夏を詠んだ歌

具満タン7より

夏は旧暦で4月から6月にかけてです。夏の到来を詠んだ代表的な歌といえば、持統天皇(じとうてんのう)の歌、「春過ぎて夏来るらし・・・」ですね。

夏にかかわる歌では、夏草、夏野、夏山、夏虫などの言葉が登場します。変わったところでは、「夏痩(や)せ」の歌があります。

霍公鳥(ほととぎす) by 鳥好きの部屋

夏の草花については、万葉集の草花をご覧ください。

第10巻には「夏の雑歌(ぞうか)」「夏の相聞(そうもん)」があり、そこには数多くの「ホトトギス」を詠んだ歌があります。夏といえば「ホトトギス」とのかかわりが強くイメージされていたようですね。

0028: 春過ぎて夏来るらし白栲の衣干したり天の香具山

0029: 玉たすき畝傍の山の橿原のひじりの御代ゆ.......(長歌)

0131: 石見の海角の浦廻を浦なしと人こそ見らめ.......(長歌)

0138: 石見の海津の浦をなみ浦なしと人こそ見らめ.......(長歌)

0196: 飛ぶ鳥の明日香の川の上つ瀬に石橋渡し.......(長歌)

0250: 玉藻刈る敏馬を過ぎて夏草の野島が崎に船近づきぬ

0502: 夏野行く牡鹿の角の束の間も妹が心を忘れて思へや

0649: 夏葛の絶えぬ使のよどめれば事しもあるごと思ひつるかも

1099: 片岡のこの向つ峰に椎蒔かば今年の夏の蔭にならむか>

1176: 夏麻引く海上潟の沖つ洲に鳥はすだけど君は音もせず

1272: 大刀の後鞘に入野に葛引く我妹真袖もち着せてむとかも夏草刈るも

1278: 夏蔭の妻屋の下に衣裁つ我妹うら設けて我がため裁たばやや大に裁て

1485: 夏まけて咲きたるはねずひさかたの雨うち降らば移ろひなむか

1494: 夏山の木末の茂に霍公鳥鳴き響むなる声の遥けさ

1500: 夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ

1682: とこしへに夏冬行けや裘扇放たぬ山に住む人

1753: 衣手常陸の国の二並ぶ筑波の山を.......(長歌)

1807: 鶏が鳴く東の国に古へにありけることと.......(長歌)

1983: 人言は夏野の草の繁くとも妹と我れとし携はり寝ば

1984: このころの恋の繁けく夏草の刈り掃へども生ひしくごとし

1985: ま葛延ふ夏野の繁くかく恋ひばまこと我が命常ならめやも

1994: 夏草の露別け衣着けなくに我が衣手の干る時もなき

2177: 春は萌え夏は緑に紅のまだらに見ゆる秋の山かも

2769: 我が背子に我が恋ふらくは夏草の刈り除くれども生ひしくごとし

3255: 古ゆ言ひ継ぎけらく恋すれば苦しきものと.......(長歌)

3295: うちひさつ三宅の原ゆ直土に足踏み貫き.......(長歌)

3348: 夏麻引く海上潟の沖つ洲に船は留めむさ夜更けにけり

3381: 夏麻引く宇奈比をさして飛ぶ鳥の至らむとぞよ我が下延へし

3606: 玉藻刈る処女を過ぎて夏草の野島が崎に廬りす我れは

3853: 石麻呂に我れ物申す夏痩せによしといふものぞ鰻捕り食せ

4000: 天離る鄙に名懸かす越の中国内ことごと.......(長歌)

4001: 立山に降り置ける雪を常夏に見れども飽かず神からならし

4003: 朝日さしそがひに見ゆる神ながら.......(長歌)

4004: 立山に降り置ける雪の常夏に消ずてわたるは神ながらとぞ

4011: 大君の遠の朝廷ぞみ雪降る越と名に追へる.......(長歌)

4062: 夏の夜は道たづたづし船に乗り川の瀬ごとに棹さし上れ

4113: 大君の遠の朝廷と任きたまふ官のまにま.......(長歌)

4116: 大君の任きのまにまに取り持ちて仕ふる国の.......(長歌)

4180: 春過ぎて夏来向へばあしひきの山呼び響め.......(長歌)

4183: 霍公鳥飼ひ通せらば今年経て来向ふ夏はまづ鳴きなむを

4268: この里は継ぎて霜や置く夏の野に我が見し草はもみちたりけり

補足

更新日: 2016年01月31日(日)