、公共施設の老朽化や更新費用の財源不足等の課題が挙げられておりますが、その概要を伺います。
次に、挙げられた課題の中で、経費等大きなものについて、主な施設別、主な工事種別を伺います。
そして、改めまして公共施設再編基本計画の目的を伺います。
次に(2)公共施設包括管理マネジメント事業について、何点か伺います。
繰り返しになりますが、私は、想定される約1070億円の財源不足に対し、計画どおりの施設再編を実施してもなお約500億円の財源不足が見込まれるという課題に対する施策の一つとして、公共施設包括管理マネジメント事業があると認識しております。しかしながら、12月5日に開催されました小田原市議会総務常任委員会におきまして、この事業の中止について説明があり、調整状況と今後の方針について説明と質疑が行われております。
現状を端的に申し上げますと、総論賛成・各論反対、説明不足、時期尚早で平行線といった状況でありましょうか。そこで、改めてこの事業の目的を確認するため、幾つか伺います。
まず、公共施設包括管理マネジメント事業を行う上で、各施設の劣化状況等の情報集約の現状と経緯について伺います。
そして、この事業の中で、公共施設の維持管理の質の向上とございますが、現状の質についての評価を伺います。
そして、公共施設包括管理マネジメント事業を実施できる企業について、他市事例と、その受託事業者の分類や規模について伺います。
最後に、公共施設包括管理マネジメント事業の実施により、想定される効果を伺います。
引き続きまして、
2、過去の災害の検証について伺います。
今回の一般質問には、21名中13名が防災に触れられております。私は、少し切り口を変えまして、歴史資料を収集し、その公開と周知によって避難行動のきっかけになればと考えております。そこで、今回お伺いするのは、関東大震災と小田原大海嘯についてであります。
これらの大災害は、明治・大正期の地震計や気象観測が未熟であり、観測地点も少ない状況での災害でありました。当然ながら、気象レーダーや気象衛星も整備されておりません。気象については、当時、陸地に加え、島嶼部や洋上の船舶における天気、気圧、風向き、風の強さから、低気圧の位置を推測するレベルでありました。私も、小学校6年生のときに、夜にNHKラジオを聞きながら、各地の気圧や風向きから天気図を書き起こした記憶がございます。残念ながら、当時の天気図のレベルはその程度でありました。
また、被害状況についても、公式文書に加え、言い伝えや、言い伝えを文書化したものなどもあり、地震による津波と、台風による高潮の被害情報が交錯している部分もございます。
そして、現在は、災害後にさまざまな防災対策を行い、当時と状況が変わってきております。また、ICTの推進により、国土地理院の測図、土木学会や旧鉄道省の写真データも、ホームページによる公開などが進んでおります。
(1)関東大震災についてでありますが、この震災は1923年(大正12年)9月1日、昼直前に発生いたしました。震源域は神奈川県西部から湘南・三浦地域、そして房総半島南部に至るところと想定されており、相模トラフと呼ばれる海溝沿いのプレート境界で生じた地震であります。
現小田原市内での主な被害状況は、井細田にあった小田原紡績工場が倒壊、女性作業員約600人の死傷者、うち134人が建物倒壊による圧死、重傷者約200人。早川口(現南町)にあった地域屈指の規模だった足柄病院が建物倒壊。直後に調理施設から出火。医師・看護師・患者とその家族などが巻き添えに遭い、33人が死亡。開通したばかりの酒匂川にかかる酒匂橋と、酒匂川大鉄橋(東海道線架橋)が揺れて墜落・埋没。市内の鉄道路線が寸断・破壊。市内中心部(旧小田原町)の死者は約370人、負傷者約190人、行方不明者4人、全壊家屋約1900、半壊家屋約500、全焼家屋2126、津波被害を確認できず。根府川の山津波、これは土砂災害ですけれども、被害は、集落約180戸と通行中の真鶴発東京行き・東海道線(乗客約170人、死者7人・行方不明160人)を飲み込み、土砂は海まで達する。その際に、小さいながらも津波が襲い、根府川駅、鉄道事務所、停車中の車両も海に飲み込まれる。根府川の西側、米神地区でも山津波(土砂災害)が発生。20戸が土に埋まり、62人死亡ということが残っております。
そこで伺います。関東大震災の資料収集が望まれますが、写真については新潮社ホームページの日本鉄道旅行地図帳・東日本大震災の記録・特別企画関東大震災の記録に、路線ごとの写真が掲載され、閲覧できる状態になっております。
