県 立 高 校 改 革 推 進 計 画 (概要)

平成11年11月   神奈川県教育委員会

 

 第1章 計画の趣旨 

 第2章 計画の基本的な考え方 

 第3章 多様な教育の提供 

 第4章 柔軟な学びのシステムの実現 

 第5章 地域や社会に開かれた高校づくりの推進 

 第6章 県立高校の規模及び配置の適正化の推進 

 第7章 改革推進のための条件整備等 

 

 

 

  第1章 計 画 の 趣 旨

 この計画は、社会の変化や生徒の多様化、少子化の進行など、県立高校をめぐるさまざまな課題に対応するため、県立高校の将来像を示すとともに、その実現に向けて取り組むべき施策を総合的にまとめた計画です。

 この計画では、平成12年度を初年度として、おおむね10か年の間に実施する計画の目標と内容を明らかにします。計画期間を前期と後期にわけ、平成12年度から平成16年度までの5か年に実施する計画を「前期計画」とし、その内容を示した「実施計画」を定めています。平成17年度以降に実施する計画を「後期計画」としますが、その「実施計画」については、「前期計画」の進展を踏まえ、今後策定することとしています。

 なお、この計画に位置づけられた施策のうち可能なものは、平成11年度から実施していきます。

 この計画に基づいて改革を推進し、21世紀の新たな県立高校をめざします。

 

 

 第2章 計画の基本的な考え方

 1 県立高校をめぐる現状と課題

 国際化・情報化の進展や少子・高齢化の進行など社会の急速な変化とともに、生徒の興味・関心、学習希望・進路希望などが一層多様なものになっています。そうした現状に対応するため、県立高校の多様化や特色づくり、柔軟な体制づくりを進める必要があります。

 また、生涯学習社会を展望する中で、開かれた高校づくりの一層の推進が期待されています。

 さらに、今後も生徒数の減少が進む中で、高校としての良好な教育条件を維持するため、適正な学校規模を確保するとともに、県立高校の適正な配置を行う必要があります。

 

2 高校教育に求められる基本的な視点

 高校教育においては、生徒が将来、社会の発展や調和に貢献する自立した人間となるよう、一人ひとりの個性が生きる教育、豊かな人間性や望ましい社会性を育む教育の充実がこれまで以上に求められています。この計画では、こうした視点を基本において、改革の推進に取り組みます。           

 

3 県立高校改革の基本方向

 この計画では、次の事項を基本方向として施策展開を図り、県立高校の改革を推進します。

【県立高校改革の基本方向】

    ■ 多様で柔軟な高校教育の展開

    ■ 地域や社会に開かれた高校づくり

    ■ 活力ある教育活動を展開するための規模及び配置の適正化

 

 第3章 多様な教育の提供

1 新しいタイプの高校の拡大

 (1) 単位制による普通科高校の拡大

 一人ひとりの特性や進路希望、興味・関心に応じるため、特色ある分野の充実や多様な分野の科目展開を図るなど、教育内容に特色をもつ単位制による普通科高校の設置拡大を図ります。

 ● 単位制による普通科高校の設置例

    ○設置の趣旨  興味・関心のある分野を重点的に学び、個性の発揮をめざす

    ○教育課程の特色  普通科で学ぶ科目を発展させ、多様な分野を展開

         文学系 文学研究、表現研究など  郷土系 郷土文学、郷土史など

         社会系 時事問題、アジア史など  情報系 情報システム、ネットワークなど

         科学系 物理研究、バイオ基礎など 国際系 国際交流、外国事情など

         数学系 情報数理、数学研究など  健康系 生涯スポーツ、野外活動など

   (2) フレキシブルスクールの設置

 個別学習を重視して、一人ひとりの生活スタイルや学習ペースに応じることができるよう柔軟な形態の高校を設置します。

 8時間や12時間の幅広い時間帯から、フレキシブルに時間帯を選択し、生活スタイルに応じて学習計画を立て、得意な分野の伸長を図ることやじっくりと学ぶことができます。

 ● フレキシブルスクールの展開例

    ○単位制のしくみにより                          

      基本科目を学んだ上で特色ある科目等を選択して学習            

      自分の目的やペースに応じて1日4〜6時間を学習             

    ○特色ある科目の設定

     <例1> 普通教科の科目を深化・充実させ、人文科学・自然科学などの分野を集中して設定

     <例2> 教科の枠を越えて、環境、国際、生活系など生活実践や体験的学習を中心に設定など

    ○学習センター校の機能  他校との学校間連携や、県民の方と共に学ぶ講座の設定

 

