1998年10月29日(木)神奈川県民ホール


今朝、一番最初に目に入ったのが「フリューゲスル消滅」のスポーツ新聞の見出し。「な、何ーーーっ!?」の世界だったわ。スポンサーの一つの佐藤工業の経営悪化が消滅の理由だったけど、何故に今日なの???ああ、今日はフリューゲスルの地元の神奈川県民ホールでALFEEのコンサートなのよ〜!とムンク状態。『Victory』はどうなってしまうの???と、なんか朝からパニックしていました。もう、絶対に『Victory』は演奏してくれるだろうと信じて、いつもはVictory Stadiumの時のフラッグを持って行っていたけど、無意識にフリューゲルスのフラッグの方を手に取ってしまった。横浜ベイスターズの38年ぶりの優勝で活気づいている横浜でのアルコンだけに期待は大きかったのに、思わぬハプニングであった・・・・・・。

でも気を取り直して、やって来ました!Nouvelle Vague TOURの(個人的に)初日である神奈川県民ホール。某場所からタクシーで会場に向かったのですが、行き先を伝えるなり「アルフィーのコンサートですか?」なんて運ちゃんに言われてしまった。「良くおわかりで」なんて答えたら、「いや〜、アルフィーのファンは目立ちますからねー」だって。そうか?しかも、「アルフィーはこの間もやってましたよね、赤れんがパークを改装した記念で・・・」なんて話を始めて、いやお喋りな運ちゃんだったわ。きっと、多くのアル中を乗せているのね。で、辿り着いた神奈県、春はあいにくの雨模様だったんですけど、今回はなんとか晴れというか曇りで良かった。GOODSも前売りしていてスムーズに買えて良かった。(余談だけど、今回のパンフの内容には感動してしまったなぁ。)


で、定刻より5分押しでコンサートがスタート。最初の映像はなんか映画『アルマゲドン』や『ボルケーノ』(知らない人ごめん。)を連想させるような世紀末的なイメージでした。そしてオープニングから『Nouvelle Vague』!高見沢さんはNY公演で来ていたダースベイダーのような衣装、幸ちゃんがやや形容しにくいシマウマ柄のコートにロングブーツ、桜井さんが白のスーツに黄色っぽいネクタイと、相変わらずのALFEEスタイルでした。ステージは、両脇に鉄骨ではないけど、無機質な螺旋階段のモニュメントがあり、ステージ中央には古代ギリシャのアテネ神殿の門の様な絵柄が描かれた幕があり、曲によってはそこが開きスクリーンが登場するという仕組み。また、両脇に階段がある為、その上のスクリーンまで登ってこられるという設定は春TOURから受け継いでいました。やや世紀末を匂わせる近未来的なセットでした。かなりカッコ良いかも!2曲目の『STAR SHIP』、『Brave Love』では早くもスクリーンが登場しました。もう、最初から飛ばすゾーっ!と言う感じで嫌でもノル!最初の幸ちゃんのMCでは「さすが、優勝で盛り上がっている横浜!」みたいなことを言っていました。そして、久しぶりに『ひとりぼっちのPrtender』。そして個人的に嬉しかった『SLOW DANCER』!この曲の時、昔は長谷川さんが前奏に合わせてスティック回していたんだけど、今回は照明も当たっていなかったせいもあったけど、良くわかなかった。やっていたのかな?『サファイアの瞳』では、別にすっごい久しぶりというわけでもないのに、最初ノリを忘れていて付いていけなかった(笑)。『孤独の美学』て最近はアルバムとは違うアレンジの前奏だけど、この前奏てカッコ良いですよね!なんか妙に好き。前奏聴いただけで「きゃーっ!」なんて感じちゃうなぁ。