また、地図について伺いますが、国土地理院、5万分の1震災地応急測図原図に、各地域の家屋の倒壊率や根府川の山津波の範囲などが記載されており、市がその写し等を購入することが必要と考えますが、御所見を伺います。
続きまして、
(2)小田原大海嘯についてであります。
この高潮被害は、1902年(明治35年)9月28日の日中に発生いたしました。高潮の原因は台風によるもので、この日、四国の室戸岬に接近する台風と、三浦半島に上陸した台風、二つが記録されております。小田原に影響を及ぼした三浦半島に上陸した台風は、その後、新潟に抜け、通過地域に甚大な被害をもたらしており、特に被害の大きかった足尾地域により、一時期足尾台風とも称されておりました。
台風に伴う高潮被害は、台風の接近に伴う気圧低下による海面上昇と、海岸線に直角に吹き込む風による海面のせり上がり、そして、満潮が重なった際に被害が発生すると言われておりまして、この高潮被害もまさにその状態であったようであります。
当時の被害状況は、小田原を中心とする吉浜から大磯に至る県西海岸地方を襲った台風に伴う高潮は、大被害をもたらした。28日の午前11時ごろ、急に大波となって陸地に押し寄せ、防波堤を越え市街地まで浸入した。
現小田原市内で、死者56人、負傷者343人、行方不明4人、家屋全半壊470戸、家屋流出552戸、家屋浸水1350戸。激浪は森戸川をさかのぼり、御殿場線線路に沿った数十万平方メートルの田畑にはんらんし、一面湖水のようになった。激浪は西海子通りまで達し、海岸から500メートルも離れたところまで達したところもあった。山王橋わきの宗福寺本堂は、200メートルほど流された。現在の町田小学校付近で浸水1メートルほどあった。浜町四丁目、国道1号付近は、床上0.6〜1メートルの浸水で酒匂川のようであった等の記録がございます。
この高潮被害のもう一つの要因といたしまして、海岸堤防の荒廃がございます。
当時の記録によりますと、従来の海岸堤防は、北条時代の大外郭の一環として、早川河口から山王川河口に築かれた堅固な土塁をそのまま使用してきたものであるが、明治維新以降は、十分な補修がなされなかったため今回の大惨事を招いた。海嘯を機に小田原町は海岸堤防の築造に力を注いだ。県補助金、有志寄附金、町費で総工費2万6500円で工事を開始し、1905年春までに十字四丁目から山王原境に至る全長2370メートルに及ぶ新海岸堤防が完成したとなっております。
そこで伺います。市制40周年記念誌「目で見る小田原の歩み」というのがございます。それでは、災害の項目で、この小田原大海嘯、明治大海嘯について7ページにわたり触れております。流出した家屋や家財道具を片づける写真と浸水地域図などが掲載されております。写真については、そのほとんどが土木学会等のホームページで公開されております。こうした資料をもとに再編集することが必要と考えますが、御所見を伺います。
引き続きまして、(3)周年事業についてであります。
若干唐突ではありますが、2022年に小田原大海嘯から120年、2023年に関東大震災から100周年を迎えます。今後、来る節目の年に、防災対策や避難行動へ結びつけるために啓発事業を実施すべきと考えますが、御所見を伺います。
続きまして、
3、自治体版CI戦略について伺います。
CI(コーポレート・アイデンティティー)は、企業のあるべき姿を体系的に整理し、それに基づいて自社の文化や特性・独自性などをイメージ、デザイン、メッセージとして発信することで、会社の存在価値を高めようとするビジネス手法であります。主に社会における企業イメージの構築を行うために計画・実行されますが、企業内部においても、価値の共有による意識の向上、また品質や生産性、就職希望者の増加などの効果が期待できるものであります。
1940年代までは、コーポレート・イメージやブランド・アイデンティティーという概念はありませんでしたが、企業のロゴマークの商業的価値への関心が、CIのイメージ形成の重要な要素になったと言われております。
CI計画を実行するに当たり、その企業を象徴するマークやロゴを策定することが多いため、「CIとはマークを新しくすること」と理解されることがございますが、その本質は、企業文化を高め、顧客を初めとする関係者や企業、社会とよりよい関係を築くことが目的であり、定められた理念は明確で親しみやすい言葉にされ、マークやロゴとともに統一された使用法でさまざまなコミュニケーションに使われます。
日本における本格的なCI計画は、1975年のマツダ(当時の東洋工業)による導入が最初であり、1980年代になると、バブル経済の影響を受け、CIブームが起きております。そして、一般にも広く知られるようになり、1990年代にかけさまざまな企業が導入しております。自治体では、神奈川県が1983年に日本で初めての行政体CIを導入しております。
