原文

三輪山乎 然毛隠賀 雲谷裳 情有南畝 可苦佐布倍思哉

作者

額田王(ぬかたのおおきみ)

よみ

三輪山(みわやま)を、しかも隠すか、雲だにも、心あらなも、隠さふべしや

三輪山 撮影(2014.05) by きょう

意味

三輪山(みわやま)を、そんなにまでして隠すのですか。せめて雲(くも)だけには心があってほしいものです。隠すなんてこと、あってはいけないことです。

天智(てんじ)6年(667)に都を明日香(あすか)の地から近江(おうみ)に移す時に詠まれた歌です。

補足

この歌の題詞には、「額田王(ぬかたのおおきみ)が近江國(おうみのくに)に下る時、作る歌。井戸王(いのへのおおきみ)がすぐに和す歌」とあります。

この歌の左注には、「右の二首の歌は、山上憶良大夫(やまのうえのおくらたいふ)の類聚歌林(るいじゅうかりん)に曰 (いわ)く、『都を近江國(おうみのくに)に遷(うつ)す時 、三輪山を御覧になって詠まれた御歌』とあり、日本書紀に曰く『六年(西暦667年)丙寅(へいいん)の春三月、辛酉(しんゆう)の朔(ついたち)の己卯(きぼう)、都を近江(おうみ)に遷(うつ)す』とあります。」とあります。

更新日: 2014年05月11日(日)