平成30年 12月定例会 一般質問
○議長(加藤仁司君) 17番武松議員、登壇願います。
〔17番(武松 忠君)登壇 拍手〕
◆17番(武松忠君)通告に基づき質問いたします。
1、工場跡地等の状況についてでありますが、御存じのとおり、最近の小田原市における工場や研究施設の撤退、少年院の移転や競輪場の単年度の赤字収支など、比較的大規模な土地の利活用につきまして、市民の関心が高まっております。その中で動きがある土地について伺います。
まず、(1)イオンタウン株式会社が取得したJT小田原工場跡地について、何点か伺います。
この用地は、2011年3月にJT小田原工場が閉鎖され、2013年8月にイオンタウン株式会社が、新しい商業施設用地として買収したものであります。
2013年10月22日には、市議会建設経済常任委員会にてイオンタウン土地利用計画図が示され、開店は2015年との報告がございました。その内容は、元工場の西側半分の区画にホームセンター6570平方メートル、駐車場368台、元工場の東側半分の区画にはスーパー、衣料品店ほか9990平方メートル、駐車場457台、そして、元グラウンドの区画に家電量販店3000平方メートル、駐車場201台と、さらに別開発の住宅開発用地でありました。これは現行法規にのっとったものであったと認識しております。
また、その後1年以上は目立った動きがございませんでした。
2014年末から2015年年初にかけて、この用地に対し、小田原箱根商工会議所正副会頭を中心に議論、検討された「いのち輝くまちづくり構想」がまとめられ、2015年2月には、イオングループのトップである岡田社長と会頭らが面談し、その構想を手渡したと伺っております。
2015年7月には、イオングループ、小田原箱根商工会議所、神奈川県、小田原市による「いのち輝くまちづくり構想4者研究会」が発足し、以降2年にわたり協議がなされ、2017年8月の基本構想・基本計画の記者発表となったものと伺っております。
「いのち輝くまちづくり構想」の六つの柱は、1.地域医療体制との連携・健康増進施策の推進、2.定住人口増につながる良質な住宅環境の提供、3.交流人口増につながる商業の需要の創造、4.県の「未病を改善する」拠点としての機能と位置づけ、5.防災センターとしての機能、6.最先端エネルギーのモデルタウンとなっております。
この構想に対しまして、昨年9月定例会における私の一般質問の答弁で市長は、「現在、中心市街地、また川東地域での商業地域がある中で、既に両地域においても商業の衰退の傾向がある。より一層、商業の衰退傾向に拍車をかける新しい大型の郊外商業施設の立地は望ましくないということは、再三申し上げてきた。このイオンの計画については、同じような懸念を持つ商工会議所の提案によって、特に未病に対する機能を盛り込んだ新しい用地の活用について、市も意見を述べる形で参画をして計画がつくられてきた。計画については、まとまった方針、計画の提案として市に出てきた段階で、市の基本的なスタンスによってしっかりと審査をし、適切かどうかということの判断を下していく立場にある。提案は提案として受けつつも、それを許認可していく立場としては、しかるべきスタンスで臨んでいくという考えである」と答弁されております。
そこで、まず、4者研究会終了後に発足した、いのち輝くまちづくり構想懇談会の状況について伺います。
また、現在の手続状況と法的な課題について伺います。
次に、これまで市長は、新しい大型の郊外商業施設の立地は望ましくないと答弁されておりますが、このたびのイオンタウンの計画を認めることにつきましては、私は、これと整合しないと認識しております。御所見を伺います。
次に、(2)HGSTジャパン小田原工場、日立情報通信マニュファクチャリング小田原拠点跡地について、何点か伺います。
この用地につきましては、株式会社関東ダイエットクックの進出や、その後の開発告示看板等により、動きがあることは認識しております。周辺地域では期待も膨らむ一方、環境対策や渋滞対策、狭隘道路の抜け道利用による交通事故増加の懸念も聞いております。
そこで、まず、現在の株式会社関東ダイエットクックの稼働状況、雇用状況並びに進出に伴う補助金内容を伺います。
次に、同用地東側のグラウンド跡地等における店舗計画につきまして、既に開発許可等を受けていると伺っておりますが、その規模、進入路、隣接住宅への配慮等、その計画内容について伺います。
