Vine2.6でPalm505とHotSync

2002年12月30日(2003年1月22日変更)


1.はじめに


スケジュール管理に便利だろうということで、だいぶ前にPalmのm505を買いまし た。
パソコンを持ち歩くよりは軽いし、起動も速いし、結構重宝しています。

しかしながら、こいつは少々癖があります。Palmはm500シリーズからUSB接続の 仕様が変わったらしく、古いjpilot、pilot-linkの組み合わせではLinuxからUSB でシンクロ出来ないのです。
その上、メインPCのVine2.6ではどなたもメンテされていないのかjpilotと pilot-linkはバージョンが古いままで折角のパッケージが利用できない状態です。

いろいろ調べてみると、 jpilot は新しい0.99.3というバージョンがあり、 バイナリパッケージ も置いてあるし、 ソース からrpm -taでバイナリパッケージを作ることも可 能のようです。

一方、 pilot-link の方は最新の0.11.6の ソース はありますがパッケージはなく、rpm -taでソース からパッケージを作ることも出来ないようです。

まぁ普通に、

./configure
make
make install

しても良いのですが、それでは折角のパッケージ管理が泣くというもの。
ないものは作るしかないということで、試しにパッケージを作ってみましょう。

2.pilot-linkのパッケージ作り


まずはパッケージをユーザ権限で作るための準備をします。自分のホームディレ クトリの下にrpmというディレクトリがあることを確認します。さらにその下に、 BUILD、RPMS/i386、SOURCES、SPECS、SRPMSというディレクトリがあることを確 認します。
また、ホームディレクトリに.rpmmacrosというファ イルがあり、その中に

%_topdir /home/nakayama/rpm

と書かれていることを確認します。無い場合は作りましょう。

それでは、 ソース を取ってきましょう。そしてそれを~/rpm/SOURCESに保存し、ここで一旦展開し ます。すると、pilot-link-0.11.6というディレクトリが出来るはずです。
RPM形式のパッケージを作る基本は、初めにソースを普通にコンパイルし適当な ディレクトリにインストールしてみるというところからスタートするようです。
では出来たpilot-link-0.11.6ディレクトリの下に移動し、READMEを読んでみ ましょう。どうやら、configureに--prefix=hogehogeというオプションを付けれ ば任意のディレクトリにインストールできるようです。
試しということで、~/palmというディレクトリを作ってここへインストールする ことにします。
pilot-link-0.11.6ディレクトリで以下のように順番に実行します。

./configure --prefix=~/palm make make install

これで、~/palmの下に、bin、include、lib、man、shareというディレクトリが 作られpilot-linkがインストールされているはずです。どこにどんなファイルが あるのか確認しておきましょう。SPECファイルを作るときに必要になります。

では、いよいよSPECファイルを作ります。最初はフルスクラッチでなどと思った のですが、初心者にそれは無理というもの。
そこでVinePlusから 古いpilot-linkのSRPM を取ってきてこのSPECファイルを雛形に使うことにします。この古いバージョン のSRPMをユーザ権限でインストールすると、~/rpm/SPECの下にpilot-link.spec が作られます。これをシコシコと手直しします。

viでもemacsでも何でもよいのでpilot-link.specを開きましょう。何よりも直さ なければならないのはバージョン番号ですね。0.9.5などと書いてあるところを 0.11.6に書き換えます。
また、ファイルの名前の形式が違うのでそれも変更します。古い方はピリオドで ファイル名とバージョンを区切っていますが、新しいものはハイフンで区切って います。

古い方はパッケージにパッチが含まれているようですが、新しいものにはパッチ はないので、パッチを当てているところは#でコメントアウトするなり消去する なりします。
%buildセクションは、aclocal、autoconfはコメントアウトし、configureの部分 を

%configure --prefix=%{_prefix}

のように書き換えます。
最後に、%filesセクションと%files develセクションは、先ほど試しにインストー ルしたファイルが含まれるように書き直します。
ちなみに、%docはインストールされないようなので、コメントアウトしました。

こうして出来たのが、この pilot-link.spec です。
あとは、

rpm -bb pilot-link.spec

とやれば、~/rpm/RPMS/i386の下に、バイナリパッケージが出来上がります。バ イナリとdevの二つができるので、root権限でインストールしましょう。

3.jpilotのパッケージ作り


pilot-linkは大変でしたが、jpilotは楽勝です。 jpilotのWEB から ソース を取ってきて、適当なディレクトリに保存します。
そして、

rpm -ta jpilot-0.99.3.tar.gz

を実行すれば、pilot-linkと同じく~/rpm/RPMS/i386の下にバイナリパッケージ が作成されます。
これをroot権限でインストールすればおしまい。

4.最後に


やっと、Palmを使うのにWindowsから解放されました。本当に気分が良いです。 ;-)

5.追記


USBで接続する場合、rootになって

ln -s /dev/pilot /dev/ttyUSB1 chmod 666 /dev/ttyUSB1

を実行しておく必要があるかもしれません。

Last modified: Wed Jan 22 23:51:10 JST 2003