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STRING SPECTACULAR
100 STRINGS
ストリング・スペクタクラー(百弦)

 

東海林先生と石丸寛氏


かなり前に,多めに残響をつけた弦中心のオケが演奏した「シャーメーン」というレコードが
カスケード・ストリングスという愛称で評判になり世界的にヒットしました。
 そんなに大編成では無いにもかかわらず弦にオーバーな残響を利用して
101ストリングスという名称で宣伝するいわば誇大広告でした。

 キングレコードは101ストリングスの名称が気に入り,
ミュージカルやエヴァ・グリーンの作品を私に書かせ、
実際に100人の弦楽器奏者を集め,
100人のストリングスというアルバムを企画,
石丸寛さんに振ってもらって録音しました。

(東海林修先生)



  

STRING SPECTACULAR
100 STRINGS


1969年1月22日

東京厚生年金会館ホールにて録音




曲名

作曲

編曲

SIDE-A

イエスタデイ

J.Lennon
P.MacCartney

東海林 修

青い影

Gary Brooker

東海林 修

ラスト・ワルツ

Les Reed
Barry Mason

東海林 修

アイ・ラブ・パリス

Cole Porter

東海林 修

スカボロー・フェア

スコットランド古謡

東海林 修

魅惑のワルツ

Fermo Dante Marchetti

東海林 修

SIDE-B

夜のストレンジャー

Bert Kaempfert 

東海林 修

シェナンドー

アメリカ民謡

東海林 修

恋はみずいろ

Andre Popp

東海林 修

ムーン・リバー

Henry Mancini

東海林 修

グリーン・スリーヴス

イングランド古謡

東海林 修

 モア

Nino Oliviero
Riz Ortolani

東海林 修

 

指揮    石丸寛
演奏      高 珠恵とシンフォニック・ステレオ・ストリングス
ピアノ  前田憲男
ドラムス 猪俣猛
ベース 滝本達朗
ギター

中牟礼貞則



石丸寛さん、高珠恵(こうたまえ)さんは、
ご逝去なさいました。
生前の数々の名指揮、名演奏を称え、
謹んでご冥福をお祈り申し上げます(合掌)。


 ご協力下さいましたインファントさん、ありがとうございました 



「東海林先生を語る掲示板」での100弦

あれは、先生アレンジのオーケストラと寺内タケシさんのエレキ・ギターのジョイント・アルバムがある、
と知り、その話題で持ちきりだったころ。
みんな、先生のオーケストラを聴いてみたい!という気持ちが強かったので、掲示板が賑わいました。
そして、先生のふとした回想からすべてが始まりました。



036/2002(1925) 題名:101ストリングス 投稿日 : 2002年11月7日<木>15時52分

  かなり前に,多めに残響をつけた弦中心のオケが演奏した「シャーメーン」というレコードが
  カスケード・ストリングスという愛称で評判になり世界的にヒットしました。
  そんなに大編成では無いにもかかわらず弦にオーバーな残響を利用して
  101ストリングスという名称で宣伝するいわば誇大広告でした。
  キングレコードは101ストリングスの名称が気に入り,
  ミュージカルやエヴァ・グリーンの作品を私に書かせ、
  実際に100人の弦楽器奏者を集め,100人のストリングスというアルバムを企画しましが, 
  なかなか都内で全員が揃わず80人ぐらいを文京公会堂に集め、
  石丸寛さんに振ってもらって録音しました。
  そのアルバムは引っ越し騒ぎで行方不明のままです。
  石丸寛さんも今や残念ながら故人になられました。
  寺内のも,そんな企画のなかで書いたアルバムだったのを思い出しました。

すると……


インファント(1928) 題名:愛聴してました  投稿日 : 2002年11月7日<木>19時44分

   LPタイトル=STRING SPECTACULAR 100 STRINGS

   石丸寛指揮/高珠恵とシンフォニック・ステレオ・ストリングス
   第一バイオリン18、第二バイオリン16、第3バイオリン16、
   ヴィオラ20、チェロ20、コントラバス10 他8

   ※1969年1月22日、東京厚生年金会館ホールにて録音

                                (曲名等割愛)


036/2002(1931) 題名:またまた感謝〜 投稿日 : 2002年11月8日<金>06時55分

   インファントさん;

   お蔭であやふやな記憶がはっきり訂正できました。30年以上も経つと
   言い訳めきますが,あやしいものです。

   前田憲男が弾いててくれたのもすっかりわすれてました。
   高珠恵さんは常に和服で通され,私をとくに引き立てて下さいました。
   国営放送もかって著作物の使用料軽減の為,定期的にBGMを局内で録音し,
   買い取ってましたが,そこにもスタッフとして参加させて下さいました。
   私の無名時代の大恩人です。
   この録音は極秘で企画が進められ当日の録音に支障が無いように
   慎重だったのが印象的でした。


036/2002(1932) 題名:追伸 投稿日 : 2002年11月8日<金>07時29分

   このころはまだ音楽を楽しむのに,肝腎の音楽そのものを楽しむのではなく
   経歴を楽しみ,重視する風潮が色濃く残ってましたから,
   かなりの風当たりを肌で感じました。
   その理解不能な雰囲気を高珠恵さんとキング・レコードのスタッフの英断が
   全てを押し切って実現して下さったのです。
   
   しかし企画が画期的だったのと並外れたスケールの大きさも
   唖然として理性を失う話題になったからに違いありません。

   アレンジャーにナベプロの人間を使うのは、とか衝撃のあまりとはいえ,
   やっかみを含んだ蔭の声はあまり気持ちのよいものではありませんでした。

   しかし今となっては嬉しく,あまり誰でも味わう事の出来ないという
   貴重な経験だった事には間違いありません。   


かくして、貴重な音源は先生のもとに「里帰り」をし、
先生のご配慮により、鑑賞会でも聴かせていただくことができました。

高珠恵さんのご消息が当時はわからず、もしお元気だったら何とかして
ご連絡をとりたい、という先生のお気持ちでしたが、残念ながら
高さんは数年前にお亡くなりになっていた、とのこと。
それから数週間、先生は喪に服されました。

できれば墓前にこの音源をお届けしたいという願いは、まだ続いています。
もし高珠恵さんについてご存知のことがありましたら
(ご出身の地方だけでもわかれば、と思います)是非お知らせください。
よろしくお願いいたします。

(追記 2006.02.24)
このたび、東海林修先生により復刻していただきました
お申し込みは東海林修先生のページからメールにてお申込みください。