次に、工場建物が残っていた北側用地は、土壌汚染が公表されておりました。また、工事中はきれいな土砂が山積みされ、汚染土壌入れかえが行われていたものと認識しておりますが、まず北側用地の汚染土壌入れかえ等の状況を伺います。
また、この用地の今後の分譲計画について伺います。
次に、(3)小田原競輪場について伺います。
現在、小田原競輪場の今後に向けた検討が、2019年2月をめどになされております。
小田原競輪場の用地につきましては、第一種中高層住居専用地域、第一種高度地区、第一種風致地区、都市計画公園区域となっておりますが、その規制内容につきまして、私でも具体的にイメージすることが困難であります。そこで、この用地につきまして、現在の法規制で可能な増改築の範囲について伺います。
また、仮に建物をすべて撤去した場合、現在の法規制で建築可能な建築物について伺います。
そして、その際に付随して発生する手続等についても伺います。
次に、2、鬼柳地区の工業団地整備について伺います。
鬼柳地区の工業団地につきましては、酒匂川左岸の都市計画道路小田原大井線の沿線に位置し、東名高速道路大井松田インターチェンジ及び小田原厚木道路小田原東インターチェンジなど、広域交通の利便性がよい地区であります。
1984年から工業系保留区域に位置づけられてまいりましたが、2014年に民間開発事業者が工業団地整備の意向を示し、2018年6月30日までに全土地所有者43名との土地売買契約が締結され、工業地としての計画的な市街地整備に向けた事業の見通しが明らかになったことから、既存の卸商業団地と一体的な区域として、約20ヘクタールを市街化区域に編入しようとするものとの説明がございました。市街化区域から離れた飛び地の市街化区域指定でありますから、周辺部へ影響がないように努めなければなりません。
そこで何点か伺います。(1)市街化調整区域内に孤立した市街化区域の設定についてでありますが、工業団地南部(下流部)の農業用水の確保について伺います。
また、このたびの変更で、この用地の都市施設として下水道がございますが、既存の卸商業団地の排水処理状況と今後の工業団地全体の下水道整備について伺います。
次に、3、支所等統廃合について伺います。
支所等統廃合につきましては、「支所等住民窓口の再編で16カ所が5カ所に」、「併設の生涯学習センター分館等も廃止」ということで、該当の地域の住民の方々の御心配も当然のことと存じております。確かに唐突ではありましたが、支所等住民窓口は、建物に老朽化の著しいものがあり、今後、施設の安全性を確保し、サービスを維持していくための施設建てかえや補修に対し、多額の財政負担が課題となっておりました。
また、住民基本台帳ネットワークやマイナンバー制度により、申請書類に必要な証明書類も減っており、この10年で取扱件数は約25%減となっております。
さらに、証明書類のコンビニエンスストア交付に伴う既存システム改修費、証明書発行サーバーの構築費、証明書交付センターへの接続費等の運営経費を国が3年間交付する制度の期限が2019年度となっておりました。
そのため、庁内でそのあり方について検討を重ねてきた結果、全国のコンビニエンスストア及び支所等廃止地域の郵便局との業務提携による住民票等の交付サービスの導入にあわせて、施設の老朽化や利用状況等を考慮し、支所等住民窓口の数を、現在の16カ所から5カ所に縮減することになりました。また、廃止される支所・窓口コーナーでの取扱件数は、全体の約21%となっております。
改めまして、このような状況の中、支所等再編をされる意思決定をされたことに対し、高く評価をいたします。
そこで、(1)進捗状況についてでありますが、市民への周知とコンビニエンスストアや郵便局への事務移行の進捗状況について伺います。
次に、(2)旧村役場等建物の廃止に伴う配慮と協力についてでありますが、統廃合される支所等には、昭和初めの趣のある建物があると認識しております。その建物内には、歴代村長の写真が掲示されていたところもあり、近隣住民の心のよりどころでありました。
私は、それら建物の解体前には、セレモニー等の開催が必要であると考えております。それは、物事を変革する際、数学的には変曲点となるような出来事がある場合こそ、丁寧に仕事を進めていくことが、市と住民の信頼関係を築くために大切なことであると認識しております。
