た行
*トゥルーマン・ショウ (1998.October)

*ディープインパクト (1998.July)

*タイタニック (1998.January)

*デビル (1997.April)




トゥルーマン・ショウ

/1998/アメリカ/監督:ピーター・ウィアー/脚本:アンドリュー・ニコル/
/主演:ジム・キャリー、エド・ハリス・・・他


奇想天外なストーリーの中で魅せるジム・キャリーの迫真演技に脱帽!

この作品を観る前に、ブラピの新作『ジョー・ブラックよろしく(ダサイ邦題・涙)』の予告が観られたのっ!もう、それだけでもこの作品を観た甲斐があったというもの!<おい!

この話の設定からしてもの凄い。生まれてから今まで、365日24時間テレビで生中継されている男トゥルーマン(ジム・キャリー)の番組があり、全世界に中継されていて超人気番組になっている。当然のことながら、彼はそんな事実を知らず、ドーム型の島国に作られた巨大なセットとキャスト(役者達)を本物と信じて30年生きてきているのだ。しかし、ある日、空から落ちてくるはずもない照明が降ってきたことから、少しずつ自分の生活に疑問を持つようになり、ある日、かつての片思いの彼女に会いに行くべく、この島を脱出することを試みるが・・・という話。もう、この設定からして奇想天外としか言いようがないけど、彼を見守る視聴者や、彼の行動を操るテレビ局のスタッフのやり取りは、人間のエゴを絶妙に皮肉っていて面白い。また、この作品でコメディアン俳優から演技派へ見事な転身を計ったジム・キャリーもすっごく良かった。どんどん真実がわかるにつれて、自分の人生が作り物(操られたモノ)と確信していく様は非常に見応えがあった。

視聴者は「彼の真実の生活」を生で見られることに多大な関心を抱き、スタッフは視聴者の関心が薄れないように彼の生活を非常にドラマチックにアレンジしてくる。そして、トゥルーマン自身は、そんな自分の今までの人生が「操作されたモノ」と悟り、真実の世界(外の世界)へ旅立とうとするのだが、その旅立ちは「このショウの終わり」でもあるのだ。彼が(視聴者やスタッフにとって)真実の生活を放棄し外の世界(現実)は行くことは、視聴者やスタッフにとっては自分達と同類になってしまうということであり、そうなることで彼への関心がなくなってしまうのだ。こんな皮肉の効いた話はめったにない!

個人的には、ジム・キャリーの作品で涙腺が危うくなったのはコレが初めてかもしれない。今までのように、変にコメディーを押し付けているのではなく、トゥルーマンという男の生活を淡々に演じているのだ。そして、その中で彼が「本当は知りたくて、実は目の当たりにしたくなかった真実」を理解するシーンでの、彼のやるせない気持ちの姿なんか非常に見応えがあった。コメディー映画として観ると期待はずれかもしれないけど、飽くまで何の知識もなくて「ジム・キャリーが普通の男を演じている」という感覚で観れば、とても楽しめる作品だと思う。 (11月下旬公開予定)

 「ジム・キャリー作品の中ではベストだっ!!」で星4つ ★★★★



ディープインパクト

/1997/アメリカ/製作総指揮スティーブン・スピルバーグ、ジョアン・ブラッドショー、ウォルター・パーク
/監督ミミ・レダー/主演:ロバート・デュバル、ティア・レオーニ・・・他


見せ場は彗星衝突のシーンのみ。あとは退屈。


この映画の前評判は良かった。「『タイタニック』以上の感動!」とも言われていた。ストーリーも、偶然にも天文学部のクラブの学生が発見した彗星が、1年後には地球に衝突して人類を滅亡の危機に追いやると判明し、任意で選ばれた100万人だけ現代の「ノアの方舟」に乗ることが許され、他の者は地球と共に運命を受け入れなければならなくなり、人々はその運命の瞬間までパニックするという、非常に興味深い話なのである。しかし、ハッキリ言わせてもらうが、個人的には劇場でお金を払ってまで観たことを後悔している程つまらなかったというか、好きにはなれなかった。見せ場は、彗星が地球に衝突した時で、そこまで行き着くまでの展開が非常に単調でテンポが遅く退屈だった。しかも、助かる人間が任意的に選び出されるというシステムにみんな服従するところが凄いというか単純というか、もっと生き別れに対しての愛憎劇とかがあるかと思っていたのに、その辺は妙にアッサリした描写で終わってしまった。そのせいか、彗星が地球に(生命の滅亡が)近づいているという緊迫感が全く感じられなかった。彗星の爆破を任された宇宙飛行士達も、なんかラストはあっさり過ぎるとうか、 しかも『ID4』そっくりの展開だった為に感動も半減してしまった。

