第三巻 : ひさかたの天の原より生れ来る神の命

平成10年1月11日(日)更新

原文: 久堅之 天原従 生来 神之命 奥山乃 賢木之枝尓 白香付 木綿取付而 齊戸乎 忌穿居 竹玉乎 繁尓貫垂 十六自物 膝折伏 手弱女之 押日取懸 如此谷裳 吾者祈奈牟 君尓不相可聞

作者:坂上郎女(さかのうえのいらつめ)

よみ: ひさかたの天の原より生(あ)れ来(きた)る、神の命、奥山の賢木(さかき)の枝に、しらか付け、木綿(ゆふ)取り付けて、斎瓮(いはひへ)を、斎(いは)ひ掘り据(す)ゑ、竹玉(たかたま)を、繁(しじ)に貫(ぬ)き垂(た)れ、獣(しし)じもの、膝(ひざ)折り伏して、たわや女(め)の、襲(おす)取り懸け、かくだにも、我れは祈(こ)ひなむ、君に逢はじかも

意味: 天の原からおいでになる神さまに、山の榊(さかき)の枝に白香(しらか)や木綿(ゆふ)を取り付けて、瓶を供えて、竹玉(たかたま)を紐に通して、鹿のようにひざを曲げて、かよわい女の衣を着て、せめてこうゆう風にでも私はお祈りいたします。あなたに会えるかも知れないので。

天平5年の冬11月に、大伴氏の神を奉る時に詠んだ歌で、神を祭る歌だ、との注があります。

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