2回目の幸ちゃんのMCでは「ひとまず座りましょう。体力を後半に温存しましょうね。」と着席。で、3人のラジオ番組を始めた話や、「LOVE LOVE愛している」のことなどを話、そしてやはり触れていましたね、フリューゲルスの消滅という話題に。「でも、一番可哀相なのは『Victory』だよな」なんて言っていた。た、確かにそうかもしれない。「浦和レッズにあげようか。まぁ、貰ってくれるもんじゃないけど(笑)」なんて冗談言っていたけど、やはり寂しいという気持ちには変わりないみたいですね。そうそう、神奈県は春にも来ているけど、何を勘違いしたか「4/18に来ていたんだよね。先生の誕生日の翌日!」みたいなことを言って、客席から「違う!」というブーイングが起きたのだった。「エッ?違う?こりゃ、川原が何を間違えたんだか・・・」と戸惑う幸ちゃん。「本当はいつ?」と客席に聞いて、客席が「5/26」と答える。「何だよ、全然違うじゃないか!!で、4/18は何処だったの?」とまた聞く幸ちゃんに客席は「北海道」と答える。「なんでマネージャーよりファンの方が詳しいんだよ!」とぼやく幸ちゃんに桜井さんがバカ受けしていた。思わず、「ファンにマネージャーやってもらう?」みたいなことを幸ちゃんは言っていた。で、「1982年の1月に出して、ミリオンヒットになるはず だった曲(笑)」という紹介で『泣かないでMy Love』へ。バラード・ナンバーが続きましたが、やはり『Pride』は最高ですね!最後、桜井さんがアカペラで熱唱しましたが、本当になんて素敵な歌声なんだろうと思わずにはいられない。ママンボも「暇とお金があれば、この曲を聴く為に全部のコンサートに参加したいワ!」と言っていました。新曲でもある『幻想〜ILLUSION〜』では、高見沢さんアルバムとまったく同じ声というか、むちゃくちゃ声が出ていた。

その後に高見沢さんのMCになり、今年で結成して25年ということでいろいろ昔を振り返る機会が多かったという感じの話をしていて、「アルフィーの歴史を短く説明すると。大学時代に出会って結成しました。終わり。」という、とてもわかりやすい(?)説明でございました。もともと教師になるつもりで教職課程も取っていたけど、この二人に出会って今に至るとか・・・色々当時のことを語ってくれましたが、「今、こうしてステージに立っていると、この2人と一緒に来て良かったと思える。」みたいなことを断言していましたね。そういえば、高見沢さんが良い話をしている最中、ずーっと子供のわめき声みたいなのが聞こえていて非常に不愉快だったな。かなり五月蠅かったから出て行くかと思ったのに、結局最後までわめき通していた。私はやや席が離れていて、何処に居たのかわからなかったけど近くだったらマジにキレていたかもしれない。それに、今回、入場している時に思ったんだけど、意外にお子さま連れが多かったのだ。でもね、「うるさい!」と感じたのはこの時だけだったから、その他のお子さま連れの人達の所は常識持って参加していたという わけ。それだけに頭きたな。でも、私以上に、他のちゃんとしているお子さま連れの人達の方が頭にきていたんだろうな。きっと、高見沢さんにも聞こえていたんだろうけど、意地で話通していたわ。連れて来る親はちゃんと常識ある人のみにして欲しい。親が常識ハズレでは子供が可哀相だ。ま、こういうことをガーガー言ってもラチのあかない事なんだろうけどね。とにかく、「私はALFEEのコンサートに参加しているんだ!」と子供の声を気にしないようにするしかないんだ。気になっていても注意できない状況だったら、変に気にしずぎて高見沢さんのMCを聞き損ねてしまう、というのも嫌だしね。

後半は非常にメッセージ性の強い曲のラインナップでした。映像も、革命のシーンとかも出てきたしね。しかし、MCの後『もう一度君に逢いたい』の1番だけ歌い、そのまま『シュプレヒコールに耳を塞いで』へいったんだけど、立つタイミングがなかったせいか、みんな途中からポロポロ立ったという感じだった。個人的には『シュプレイコール〜』は座って聴いても良いかな?なんて思ったけど、それぞれによって歌に対してのイメージて違うんですね。その違いが出て面白かったけどね。『ジェレネーション・ダイナマイト』の時の映像はカッコ良かったな〜!気のせいか、途中のギター・ソロからちょいテンポが早くなったように感じたけど(笑)。そして、意外だったのが『Rockdom〜風に吹かれて〜』が歌われたこと。2年前の赤れんがパークでの野外イベントの時は、その歌の意味のあまりの重さにそう頻繁に歌える歌ではない。と感じていた高見沢さんだったけど、なんか結成25年目という節目にきた強みかNY公演を成功させた自信からか、そういうしがらみから吹っ切れたという感じに歌っていました。さすがに感極まって歌えなくなる部分もあったけど、なんて表現したら良いかわからない けど、25年やってきてやっとALFEEというグループに自信というか誇りを持てるようになったという感じかな。本編ラストの『終わりなきメッセージ』も大きな旗を振り回して熱唱していて、とにかく私が言うのも変だけど「貫禄ついたな」という感じだった。今まで試行錯誤で来ていたけど、やっとここへ来て自分達のやって来たことに間違いはなかった!という達成感にも似た満足感が、これだけの貫禄をつけたのかなぁなんて勝手に思ってみてしまったりして・・・。旗を振り回し過ぎて最後は疲れていた高見沢さんだったけど、最後にグサッと刺すようにステージに旗を突き刺した高見沢さんは最高にカッコ良かった。