また、その際、建物の歴史、行政の変遷の歴史的資料や写真など、市が保管しているものの提供があれば、地域が所蔵している資料と合わせ、セレモニーの内容が充実したものとなります。そこで、建物廃止に伴い、地域が主催するセレモニー等の開催と歴史的資料提供の協力につきましてお伺いします。
以上をもちまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)
○議長(加藤仁司君) 市長、登壇願います。
〔市長(加藤憲一君)登壇〕
◎市長(加藤憲一君)17番武松議員の御質問に順次お答えをいたします。
初めに、いのち輝くまちづくり構想懇談会についての御質問でございました。平成29年8月に小田原箱根商工会議所により、いのち輝くまちづくり構想懇談会が設置され、以後、2カ月に1回のペースで開催がされております。この懇談会では、イオンタウン株式会社から、開発計画の進捗状況や、地元企業・自治会等への対応状況などの報告がありますほか、未病を改善する取り組みや防災への取り組み等について、関係団体等と意見交換が行われております。
次に、手続の状況と法的な課題についてのお尋ねであります。JT小田原工場跡地は、用途地域が工業地域に指定がされており、1万平方メートルを超す商業施設の立地規制がなされております。このため、事業者のイオンタウン株式会社は、都市計画提案制度により、規制緩和を求めるため、開発整備促進区を定める地区計画の決定を希望しております。この地区計画の決定に当たりましては、都市計画法の運用指針に、立地する商業施設が都市機能の増進に貢献するとともに、交通、安全、防火及び衛生上支障がないと認められる場合に都市計画に定めるといたしております。特に、大型商業施設の出店に伴い、自動車交通の増加による渋滞や迂回車両による生活道路への進入などが懸念されますことから、その対策を求めるなど、事業者の相談に応じているところでございます。
次に、郊外への大型店舗の立地の考え方についてお尋ねがございました。人口減少や少子高齢化による消費者ニーズの変化、ネットショッピングの普及等により、小規模店はもとより、スーパー、さらには大型ショッピングセンターでも売り上げの減少が進んでおり、集客やテナントの確保に苦労している状況にございます。私はかねてから、既存商業の衰退に、より一層拍車をかけるおそれのあるような郊外への大型商業施設の立地は望ましくないと申し上げてきております。この思いは現在も変わっておりません。そうした中、健康づくりや環境共生など、商業機能だけでない施設のあり方を構想する目的で始められた、この間の研究会、懇談会の議論も、そうした思いを持って見守ってきたところでございます。現在は、先ほど御答弁申し上げましたとおり、周辺環境や都市基盤に与える影響なども踏まえ、事業者の相談に応じているところでございますが、まとめられた構想や提案される開発案などに対しましては、あくまで、市として適正なまちづくりを進めるという観点から、しっかりと議論をしていく考えでございます。
次に、日立跡地に進出した株式会社関東ダイエットクックについての御質問でございます。この事業所は、スーパーやコンビニエンスストアに総菜等を出荷する食品製造会社の神奈川工場でございまして、年中無休で稼働し、雇用者数は約330名と伺っております。市の支援といたしましては、企業誘致推進条例に基づきまして、立地奨励金を平成30年度からの5年間で、上限であります1億円を交付するほか、固定資産税・都市計画税の2分の1相当額を3年間助成する投資促進奨励金と、市民を新たに雇用した場合に助成する雇用促進奨励金を、平成31年度以降に交付する予定としております。
次に、グラウンド跡地における店舗計画についてであります。当該地に係る開発許可は、平成30年10月24日に申請がなされ、11月5日付で許可したものでございます。申請内容は、建物用途が物販店舗のホームセンターであり、1階が売り場、屋上に駐車場を設ける計画となっています。敷地面積は1万9066.38平方メートル、延べ床面積1万2374.40平方メートルのうち、売り場面積は9865.54平方メートルとなっております。車両の主たる出入り口は、南側市道0051・順礼街道でありまして、左折入庫、左折出庫とし、東側市道4270は幅員9メートルに拡幅した上で歩道を設置するなど、交通安全の確保に努めているところでございます。また、店舗敷地の外周部に緩衝帯として緑地を設けまして、近隣の居住環境に配慮した計画となっているものであります。