その後のCIは、2000年ごろを境に登場した新しい戦略概念「ブランディング」が、その役割を引き継ぐ形で現在に至っております。
小田原市の状況を見てみますと、市章の色については、我が小田原市議会だよりの2018年11月の第147号まで、なぜか赤い市章が使われておりました。また、事業名について、漢字の「小田原」や平仮名の「おだわら」を使用しており、統一性がないように感じております。
そこで、(1)現状について何点か伺います。
市章については、1941年(昭和16年)6月26日制定し、その由来は、波頭で梅花をあらわしたものでありまして、色は、現在は紺または黒になっております。
小田原市の漢字の字体につきましては、ホームページや公用車等で利用されております。
事業名については、漢字や平仮名がございますが、個人的には「小田原」は漢字を使用してもらいたいと考えております。皆さんも御存じのとおり、小田原の由来と言われておりますのは、相模の国大磯より西河岸一帯を「こゆるぎの磯」といい、その沿岸沿いを「こゆるぎの里」と称しております。小田原という地名の語源が諸説ございますが、この「こゆるぎ」、「こ」は大小の小、「ゆ」は自由の由、「る」は留守の留、「き」は樹木の木の漢字を、草書体に書いたものを読み誤ったということで起きたと言われていることもございます。由来はともかくといたしまして、こゆるぎというみやびな響きというのは、風光明媚で温暖な印象を与える小田原にふさわしい響きであり、大切にしていきたいと考えております。
また、この小田原という漢字は、小学校1・2年生で習う漢字であり、シンプルで書きやすいものであります。
一方、平仮名化は一見優しく感じるものの、特に福祉系の事業名では、配慮したつもりが、中には逆に見下されているように感じる方もいらっしゃいます。
そこで伺います。まず市章、小田原市のロゴの使用の現状について伺います。
次に、漢字と平仮名利用でありますが、第5次小田原市総合計画「おだわらTRYプラン」については、TRYプランの「おだわら」は平仮名でございます。漢字と平仮名が使用されている状況です。そこで、市の事業、計画につきまして、小田原の漢字、平仮名の利用状況を伺います。
引き続きまして、(2)小田原市版CI戦略策定についてでありますが、小田原市においては、2014年8月に小田原ブランディング戦略をまとめており、小田原が持つべきほかとは違う価値として、「小田原は、生きるチカラを与えてくれて、強くしてくれるまち」。多様性を持つ小田原は、いやしや元気といった、人間本来の持つ生きる力を与えてくれて、強くしてくれるまちから、「小田原は子どもがよく育つまち」。小田原なら、さまざまな体験ができる環境がそろっていて、親と子供ともども健やかに成長できるとまとめています。
質問はそれと区別いたしますけれども、従来のCIに絞りますが、正面玄関のタイルのデザインですとか以前のスローガン「情熱新市役所」、それから現在の市役所2階ロビーのスローガン「元気に笑顔でてきぱきと」の右側にあるマークも、市の封筒等では見かけるものの、その意味や由来がぼやけてきていると感じております。
今後、これら市章やマークのデザインや漢字・平仮名の使い方について統一性を図り、ある程度管理していくことが必要と考えますが、御所見を伺い、登壇しての質問を終わります。(拍手)
○議長(奥山孝二郎君) 市長、登壇願います。
〔市長(加藤憲一君)登壇〕
◎市長(加藤憲一君) 22番武松議員の御質問に順次お答えをいたします。
初めに、小田原市公共施設再編基本計画に関連して、公共施設の老朽化等の課題について御質問をいただきました。本市の公共施設は、築30年以上の施設が全体の約8割を占め、今後、急速に老朽化が進行すると見込まれております。再編基本計画で課題として挙げました将来的な財源不足は、平成29年3月に行った長期保全費用のシミュレーションに基づいておりまして、現有建築物をすべて築60年で建てかえる場合、建てかえや部位の更新費用として、30年間で約1820億円が必要になると試算をいたしました。一方、平成23年度から平成27年度の5年間に建築物に投資した費用の平均は約25億円であり、今後も同程度の投資ができると仮定いたしますと、30年間の投資可能額は約750億円となりまして、必要な長期保全費用に対して約1070億円の財源不足が生じると想定したものでございます。