 (3) 総合学科高校の拡大

 進路への自覚を深め、幅広い普通科目と専門科目の中から主体的に科目を選択して学ぶことができる総合学科の設置拡大を図ります。

 個性や適性を発見する学習を基盤としながら、系列(情報科学・社会福祉等)の開設 の仕方を工夫し、特色ある教育内容を提供します。

 ● 総合学科の設置例

    ○設置の趣旨   将来の進路への自覚を深め、自己の適性の発見をめざす    

    ○教育課程の特色 個性や適性の発見ができるよう、普通科目と専門科目を幅広く用意

    ○系 列   普通科目を発展させて総合的に専門分野を設置

         情報科学  文書処理 情報処理 プログラミング 情報管理 など

         社会福祉  福祉概論 ボランティア学習 社会福祉実習 など

         造形文化  基礎造形 デザイン 映像表現 クラフト 環境造形など

         国際文化  国際社会 各国文化 第2外国語 外国事情 など

         地域環境  環境概論 環境調査 地域環境 など

 (4) 新たな専門高校・専門学科の設置

 産業界に必要とされる人材の育成や高齢化・国際化・情報化の進展など社会の変化に柔軟に対応することができるよう新たな専門高校・専門学科を設置します。

 ● 新たな専門高校・専門学科

    ■総合技術分野の高校

      工業の基礎・基本を共通に学んだ上で、進路希望や適性などに応じて、

      機械系・電子系・環境システム系・都市工学系など専門的な系(コース)

      を選択して学ぶ。

    ■総合産業分野の高校

      産業の複合化に対応し、工業・情報・環境など幅広い専門分野を、科学技

      術という視点で総合的に学ぶ。     

       工学・情報・国際・環境・科学・バイオなどの系を設置

    ■国際分野の高校  

      国際情報・国際文化・国際コミュニケーションなどの国際分野の系を選択して国際性

      を身につける

    ■福祉に関する学科  

      福祉・看護を幅広く学び、介護福祉士の資格取得や進学してより専門的に学

      ぶ希望に応える

        その他、環境・海洋科学・芸術・スポーツなどの新たな学科の設置を検討

 

 2 普通科高校の特色づくりの推進

 (1) 専門コースの改善・充実

 普通科目を主としながら、特定の分野を集中して学びたいという目的意識をもった生徒のニーズに応えることができるよう、1校に複数のコースを設置することも含めて専門コースの新たな設置を進めるとともに、既設専門コースの改善・充実を図ります。

 ● 専門コースの改善・充実

   ○専門コースの新たな設置

       自然科学、福祉、芸術などの専門コースの設置

   ○既設専門コースの改善・充実

       学習希望に応じた教育内容を充実入学後の進路に弾力的に対応する

       柔軟なシステムづくり

 