久しぶりにすごい期待して観に行っただけに予想以上の期待外れに、別に普通の作品なんだけど異常に不満の残る作品になってしまった。やはり、映画を観に行く際には、周りの評価を一切聞き入れない方が良いかもしれない。だって、私の周りのお客さんはそこそこ泣いていたし、すすり泣きだって聞こえたぐらいだし、感動大作なんだと思う。でも、私は全然感動できなかったし、『ID4』の方がまだ作品的には優れていると思った。この映画を観て感動した人は多いんだと思うと、自分の冷酷さをちょっと認識してしまった・・・。

 「周囲がA級評価でも、私にとってはB級作品。」で星1つ 

《追記》
この作品は、日本のみならず世界中で大ヒットを記録しているそうですね。そういう話題や、友達から「何で〜?あの映画は最高に良いじゃん!」と言われると、ますます意固地になって(?)「私には全然ダメな映画だった!」とムキになって言ってしまう。個人的に何て言うんでしょうか、「人間のエゴ」とか「皮肉な部分」といったダークな部分をちゃんと表現した作品の方が好みなので、ああいう善人ばかりの映画て逆にしらけてしまってダメなんです。断っておくけど、「ダメ」と「悪い」はイコールではない!もちろん、この作品は「良い作品」だと思います。設定も内容も申し分ないしね。ただ生理的に好きになれない作品なのです。パニックになればなる程物分かりの良くなる人間・・・というのは一番私が納得できない設定なのです。やはり『タイタニック』のように、「我先に!」というように暴れ出してしまうのが当然の心理といか本能だと思う。だからこそ、「生とはなんぞや!?」と考えられるのだと思う。それを、ああいう形で美化されてしまうのは・・・ちょっと。もし、実際にこういうことが現実に起きたら、人間同士の関係はこんな甘くはないゾて思ってしまってね。あれだ けリアルな設定でおきながら、人間の精神面が現実逃避していて・・・。

でも、この映画で感動する人が多いということは、それだけ善人の人というか物分かりの良い人が多いということなのかな・・・とも思っている。ハッキリ言って、私は物分かりが良い方ではないからね。偏屈だし(笑)だから、こういう感想を書くんだろうしね。そういうことで私と意見が合ってしまった方、ご愁傷様。私と一緒で物分かりが良くない人なのです、きっと。
結論:私は「少女マンガ」より「少年マンガ」が好きなのです。



タイタニック 

1997/アメリカ/監督・脚本ジェームス・キェメロン
 /主演レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット・・・他

 

人物描写こそ物足りないが、それを迫力で押し切ったパニック超大作


もう史上空前の250億円の制作費には誰もが驚き、本当にその作品は成功するのか?と疑いを持っていたが、そこはやはり完璧主義者のキャメロン監督。豪華キャストと実物大のタイタニックのセットを擁して、タイタニック版の『ロミオとジュリエット』を実現させた。これに泣かないコギャルはいまい・・・。ただ実際は4時間もあった上映時間を、関係者試写会にてその長時間に耐えられなかった人が多発して、なくなくカットして(それでも)3時間14分という上映時間にしたせいか、完璧なセットの割には個々の人物描写が疎かになっている点が気になった。もちろん、氷山にぶつかりタイタニックが沈むというクライマックス・シーンでは、実物大の船と2,000人ものエキストラが本当に海の中に沈んでいくだけあって息を呑むほどの凄まじさである。だから、本来ならば「長い」と感じる上映時間も「エッ?もう終わり?」と思わせるほど苦にならない。それに、こういう悲劇的な事実が実際に起こっていたんだと感じて観ていて辛くなる部分もあるが、ファンタジィぽいというかリアリティを追求しているようで核心的な所はメルヘンぽくしていて恋愛物語としては ちょっと中途半端だった。

