「fdic」は日本語入力システム(Input Method - 以下IMと表記)用の博多弁辞書です。
博多弁および福岡の地名・固有名が記述されており、ATOK10形式のテキストファイルになっているので、多くのIMで利用可能です。
ATOK10形式のテキストファイルが一括登録元ファイルとして利用可能なIMであれば、大丈夫(のはず)です。現在確認済みIMは:
IM | OS |
---|---|
松茸 ver4.1 | Windows |
Microsoft IME97 | Windows |
Microsoft IME98 | Windows |
Microsoft IME2000 | Windows |
ATOK10 | Windows |
ATOK11 | Windows |
ATOK12 | Windows |
ATOK15 | Windows |
IM | OS |
---|---|
Wnn95 | Windows |
Wnn98 | Windows |
表に無いIMでの動作を確認された方は高瀬純弥 <mini@airnet.ne.jp>までご連絡ください。
最新版はhttp://www6.airnet.ne.jp/mini/にて配布しています。
IMのヘルプを読みましょう :-P
それでもわからないようなら、fdicを使用するのは諦めた方が賢明です。
# 無理して使うほどの物でもないし
「博多」のようにすでにIMに登録されている単語や、「馬出九大病院前」のように読みが長過ぎる単語は登録されないIMがあります。例えば後者の場合は「馬出|九大|病院|前」とすれば変換可能なので、少々の登録漏れは気にしないで結構です。
ただし、「『接尾語』が全部エラーになっている」とかいう場合は、fdicをATOK10形式として読み込まなかったか、もしくはそのIMがATOK10形式に対応していない、ということですので単語の一括登録方法についてIMのヘルプを再度確認してください。
登録直後は変換優先順位が低いため、辞書の効果がほとんど出ません。しばらく使い込んでIMに学習させると、徐々に変換効率が上がってきます。
動詞の語幹で文節を切るようにすると効果的なようです。
この手の辞書の宿命です :-)
fdic登録前に、現在使用中のIM辞書のバックアップを取っておくことをお勧めします。
「会う」に助詞「た」がついた形は標準語では促音便「会った」になりますが、博多弁では母音「au→ou」の変化が生じ「会うた(おうた)」となります。このような変化は一般のIMには登録できないため、fdicでは語幹「おう」の一段動詞として登録し「会うた・会うて・会うとる」といった活用を入力可能としています。
その副作用として一段動詞の他の活用「会うる・会うれば・会うれ」等も入力可能となってしまっています。
已然形につく「らん」は接尾語として登録していますが、接尾語は一般のIMでは連用形・連体形に付くためうまく変換できません。語幹で文節を切って「単漢字変換」すると変換できることもありますが、できないことも多く悩ましいところです。
# この問題を解決するために動詞を全部単漢字登録してしまう、という方言辞書も見たことがありますが、いかにも力業で頭の悪い方法なので採用する気はありません
「しぇんしぇい」「でんしぇん」「しんかんしぇん」は特徴的な博多弁の発音として有名ですが、「せ」が「しぇ」に訛っているだけで漢字表記してしまえば「先生」「電線」「新幹線」です。わざわざ入力時に訛る必要は無いので登録していません。
ただし「しぇからしい」や「〜まっしぇん」といったひらがな表記については登録しています。
Takase Junya <mini@airnet.ne.jp>
Last modified 2002/02/12