アンコールでは、いきなりスクリーンにALFEE界のキティちゃんと化したポチが登場。何故だから知らないけど、帽子にコートというキザな格好をしていて、落ち葉を見ておもむろにタバコに火を点ける大人っぽさを見せ、ちょっと回想シーンに入り、同じ場所で恋人にビンタを食らい振られたことを思い出して、大粒の涙をこぼし一面を湖にしてしまう・・・というシーンで、何だか知らんがステージには(今年のビデオパンフで登場していた)怪しいTシャツ売りのヒッピーオジサンが登場!(レゲエ・ルックの桜井さんなのだ)恋に破れたポチを慰めはじめた。ここで一人でウケていた長谷川さんに「お前は一人で笑いすぎた!」とオジサンのツッコミが入っていた。いづれ良い人が見つかるとか、傷は時間が癒してくれるとか、色々励ますと、泣いていたポチは立ち直り「ワオーン」と言って消えていった(笑)。ヒッピーオジサンの今日の愛の格言として「愛は後悔、先に立たず」だっけ?あんまり意味がよくわかないことを言っていた。どうも山石さんが考えた格言らしい。ザワついた客席に「オレはもった引くかと思ったけど、ややウケだったなぁ」とぼやくヒッピ ーオジサンであった。で、ここから本業(?)のTシャツ売りを始めだした。ポチTシャツを薦めようとしたら、丁度、最前列にポチTシャツを着ている人が居て、「お前、良いTシャツ着ているじゃないか!何処で買ったんだ?」みたいに絡み始めたのだった。そして、頭に「自由の女神」をデザインしたサングラスを掛けていたので「どうでもいいけど、なんて頭しているんだ!(とサングラスを奪い)これ良いなぁ。何処で買ったんだ?NYで?幾らだった?500ドル?」と質問責めして、隣の子に「これ700ドルでどう?」なんて売りつけてようとしていた。「高〜い!」というブーイングがあがると、「何を言う!物は人によって価値が違うんだ。(Tシャツを指し)これがボロ切れにしかならない人もいれば、これが宝物になる人だっているんだ。いいか、安ければ良いてもんじゃない。安いものをたくさん買って余らすよりも、高価なものを買って大切に使うんだ!」と、ちょっとタメになる話をする。で、最後にキメポーズらしいピースサインを横にして、心を開いて(笑)みんなで「ヒッピ〜っ!」と叫んで『Fanky Dog!』へ。さすが「Dog」と付くだけに、スクリーンには再びポチが登場!曲に合わせてダンスをしているのダ!左側の花道からややアーミールックぽい幸ちゃんが登場、右側の花道からは(前夜祭でBEAT BOYSのタカミザワさんが着ていた・笑)真っ赤らラメのスーツの高見沢さんが登場、そして、ヒッピージイサンの格好のままベースを持って桜井さんが登場と、ここだけ見たら「アンタら何モン!?」という恐ろしい(?)光景であった(笑)。もう、この時は「私はステージの3人を見れば良いの?それともスクリーンのポチを見るの?」と妙に視線に困ってしまうのだった。ラストのギター・ソロでは、ポチもギターを弾くというエンターテイメントぶりを披露。なんか、とにかくアンコールだからできる『Funky Dog!』という感じだった。そして、その後、この聴きたかったイントロはっ!『Victory』だ!で、もう客席は一斉にフラッグを準備!心なしかフリューゲルスのフラッグが多かった。今回はホント、フラッグを持っていた人が多かったね。客席にも照明が点き、そのフラッグは圧巻という感じだった。この、地元である横浜で、フリューゲルスのオフィシャルソングとして歌われるのが、これで最後になってしまうんだと感じでグッときてしまった。本当に、突然のラストソングになってしまった。ラストは3人もフリューゲスルのフラッグを持ち、「Winner FLUGELS!」ヴァージョンで歌い、桜井さんが「さよならフリューゲルス・・・」と言って寂しかったな。そして、この盛り上がったノリのまま『Good Times Boogie』へ。最後は高見沢さん叫ぶ、叫ぶ、「YOKOHAMAっ!ベイスターズ優勝!YOKOHAMA!フリューゲルスっ!最後まで応援するゾーっ!」というのが嬉しかったなぁ。


