質問要旨(H13−06)
1 聖域なき行財政改革の中で本市の基本的な財政の考え方について
(1)道路特定財源の見直し、地方交付税制度の見直しが本市に与える影響は何か
(2)本市は、このまま地方交付税交付団体であり続けるのか
2 自治体合併を視野に入れた事業の検討について
(1)住民基本台帳システムの導入について
(2)行政拠点について
3 お城通り地区再開発事業について
(1)平成元年3月の再開発準備組合設立以降の市費投入総額について
(2)総面積に対して70%の土地所有者である小田原市の姿勢について
○5番【武松 忠君】
5番武松でございます。
質問に先立ちまして、平成12年全国広報コンクールにおいて「広報 おだわら」が2席、本年度新設されたホームページ部門で小田原市ホームページが入選となりました。ともに全国的に高い評価を受けられましたことに敬意を表します。特にホームページに関しましては、各課職員が手づくりし情報発信しているもので、各課の広報に対する姿勢が評価されたものと思います。今後とも市民のニーズをとらえ、さらなる更新を期待するものでございます。
では、質問通告に従いまして順次質問していきます。
質問1.聖域なき構造改革、行財政改革の中で本市の基本的な財政の考え方について何点か伺います。
小泉純一郎首相が施政方針演説で聖域なき構造改革を打ち出し、急速に改革機運が高まりました。特に国会中継の視聴率が上昇するなど国民の関心は高まり、国会がお茶の間に入ってきたとも言われております。そうした中、首相の諮問機関である経済財政諮問会議において、構造改革のための七つの改革プログラムが示されました。
そのうちの6.地方自立、活性化プログラムでは、個性ある地方の競争として、従来の全国画一的な均衡ある発展から地域間の競争による活性化というように基本理念の転換を示唆しております。また、年限を限った市町村の再編、地方交付税については、財源保証の縮小、算定方法の簡素化、段階補正の縮小がうたわれ、地方税の充実や地方の歳出の徹底的な見直しも盛り込まれております。
その7.硬直性の是正プログラムでは、特定財源の見直しがうたわれております。そして、この最後には、平成14年度予算の基本的考え方において、国債発行30兆円以下という具体的な目標値が示されました。道路特定財源の見直しについては、制定から既に48年経過しておりますが、平成12年度実績で国と地方を合わせて5兆7934億円になっております。これに関しまして、本市議会でも5月臨時会において「道路特定財源の堅持及び西湘バイパス再延伸事業の推進等に関する意見書」を提出いたしました。また、小澤市長が会長であられます小田原真鶴道路建設促進協議会においても、この3月29日に扇国土交通大臣に直接要望書を提出されております。
次に、現在、国において地方交付税の見直しが議論されておりますが、既に今年度から制度の手直しが始まっております。本年2月に示された平成13年度地方財政計画においては、平成13年度から15年度までの3年間の措置として、財源不足のうち、財源対策債などを除いた残余について国と地方が折半をし、国は一般会計から加算する一方、地方負担分については、これまで地方交付税特別会計の借入金から補てんする方法でありましたが、その全額を赤字地方債である臨時財政対策債を発行し補てんする方法に変わっております。これは、地方財政全体の財源不足を地方に振り分け、それぞれの自治体の借金で担うことになるものです。なお、本年度に限り、国負担、地方負担とも財源不足の2分の1は交付税特別会計借入金で補てんするとしております。しかし、赤字地方債の償還は、全額を後年度地方交付税の基準財政需要額に算入されるとのことでありますが、このような臨時財政対策債は地方交付税を赤字地方債に振り替えたもので、元利償還の全額が後年度基準財政需要額に算定されるものの、地方財政を圧迫することには変わりがありません。
(1)聖域なき構造改革の中で、道路特定財源の見直し、地方交付税制度の見直しが本市に与える影響は何か。また、平成13年度当初予算には、臨時財政対策債が計上されていないが、今後、市はどのように対応するのか伺います。
引き続きまして、本市は平成12年11月より「特例市」に移行いたしました。神奈川県内では既に小田原、大和、平塚の3市、来春には厚木市が移行予定と伺っております。また、5月23日に開催された全国特例市連絡協議会総会において、会長に小澤市長が再任されました。ひとまず再任おめでとうございます。現在、特例市への財源移譲は、基準財政需要額に算定され、地方交付税への上乗せとして、本年度地方交付税の当初予算額は12億2000万円となっております。昨年度当初予算額の7億6000万円から60%以上も増加しております。結果的に平成11年度、地方交付税不交付団体から交付団体になりました。そして、昨年11月に特例市へと移行し、結果的に財源移譲がなされたと、こうしたタイミングはまさに絶妙と言わざるを得ません。その一方、社会情勢のためとはいえ、12億円もの何にでも使えるお金が国より交付されるわけですから、逆に交付されることがマンネリ化してしまうのではないかと危惧するところであります。
