第六巻 : 白雲の龍田の山の露霜に

2000年11月5日(日)更新


原文: 白雲乃 龍田山乃 露霜尓 色附時丹 打超而 客行<公>者 五百隔山 伊去割見 賊守 筑紫尓至 山乃曽伎 野之衣寸見世常 伴部乎 班遣之 山彦乃 将應極 谷潜乃 狭渡極 國方乎 見之賜而 冬<木>成 春去行者 飛鳥乃 早御来 龍田道之 岳邊乃路尓 丹管土乃 将薫時能 櫻花 将開時尓 山多頭能 迎参出六 <公>之来益者

作者: 高橋虫麻呂(たかはしのむしまろ)

よみ: 白雲の、龍田の山の、露霜(つゆしも)に、色づく時に、うち越えて、旅行く君は、五百重山(いほへやま)、い行きさくみ、敵(あた)守る、筑紫に至り、山のそき、野のそき見よと、伴(とも)の部を、班(あか)ち遣(つか)はし、山彦の、答へむ極(きは)み、たにぐくの、さ渡る極み、国形(くにかた)を、見したまひて、冬こもり、春さりゆかば、飛ぶ鳥の、早く来まさね 、龍田道(たつたぢ)の、岡辺の道に、丹(に)つつじの、にほはむ時の、桜花、咲きなむ時に、山たづの、迎へ参ゐ出む、君が来まさば

意味: 白雲の龍田の山が露霜(つゆしも)で色づく頃に、旅行くあなたは、いくつもの山々を越えて進み、敵から守るために筑紫に着き、山の果てや野の果てを見るように、兵隊たちを分けて派遣し、山彦が聞こえる限りまで、ひきがえるが行く限りまで、国の様子をご覧になり、春になったら飛ぶ鳥のように早くお帰りください。

撮影(1998) by きょう

龍田の道の<岡辺の道に真っ赤なつつじが咲き誇り、が咲くときに、お迎えに参ります。あなたがお帰りになったら・・・・・

天平4年8月17日、藤原宇合(ふじわらのうまかい)が西海道節度使(さいかいどうせつどし)として派遣されたときに高橋虫麻呂(たかはしのむしまろ)が詠んだ歌です。

節度使(せつどし)は、地方の軍事などのチェックをするために派遣される人で、この制度はこの歌が詠まれた天平4年からスタートしたようです。


第六巻