武松政策研究会資料 「中心街」

■中心街の定義  

 公的施設、金融、商業などの機能が集中したいわゆる中心市街地

 中心市街地の活性化ということになると、やはりその中心は商店街ということになる。「中心市街地」というのがよく出てきますが、これは「一定以上の都市機能をもつ集積が存在する地区、あるいは都市機能が集積されることによって、市町村全体の活性化が図られるポテンシャルをもつ地域」を想定していると言っています。都市機能というのもよくわからないところがありますが、商業、公共施設、都市基盤施設などのことであるとしています。つまりいろんな目的を持った人たちがたくさん集まってきて賑わいをみせる。あるいはみせられる可能性のある区域といっていいのではないかと思われます。結局、公的施設やら金融、商業などの機能が集中したいわゆる中心市街地ということなのです。

■中心街の空洞化は全国的な現象

�@郊外化により人口の重心が移動し、交通弱者だけが旧市街に取り残された。

�A郊外化により、公共施設が多く必要になってくる。

・東に公民館を建てると西も体育館を要求してくる。

・朝夕の交通渋滞は、道路拡幅を必要とするようになる。

�B行政改革の流れの中で、公共投資の効率が問われ始めた。

・計画性のない公共投資が見直されるようになってきた。

・単に商店街の地盤沈下を食い止めるということではなく、公共投資の効率性という面からも、中心市

 街地の機能役割が再評価されてきた。

■背景 (広域交流拠点整備構想策定調査報告書 平成11年3月 小田原市・神奈川県 より抜粋編集)

人口

・小田原市の人口は過去20年間で約15%増加している。

・都心部で人口は減少、特に小田原駅東地区ではこの12年間に16%減少した。

商業

・小田原市内に47の大型店舖が立地し、そのうち小田原駅周辺半径300M以内に18店舖が立地し

 ている。

・大型店舗は1990年代以降、市東部、北部の郊外へ出店している。

業務系従業者

・小田原市の人口千人当たり従業者数は神奈川県平均と同程度である。

・小田原駅周辺地区に業務系事業所が集積しているが、事業所数、従業者数ともその伸びは停滞傾向で

 ある。

・厚木市、平塚市と比較して情報サービス業の集積が低く、映画業が高い。

観光

・年間の観光入込み客数は県西地域で約3320万人、小田原市で440万人である、どちらも近年滅

 少傾向である。

・小田原市内には四季を通じたイベントや、歴史的、文化的観光資源が多く分布している。

・小田原市の観光入込み客数は、平成7年で年間436万人、県西地域において3番目の規模である。

・1人当たり観光消費額は1500円と、箱根町の4割程度である。

宿泊施設

・小田原市にはピジネスホテルが13件、旅館、ホテル等が20件営業している。

・小田原駅周辺に集中、いずれも収容人員が100名以下と規模は小さい。

交流施設

・県西地域内には、1000人規模の文化ホールが、小田原市、南足柄市、松田町にある。

・小田原市には大ホ一ル、会議室等を持つ市民会館があるが老朽化している。

・結婚披露宴等の大きなパーティ一は、市外の施設を利用する傾向にある。

・小田原アリーナ〈メインアリーナ3400M2)が平成8年に落成し、スポーツ大会等が開催されて

 いる。

土地利用、建物立地

・小田原駅周辺:駅東口に商業施設が偏在している。

        駅西口は住居系土地利用が主である。

        駅前型商業と幹線道路型商業の混合商業地である。

        文化文教施設が多い。      

・郊   外 :駅周辺の施設を取り囲む形で、住宅が分布している。

        酒匂川周辺は工業施設が集積している。

都市施設整備

・小田原駅前広場は面積の狭さ、道路容量不足などにより円滑な交通処理ができていない。

・幹線道路綱の整備水準は低い。    

地区アクセス

・JR東海道新幹線、JR東海道線、小田急練、箱根登山鉄道、大雄山線の5つの鉄道路線が集まる圏

 域の一大ターミナルである。

・小田原駅の1日の乗降客数は約22万人である。

・バス発着は駅東ロに集中しており、県西地域のバス路線の拠点となっている。

・小田原駅は、箱根方面への定期観光バスの拠点になっている。

・広域アクセス道路として国道1号、西湘バイハス、国道255号、国道135号、小田原厚木道路が

 機能しているが、北側断面の道路混雑が顕著である。

地区内のモビリティ

・道路網密度の低さ、道路整備水準の低さ、バス交通量の多さなどの理由により、小田原駅周辺地区は

モビリティが悪い。

・駐車場、駐輪場整備も十分でないため、車アクセス、自転車移動の条件は悪い。

・駅東西を連絡する自由通路が整備されていないため、駅東西地区をわたる歩行者移動の遮断性も強い。

       

 

■中心街空洞化の流れ()内は、西暦

�@宿場町として街道沿いから発展

・15世紀末に北条早雲が居城以来、その城下町として発展し、江戸時代には宿場町として栄え、歴史

的、文化的遺産を数多く有する。

・小田原城大外郭(総構)は中世において我が国最大規模を誇っていた。

・江戸時代の小田原宿は、本陣、脇本陣の数が、東海道53次の中で最大であった。

�A駅を中心とした中心街の形成

・駅、電車の開通         小田急小田原駅開通(1927)、丹那トンネル開通(1934)

