第十六巻 : 仏造るま朱足らずは水溜まる

2002年1月20日(日)更新


原文: 佛造 真朱不足者 水渟 池田乃阿曽我 鼻上乎穿礼

作者: 大神奥守(おおみわのおきもり)

よみ: 仏(ほとけ)造る、ま朱(そほ)足らずは、水溜(た)まる、池田の朝臣(あそみ)が、鼻の上を掘れ

意味: 仏(ほとけ)を造るま朱(そほ)が足りないのだったら、池田の朝臣(あそみ)の赤い花の上を掘るがよいでしょう。

「ま朱(そほ)」の「ま」は美称です。「朱(そほ)」は、辰砂(しんしゃ:水銀朱)のことで、水銀の原料となります。辰砂(しんしゃ)の産出する土地は赤いので、池田の朝臣(あそみ)という人の鼻の赤いのをからかって詠んだ歌のようですね。

撮影(1998) by きょう

この歌の仏(ほとけ)は東大寺の大仏のことと考えられます。大仏を塗金(ときん)するのに、金と水銀を1:5の比率で混合して金アマルガムと呼ばれるものにして、これを塗って加熱させて水銀を蒸発させていたそうです。


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