(2)本市はこのまま地方交付税交付団体であり続けるのか。基本的に税収増が望めない中、財政運営の方向性を伺います。
引き続きまして、質問2.自治体合併を視野に入れた事業の検討について伺います。
現在、一部ではありますが、合併に関する関心が高まっております。湯河原町議会、真鶴町議会において合併問題調査特別委員会が設置されました。小田原青色申告会の会員に対するアンケートでは、何と78%の方が前向きに合併を進めるべきだという結果が出ていると伺っております。また、小田原青年会議所では、現在、合併に関する住民意識調査を実施しており、9月2日には市民会館大ホールにおいて、(仮称)このまちの未来、あなたはどう創造しますかという合併に関するシンポジウムも予定されております。他市の例では、平成13年1月以降で新潟市、西東京市、潮来市、さいたま市が合併や編入を実施いたしました。また、前出の聖域なき構造改革で地方交付税の見直しが論じられ、この政策が具体化した時点で急速に合併の機運が高まる可能性がございます。
こうした状況の中、住民基本台帳ネットワークが平成15年8月より全国一斉に運用されようとしております。これは、事務の効率化を目的として、全国どこの市町村でも自分の住民票の写しを取ることができる。引っ越しの際は、転出届が省略され、転入届だけで済むというようなものになっております。狭い地域の話ですが、例えば西栢山や曽比にお住まいの方が南足柄市の岡本支所で住民票の写しを取ることができるようになるわけです。まだまだ一部の事務ですが、ある意味、市の垣根が取り払われることになるわけです。また、東京都北区では、区内のコンビニエンスストア、ローソン23店舗と、ローソンのない地域では地元の商店で住民票の交付が可能となり、正午までに電話受け付けをすれば、当日の午後5時以降、店舗の営業時間内であればいつでも受け取り可能といったサービスも実際に始まっております。住民基本台帳システムの小田原市の整備計画では、平成13年度はシステムの改修、運用テスト、機器導入、14年8月からは一斉運用開始、15年8月からは住民票の写しの広域交付と希望者への住民基本台帳カード(ICカード)の交付が開始されます。このICカードは、基本的には氏名・住所・性別・生年月日と住民票コード等が記憶されているだけで、膨大な空きメモリーの利用法が確定しておりません。6月定例会で提出された平成12年度情報基盤協議会小田原地域分科会調査報告書には、ICカードの利用が掲載されております。また、今回、IT戦略推進会議も設置されます。
こうした状況の中で、行政サービスの広域化、相互利用のビジョンを持つ必要があるのではないかと感じております。これは、合併時の二重投資を防ぐ目的や、住民票の写しの広域交付が進む中で、市民のニーズとして、将来的に合併の可能性がある2市8町の住民基本台帳に関するサービスは共通化しておく、行政拠点や住民サービスなど相互利用を徹底的に進めて、お互いに補完し合う広域的な観点がますます必要になってくるのではないでしょうか。
(1)住民基本台帳システムの導入について。平成15年には、希望者へのICカードの交付が始まることが確定しております。このICカードの空きメモリーの利用を近隣市町と、どのような機能を持たせるべきか協議する必要があるのではないか、また、時期的にもかなり限られており、今後の対応について市長の見解を伺います。
(2)行政拠点については、住民基本台帳に関する手続は当然といたしまして、会議室、研修室、その他の工作室や調理室の利用予約や図書館の共用、これは身近な場所で例えば図書を返却できる等、情報だけでなく物流の面も含めて、県西地域の公共施設をネットワーク化すべきだと考えますが、市長の見解を伺います。
質問3.お城通り地区再開発事業について何点か伺います。