新幹線開通(1969)

・公的施設の開館         小田原市民会館大ホール(1962)、市民会館本館(1965)

                 御幸ヶ浜プール開設(1970)

・大型店の中心街への進出     志澤デパート(1968)長崎屋(1971)ニチイ(1972)

                 駅前ビル(1975)地下街(1976)

�B道路整備            小田原厚木道路(1969)西湘バイパス(1972)

�C郊外の人口増加         酒匂川周辺の平坦地及び小田急線沿線の人口増加

�D公共施設の郊外移転・開設    市庁舎(1976)、中央公民館(1980)、消防本部(1994)

                 川東タウンセンターマロニエ(1996)、保健センター(1988)

�E移動手段の自家用車へのシフト  乗用車保有台数は、20年間で2.56倍、人口は1.13倍

                 (データ詳細は別紙参照) 

�F郊外型店舗の進出(第1世代)  1980年代にダイクマ、忠実屋が鴨宮へ進出

�G郊外型店舗の進出(第2世代)  駐車場1500台以上を有する店舗の進出

                 イトーヨーカ堂、シティモール、ロビンソン百貨店

■旧大店法「大規模小売店舗における小売業の事業活動の法律」廃止

 ・旧大店法は、中小小売店舗の保護を目的としていた。

 ・今回の大型店に対する政策の転換は、近年の小売業を取り巻く環境変化を考慮し、現行大店法の限

  界を克服しようとするものである。

(1)大店法では大型店の立地に伴う交通渋滞・ゴミ問題等の周辺生活環境の問題に対応できない。

(2)経済構造改革、特に規制緩和の流れの中で、経済的規制たる大店法による大型店の出店規制を継

   続するには限界があり、また、集積と集積の間での競争が大きくなり、大と中小の共存・組合せ

   の妙によって集積全体の魅力を競うような状況が増える中で、大対中小という対立の図式が崩れ

   つつある。

(3)経済的規制たる大店法は廃止すべきとの国内外からの指摘があること、等の点を踏まえ、新たな

   制度を構築することとし、上記の大店立地法の施行に伴い、現行大店法は廃止することとしたも

   のである。なお、「輸入品専門売場の設置に関する大規模小売店舗における小売業の事業活動の

   調整に関する法律の特例に関する法律」(いわゆる輸入品専門売場特例法)も同様に廃止する。

 

 

■中心市街地活性化法の目的と特色

 空洞化が進行している中心市街地の活性化を図るため、地域の創意工夫を活かしつつ、「市街地の整備改善」「商業等の活性化」を柱とする総合的・一体的な対策を関係省庁、地方公共団体、民間事業音等が連携して推進することにより、地或の振輿と秩序ある整備を図ることを目的とし、以下の点を特色としている。

 �@市町村のイニシアティブによる取組み

 �A「市街地の整備改菩」と「商業等の活性化」が車の両輪

 �B「都市化社会」から「都市型社会」ヘの歴史的転換期に当たっての「都市の再構築」

 �C個店や商店街に着目した「点」・「線」から、「面」的な商業活性化へ

 �D各省庁の協議会等、関係省庁の連推による各種借置の一体的推進

■上位計画・関連計画の整理

 ●かながわ新総合計画21(平成9年3月)

 ●かながわ都市マスタープラン(平成9年1月)

 ●小田原市総合計画「ビジョン21おだわら」(平成10年3月)

 ●小田原市都市計画マスタープラン(平成10年3月)

 ●広域交流拠点整備構想素案(平成10年3月)

 ●小田原市住宅基本計画(平成5年3月)

 ●小田原市都市景観ガイドプラン(平成2年12月)

 ●小田原市商業活性化計画(平成10年3月)

■小田原市のマスタープラン

リーディングプロジェクト

プロジエクトの基本的考え方

●今後の中心市街地活性化の推進において、展示的効果及ぴ先導的役割が期待されるもの

●中心市街地の基本目標を達成していく上で、特に事業効果が大きいもの

●短・中期の事業の中で、比較的早急な対策が必要なもの

●現在取り組んでいる事業のうち、特に、多方面からの支援や官民一体となった取組が必要なもの

■リーディングプロジェクト   

 (1)小田原駅再整備プロジェクト

 (2)小田原駅周辺整備プロジェクト(事業優先区域)

 (3)空き店舗対策・テナント誘導プロジェクト

 (4)ハートフルあきない支援プロジェクト

 (5)食卓の森整備プロジェクト

 (6)ストリートアイデンティティ創出プロジェクト

 (7)板橋地区街道景観修景整備プロジェクト

 

■元気な商店街に学ぶ5つの法則 (日経ビジネス 99年8月16日号 より抜粋)

�@スクラップ・アンド・ビルド 

 自分の土地を提供 広い共同駐車場に…・・新潟県 上越市

�Aコミュニケーション

 買物しなくてもOK 店の周囲は“社交場”…・・愛知県 田原町

�B高齢者対策

 緊急ライフカード配布 ファクス宅配便も好評…・・東京都 立川市

�C情報化

 アフターケアを万全に メールで顧客の声収集…・・長野県 小諸市、大分県 大分市

�D顧客の評価を受ける

 「通信簿で活性化」 専門化と一緒に改善…・・東京都 品川区

Fig.1 自動車保有台数の推移

Fig.2 人口の推移