次に、北側用地の汚染土壌入れかえ等の状況についてでございます。土壌汚染が確認されました一部区画について、本年6月に、神奈川県生活環境の保全等に関する条例に基づく公害防止計画書が市へ提出されまして、汚染土壌の入れかえが行われました。また、その後10月に、同条例に基づく公害防止計画完了報告書が提出され、北側用地の汚染土壌の入れかえは完了しております。
次に、HGSTジャパン小田原工場跡地の分譲計画についてでございます。この土地の面積は約6万8000平方メートルで、周辺の生活環境等に配慮しつつ、工場や研究所等、工業系で利活用されることが望ましいと考えておりまして、土地所有者であります不動産会社には、さまざまな機会を通じて市の考えを伝えています。不動産会社は、当該地を三つ程度に区分して分譲することを計画しており、既に1区画は市の要望にこたえる形で、化学製品を製造する企業が進出することになっていると伺っております。
次に、競輪場用地において、可能な増改築の範囲に関しての御質問がございました。競輪場用地は第一種中高層住居専用地域として建ぺい率は60%、容積率は150%でございますが、これに加えて、第一種風致地区では建ぺい率が20%以下、緑地率20%以上となっております。増改築につきましては、既存不適格となっておりますことから、土地利用上の制限内であっても増改築工事はできません。このため、可能なものは、大規模修繕や大規模模様がえに該当しない工事、減築のみの工事及び耐震補強工事に限られるものとなっております。
次に、可能な建築物とその際の手続についての御質問がございました。当該地は総合公園として都市計画決定をしておりますことから、建築可能な建築物は、休息、鑑賞、散歩、遊戯及び運動等に供する各施設となっておりまして、第一種風致地区も指定されておりますため、建物の高さは8メートル以下となってまいります。なお、敷地の一部が埋蔵文化財包蔵地でありますことから、当該箇所であれば、文化財保護法に基づく土木工事等のための発掘の届け出を行い、発掘調査・工事立ち会いなどの必要な指示を受けることとなってまいります。
次に、鬼柳地区の工業団地の整備に当たり、南側の農業用水の確保についての御質問がございました。下流域の農地に水を供給する水路につきましては、水田への影響がないよう、水路をつけかえて整備をすることになっております。新設される水路は、現在の土水路からコンクリート製に変更するため、十分な水量が供給できる計画となっています。
次に、既存の卸商業団地の排水処理状況と今後の工業団地全体の下水道整備についてでございます。既存の卸商業団地には、小田原卸商業団地協同組合が管理するコミュニティプラントが設置されておりまして、排水はこのプラントで浄化し、排水基準に適合させた上で隣接する水路に放流がされております。工業団地全体の汚水につきましては、卸商業団地を含めた工業団地全体を市街化区域に編入する予定でありますことから、都市施設であります下水道を整備することとしておりまして、現在、開発事業者など関係者との調整を進めているところでございます。
次に、支所等廃止に向けた準備の進捗状況についての御質問でございます。まず、市民への周知につきましては、「広報おだわら」8月号へ記事を掲載し、9月に自治会を通じた回覧を実施いたしますとともに、支所等の職員が窓口利用者への丁寧な説明に努めているところでございます。また、郵便局とコンビニエンスストアにおきましては、必要な機器の設置、証明書発行テスト、帳票の配布などを進めますとともに、郵便局員に対しての研修を実施するなど、新しいサービスの開始に向けた体制が整ってきているところであります。
次に、地域主催のセレモニー等と歴史的資料展示への協力について御質問がございました。支所等につきましては、平成31年3月15日の業務をもって廃止をいたしますが、これまでのところ、セレモニー等の開催についての要望はいただいてはおりません。市としては、式典等を実施する考えは、今のところございませんが、地域住民から要望があった場合には、施設の見学や資料の展示などにつきまして協力してまいりたいと考えています。