5月16日の都市建設常任委員会において、平成元年3月の再開発準備組合設立から現在までの経緯と、株式会社村井敬合同設計から提出された基本計画案の説明がございました。5月21日の再開発準備組合役員会において、この基本計画案が全会一致で承認され、6月15日の都市建設常任委員会では、小田原駅東口お城通り地区市街地再開発事業基本計画として説明がございました。この基本計画の概要は、開発コンセプト(仮称)コミュニケーションシティ小田原、サブタイトルが「人と人が集い、常に新しい情報を発信していく活気あふれるまちづくり」となっております。開発目的は、貴重な資産である遊休地の高度利用と都市機能の更新、駅前及び中心市街地の活性化と駅ターミナル機能の向上。計画地の概要としては、計画敷地面積1万950平方メートル、許容延べ床面積6万225平方メートル。施設モデル計画では、都市型ホテル、都市型住宅、コンベンション、ITプラザ、商業施設、アミューズ、広場、駐車場を備えた地上35階、高さ100メートルを超える小田原の新たなランドマークとしております。
このお城通り再開発事業については、平成11年12月定例会における29番関野議員の一般質問において、お城通り地区再開発事業用地は、小田原市の用地費として公共用地先行取得事業特別会計で24億6767万円、債務負担行為として10億9996万円、土地開発公社取得分として16億4557万円、合計で51億円を超える用地費が既に計上されております。また、お城通り地区再開発に伴うコンサルタント委託料としては、準備組合ができる以前の昭和62年度から平成10年度までで1億1614万円というような合計額が示されておりました。
(1)平成元年3月の再開発準備組合設立以降の市費投入総額について伺います。平成元年3月に再開発準備組合が設立いたしましたが、それ以降、市費が幾ら、どんな項目に費やされたのかお伺いいたします。また、こうした費用を市が負担するようになった経緯について伺います。
(2)総面積に対して70%の土地所有者である小田原市の姿勢について伺います。都市建設常任委員会では、再開発準備組合としての説明に終始し、この組合の中で最大面積の所有者である小田原市の意向や推進に対する姿勢をはっきり感じ取ることができませんでした。今後、最大の課題である民間事業者の決定には市も最大限営業活動をしなければなりませんが、大手ゼネコンや生命保険会社も業界再編時代を迎え非常に厳しい現状がございます。また、基本計画では、平成14年、都市計画決定、平成15年、再開発組合設立、また、細部では権利変換の条件等さまざまな課題や社会情勢等不確定要素がある中で、非常にタイトな想定スケジュールでありますが、この事業の市の推進役としての意気込みを伺います。
以上をもちまして、登壇しての質問を終わります。(拍手)
○市長【小澤良明君】
5番武松議員の御質問に順次お答えをいたします。
はじめに、道路特定財源の見直しについてのお尋ねがございました。
小泉内閣が登場して以来、聖域なき構造改革ということで、大変な変革というか、社会・経済システムに激変をもたらす改革が提言されております。特にきのう、きょう、経済財政諮問会議の基本的な方針、いわゆる「骨太の方針」が発表されました。その中におきましても、道路特定財源につきましては見直しという言い方で表現をされてはおりますけれども、しっかりと打ち出されております。この道路特定財源の見直しにつきましては、現在においてもまだまだその行き先について議論の最中であるという受けとめ方をしておりますし、現段階で具体的な方向性が定まっているというふうには受けとめておりません。そうした意味におきまして、その影響については確かなことはいまだ申し上げられない状況であろうというふうに思います。小田原市におきましても、御承知のとおり、西湘バイパスの再延伸、そしてそのほかさまざまな幹線道路、もっと言いますと市民の毎日の生活に直結するいわゆる生活道路等々のどうしてもやらなければいけない大事な基盤整備を抱えておりまして、これまでと同様、大変重要な財源であるというふうに考えているところでございます。
特に西湘バイパスの再延伸につきましては、過日、地元出身の河野洋平先生が外務大臣のときでございましたけれども、河野前外務大臣のお引き回しによりまして、扇国土交通大臣に直接お会いをさせていただきまして、この問題につきまして早期着手の要請をさせていただきました。外務大臣と関係の国土交通大臣が同席された大変ぜいたくな陳情をさせていただいたわけでありますけれども、その席で扇国土交通大臣も、私が中途まで陳情の内容を説明いたしましたところ遮られまして、「市長さん、よく私自身知っております。困っております」と。伊豆の方によく行かれることがあるようでございまして、あの石橋インターの不都合が原因となる市内交通渋滞につきましては、大変困ったものだという印象を持っていられます。早速、関係の道路局長さんに直接私どものいる場所で、的確な対応をできるだけ早く打ちなさいという指示をされまして、大変私どもも感銘を受けたところであります。