東海林修アーカイブス東海林修作品リストTOP宝箱(資料室)目次>東海林先生とおもちゃのシンフォニー


東海林先生とおもちゃのシンフォニー

母と子の試聴室(朝日新聞) 1986

 

母と子の試聴室  おもちゃのシンフォニー

 もし十八,九世紀に今日のような電子楽器があったら、この時代の人気作曲家たちもそのための作品をいくつか残していたに違いありません。電気という媒体を通すことにより、生の楽器演奏とは一味違った響きや、意外な遊びの要素を加えることができるからです。
 このレコードの中で、東海林修のシンセサイザーが聞かせている作品は、モーツァルトの「おもちゃのシンフォニー」(1−3楽章)、ヘンデル「ゆかいなかじや」、アンダソン「おどるこねこ」、ヨナーソン「かっこうワルツ」などの小品です。曲ごとに音色を変えたり、ポップス調で演奏するなどさまざまな仕掛けが施されています。
 中には小鳥や子ねこの鳴き声に似た音を入れるなど、普通のオーケストラにはない効果音風の演奏もあり、クラシックとポピュラーの違いといったものもなくなっています。オリジナル楽器の音色にさえこだわらなければ、気楽に楽しめる曲集といえるでしょう。(デンオンGX七〇七四、カセットはCAY七六六=各二千五百円)

おもちゃのシンフォニー:日本コロムビア株式会社 1986年1月21日発売