次に、長期保全費用の内容についてであります。30年間の長期保全費用約1820億円を施設類型別に分けますと、学校教育系施設が約900億円で49.6%、公営住宅が約210億円で11.5%、本庁舎などの行政系施設が約150億円で8.3%となっています。また、工事種別で分けますと、建てかえが約1520億円、部位の更新等の維持修繕が約300億円となります。さらに、維持修繕の約300億円の内訳としては、屋上防水、外壁改修等の建築工事が約84億円で27.9%、トイレやエアコン改修等の設備工事が約215億円で72.1%となっています。
次に、公共施設再編基本計画の目的についてであります。先ほど御答弁いたしました将来的な財源不足等の課題に対しましては、まず1として施設の総量縮減、2として計画的な保全と長寿命化という二つの対策を両輪として解決を図ることとしておりまして、再編基本計画は、施設の機能・配置の適正化及び総量縮減を目的に策定したものでございます。しかし、計画を着実に実施してもなお約500億円もの長期保全費用の不足が見込まれること等の新たな課題が浮き彫りになっているところであります。そのため、さらなる施設再編に取り組みますとともに、民間事業者との連携による管理水準の向上や管理運営の効率化等の取り組みを進めているところでございます。
次に、各施設の劣化状況等の情報集約についてであります。平成29年度に、企画部に公共施設マネジメント課を新設し、以後の予算編成作業におきましては、全庁的な視点で維持修繕工事の優先順位をつけ、効果的・効率的な工事執行を行っております。優先順位の判断に当たりましては、平成25年度、平成26年度に実施いたしました劣化等調査の結果及び定期点検や日常点検における指摘事項やふぐあい等の情報を集約いたしまして、施設や設備の部位ごとに設定した緊急度や管理水準に基づき、安全・安心にかかわるものを最優先としております。しかし、劣化状況のデータが膨大であり、また専門的な内容も多いため、それらの情報を適切に管理していくためのマネジメント能力の向上が喫緊の課題であると考えています。
次に、公共施設の維持管理の質の評価についてのお尋ねがございました。公共施設の維持管理業務は、所管課ごと、施設ごとに発注されておりますため、点検回数や部品交換の周期など、業務仕様書の内容についても、現状では統一されておりません。また、厳しい財政状況の中で、優先順位をつけて施設の保全に努めてはおりますものの、予期せぬ故障やふぐあいも増加しており、一定水準の質を確保することが、ますます困難になってきております。そのため、できるだけ早期に、本市にとってふさわしい公共施設包括管理マネジメント事業のスキームを再構築し、民間事業者の最新の知見やノウハウを生かして、維持管理の質を向上させる必要があるものと考えております。
次に、公共施設包括管理マネジメント事業を実施できる企業についての御質問でございます。公共施設包括管理マネジメント事業は、多くの施設や業務を一括して総合的に維持管理することにより、施設全体の管理水準の向上を図るものでありまして、個々の施設の管理能力に加え、施設マネジメントを効果的に遂行できる高い専門性やノウハウが必要となります。そのため、他市の先行事例では、全国規模で業務展開している大手ビル管理事業者が受注している例が多い状況にございます。
次に、事業の効果についてでございます。市にとっての効果といたしましては、長期保全に係るトータルコストの削減、維持管理の質の向上、契約等に係る職員の事務の効率化等が想定されます。また、市内事業者に対しましては、マネジメント事業者として大手企業が選定されるか市内事業者が選定されるかにかかわらず、3年から5年の中長期的な業務の安定、仕様の統一や管理ノウハウの吸収に伴う業務品質の向上、民間物件も含めた受注機会の拡大等の効果が想定されます。いずれにいたしましても、将来にわたって持続可能な行政運営のためには、公共施設の機能・配置の適正化及び総量縮減とあわせまして、効果的・効率的な施設管理体制を構築する必要があると考えております。
次に、過去の災害の検証に関連し、国土地理院の震災地応急測図原図についての御質問がございました。古い資料でありましても、災害時の事実関係がわかるような資料につきましては、後世に残そうとしたものでありまして、重要性を感じております。震災地応急測図原図のような資料につきましては、活用することで今後起こり得る災害の対策を検討することや、市民の防災意識の啓発に有効でありますので、可能であれば入手したいと考えております。
次に、小田原大海嘯の資料についてであります。過去の災害時の状況がわかるような資料の重要性については、先ほどの答弁のとおりでございます。小田原大海嘯につきましては、波が海岸の住宅を押し流して市街地まで浸入したという話が残っており、これまでの本市の歴史上、関東大震災と並ぶ大きな被害をもたらした災害と言えますことから、これまでも各種災害の取りまとめにつきましては、機会をとらえて再編を行ってきたところでございますが、後世に語り継ぐためにも、なるべく多くの資料をもとに再編を検討してまいりたいと考えています。
