イラスト by 倉橋エリさま

大夫(ますらを)

男らしく勇ましい男性のことですが、男性の役人や男性らしい趣味をもつ人も指すこともあるようです。

大夫(ますらを)を詠んだ歌

万葉集には、60首以上に登場します。男らしさを詠んだ歌はもちろんありますが、恋に悩む男を詠んだ歌も目立ちます。

0005: 霞立つ長き春日の暮れにけるわづきも知らず.....(長歌)

0061: 大丈夫のさつ矢手挟み立ち向ひ射る圓方は見るにさやけし

0076: ますらをの鞆の音すなり物部の大臣盾立つらしも

0117: ますらをや片恋せむと嘆けども醜のますらをなほ恋ひにけり

0118: 嘆きつつますらをのこの恋ふれこそ我が髪結ひの漬ちてぬれけれ

0135: つのさはふ石見の海の言さへく唐の崎なる.....(長歌)

0230: 梓弓手に取り持ちてますらをのさつ矢手挟み.....(長歌)

0364: ますらをの弓末振り起し射つる矢を後見む人は語り継ぐがね

0366: 越の海の角鹿の浜ゆ大船に真楫貫き下ろし.....(長歌)

0406: 我が祭る神にはあらず大夫に憑きたる神ぞよく祭るべし

0443: 天雲の向伏す国のますらをと言はれし人は.....(長歌)

0478: かけまくもあやに畏し我が大君皇子の命の.....(長歌)

0582: ますらをもかく恋ひけるをたわやめの恋ふる心にたぐひあらめやも

0627: 我がたもとまかむと思はむ大夫は変若水求め白髪生ひにけり

0646: ますらをの思ひわびつつたびまねく嘆く嘆きを負はぬものかも

0719: ますらをと思へる我れをかくばかりみつれにみつれ片思をせむ

0804: 世間のすべなきものは年月は流るるごとし.....(長歌)

0935: 名寸隅の舟瀬ゆ見ゆる淡路島松帆の浦に.....(長歌)

0968: ますらをと思へる我れや水茎の水城の上に涙拭はむ

0974: 大夫の行くといふ道ぞおほろかに思ひて行くな大夫の伴

0989: 焼太刀のかど打ち放ち大夫の寿く豊御酒に我れ酔ひにけり

1001: 大夫は御狩に立たし娘子らは赤裳裾引く清き浜びを

1028: ますらをの高円山に迫めたれば里に下り来るむざさびぞこれ

1070: 大夫の弓末振り起し狩高の野辺さへ清く照る月夜かも

1183: ま幸くてまたかへり見む大夫の手に巻き持てる鞆の浦廻を

1800: 小垣内の麻を引き干し妹なねが作り着せけむ.....(長歌)

1801: 古へのますら壮士の相競ひ妻問ひしけむ.....(長歌)

1809: 葦屋の菟原娘子の八年子の片生ひの時ゆ.....(長歌)

1924: 大夫の伏し居嘆きて作りたるしだり柳のかづらせ我妹

1937: 大夫の出で立ち向ふ故郷の神なび山に.....(長歌)

2122: 大夫の心はなしに秋萩の恋のみにやもなづみてありなむ

2354: ますらをの思ひ乱れて隠せるその妻天地に通り照るともあらはれめやも

2376: ますらをの現し心も我れはなし夜昼といはず恋ひしわたれば

2386: 巌すら行き通るべきますらをも恋といふことは後悔いにけり

2571: 大夫は友の騒きに慰もる心もあらむ我れぞ苦しき

2584: ますらをと思へる我れをかくばかり恋せしむるは悪しくはありけり

2635: 剣大刀身に佩き添ふる大夫や恋といふものを忍びかねてむ

2758: 菅の根のねもころ妹に恋ふるにし大夫心思ほえぬかも

2875: 天地に少し至らぬ大夫と思ひし我れや雄心もなき

2907: ますらをの聡き心も今はなし恋の奴に我れは死ぬべし

2987: 梓弓引きて緩へぬ大夫や恋といふものを忍びかねてむ

3808: 住吉の小集楽に出でてうつつにもおの妻すらを鏡と見つも

3921: かきつばた衣に摺り付け大夫の着襲ひ猟する月は来にけり

3962: 大君の任けのまにまに大夫の心振り起し.....(長歌)

3973: 大君の命畏みあしひきの山野さはらず.....(長歌)

4011: 大君の遠の朝廷ぞみ雪降る越と名に追へる.....(長歌)

4094: 葦原の瑞穂の国を天下り知らしめしける.....(長歌)

4095: 大夫の心思ほゆ大君の御言の幸を聞けば貴み

4152: 奥山の八つ峰の椿つばらかに今日は暮らさね大夫の伴

4164: ちちの実の父の命ははそ葉の母の命おほろかに.....(長歌)

4165: 大夫は名をし立つべし後の世に聞き継ぐ人も語り継ぐがね

4187: 思ふどちますらをのこの木の暗の繁き思ひを.....(長歌)

4189: 天離る鄙としあればそこここも同じ心ぞ.....(長歌)

4211: 古にありけるわざのくすばしき事と言ひ継ぐ.....(長歌)

4216: 世間の常なきことは知るらむを心尽くすな大夫にして

4220: 海神の神の命のみ櫛笥に貯ひ置きて斎くとふ.....(長歌)

4320: 大夫の呼び立てしかばさを鹿の胸別け行かむ秋野萩原

4331: 大君の遠の朝廷としらぬひ筑紫の国は.....(長歌)

4332: 大夫の靫取り負ひて出でて行けば別れを惜しみ嘆きけむ妻

4398: 大君の命畏み妻別れ悲しくはあれど大夫の.....(長歌)

4456: 大夫と思へるものを太刀佩きて可尓波の田居に芹ぞ摘みける

4465: 久方の天の門開き高千穂の岳に天降りし皇祖の.....(長歌)

補足

更新日: 2016年06月26日(日)