その後、その成果もございまして、国、神奈川県、道路公団、私ども関係1市2町が加わりまして、この西湘バイパスをはじめとする県西地域の幹線道路の問題等につきまして検討する検討会を早速つくっていただきまして、もう第1回の会合も済んだところでございます。そういうような道路特定財源をもとにいたしました道路整備につきましては、私どもも日ごろから地元の河野洋平先生をはじめとして一体となって、自治体、それから住民の皆さん、いろいろと強い気持ちを持っているところでございまして、小田原市議会においても、5月25日に同じ趣旨で「道路特定財源の堅持及び西湘バイパス再延伸事業の推進等に関する意見書」の提出が決定されたわけであります。私自身、道路整備促進期成同盟会の神奈川県協議会の会長も仰せつかっておりまして、さらに一層の道路整備を推進するためのこの道路特定財源問題につきましては、堅持方を強く要望してまいらなければならないと考えているところでございます。
次に、地方交付税の見直しと臨時財政対策債についてのお尋ねがございました。地方交付税の見直しにつきましても、さまざまな論議がなされているものの、現段階では具体的な方向は見えておらず、その影響について確かなことは申し上げられない状況でありますことは、5番武松議員も御承知のとおりでございます。先般、全国市長会総会がございましたけれども、ここにおきましても「都市税財源の充実確保に関する決議」をさせていただきまして、ここでも触れておりますけれども、地方交付税だけの一方的な削減の議論は全く受け入れることができないものでございまして、地方分権の進展に伴う地方の歳出規模と地方税収入との乖離を縮小する観点から、所得税から個人住民税へ、すなわち国税から地方税へ、そして消費税から地方消費税への税源移譲など税財源の見直し、都市税源の充実確保を強く要望してまいりたいと考えておりますが、これにつきましても、昨日発表されました経済財政諮問会議の基本的な方針の中に税財源の見直しというような形で一応織り込まれている形になりました。平成13年度の地方財政計画の中では、地方の通常収支に係る財源不足の補てん策として、国と地方が2分の1ずつ折半し、地方負担分については個々の団体で臨時財政対策債を発行して対応することとなったわけでございまして、5番武松議員がお触れになったとおりでございます。これらにつきましては、当初予算におきましては、算定基準が不明確な状況でございましたために、普通交付税として従来どおりの計上をさせていただいたところであります。臨時財政対策債は、その元利償還金の全額が後年度基準財政需要額に算入されるとはいいましても、地方債による税収不足の補てんでありまして、決して好ましいものではないと思いますが、普通交付税の振替財源でありまして、発行せざるを得ない状況であると考えております。本年度の発行につきましては、普通交付税算定に合わせまして、個々の団体の起債上限額が示されますので、その額が確定した後に補正予算を計上いたしたいと考えておりますので、またその節には議会の皆様方の御理解をいただきたいと思うところであります。
次に、本市はこのまま交付税の交付団体であり続けるのかとのお尋ねがございました。本市は平成11年度から地方交付税の交付団体となりました。この要因は、長引く景気低迷によりまして税収が減少したためであります。この傾向は全国的な傾向でございまして、全国に約3200ほどの自治体がございますが、大きな大都会から小さな村まで3200以上の自治体があるわけでございますけれども、そのうち交付税の不交付団体は、平成12年度でいいますとたった75団体、東京都及び74の市町村のみでございまして、3100以上の全国ほとんどの自治体は交付団体ということでございます。交付団体であることは、財政の弾力性がなくなってきているということを一面ではあらわしておりますので、御指摘のとおり交付団体に甘んじることなく、予算編成や予算執行において、経常経費の節減等一層の効率的運営に努めまして、健全財政を保持してきたところであります。その一例として、平成12年度の当初予算におきましては、財政調整基金の取り崩しを10億円見込んでいたところでありますが、最終的にはこの取り崩しはしないということにさせていただきまして、基金をそのまま温存することができたということでございます。今後も引き続き財政の効率的運営と健全性の確保に努めていく決意でございます。なお、普通交付税の算定は国勢調査人口等の統計数値によりまして客観的に行われるために、交付団体からの脱却には税の増収ということが不可欠であります。地方行政は、自主財源である地方税をもって行うのが理想でありまして、早期の税源移譲を望むものであります。