次に、防災対策や避難行動への啓発事業についてであります。小田原大海嘯につきましては、絵巻の所有者が小田原市に活用を申し出ていただきまして、平成24年に110周年という節目に「小田原大海嘯110年展」を開催したところ、多くの市民の皆さんに関心を寄せていただいた経緯がございます。関東大震災につきましても、語り継ぐべき災害として考えておりますので、市民の防災の意識啓発にもなる周年事業に関しましては、開催を検討してまいりたいと考えております。
次に、市章及び小田原市のロゴの使用状況についての御質問でございます。市章及び小田原市のロゴは、表彰状、各種看板、PR用のポスターやチラシ、公用車、封筒、名札、各種計画書等、広く本市のものであることをあらわすために使用されております。特に市章は、小田原市を象徴する大事な紋章でありますとともに、一目で市から発信されたもの、市が設置したものであると認識されるものでありますことから、小田原市市章の使用に関する取扱要綱を定め、その使用等取り扱いを適切に管理しております。
次に、市の事業、計画、施設における「小田原」の漢字、平仮名の使用状況についてであります。市の事業、計画、施設の名称は、「小田原市」と表記する場合は漢字を使用しています。そのような中、親しみやすさや、やわらかな印象を与えるという利点から、おだわら市民学校、おだわらSDGsパートナー制度などの事業名、おだわら男女共同参画プラン、おだわら高齢者福祉介護計画、おだわら障がい者基本計画などの計画名、おだわら市民交流センターUMECOといった施設名において、平仮名を用いたものもございます。
次に、市章、CIマーク、小田原の漢字、平仮名の使い方の統一性についてのお尋ねでございます。市章につきましては、ただいま申し上げましたとおり、市の象徴である紋章でありますことから、取扱要綱に基づき、その使用等取り扱いは適切に管理してまいります。CIマークなど各種ロゴや小田原の漢字、平仮名の使用につきましては、それぞれの事業、計画、施設等のイメージとして最適なものを選択し、適宜使い分けて使用してまいりたいと考えています。
以上をもちまして、22番武松議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。
◆22番(武松忠君) それでは、順番を逆に伺ってまいりたいと思います。
CI戦略についてですけれども、これにつきましては、市章については取扱要綱があるということで、それについてはわかりました。また、事業名等につきましては、「小田原市」と「市」まで入る場合は漢字を使われているということ、また、平仮名については適宜ということだったのでありますけれども、小田原市では英語表記のロゴというのが決まっていないと思うのです。それから、漢字、平仮名の利用に際しては、御説明のとおり福祉系の事業に平仮名表記が多いようでありますけれども、私は、この平仮名で表記するということが、やはり違和感を覚えるわけであります。これにつきましては、小田原の漢字にぜひ誇りを持っていただいて、多く使っていただけたらなというふうに希望をしております。
今回は、統一性を図ることに対しては、前向きな御答弁はいただけませんでしたけれども、英語表記のロゴ指定ですとか平仮名利用の範囲など、再検討すべきと考えておりますので、これについては要望したいと思います。
次に、過去の災害の検証につきましてですけれども、関東大震災につきましては、まず国土地理院の地図のほうですが、ぜひ入手していただければと思います。その写しが本に載っていまして、私も、それを見てみますと、例えば酒匂地区であったら倒壊率何%で、小学校が焼失したとか、親木橋が落ちて、その後仮復旧したとか、そういった情報が事細かく全市にわたって書いてあるわけです。そういった資料が、やはり次なる災害のときの資料になると思いますので、ぜひ入手をして、市民に公開できるような形をとっていただければと思います。
また、大海嘯についても同様でございます。
周年事業については、開催を検討するというお答えをいただきましたので、ぜひ進めていただきたいと思います。
最近はAI技術によって、白黒の写真がカラー化できるというような技術もあります。こうした技術も用いながら、ぜひとも白黒の写真ではなくて、特徴的な写真があれば、それをカラー化するなどして、子供たちや市民に提示していただければというふうに思います。
