第三巻 : やすみししわが大王高光るわが日の皇子の

2009年10月18日(日)更新


原文: 八隅知之 吾大王 高光 吾日乃皇子乃 馬並而 三猟立流 弱薦乎 猟路乃小野尓 十六社者 伊波比拝目 鶉己曽 伊波比廻礼 四時自物 伊波比拝 鶉成 伊波比毛等保理 恐等 仕奉而 久堅乃 天見如久 真十鏡 仰而雖見 春草之 益目頬四寸 吾於富吉美可聞

作者: 柿本人麻呂(かきのもとのひとろまろ)

よみ: やすみししわが大君、高照らすわが日の皇子の、馬並(な)めて、み狩り立たせる、若薦(わかこも)を、狩路の小野に、獣(しし)こそば、い匍(は)ひ拝め、鶉(うづら)こそい匍(は)ひ廻れ、獣(しし)じもの、い匍(は)ひ拝み、鶉(うづら)なす、い匍(は)ひ廻り畏(かしこ)みと、仕へまつりて、ひさかたの天見るごとく、まそ鏡仰ぎて見れど、春草のいやめづらしき、わが大君かも

意味: 長皇子(ながのみこ)さまがを並べて、狩りにいらっしゃるこの小野に、しし(鹿や猪)までが体を低くして皇子のことを拝み、鶉(うづら)までが拝んでいます。その、動物たちのように畏れ多いと拝み仕えて、天を仰ぐように仰ぎ見ても、愛らしい春草のように、ますます尊ぶべき皇子さまでいらっしゃいます。

長皇子(ながのみこ)が狩りにお出かけになったときに、柿本人麻呂が皇子をたたえて詠んだ歌です。

柿本人麻呂像 撮影 by きょう

16=4×4で、十六をしし(四四)と読みます。もう、この頃は九九があったのです。九九を練習したと見られる奈良時代の木簡も出土していますね。


第三巻