何回にもなりますけれども、いずれにいたしましても、3200ほどの自治体のたった75自治体だけが不交付団体という現在の地方交付税制度、交付税特別会計のあり方、これはもう実際的には破綻を来しているとみなさざるを得ない状況でございまして、そこで現在の小泉内閣のこれに関しましての改革も言われているところでございます。いずれにいたしましても、こうした矛盾したあり方をしっかりと是正、少しでも早く、特に本市にとってプラスになるような改革の方向性というとちょっと我田引水的でありますけれども、そういう方向もにらみながら、全国市長会としっかりと運動してまいりたいというふうに考えているところであります。
次に、住民基本台帳カードの空きメモリー利用について、近隣市町とどんな機能を持たせるべきか協議する必要があるのではないかとのお尋ねがございました。平成11年8月に住民基本台帳法の一部が改正されまして、市区町村の区域を越えた本人確認のための新たな制度として、住民基本台帳ネットワークシステムが構築されることになりました。このシステムでは、平成15年8月から希望者に対してICカードによる住民基本台帳カードを発行することになっております。あと2年ちょっとでこれが発行されることになるというわけであります。住民基本台帳カードでは、市町村が条例で定めるところによりまして、独自の住民サービスの提供にも利用できますために、さまざまな分野での二次的な活用が期待されております。付言しますと、現在進めております本市の支所の統廃合、支所のあり方、あるいは住民とのかかわり方等につきましても、大きく影響することになるというふうに思っておりまして、これらにつきましても御理解をいただきたいと思います。一方、住民基本台帳カードは、個人情報の保護、セキュリティ対策や経費負担等の課題も抱えております。このため本市では、この議会で御審議をいただきましたIT戦略推進会議において、その活用方法等について調査・検討することとしているところであります。本来、住民基本台帳カードは、広域利用がもちろん前提となっておりまして、二次的活用についても広域の視点で研究・検討する余地はあるものと思われます。なお、現在、国において住民基本台帳カードの細部仕様や扱いにつきまして、省令で標準化を図る方向で作業が進められておりますので、その動向を見きわめなければなりませんので、その上で住民基本台帳カードの二次的活用の可能性について模索してまいりたいと思っております。
次に、公共施設のネットワーク化についてのお尋ねでございますが、県西地域2市8町で構成されます県西地域広域市町村圏内の公共施設につきましては、圏域住民のサービスの向上という観点で、スポーツ施設や図書館、公民館等の相互利用を平成元年から進めてまいりました。そうした中で、圏域内住民については、ほとんどの施設で同じ条件で利用できるようになったところであります。また、ほとんどの施設で電話による仮予約も可能でありますことから、圏域住民の利便性の面で一定の成果が上がっているものと考えております。今後、さらにこの2市8町の圏域住民にとって利便性が向上するようなサービスのあり方を検討するに当たりましては、本市においては施設をネットワーク化する条件を整えつつあるところでありますけれども、他の市や町によってかなりこの面につきましての差もありますことから、受け皿の機能として差があるということでございますので、こうした状況も踏まえながら、広域利用・活用も考えていかなければならないと思っているところであります。
次に、お城通り地区再開発事業について、まず再開発準備組合設立以降の市費の投入額と、あるいは負担するに至った経緯についてのお尋ねがございました。お城通り地区再開発ということの以前に、小田原駅周辺の問題につきましては、かつて地下街を造成するとき等の話、あるいは駅前広場を拡張する話等々いろいろと駅周辺の問題につきましては、数十年来の小田原市の大きな課題でございまして、その一環としてこの貨物ヤード跡地がございました。お城通り地区は、旧国鉄貨物ヤード跡地をまちづくりに活用したい、こうした当時の市総合計画の考え方に基づきまして、昭和59年に貨物ヤード跡地を取得した後に、住民代表や商業者、学識経験者等によるまちづくり研究会からの意見書等を踏まえまして、昭和61年3月に再開発の基本構想とも言える「小田原駅周辺地区整備基本計画」が策定されたわけであります。この整備基本計画を受けまして、再開発事業調査を行い、平成元年3月に再開発準備組合が設立されました。そして、事業協力者選定に向けたアンケート等を経まして、平成2年2月に事業協力者2社(第一生命さん、三井不動産さん)が選定されまして、事業実現化に向けて検討を進めてきたわけであります。