個人的には主演の2人よりも、老女ローズを演じたグロリア・スチュアートが一番良かった。彼女の語るセリフに一番涙した気がする。「女性は海の底の様に深い秘密を持っているものよ。」と言い切った姿には彼女の強さを感じた。そう!ケイトもそうだったけど、キャメロン監督は『ターミネイター』の様に強い女性を描くのが得意というか好きらしい。その辺がただの悲劇的恋愛物語で終わらないところだろうか・・・。でもでも、一番気になったのは、何で80年以上も前にスケッチした絵が(いくら金庫の中に入っていたからって)あんな鮮明に残っているのだろう?海底にずーっと沈められていたんだぞ。あんなにハッキリ残こっているのを観ると逆に冷めてしまう。あと音楽監督をしたジェームス・ホーナーさん。いくらタイタニックに乗って夢の国(アメリカ)に行く人々がテーマだからって、曲が『デビル』とそんなに変わっていなかったぞ(笑)あのラストの「愛のテーマ」も押しつけがましいというか、強引にドラマチックに持っていこうという魂胆が見え見えでかえってない方が良かったと思うのは私だけ?

しかし、あのレオとケイトの海水に浸りながらの感動的なシーンを、私は勝手にリメイクを作って楽しんでいたなど、何だかんだ言ってハマッたのかもしれない。・・・うーん、恐るべしキャメロン監督。

 「ノーカット版が観てみたかった!」で星3つと半分 ★★★



デビル 

1996/アメリカ/監督アラン.J.パクラ
          /主演ハリソン・フォード、ブラット・ピット・・・他
原題は「大変に辛い経験」なんだゾ(怒)!


2大ご贔屓俳優の共演とあって楽しみにしていたけど、なんせ公開前からいろいろとドタバタが続いて今考えると公開されたのが奇跡だったんじゃないか・・・と思うほど。撮影直前に脚本が大幅に変更されて、それに対してブラピがマスコミに暴言を吐いたのはあまりに有名なスキャンダルだけれも、まぁ、その気持ちもわかる。確かにヒドイぞこの脚本・・・。ストーリー展開に無理があるというか穴だらけ。3人の脚本家が「電報ゲーム」のようにして作っただけにジクソーパズル状態なのである。あくまでドラマ性を強調したかった役者側(ブラピ)とアクション(娯楽)性を強調したかったスタジオ側が衝突して、結果ちぐはぐな作品になってしまったのが残念でならない。予告では思いっ切り2大俳優のアクション映画と宣伝していたし、それを鵜呑みにして観た人はさぞかしお冠でしょうに・・・。そもその原題『THE DEVIL'S OWN』とは「悪魔のような男」と訳すのではなく、「大変に辛い経験」と訳すのが正しいのである。それをブラピの大ヒット作品『セブン』に引っかけて『デビル』と邦題を付けられたのも、観客が本題を理解できなかった要因の一つかもしれない。私もこの原題の意味を知ったのは作品を観終わってからなんだよな・・・。

しかし、この作品のテーマは興味深い。「幼い頃に目の前で父親を殺された人間が、やがては理不尽な戦争の世界へ巻き込まれていく」という設定は実際にあり得るのだろうと想像できるだけに、辛いというか哀しいというかいろいろと考えさせてくれる。幼い頃、大好きな父親と2人で漁に出た船の中は幸せだったのだろう。そして、その子供が同じ様な船の中で父親のように慕える男に人生の終止符を打たれるのは運命だったのだろうか。そして思う、「もっと良い作品になれたのではないか?」(<悔しいなぁ。やっぱり・・・)あっ、でも前半部分ではなかなか笑いのツボもあったのだ。仕事場まで車で送ってあげたハリソンさんがブラピに「ハンカチは持ったか?」と真顔で聞くシーンはお気に入りである。脚本はどうあれ(笑)、ジェームス・ホーナーの音楽もアイルランド民謡ぽくて良かったし、何だかんだ言っても影のベスト1作品であるかもしれない・・・。
 
 「良くはないけどフォローしたくなる(泣)」の星3つ ★★★