Thinkpad s30へのVineLinux2.6のインストール

2002年11月10日


1.思い立ち編


ずーっとs30ではVine2.1.5を利用しておりました。なんといっても非常に安定し ており、不具合もなく普段の利用には問題なし。無線LANもばっちりでしたし。
Vine2.5をデスクトップに入れて併用していましたが、2.5はVine初の2.4カーネ ル正式対応ということで、微妙なところで不具合が出ていたため、少々完全乗り 換えには躊躇してました。

もちろんブルースクリーンが出るなんてことではなくて、ちょっとしたところな んですけどね。例えば、最初の頃はKylixが動かないとか。(苦笑)

しかし、2.5のアップデートで2.6が出たということで、流石に安定したであろう と推測し、入れ替えを決意しました。
ノートでの運用なので、Ext3ファイルシステムを使ってみたいとか、うまくすれ ばACPIでサスペンドできるんではといった期待とかがあったためです。

2.Linuxインストール編


本来ならVineではaptが使えるので、apt-getでアップグレード出来るはずなんで すが、どうも2.1.5から2.5や2.6へのアップグレードは不具合続出のようなので 今回は諦め、とりあえず/etcや/homeのバックアップを取って、一からインストー ルすることにしました。
この場合、問題になるのはインストール後の再起動方法です。LILOをMBRには入 れずにNTローダーを使おうとすると、再起動する方法がなくなってしまうのです。
これはs30のFDDがUSB接続のため、起動ディスクが作成できないためです。

まぁ、いろいろ逃げの手段はあるわけですが、良くお世話になる Linux活用日記 にあるWindowsNT/2000とLinuxの共存をたまたま見ていたところ、Windowsで使え るブートセクタのファイル化ソフト、 Bootpart というのを知りました。これはお手軽ということで、これを使うことを念頭にお いて、いよいよインストール開始です。

SCSIの外付けCDROMドライブを持っているので、折角ですからこれを使いましょ う。ということで、USBのFDDを持ち出してpcmcia.imgをFDへ書き出し。CDROMを 接続して再起動させます。

インストールCDを入れて、インストール自身は簡単ですね。/homeは別パーティ ションだったので、これはそのまま残すようにしました。これだと、/homeは Ext2ファイルシステムのままなので、インストール終了後、Ext3に変換する必要 があります。また、相変わらず起動ディスクの作成は失敗するのでこれは放って おきましょう。

今回の失敗談は、何故かSMP用のカーネルが起動に使われてしまったり、ただの DOSパーティションをwinの起動パーティションと誤認されたりしたことですね。 まぁ、これは/etc/lilo.confを書き換えて対処。

インストールが終了したら再起動ですが、LinuxではなくWin2000を起動します。 そして、先ほどのBootpartをインストールします。インストールは簡単で、ダウ ンロードしたファイルを解凍し、出来たbootpart.exeをc:\へコピーするだけで す。
で、コマンドプロンプトを起動し、c:\にて

c:\bootpart

を実行します。すると、パーティション情報の一覧が表示されます。ファイル化 したいブートセクタの番号を確認し、

c:\bootpart 3 c:\bootsect.lnx "Vine Linux 2.6"

のようにbootpartを実行すると、bootsect.lnxが作成され、更にboot.iniにもこ のエントリが書き込まれます。

これで、もう一度再起動すれば、NTローダーに"Vine Linux 2.6"の項目が現れ、 これを選択すればLinuxが起動します。

3.パーティションの変更


先ほども書きましたが、このままでは/homeはExt2ファイルシステムのままです。 これでは、Vine2.6をインストールした意味がないので、ファイルシステムを変 更しましょう。
これにはtune2fsコマンドを使います。

/sbin/tune2fs -j /dev/hda6

のように、/homeのデバイス名を指定すればOK。

なお、これを実行したあとには、すぐに/etc/fstabの中の/homeのパーティショ ンタイプをext3に書き換えておきましょう。

4.Emacsの不具合


メールは Wanderlust を使っているので、Emacsが起動してくれないと困ります。ということで、起動 するといきなり日本語が豆腐に。(泣)
まぁ、これは定番の不具合なので、どこかに日本語のリソースの設定をすればOK。
例えば、.Xresourcesの中に、

emacs.font: fontset-standard
emacs.fontsize: 14

などと、記述。2番目のフォントサイズは、起動したEmacsのフォントが何やら 異様に大きかったので、少し小さくしました。
変更したら保存し、

xrdb ./.Xresources

を実行すれば、設定が反映されます。

5.無線LANの設定


まず、内蔵されているLANは使わないので、netcfgコマンドで、内蔵LANを起動し ないように設定します。

無線LANカードは メルコのWLI-PCM-L11G という定番なので、何もしなくてもカード自体は認識されました。便利になりま したね。

で、どうも最初に認識されたLANデバイスがeth0にセットされるようなので、

ifup eth0
iwconfig eth0 key s:XXXXXX

のようにネットワークを起こし、WEPのキーを指定してやればOKのようです。

6.ntpで時刻合わせ


LANにも繋がったので、正しい時刻を表示してくれるようにネットワークを通し て時刻合わせをしてくれるように設定しましょう。

巷ではxntpというソフトウェアが良く使われているようですが、Vineには ntp-4.1.1というソフトウェアが用意されています。まずは、これがインストー ルされているか確認します。

rpm -q ntp

で確認できます。
次に、/etc/ntp.confを編集します。基本的にはntpサーバを指定するだけです。 ntpサーバは例えば、 こちらのサーバ リスト などを参考にさせていただきました。
ファイルには、サーバ名、IPアドレスの順に記載するだけでOK。今回は東京理科 大様のサーバを指定させていただきました。

また、ドリフトファイルを/etc/ntp.confに書かれているように作成します。

touch /etc/ntp/drift

ここまで出来たら、いよいよntpサーバをスタートさせます。

service ntpd start

しばらくすると時刻合わせが行われ、システムの時計が正しい時刻を示すように なります。時刻が合ったら、

hwclock -w

で、CMOSへ書き込みます。



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Last modified: Sun Nov 10 21:01:42 JST 2002