万葉集: 標(しめ)

2009年11月15日(日)更新


大きく言って次の二つの意味があります。

  • 場所の領域を示し、立ち入りを禁止するためのしるし。縄を張ったり木をたてたりする。
  • 山道などの道しるべとするためのしるし。草の葉や木の枝を引き結んだりする。

神社や木などに見られる注連縄(しめなわ)は、特別で神聖な場所や物であることを人に示す役目をしています。そしてみだりにふれさせないようにしていますね。

素材集より


0020: あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

0115: 後れ居て恋ひつつあらずは追ひ及かむ道の隈廻に標結へ我が背

0151: かからむとかねて知りせば大御船泊てし泊りに標結はましを

0154: 楽浪の大山守は誰がためか山に標結ふ君もあらなくに

0394: 標結ひて我が定めてし住吉の浜の小松は後も我が松

0400: 梅の花咲きて散りぬと人は言へど我が標結ひし枝にあらめやも

0401: 山守のありける知らにその山に標結ひ立てて結ひの恥しつ

0402: 山守はけだしありとも我妹子が結ひけむ標を人解かめやも

0414: あしひきの岩根こごしみ菅の根を引かばかたみと標のみぞ結ふ

0530: 赤駒の越ゆる馬柵の標結ひし妹が心は疑ひもなし

1051: 三香の原布当の野辺を清みこそ大宮所[一云ここと標刺し]定めけらしも

1252: 人こそばおほにも言はめ我がここだ偲ふ川原を標結ふなゆめ

1335: 思ひあまりいたもすべなみ玉たすき畝傍の山に我れ標結ひつ

1337: 葛城の高間の草野早知りて標刺さましを今ぞ悔しき

1342: 山高み夕日隠りぬ浅茅原後見むために標結はましを

1347: 君に似る草と見しより我が標めし野山の浅茅人な刈りそね

1348: 三島江の玉江の薦を標めしより己がとぞ思ふいまだ刈らねど

1427: 明日よりは春菜摘まむと標めし野に昨日も今日も雪は降りつつ

1510: なでしこは咲きて散りぬと人は言へど我が標めし野の花にあらめやも

1809: 葦屋の菟原娘子の八年子の片生ひの時ゆ.......(長歌)

2114: 我が宿に植ゑ生ほしたる秋萩を誰れか標刺す我れに知らえず

2309: 祝らが斎ふ社の黄葉も標縄越えて散るといふものを

2466: 浅茅原小野に標結ふ空言をいかなりと言ひて君をし待たむ

2481: 大野らにたどきも知らず標結ひてありかつましじ我が恋ふらくは

2755: 浅茅原刈り標さして空言も寄そりし君が言をし待たむ

2839: かくしてやなほやまもらむ大荒木の浮田の社の標にあらなくに

3050: 春日野に浅茅標結ひ絶えめやと我が思ふ人はいや遠長に

3063: 浅茅原小野に標結ふ空言も逢はむと聞こせ恋のなぐさに

3272: うちはへて思ひし小野は遠からぬその里人の.......(長歌)

4096: 大伴の遠つ神祖の奥城はしるく標立て人の知るべく

4151: 今日のためと思ひて標しあしひきの峰の上の桜かく咲きにけり

4197: 妹に似る草と見しより我が標し野辺の山吹誰れか手折りし

4223: あをによし奈良人見むと我が背子が標けむ紅葉地に落ちめやも

4509: 延ふ葛の絶えず偲はむ大君の見しし野辺には標結ふべしも


さららの万葉集ミニ辞典: さ~そ