 (2) 特色ある教育活動の展開

  一人ひとりの特性や進路希望、興味・関心に応じた学校づくりをこれまで以上に進めるため、学校全体の活動を通じて特色ある教育活動の展開を図ります。

 ● 普通科の特色ある高校づくり

    ◆すべての高校生が学ぶ基礎・基本の学習、特別活動の展開に加え、

     �@多様な学習希望や進学・就職といった進路希望に対応する学校づくり

       ・基礎から応用まで幅広い科目の設置やいずれかに重点を置いた教育課程の編成

       ・進路希望(進学・就職など)に応じた学校づくり

     �A興味・関心に応じるための特色ある教育内容の充実

       ・特色ある分野の科目を充実することや複数の分野での多様な科目の設置

        <特色ある内容のテーマ例>

           国際・情報・福祉・環境・人文科学・自然科学・芸術・

           体育・郷土・家庭・職業教育 など

     �B豊かな社会性、人間性を深めるための学校行事・部活動の充実など多彩な教育活動の展開

       ・地域の特性を生かした学校づくり ・特色ある学校行事・部活動の充実

       ・福祉やボランティア活動の推進  ・異文化交流や体験活動の促進 など

 ● 特色ある高校づくりの展開例

     【A校】

 �@大学等への進学希望に対応し、   �A国際社会に貢献できる資質育成のため

  応用的・発展的な科目を充実    外国語や異文化理解の科目を充実

      �B海外との姉妹校交流や地域の特性を生かし、

       諸外国の人々との交流活動を展開

     【B校】

  �@職業意識を高めるため、職業に  �A情報教育、福祉教育、郷土学習など

   関する科目や体験的学習を充実   複数の分野を類型として展開

       �B地域の福祉施設との交流や地域の環境美化活動など

       ボランティア活動を積極的に展開

     【C校】

  �@科学技術の進展に対応する    �A環境に関する学校設定科目の設置や

   自然科学教育・理数教育を充実   理数系に関する科目も充実

      �B地域の社会人講師による環境分野の講演会や

       学校行事における環境ボランティアを展開

 

 3 専門高校の魅力づくり

 スペシャリストとしての専門性を身につけることや、卒業後も継続的に学ぶといった多様な希望に応えるための教育内容の展開や職業意識を高めるインターンシップ(就業体験)の拡大を図ります。

 ● 専門高校の魅力づくり 

    ○多様な学習ニーズへの対応

       選択科目の拡大 体験的学習の重視 進学希望への対応 など

    ○社会の変化に応じる分野の導入

      国際化、情報化、科学技術の進展などへの対応

    ○地域や産業界とのパートナーシップ

      インターンシップの拡大 施設・設備の提供など

 

 4 定時制課程・通信制課程の改善

  選択科目の拡大など柔軟な教育活動を推進するとともに、実務代替など、働きながら学ぶ生徒の便宜を図るさまざまな制度の活用を促進します。

 また、定時制課程においても単位制、総合学科など新たなタイプの高校を設置します。

 さらに、通信制教育に対する期待に対応できるよう、スクーリング機会の拡大など、今

後の通信制のあり方を検討します。

 ● 定時制・通信制課程の改善

   ○柔軟な形態による教育活動の推進   多様な選択科目 単位制の活用 など

   ○新しいタイプの高校設置   単位制による普通科、総合学科等への改編 など

   ○通信制教育のあり方検討   スクーリング機会の拡大 特色ある教育内容 など

 

5 中高一貫教育校の検討・設置

 中高一貫教育実践協力推進校などの研究成果を踏まえ、神奈川の地域性を生かし、国際性に富み、豊かな社会性を身につけることをめざした神奈川らしい中高一貫教育のモデル校を、後期計画において、設置します。

 ● 中高一貫教育モデル校の例

   ◆21世紀に生きる人材育成と個性の発見・伸長をめざすゆとりある教育の提供

    ○神奈川の特性を生かした教育内容の設定

       国際、環境、人文、科学などの分野へのアプローチ

       6年間を見通した知の総合化を図るための教科の枠を越えた学習展開

    ○大幅に弾力化した教育課程による多彩な学習

       個に応じた学習の展開   得意な能力の伸長を図る習熟度別学習 など

       主体的な選択学習  多様な選択科目の展開 など

    ○幅広い年齢集団による豊かな人間性・社会性を育む学校生活

       体験活動の重視・幅広い年齢集団による学校生活・個別の生活指導など

 

第4章 柔軟な学びのシステムの実現

 

 1 個に応じた学習活動の充実

 一人ひとりの学ぶ目的や特性・学習状況に着目し、学習者が主体となった学びの場をつくるため、学習指導の改善、学習支援の充実を図るとともに学習環境の整備を進めます。

 ● 個を生かす学習指導・学習支援

   ○個を生かす学習指導  

      小集団学習、習熟度別学習、ティームティーチングなど

   ○外国籍生徒や障害のある生徒などに対応する学習環境  

      必要に応じた整備の推進

 