防災の一丁目一番地というのは、いかにそのときに安全なところにいるかであります。避難行動のきっかけになるものというのは、現在の居場所の正確な情報と、実際には家族とか特に子供の声。子供が「逃げよう」と言ったら、親は逃げますよ。そうした資料の郷土教育への利用も、ぜひ視野に入れていただければと思います。これについても要望といたします。
では、再質問に行きます。公共施設再編基本計画のほうでございます。30年間で1820億円必要ということで、年間25億円投資したとしても1070億円の財源不足という御説明がございました。
施設類型別のお答えがございまして、学校教育系施設が約900億円、49.6%を占めているということがございました。工事種別では、建てかえが約1520億円、維持修繕が約300億円という説明もございました。
ということで、財源不足については、施設の総量縮減、計画的保全と長寿命化というようなお答えがございましたけれども、この小田原の学校教育系施設というのは、昭和30年代後半から昭和40年代にかけて校舎等の火災が頻発し、かつ人口増に対応するため、この時期に集中的に校舎を鉄筋コンクリート化して建てかえたというようなことを伺っております。それが、現在の学校教育系施設が集中して老朽化しているという根本原因であります。
小学校25校、中学校11校合わせて、36校を毎年1校ずつ建てかえても36年、2年に1校建てかえても72年もかかってしまいます。
また、加藤市長はこれまでの一般質問の御答弁で、特に9月の10番鈴木和宏議員の一般質問の学校施設に関する御答弁で、統廃合も含めた検討も必要になってくるというふうにお答えになっております。そうはいっても、学校数的には大幅に削減することは考えられないため、児童・生徒数に合わせた規模の縮小を進めることや、生涯学習施設等の複合化による規模の縮小を進めていかざるを得ないというふうに認識しております。
財政改革の基本というのは、金額・規模の大きいものから手をつけるのが基本であります。そこで、南足柄市が、学校施設の統廃合を主とした南足柄市公共施設再編計画案を昨年11月に公表し、市内外が大きく揺れ動いております。知り合いにも、その計画を聞いて南足柄市での戸建ての建設をあきらめて、小田原市や開成町に引っ越した方もいらっしゃいます。
本市における学校教育系施設の課題認識と、南足柄市再編計画の公開方法について、市長の御所見があればお伺いいたします。
◎市長(加藤憲一君) 22番武松議員からのお尋ね、学校教育系施設の課題認識と、お隣の南足柄市の再編計画の公開方法等についてのお尋ねでございました。まず、公共施設の長期保全に係る財源不足等の課題を解決するためには、申し上げるまでもございませんけれども、公共施設全体の中で多くの割合を占める学校教育系施設について有効な対策を講ずるということが、ボリューム的には非常に大事になってまいります。本市では、本年3月に策定いたしました公共施設再編基本計画に基づきまして、それぞれの地域の実情に応じた将来的な地域コミュニティのあり方、この検討とあわせて、中長期的な視点で、この適正規模・適正配置を検討していくこととしているところでございます。いずれにいたしましても、非常に難しい課題でありまして、これから非常に時間をかけて丁寧にやる必要があるというふうに考えています。
また、お隣の南足柄市の件でございますが、これについては、なかなか他市の事業の進め方について直接コメントするのは差し控えさせていただきますけれども、他市の、その他の日本の各地の状況を見ましても、やはり公共施設の老朽化という全国的な課題に対しては、その利用者である市民の皆さん方とのいろいろな意見調整において、非常に皆さんが御苦労する。多くの自治体において、住民との合意形成が課題になっているということで受けとめておりまして、まさにその非常に大きな事案としてお隣の動きがあるというふうに、私も把握しておりますし、その様子については非常に関心を持って注目しているところでございます。本市におきましても、今後施設再編の取り組みを進めるに当たりましては、どうあれ適切な市民周知、また対話の機会の提供など、丁寧な合意形成に努める必要があるものととらえながら、状況を注視しているところでございます。
以上でございます。
◆22番(武松忠君) 御答弁をいただきました。特に施設の統廃合となりますと、御答弁いただいたように丁寧に、本当に周知と対話、それしかないと思いますので、これについては拙速な公表等は行わずに、きちんと理解を得てというのが大事かと思いますので、御答弁のとおり進めていただければというふうに思います。