以上をもちまして、17番武松議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。
◆17番(武松忠君)それでは、最後のほうから伺ってまいりたいと思います。
支所等統廃合の件で、市民への周知につきましては、広報、回覧、窓口での説明ということで、それから郵便局等では機器の設置テスト、それから訓練も進めているということを伺いました。特に郵便局におきましては、局員が介在して窓口対応されるということで、さまざまな想定外なことや、それから負担増など、本当にあり得ないようなことが起こるということがあると思います。そこを想定しまして、万全な準備、それから研修を重ねるということを、これについては要望したいと思います。
それから、セレモニー等の開催とか歴史的資料の提供につきましては、現在のところ、セレモニー等の要望はないということでございますが、万一あった場合には、地域の元村役場であった、また昭和初期の趣のある建物でありますので、丁寧な対応をぜひお願いしたいと思います。
では、1番目の工場等跡地のほうにまいります。
まず、HGSTジャパン小田原工場、日立情報通信マニュファクチャリング小田原拠点跡地のところですけれども、株式会社関東ダイエットクックの状況、それから今後の補助金内容等も伺いました。これにつきましては、日立が閉鎖されて、国府津駅をおりる人の数が一時減っていたのですけれども、朝、おりる方の人数がふえているのを実感しております。ですから、定常的に働く人がふえるというのは、非常に助かるというか、このような施策をぜひ進めていっていただきたいと思います。
また、こうした補助金もかなりの金額になりますので、よく業務内容もチェックしていただきながら、協力できることは協力するような体制を、ぜひ組んでいただきたいと思います。
この中で、グラウンドのところにできるホームセンターのところのお話がございました。東側の道路が現在、多分5メートルぐらいしかないところを9メートルに拡大するということで、一定の計画、それから渋滞対策はなされているというふうに見受けられますけれども、日立のその旧グラウンドの周辺の道路が非常に狭隘なのです。順礼街道が込みますと、本当に抜け道として、裏の細いところを通る。それは、本当に4メートル、5メートルの道路のところを車が行き交いますと、ふだん車の通行は非常に少ないですから、子供たちですとか高齢者の方が非常に危険になりますので、今回の計画は計画として、その後の対策も、ぜひ気にかけていただきたいと思います。
それから、北側の汚染土壌についてはわかりました。北側用地の部分は工業系の利用が望ましいということで、実際、3区画のうちの1区画が化学系の会社が入るということで、これはいい傾向だと思っております。これにつきましても、広報等も通じて、ぜひ協力をしていただきたいと思います。
それで、今度、競輪場のことでございます。万一、建物を撤去した場合に建てられるものというのが都市公園ということで、公園系でしかも高さが8メートル以下という、かなり厳しい規制があるということがわかったと思います。市民は勝手なもので、そこにこういう施設を建てたらいいのではないかと想像するのですけれども、実際に今回の御説明で、新たな大規模な施設というか、新たな施設を建てるのは基本的には困難であるということは認識しておきたいと思います。
そこで、イオンタウンのほうで再質問させていただきたいと思います。市長のほうで、郊外の大規模店舗はふさわしくない、その思いは変わらないという御答弁をいただきました。ただ、御提案の部分は、見守る部分と、相談に応じる、しかし、しっかりと議論していくというような御答弁もございました。その市長の思い、それから相談には乗るということで、この市のスタンスが明確に伝わるのかどうかというのがちょっと不安なのです。御提案の、確かに市民に対して、例えば健康だとか医療だとか防災と言えば、もちろん、当然地域に貢献される部分だと思うのですけれども、そういったことはそれとして、それがあるから店舗面積が1万平米を超えるものを許せというようなことになってしまいますと、これはまた、全然話が変わってくるわけです。