 2 教育課程の弾力化の推進

 一人ひとりの能力や適性を伸長し、主体的な選択により学習を進めることができるよう、幅広い選択科目の展開や単位制の活用などを図り、教育課程の弾力化を進めます。

 ● 選択中心の弾力的な教育課程

   ○選択中心の教育課程 

      多様な選択科目の設置、自由に選択できる科目の拡大

   ○総合的な学習の時間 

      社会体験の重視、多様な学習形態など創意工夫ある取り組み

 ● 単位制を活用した柔軟な教育課程

   ○単位制の積極的活用 

      学年を越えた選択科目の設置や進級等の認定の弾力化 など

 

 3 多様な学習機会の拡大

 得意な能力や各自が努力した成果、自分の学校以外での学習活動の成果を生かすことができるようさまざまな学習機会を設定します。

 ● 自校以外での学習成果の活用

   ○学校間連携・課程間併修

      特色科目を相互に学習する学校間連携、課程間併修など

   ○学校外における学習

      大学での講座の受講やボランティア活動の単位認定など

 4 柔軟な受け入れ体制の確立

 転編入学の弾力化や社会人の受け入れを図るなど柔軟な体制づくりを進めます。

 ● 柔軟な受け入れ体制

   ○転編入学機会の拡大

      進路変更を希望するなどの理由による転入学

      再入学の制度の活用による中途退学者の積極的な受け入れ

   ○社会人の受け入れ 

      一部科目の履修機会、生涯学習講座の拡大

 

 5 中途退学等の課題への対応

 不本意な入学をなくし、一人ひとりの特性や学習状況などに応じた学習活動の展開やきめ細かな個別の教育相談体制づくりを進めるなど、計画全体にわたる取り組みを総合して、中途退学等の課題に対応します。

 ● 中途退学等の課題への計画全体にわたる対応

    ◆中学校の進路指導の充実

    ◆新しいタイプの高校の拡大

    ◆柔軟な学びのシステムの実現

   ◆教育相談等の充実

 

 第5章 地域や社会に開かれた高校づくりの推進

 1 地域・社会との連携・交流の推進

 地域・社会との相互交流を進め、地域のみなさまの力で高校の教育活動を実りあるものにしていただくことや、高校が地域の学習活動やコミュニティづくりに協力し、高校の施設や学習機能を地域活動に役立てていただくなど、地域・社会と共にあゆむ高校づくりを一層推進します。

 ● 中学生や保護者、中学校等との連携強化

   ○学習活動における連携

      中高連携等による教科活動、部活動など

   ○特色づくり広報

      紹介冊子の充実、インターネット広報など

   ○中高連携による進路指導

      高校の特色を実感する体験プログラム

       中学校進路指導担当者との連携充実など

 ● 地域・社会との連携による学校教育活動の展開

   ○学校支援ボランティア

      さまざまな教育活動を支援していただく学校支援ボランティアの体制づくり

   ○地域の施設等の活用  

      地域の博物館、文化財等を活用した教育活動 など

   ○体験学習の促進  

      企業でのインターンシップなどの就業体験学習の推進

   ○大学等との連携・交流  

      公開講座の受講など

 ● 地域住民の学習の支援、地域コミュニティづくりへの協力

   ○地域の学習活動への支援 

      学校施設開放やコミュニティ・スクールなど

   ○生涯学習講座の充実 

      高校生と地域の方々が共に学ぶ場づくり

   ○学校施設の有効活用 

      住民の交流の場、防災や福祉などの多目的な活用など

 ● 地域との連携・交流を促進する体制の整備

   ○連携を促進する総合的な組織づくり

 

 2 地域の意見を反映した学校づくり

 各学校が地域に親しまれ、地域のみなさまの学校に対する理解がより深まるよう、学校からの積極的な情報発信に取り組むとともに、地域の意見を反映した学校づくりを進めます。

 ● 地域・社会への情報発信

   ○情報発信と学校のオープン化 

      学校行事等のお知らせなど身近な広報活動の充実 

      学校説明会の実施、学校見学の受け入れなどの促進

 ● 地域の意見を反映する仕組みづくり

   ○学校評議員の設置  

      学校の教育目標や教育活動、教育環境などについて意見や助言をいただく

      学校評議員を設置

   ○学校モニターの導入  

      幅広く地域からの学校に対する意見を聴取

   ○学校評価システムの導入  

      教育活動や教育環境などについて、地域の意見を生かしながら改善を図る

      ための総合的な学校評価システム

     学校評議員・学校モニターなどの導入検討にあたっては、モデル地区(モデル校)