次に、公共施設マネジメント事業について御答弁いただきましたけれども、私は、いわゆる公務員というのは管理事務能力にたけておりまして、その物品管理とか点検記録簿の帳簿類から、業務仕様書の標準化など、当然できているものというふうに信じておりました。12月5日の総務常任委員会におきまして公共施設包括管理マネジメントの事業中止についての説明がございまして、調整状況と今後の方針について説明と質疑が行われて、この事業の再構築に2年程度を要するとの答弁がございました。この期間に点検記録簿等の統一化や業務仕様書の標準化などを進め、業務改善できることは幾らでもあるのではないかと認識しております。とはいっても、事業中止決定から10日ほどしかたっておりませんので、お答えできる範囲で構いませんけれども、この公共施設包括管理マネジメント事業の再構築までの間において、各所管ごと、施設ごとの発注方式についてと、点検回数や部品交換周期、業務仕様書の内容について、標準化を進めることについて御所見をお伺いいたします。
◎企画部長(鳥海義文君) 公共施設包括管理マネジメント事業の再構築までの期間の間に、いろいろさまざまな見直しをしっかりとできるのではないかという御質問でございます。公共施設包括管理マネジメント事業につきましては、今後の再構築に向けまして、これまで行ってきた検討を生かしながら、改めて事業スキームを組み立て直すというふうにしたものでございますが、しかしながら、やはり組み立て直すその期間内におきましては、22番武松議員御指摘のとおり、例えば点検報告書の統一化、また業務仕様書の標準化、現状におきましてできる業務改善につきましては先行して取り組んでいくことで、こういったことの中で時間を無駄にすることなく、スムーズに今後の公共施設包括管理マネジメント事業の実施につなげていきたい、このように考えてございます。
以上でございます。
◆22番(武松忠君) 御答弁で、仕様書等、先行して取り組む事例については取り組んでいただけるということで、対象がはっきりしないことが、対策を一番打てないということでございますので、これについてはできることから進めていただいて、事業の概略というか、つぼのところをきちんと押さえていただければというふうに思います。
公共施設再編基本計画と公共施設包括管理マネジメントについて伺ってまいりましたけれども、一番大きな目的は、私は、学校教育系施設の建てかえ周期を、長寿命化を実施しながら、そのときの投資を均等化するということが目的というふうに考えております。そして、それの解決手段として公共施設包括管理マネジメント事業を実施して、施設長寿命化のための専門的なデータを早期に積み上げること、さらに、児童・生徒数に合わせた規模の縮減や生涯学習施設等の複合化を図り、将来負担を適切なものにするというふうに認識しております。私のこの課題認識と解決策について御所見を伺います。
◎副市長(加部裕彦君) 課題認識と解決策について、22番武松議員から御指摘がございましたけれども、本市の公共施設の大きな課題は、その大半を占める御指摘のとおり学校教育系施設はもとより、すべての施設において適正な維持管理による長寿命化の実現と、機能・配置の適正化と総量縮減による将来的な負担の均等化、適正化を果たしていくということでございますので、認識は一致していると思っております。この解決に向けましては、本年3月に策定いたしました再編基本計画を実施してもなお約500億円の財源不足が生じるというふうに想定されておりますことから、さらに踏み込んだ施設再編による総量縮減と、包括管理マネジメント事業等によります専門性の高い維持管理による施設の長寿命化、こういった二つの対策を確実に進めていくことが大変重要であると考えております。
以上です。
◆22番(武松忠君) 御答弁をいただきました。課題認識と解決策については一致したものと思います。
このたびの公共施設包括管理マネジメント事業の中止について、政治的な動きもあり、中止と、苦渋の結論を出されたことは、非常に私は残念であったと思います。公共事業においては、将来負担を減らす事業と地域経済振興は、残念ながら矛盾する部分もございます。それは、すなわち、将来の市からの仕事を減らす事業であるからであります。政治家は、規模縮小の政策を唱えることは苦手であります。しかし、それと現実との乖離が、将来の生産年齢世代の負担となってしまうのであります。一方、こうした改革を机上の論理で進めて、拙速に公開をしてしまうと、夢が語られなくなり、どこかの市のように混乱をしてしまいます。
市民参加手法も含め、改めて公共施設再編計画につきまして、全市的にかつ具体的に判断できるような環境整備とともに、その早期の着手を要望し、質問を終わります。