万葉集: 紀小鹿女郎(きのをしかのいらつめ)

2004年01月18日(日)更新

紀女郎(きのいらつめ)とも呼ばれます。紀鹿人(きのかひと)の娘さんです。志貴皇子(しきのみこ)の孫とも川島皇子(かわしまのみこ)の孫とも言われる安貴王(あきのおおきみ)と結婚しました。

万葉集には12首が載っており、年下の大伴家持(おおとものやかもち)とやりとりした歌があります。

名前の通り、小鹿のようにかわいい娘さんだったかもしれませんね。

紀小鹿女郎 by 梁依克基さま

0643: 世の中の女にしあらば我が渡る痛背の川を渡りかねめや

0644: 今は我はわびぞしにける息の緒に思ひし君をゆるさく思へば

0645: 白栲の袖別るべき日を近み心にむせひ音のみし泣かゆ

0762: 神さぶといなにはあらずはたやはたかくして後に寂しけむかも

0763: 玉の緒を沫緒に搓りて結べらばありて後にも逢はざらめやも

0776: 言出しは誰が言にあるか小山田の苗代水の中淀にして

0782: 風高く辺には吹けども妹がため袖さへ濡れて刈れる玉藻ぞ

1452: 闇ならばうべも来まさじ梅の花咲ける月夜に出でまさじとや

1460: 戯奴がため我が手もすまに春の野に抜ける茅花ぞ食して肥えませ

1461: 昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木の花君のみ見めや戯奴さへに見よ

1648: 十二月には淡雪降ると知らねかも梅の花咲くふふめらずして

1661: 久方の月夜を清み梅の花心開けて我が思へる君


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