2度目のアンコールでは、いきなりS&Gの『Mrs.Robinson』が歌われて高見沢さんのMCへ。「この曲がNYで非常に好評でした。そのはずです英語ですから(笑)。」とジョークと飛ばし、S&Gの発祥の地でもあるフォレストヒルズでこの曲を披露することができた縁から、すごくS&Gのことを興味惹かれて調べまくって今でのは2人より詳しい!などと言っていました。「これも縁だから。ドルでNYへ行った。」とダジャレを言い、2人も煽って拍手の嵐。「すみません。昨日、静岡でウケたから、調子こいています。」と謝っていた。それから、また25周年目になる結成のことに触れ、『Musician』へ。ややロック色の強い新しいアレンジになっていましたが、その演奏の変化からもALFEEの25年間の成長と変化がわかるような・・・そんな印象を受けました。とにかく、変な言い方だけど、大人になったALFEEを見たという感じのコンサートでした。

ラストはスクリーンにエンドロールが流れますが、ラストの高見沢さんのアップの映像に歓声にも似たざわめきが起きていましたねぇ(笑)。個人的には「Rock'n Roller高見沢!」が好きなので、あまりというか全然何とも思わないんだけど・・・。ちょっと面白い現象であった。あ、もしかしたら半分は「おおっ!自分の世界に入っとるな!」という歓声かもしれないけど(笑)。まぁ、狙って入れたとしか思えない映像だけに、一見の価値アリかな?


とにかく、途中にも書いたけど、とにかく貫禄ついたALFEEのステージでした。10年目の結成を迎えたバンドが自信を点けるという印象とタブッてしまった。普通のバンドよりも、ゆっくりと一歩、一歩を踏みこんで行っているんだなと痛感。NY公演をキッカケに、本当にミュージシャンとしての自信や誇りを強く持てるようになったんだな・・・と、このTOURで感じることができます。「頑張るゾーっ!」という印象より「オレ達のやって来たことは間違いなかったーっ!」という喜びの印象の方が強かった。とにかく、今までのALFEEとは違う!ということは確かな事実。それに、野外イベントの時はどちらかというと新しめの曲('90年以降)のが多かったけど、今回は懐かしい曲もあって個人的には嬉しい限りでした。『Victory』のことはちょっと寂しいけど、とにかく地元で歌いきった感動はあった!・・・・・というわけで、神奈県の夜は熱かったのダ。


■演奏曲目■START 18:35
1.Nouvelle Vague
2.STAR SHIP
3.Brave Love
 MC:坂崎
4.ひとりぼっちのPrtender
5.SLOW DANCER
6.サファイアの瞳
7.孤独の美学
 MC:坂崎
8.泣かないでMy Love
9.黄昏に瞳を閉じて
10.Pride
11.幻想〜ILLUSION〜
 MC:高見沢
12.もう一度君に逢いたい
  〜シュプレヒコールに耳を塞いで
13.幻夜祭
14.ジェレネーション・ダイナマイト
15.Rockdom〜風に吹かれて〜
16.終わりなきメッセージ
アンコールT
コント:ポチとヒッピーオジサン!
17.Fanky Dog!
18.Victory 
19.Good Times Boogie
アンコールU
20.Mrs.Robinson
 MC:高見沢
21.Musician
END 21:15

注:曲順はやや曖昧です(^_^;