私、冒頭で、平成13年の計画の説明をいたしましたけれども、今までの法律にのっとっても、例えば区画を分割してやれば、合計で2万平方メートルの店舗は建ってしまうわけです。ただ、それは区画を区切って、1万平米上限の中は、それを守ってやっても、そこまでなら建つ。それはわかるのですよ。ただ、防災だとか、そういったプラスアルファの部分がついたからといって、店舗の面積をさらにふやすだとか、建物を一つにして、一つにするということは、メリットがあるというのは業者にだけですよ。高さは高くなってしまいますから。そういったことを許すのかということが、やはり一番の課題になってくるわけです。市長は、郊外商業施設の立地は望ましくないと現在も言われております。私は、この今回のイオンタウンの計画を認めるということは、これと整合しないのではないかと認識しておりますけれども、これにつきまして御所見を伺います。
◎副市長(加部裕彦君)基本的なスタンスは、17番武松議員のおっしゃっていることと全く同じでございます。環境ですとか未病ですとか、そういった部分で、やはり商工会議所からいろいろ提案を受けて、イオンタウン株式会社も含め県も入れて、いろいろな意見交換をしよう、そういうことは決して悪いことではございませんから、それはそれですが、開発行為は開発行為でございますので、これはまた法令にのっとった中です。相談と申し上げておりますのは、現在、地区計画の提案制度の事前相談と私どもは理解しておりますが、そういう意味の相談ということでございますので、その部分のキャッチボールはいろいろさせてもらっていますが、それは17番武松議員御指摘のとおりで、私ども、スタンスは同じでございます。
◆17番(武松忠君)市のスタンスがはっきり示されたと思います。
私も先ほどの再質問のときに言いましたけれども、やはり地区計画でこういった店舗面積を広げてしまうようなことは、例えば市が主導となって、調整区域に大規模なこういったモールを誘致しようとかという意識があったことに対して、それが開発できるようにしたのが、この地区計画の制度だと私は認識しております。現在計画がある、この小田原のJTの跡地のところというのは、中心市街地の近くに商業地域があって、川東地域にも商業地域がある。そのちょっと離れたところ、中心市街地から2キロメートルから数キロメートル離れたところに大型のものができてしまうと、さらに混乱を来すというふうに、私は認識しております。
この、今回のイオンタウン株式会社の提案が今後どうなるかというのが、ちょっとまだ不明なのですけれども、手続的には都市計画審議会等にかけられるような案件になるのか、そのようなタイミングというのが、もう既に明確になっているのかについて、手続についてお伺いしたいと思います。
◎理事・技監・都市部長(佐藤栄君) 地区計画の提案制度ということの中での、今後の手続というところでございます。もう既に答弁させていただいているとおり、今は事前相談というような段階であって、提案書そのものは提出されております。しかしながら、提案が成立しているかということになりますと、交通問題等さまざまな環境問題等の中で、どうなっているのだという確認作業を、今、客観的にしているところでございます。今後、そこら辺のやりとりの中で、一定の方向性が見えれば、これは地区計画というのは市が原案をつくるものでございます。提案は事業者、民間がしてくる。市が原案をつくるものでございますので、その原案をつくるかつくらないかの判断を見定めた中で、市の都市計画審議会に、その旨報告いたします。そこでもって、私どもが、原案作成に進むのだ進まないのだという、どちらかの考え方を示しつつ、審議会のほうでそこら辺の御承認がなされれば、それはゴーサインが出れば進めていくということになろうかと思いますが、実は、この提案書も5月の末に提出されたという状況があって、現在こういうふうな状況に至っているというようなところを類推していただければ、そこら辺の客観的な協議も大分時間がかかっているというところでもって、そこら辺の状況は御推察いただければなというような状況でございます。市の審議会に報告する云々の段階は、まだまだ見えていない、そういう状況でございます。
以上でございます。
◆17番(武松忠君) 御答弁ありがとうございました。そういう状況だということがわかったということで、ただ、手続に時間がかかって、私、行政手続法等の縛りがあって、もし提出されたとしたら、一定の期間内に答えを出さなければならない案件かなというふうにも、ちょっと勘違いをしていたようでございます。それにつきましては、今の説明でわかりました。また、地区計画は市がつくるものであるということもわかりましたので、市の適切な御判断をぜひ期待したいと思います。