    による実践を行い、その成果を踏まえ、順次拡大していく。

 

第6章 県立高校の規模及び配置の適正化の推進

 1 現状と課題

(1) 生徒数の動向を踏まえた適正規模の確保

 県内の公立中学校卒業者数は、昭和63年3月の122,167人をピークに減少に転じ、平成11年3月には、77,424人となっています。減少傾向は今後も続き、最も少なくなると見込まれる平成18年3月には、63,000人程度になると推計しています。

 生徒数の減少にともなって、学校の小規模化が進んでおり、普通科高校では、現在、約3分の1の学校で18学級規模(1学年6学級)になっています。学校の小規模化がさらに進んだ場合には、学区によっては、やがて1学年3〜4学級の学校ばかりになってしまうところもあり、学校運営上、次のようなさまざまな課題が生じてきます。

     ・教員配置数の減少により、高校教育に求められる多様な教科・科目の展開が困難となる

     ・生徒数が少なく、学校行事や生徒間の交流などの面で、活気がとぼしくなる

     ・部活動では、部員や顧問が不足し、活力ある活動ができなくなる

     ・教員一人あたりの校務分掌が多くなり、学校運営に支障を生じることがある

 高校としての良好な教育条件を確保し、各学校が活力ある教育活動を円滑に展開するためには、一定の学校規模の確保が必要です。そのため、今後、県立高校の再編統合を進める必要があります。

 

 2 全日制課程の再編整備の基本的な考え方

 (1) 学校数適正化の基礎条件

 今後の生徒数の動向を踏まえるとともに、次のような基礎条件に基づいて計画を策定し、再編整備を推進します。

  ■計 画 進 学 率

     全日制の高校への進学希望等を考慮し、段階的に引き上げ

  ■私立高校受入枠  

     生徒数の減少や進学実績に応じて、公立高校と私立高校の間で調整

  ■適正な学校規模  

     学級数だけではなく、学校全体の生徒数を確保する観点から、学校全体で

       18学級から24学級(1学年6〜8学級)、生徒数では720人から960人

       を標準(算定基礎は1学級40人)

  (学区の事情や専門学科などの学科の特性等によっては、標準以外の規模とすることもある)

  (2) 学校数の適正化     

 各学校の適正な規模を確保していくため、上記の基礎条件を踏まえ、今後、県立高校の再編統合を行い、学校数の適正化を図ります。

 再編統合の実施にあたっては、それまでの各学校の取り組みを生かしながら、教育内容や施設面などの課題を改善し、より特色が明確となるよう、適切な学校を選定します。その際、各学校の立地条件や周辺環境、通学の便、校舎・敷地の状況、歴史や特色づくり等の共通性なども十分に考慮し、総合的な観点から選定します。

 

  (3) 新しいタイプの高校等の設置  

 再編整備の実施にあたっては、学区ごとの生徒数の動向に基づき、既設高校を発展的に統合し、新しいタイプの高校等の設置を進めます。

 また、こうした高校を県内にバランス良く配置するため、統合だけではなく、一つの学校を単独で改編し、新しいタイプの高校等の拡大を図ります。      

 【新しいタイプの高校等の設置】

新しいタイプの高校等の種類

設置の考え方

前期計画

後期計画

普通科

高 校

単位制による普通科高校

より多くの生徒が学べるよう、通学可能な範囲に設置

4校

4校程度

フレキシブルスクール

全県的なバランスに配慮して設置

3校

 

専門コース設置校

コースの内容や地域バランスに配慮して設置

3校

3校程度

総 合 学 科 高 校

より多くの生徒が学べるよう、通学可能な範囲に設置

将来的には、各学区に設置

6校

8校程度

専 門

高 校

総合技術分野の高校

学科の内容や地域の特性、交通の利便性等に配慮して設置

2校

 

総合産業分野の高校

1校

 

国際分野の高校

 

1校程度

福祉に関する学科

1校

 

その他の学科

 

3校程度

中 高 一 貫 教 育 校

実践研究の成果を踏まえ、モデル校を設置

 

2校程度

 