平成2年10月には事業協力者から事業計画案が示されたわけでありますけれども、施設計画や権利変換計画の面で権利者の合意が得られず、再検討を余儀なくされました。その後でございますけれども、いわゆるバブル崩壊に直面いたしまして、再開発を取り巻く経済状況が極端に厳しくなってきたところであります。平成5年度、6年度には、事業資金を権利者の負担で賄う共同ビル方式の事業手法につきまして検討が行われました。そして、この事業協力者の2社は平成7年に撤退の意向を明らかにされたわけであります。しかし、さらに早期の事業化を目指しまして、平成7〜9年度には区画整理事業と再開発事業の合併施行等の新たな整備手法の検討もそうした事態を受けまして行っているところであります。平成7年に事業協力者が撤退の意思を表明されまして、次のステップへの足がかりがなかなか見いだせなかった中で、神奈川県と本市の共同によりまして広域交流拠点整備構想を平成9・10年度に策定いたしまして、お城通り地区が事業優先区域として位置づけられたわけであります。このような状況を踏まえまして、平成10・11年度には、都市基盤整備公団と本市が共同して、再開発事業に係る基礎的な調査を行い、市、都市公団ともども次へのステップを模索したわけでありますが、公団法の改正以来、業務の重点範囲が大都市に限るということになりまして、結果として、現時点におきましては都市公団が事業者として参画することは難しいとの方針が示されたわけであります。
以上、かいつまんでお話をさせていただきましたけれども、平成元年3月の再開発準備組合設立以降、昨年度までの12年間のさまざまな局面において、いろいろと調査をいたしましたり、意向のアンケートをさまざまな出店の対象に発送いたしまして調査を重ねてまいりましたり、必要とされた事業実現に向けてのコンサルタント業務委託料等を支出したりいたしまして、平成元年以来だけ言いましても三百数十万円から千数百万円、毎年毎年議会の皆様方の御理解も得て、年来の市政の大きな課題でもございましたので、こうした経費をかけてまいりました。合算すると、この12年間で1億50万円余になるところでございます。また、準備組合の活動に対する補助金が延べ410万円、合計で約1億460万円を市の予算から支出しております。それらに伴いまして、当然のこととして市役所内部にも庁内組織がしっかりとございまして、大勢の職員がこの問題に関与して努力をしてまいったところでございます。こうした経緯の後に、準備組合において、小田原駅再整備と連動した事業化を念頭に置き、広域交流拠点整備構想や中心市街地活性化基本計画を踏まえ、実現性が高く世の中の新しいニーズに合った魅力ある再開発の計画づくりを、本年2月に準備組合として設計会社に20万円の経費で委託をいたしましたところであります。そして、今回の基本計画が策定されたものであります。このお城通り地区は、本市の都市計画において、「一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区」として位置づけられるなど、話をいたしましたように、従来から、中心市街地の大変重要な地区、小田原市の活性化のポイントである、こういうふうに考えているところであります。そのため、市といたしましても準備組合とともに一日も早く事業を立ち上げるべく、調査・研究を進めてきたところであります。
最後に、事業実現に向けての市の意気込みについてどうかというお尋ねがございました。この基本計画をたたき台といたしまして、今後、準備組合で具体的な検討を進めていくことになるわけでありますけれども、厳しい経済状況ではありますものの、市民のニーズや中心市街地活性化はもとより、広域的な波及効果等も総合的に考え、市としても事業実現に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思っているところでございまして、議会の皆様方の御理解もぜひ賜りたいと思うところでございます。
以上をもちまして、5番武松議員の御質問に対しましての答弁とさせていただきます。
○5番【武松 忠君】
多少PRもあったようでございますが、非常に丁寧な御答弁ありがとうございました。
先ほど聖域なき構造改革ということで、臨時財政対策債については、確定後、補正するというようなことでございましたが、時期的にいつごろになるか、金額としてはまだ確定していないと思いますが、9月なのか12月なのか、その辺、めどが立つようなことがございましたらもう少し詳しくお伺いしたいと思います。