次に、最後、鬼柳地区の工業団地の団地整備についてお伺いします。この水路の農業用水の件です。水量については、つけかえて、それから土からコンクリートにするということで、しみ込みもなくなって用水も確保できるという御説明でございました。私が、なぜこの質問をしたかといいますと、この酒匂川左岸というのは、私の考えですけれども、足柄平野における農業用水の水路網というのは、この地域の宝だというふうに思っています。
ちょっと歴史を調べてみますと、この扇状地である足柄平野を大水田地域に変えたのは大久保忠世と、その息子の忠隣親子でございます。特に1594年(文禄3年)に、忠世亡き後の小田原城第2代目の城主となった大久保忠隣が、この足柄平野に用水路網をめぐらせ、新田開発に注力いたしたということでございます。
足柄平野では、用水という言葉は余り使われず、堰という呼称があります。用水を堰というのは、足柄と山梨、長野の一部だけだそうでございます。これは、甲州に縁の深い大久保長安の影響もあるのではないかというふうに言われております。この大久保長安というのは大久保忠隣と親交があって、大久保姓を名乗ったということでございますけれども、この大久保長安というのは、甲州の治水や新田開発に実績があり、また、八王子千人同心、これを創設するなど、現在の姉妹都市である八王子市や日光市とも関係があったということで、非常に感慨深いものがあるなというふうに思ったところでございます。
ちょっと酒匂川水系のほうで、戻りますけれども、酒匂堰、下流では小八幡川となっておりますけれども、酒匂川左岸に全国でも珍しい形、拝み石、板状の石で組んだ用水ということで、用水関係の研究者の中では、何か有名になっているそうでございます。
この大久保忠隣が1609年(慶長14年)につくった、この酒匂川水系の外形というのが、もう100年間維持されていたのですが、99年目の1707年(宝永4年)、旧暦の10月4日に起こった宝永地震の49日後、11月23日に富士山大噴火が起きました。この周辺には梅の実ほどの軽石や砂や灰が16日間降り続いたということでございます。山北町の北のほうで約1メートル、開成町の町内で40センチメートルほどの降灰(スコリア)があったということであります。
当時の様子を収穫高から推察いたしますと、噴火前を基準にしますと、38年後の1745年でやっと3分の1。住民はその間、小高い丘へ避難生活をしていたということでございます。収穫高が噴火前のレベルに回復するのは明治になってからで、実に170年以上かかったということでございます。足柄平野の先人たちは、もう想像を絶する苦労を経験してきたということが言えるかと思います。
この噴火による降灰で河床が上がった酒匂川が、暴れ川になったわけです。そういうことで二宮金次郎が誕生したということも言えるかと思います。
現在では、下流部には小田原メダカの生息地もあり、この酒匂川の農業用水系というのは、歴史的にも生物的にも大切に守っていかなければならないものであります。農業用水を分断する形で工業団地が設置されることは、慎重かつ確実に対策を講じなければならないことを指摘したいと思います。これにつきまして、市長、思いがあれば伺います。
◎市長(加藤憲一君)17番武松議員から、足柄平野の治水にまつわる歴史の披瀝もあり、私も初めて伺うような話もありまして、非常に参考になりました。
市長に就任する以前から、あの地域で、まさにそういったものの現在に残る遺構であります農業用水に生息する小田原メダカの保存等も含めて、多くの方があの地域の水を中心とした環境を、市の宝として守ってきた経緯がありまして、そういった中で、今回工業用地としての開発に見通しが立ったということでありますから、うまくそのあたりの、従前からのすばらしい資産と、そこに育った農的ななりわい、それと新しい経済活動、これが並立していかなければいけないというふうに思っていまして、そういった面では、技術的な面での確認をしっかりしながら、一つ一つのこともおろそかにせずにやっていくべきだというふうに思っていますし、それが先人たちに対する、我々の世代の果たすべき責務かなというふうにも思っているところでございます。
以上です。