 3 全日制課程の適正配置

 前期計画では、14組(28校)の高校で再編統合を実施し、統合後は新しいタイプの高校等に生まれ変わり、単独校の改編もあわせ、新しいタイプの高校等が20校誕生します。前期計画の再編整備後には、現在の県立高校166校が152校となります。

 また、計画期間全体を通して、再編統合により25〜30校減となります。

                【全日制課程の適正配置】

 

平成11年度

学  校  数

前 期 計 画

平成17年度

学  校  数

後 期 計 画

普 通 科 高 校 計

143校*1

▲17校

126校

▲17〜22校程度

普 通 科 高 校

122校

▲25校

97校

▲20〜25校程度

単位制による普通課高校

1校

+ 4校

5校

+ 4校程度

フレキシブルスクール

 

+ 3校

3校

 

専門コース設置校

20校

+1校

+2校*2

▲1校

21校

▲ 1校程度

+3校程度

▲4校程度

総合学科高校

1校

+ 6校

7校

+ 8校程度

専門高校

22校

▲3校

+3校

▲6校

19校

▲ 2校程度

+1校程度

▲3校程度

  合   計

166校

▲14校

152校

▲11〜16校程度

 中高一貫教育校

     

2校程度*3

  *1 学校数を算出するため、普通科と専門学科を併置する学校は普通科として算出する。

  *2 このほかに従来のコースに加え、新たなコースを設置する学校が1校ある。

  *3 中高一貫教育校の数は、全体の学校数に算入していない。

 

 4 定時制課程・通信制課程の適正配置

 定時制課程では、生徒数の減少が長期的に続いています。一方、通信制課程では、近年、生徒数の増加が見られます。こうした生徒の動向やニーズの多様化などを踏まえ、定時制課程・通信制課程の適正配置を図ります。

 前期計画では、全日制課程の再編にあわせ、定時制における新しいタイプの高校として、単位制による普通科高校1校、総合学科高校1校を設置します。

 このほか、フレキシブルスクールとして、全日制課程と一体化した運営を行う高校が2校あります。

 また、通信制課程では、別途、検討委員会を設置し、今後のあり方を検討します。

                      

 5 県立高校の再編整備

             【前 期 再 編 整 備 計 画】         

No

<設置地区>

再編整備内容

(設置年度)

再編整備対象校

備     考

1

<横浜東部学区>

総合学科高校

     (平成16年度)

平安高校

寛政高校

平成14年度から移行期間 

2

<横浜北部学区>

複数専門コース設置高校

     (平成14年度)

白山高校

国際教養コースに加え、美術コースを設置

3

<横浜西部学区>

単位制による普通科高校    

(平成16年度)

都岡高校

中沢高校

平成14年度から移行期間

4

<横浜西部学区>

福祉科設置高校

     (平成12年度)

衛生短期大学付属

二俣川高校    

衛生看護科を改編し、衛生看護科と福祉科を設置      

5

<横浜中部学区>

フレキシブルスクール

     (平成15年度)

汲沢高校

豊田高校

平成13年度から移行期間          

6

<横浜南部学区>

専門コース設置高校

     (平成15年度)

横浜日野高校

野庭高校

平成13年度から移行期間

健康福祉コースを設置   

7

<横浜南部学区>

総合学科高校

     (平成16年度)

清水ヶ丘高校

大岡高校

平成14年度から移行期間

8

<横浜臨海学区>

総合学科高校

     (平成16年度)

富岡高校

東金沢高校

平成14年度から移行期間

9

<川崎南部学区>

フレキシブルスクール

     (平成16年度)

川崎高校  ※建替

川崎南高校

平成14年度から移行期間   

川崎高校定時制課程は新校に移設し、フレキシブルスクールに改編

10

<川崎北部学区>

総合学科高校

     (平成16年度)

柿生西高校

柿生高校

平成14年度から移行期間

11

<横須賀三浦学区>

単位制による普通科高校    

     (平成16年度)

初声高校

三崎高校

平成14年度から移行期間

12

<鎌倉藤沢学区>

総合技術高校

     (平成15年度)

藤沢工業高校

大船工業技術高校

平成13年度から移行期間(大船工業技術高校は、平成13年度から募集停止)          