引き続きまして、財政運営の面ですが、このまま交付団体であり続けるのかということでございますが、12年度は財政調整基金を取り崩さないで済んだということで、効率的に運営されているということを改めて実感しているところですけれども、これについては、それ以外に例えば現金化できるもの、例えば土地開発公社が持っている土地、一昨年ですか、売りに出しましたが、1区画しか売れなかったというようなことも聞いておりますけれども、基本的には現金化できるものはなるべく早く現金化して、そうしたお金を投資的経費に回すということがこの時期の行政のあり方ではないのかなというふうに思っております。そうした方面ですね。財政運営の部分とそうした処分の部分の両方をやって効率的な運営をお願いしたいと思います。
ICカードの方ですが、これは国が省令で標準化を検討しているということで、市町村では具体的には国の省令を待って、完成を待って詳細を詰めるというような形となると思いますけれども、これについて、このICカードにはAタイプ、Bタイプと2種類あるような話を伺っております。中身はともかくとして、そうしたハードなりカードの形を、例えば2市8町で同じようなカードを採用するとか、詳細以外の大枠の部分で基本方針のすり合わせのようなことができ上がっているのかどうか、その辺について伺いたいと思います。
それからお城通り地区の再開発事業については、今回の委員会で示された基本計画が20万円でできたというようなことで、まさにこれは実費の値段だというふうに思いますが、その20万円であれだけマスコミに取り上げられ、かなり盛り上がっているということもあるんですが、実際に具体化する場合に、本当に厳しい状況の中で、市長の方から実現に向け最大限の努力をするというお言葉をいただきました。今までの説明では、準備組合が、準備組合がということで、どうも市としての意向が見えてこないということは私も不満がございまして、あえて伺ったわけですが、これは安心したところでございます。
再質問をしますが、このお城通り地区の再開発事業というのは、駅ビルにも大きな影響を与えるというふうに個人的には思いますけれども、その駅ビルの事業の状態がはっきりしないために、逆にお城通り地区再開発事業の事業協力者が二の足を踏んでしまうのではないかというようなことも危惧されるわけです。両方とも、ある程度東西自由連絡通路が完成した以降に事業化されるものとは思いますが、両方とも具体化しないまま、業者も確定しないままということになってしまいますと、例えば市がJR側に駅ビルの計画を早く明確にしろというような働きかけを再三されているとは思いますが、これを早くやらないと、お城通り地区の再開発事業協力者というのは心配でならないというか、結果的にはライバルのようなものができるわけですから、そこのところがしっかり明確にならないと具体化しないのではないかというふうに思うんですが、この辺のところについて市長の方のお考えなり、状況の変化等がございましたらお伺いいたします。
○市長【小澤良明君】
5番武松議員の再質問でございますけれども、幾つか御質問がございましたが、私の方から一、二点お答えをさせていただきます。
交付団体から脱却せよという話の中で、資本、財を滞留させないで積極的に現金化できるのは使って市民サービスに提供したらどうかというような話は、全く私自身も現状においてそういうことだというふうに思っておりまして、御指摘にもございましたように、土地開発公社の一部土地の売却等につきましても、そうした基本的な5番武松議員と同じ考え方で土地開発公社の方にお願いをいたしまして、公社として決断していただいた結果でございます。これらにつきましても、その後の措置につきましても現在検討をしていただいているところであります。基本的にそういう方向で取り組んでいくべきだと私も思っております。
それから最後のお城通り再開発問題に絡んでのお話でございますけれども、いずれにいたしましても、準備組合として長い間、先ほど来御説明いたしましたように一体となって再開発事業の成功へ向けて取り組んできたところでございます。そういう中で、いろいろ紆余曲折があった中で、この景気の低迷の中で、今回新しい投げかけをいただいて、こういう形でどうかということで、できれば正式な調査をさせていただきたい、市場調査等もさせていただきたいということで、準備組合、もちろん市がその中の土地の権利者として多くの部分を占めている一員でございますけれども、しかし準備組合という全体的な組織の中で合意を得ましてお願いをすることになったということでございまして、これらにつきましてこの調査の結果を私も不安と期待で待っているという状況でございまして、とにかくそれを見てからということに、今後のことにつきましてもなってくるというふうに思います。ただ市は市といたしまして、単にそれを待つということでなくて、もちろん広域交流拠点整備課を中心といたしまして、真剣に、いろいろな検討や模索は内々では従来から進めておりますけれども、今後とも進めてまいりたいというふうに思います。