13

<鎌倉藤沢学区>

総合学科高校

     (平成16年度)

長後高校

藤沢北高校

平成14年度から移行期間

14

<茅ヶ崎学区>

単位制による普通科高校

     (平成17年度)

茅ヶ崎北陵高校

      ※建替

茅ヶ崎北陵高校単独で改編

15

<平塚学区>

総合技術高校

     (平成15年度)

平塚工業高校

平塚西工業技術高校

平成13年度から移行期間(平塚西工業技術高校は、平成13年度から募集停止)

 

 

16

<県西学区>

単位制による普通科高校

     (平成16年度)

小田原高校 ※建替

小田原城内高校

平成14年度から移行期間(小田原城内高校は、平成14年度から募集停止。ただし、専門コースを除く)

小田原城内高校定時制課程は新校に移設し、単位制による普通科に改編

17

<県西学区>

専門コース設置高校

     (平成17年度)

西湘高校  ※建替

 

西湘高校単独で改編

自然科学コースを設置

18

<厚木海老名愛甲学区>

フレキシブルスクール

     (平成17年度)

厚木南高校 ※建替

厚木南高校単独で改編

19

<相模原南部学区>

総合産業高校

     (平成17年度)

相模台工業高校

      ※建替

相模原工業技術高校

平成15年度から移行期間(相模原工業技術高校は、平成15年度から募集停止)

相模台工業高校定時制課程は新校に移設し、総合学科に改編

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<相模原北部津久井学区>

総合学科高校

     (平成15年度)

大沢高校

大沢高校単独で改編

   * 再編整備対象校の欄に、学校名が2校記載してある学校は再編統合を実施する。統合前の

    移行期間には、教育活動を中心に緊密な連携を図ることとする。

   * 再編整備対象校の欄の上段に記載した学校の敷地・校舎を活用し、新校を設置する予定。

 

 

 第7章 改革推進のための条件整備等

 1 教職員の資質向上及び計画的配置

 教職員の資質向上と意識改革に向け、民間企業等への派遣体験研修の充実や、各学校が主体的に取り組む校内研修体制の充実など研修の活性化を図ります。

 また、高い意欲と教育力を持つ人材を育成するため、教職員の職務に対する評価を一層適切に行い、その結果の活用などについて改善を図ります。

 さらに、県立高校の再編整備を円滑に実施するため、計画的な教職員配置を行います。

 2 学校運営等の改善・充実

 各学校が主体的に改革に取り組むことができるよう、校内組織やその運営のあり方について見直しを行います。

 校長がリーダーシップを発揮し、教育活動が円滑かつ効果的に実施できるよう、職員会議の位置づけの明確化や校長を支える校内組織の整備など、管理運営規則の見直しを含め、学校運営組織の改善に取り組みます。

 

 3 学校施設設備の整備充実

 県立高校の再編整備にあたっては、新しいタイプの高校等の設置や特色づくりの推進などにともなって、必要な施設設備の整備を行います。

 また、安全対策として、老朽化した校舎の改修や耐震診断に基づく補強工事など、建替を含めた計画的な整備を行っていきます。

 

 4 入学者選抜制度改善の推進と通学区域の検討

 県立高校の再編整備の進展にともない、今後、入学者選抜制度や通学区域(学区)のあり方について、検討が必要になると考えられます。そのため、「後期計画」の進展を踏まえ、教育関係者や県民のみなさまのご意見も広くいただきながら検討を行います。

 「前期計画」においては、入学者選抜制度の一層の改善を図るとともに、隣接する学区の高校への通学を可能にする扱いなど弾力的な対応を進めます。

 

 5 市立高校、県内私立高校との連携

 県立高校の再編整備を進めるにあたって、市立高校の再編整備計画や、県内私立高校への進学者数の動向などとの関連に配慮する必要があるため、関係機関との連携や調整を十分に図っていきます。

 

 6 県立高校改革のPR活動の推進

 県立高校改革の内容や進行状況について、十分にご理解いただくとともに、これからの中学生が新しい県立高校の姿をよく知って高校選択ができるよう、リーフレットの配布やインターネットなどを活用したきめ細かな広報に努め、県立高校改革のPR活動を積極的に展開していきます。