それから、駅ビル問題とお城通りの再開発が同じ時期になってライバルになる、出店者等もちゅうちょするのではないかということもお話がございました。駅ビル問題につきましては、かねてよりこの議会の場でも御説明いたしておりますように、JR東日本さんに、事務局からも、あるいは市の内部でも上のレベルからも、早くしてほしいというお願いを強力にしております。私自身も直接的なお願いもさせていただいたりしました。困るというようなことでお願いをしているところでもございます。しかし、明確なお返事は今に至ってもございません。ただ、感じているところでは、そんなに遠くない将来、近いうちに一定のお返事がいただけるのではないかと思っております。そういう中で、当然のこととして、駅ビルの検討を進めていらっしゃるJR東日本さんの担当のレベルでも、今回のお城通りの計画の情報はつかんでいるはずでもございますし、いろいろとそうしたさまざまな検討の中でお返事もいただけるのではなかろうかと思っております。もっと言わせていただければ、5番武松議員のように心配されるお考えと、逆に、集中のメリットといいましょうか、競争の土俵の中で共存共栄というか、そういう発想もまた出てくるのではないか。どういう考え方をとられるかにつきましては、これは市場調査でそれぞれが意欲をお持ちの商店や事業者の皆さんがどういう判断をされるかの結果によりますから、やはりこれも待ってみなければわからないことでございますが、私は、悪い方ばかりではなくて、むしろそういうことがもしうまくいくなら、JRさんの方ももう少ししっかりとした計画をつくらなければというような話になる可能性もありますし、ひいては、付近のもともとの小田原市の商店街、個店の皆さんも一緒に頑張っていこうというふうな気持ちになっていただける。とにかく人が来ないことには勝負にも何もならないということでございますので、それは多分地元の商店街の皆さんも私と同じお考えに最近ではなっていただいているのではないかなというふうな感じがいたしておりますけれども、これらにつきましても、慎重にそれぞれの皆さんのお考えも聞きながら、こうした点も配慮しながら進めていかなければならない。小田原市の活性化、魅力あるまちに向かっての一つの大きな種がまかれ始めているということで御理解をいただければありがたいと思うところでございます。
他の問題につきましては、担当からお答えさせていただきます。
○助役【青木正次君】
ICカードの関係につきましての質問にお答えさせていただきます。
議員お話しのように、ICカードは確かにAタイプとBタイプがございまして、表面に記載される内容が変わってくるわけでございますが、いずれにいたしましても、両方ともその機能は一応同じでございます。しかし、Aタイプ、Bタイプ、双方とも、市民の要望によりまして、市民の方に選択権がございますので、市の方でどちらというふうに規定するわけにはまいりません。しかし、今申し上げましたように、その機能は同じでございますので、議員おっしゃったように、それの空きメモリーを使った共用活用の道はかなり大きく開けてくるのじゃないかと思います。ただ、お話にありました2市8町の問題になってきますと、先ほども市長の方から答弁がございましたように、まだ各市町村のネットワークの関係の体制に温度差がございますので、どの程度までそういうふうなことができ得るのか、その辺はまだこれからのことでございますが、いずれにしても、そういうものを含めまして、これから設置しようといたしますIT戦略推進会議でも検討させてもらいながら、また広域的な場面におきましても検討の場を持たせていただければと思っております。
以上でございます。
○総務部長【飯島孝志郎君】
それでは、臨時財政対策債について2件の御質問がございましたので、この件については私の方から答弁させていただきます。
まず、補正の時期はいつかというお話でございますけれども、本年度の普通交付税の算定作業の状況によりますけれども、できれば9月にお願いしたいというふうに考えております。
そしてもう一つ金額でございますけれども、現在、先ほど申し上げましたけれども算定作業中でございますので、その金額については御容赦いただきたいというふうに考えております。
以上でございます。
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