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| 「袖を振る」というのは、文字通り衣の袖を振ることなのですが、時には人の魂を鎮(しず)めたり、呼び寄せる意味があったと考えられています。
歌の例は次の通りですが、単に袖を振っていることを示すものから、相手を呼び寄せたり、別れに際して相手の魂を鎮めたり、色々な意味で使われています。
- 0020 : あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る
- 0134 : 石見なる高角山の木の間ゆも我が袖振るを妹見けむかも
- 0376 : あきづ羽の袖振る妹を玉櫛笥奥に思ふを見たまへ我が君
- 0501 : 娘子らが袖布留山の瑞垣の久しき時ゆ思ひき我れは
- 0804 : 世間のすべなきものは年月は流るるごとしとり続き.......(長歌)
- 1085 : 妹があたり我が袖振らむ木の間より出で来る月に雲なたなびき
- 1525 : 袖振らば見も交しつべく近けども渡るすべなし秋にしあらねば
- 1740 : 春の日の霞める時に住吉の岸に出で居て釣舟のとをらふ見れば......(長歌)
- 2009 : 汝が恋ふる妹の命は飽き足らに袖振る見えつ雲隠るまで
- 2415 : 娘子らを袖振る山の瑞垣の久しき時ゆ思ひけり我れは
- 2485 : 袖振らば見ゆべき限り我れはあれどその松が枝に隠らひにけり
- 2493 : 高山の嶺行くししの友を多み袖振らず来ぬ忘ると思ふな
- 3013 : 我妹子や我を忘らすな石上袖布留川の絶えむと思へや
- 3184 : 草枕旅行く君を人目多み袖振らずしてあまた悔しも
- 3212 : 八十楫懸け島隠りなば我妹子が留まれと振らむ袖見えじかも
- 3243 : 娘子らが麻笥に垂れたる続麻なす長門の浦に朝なぎに満ち来る潮の......(長歌)
- 3376 : 恋しけば袖も振らむを武蔵野のうけらが花の色に出なゆめ
- 3860 : 大君の遣はさなくにさかしらに行きし荒雄ら沖に袖振る
- 3864 : 官こそさしても遣らめさかしらに行きし荒雄ら波に袖振る
- 3993 : 藤波は咲きて散りにき卯の花は今ぞ盛りとあしひきの山にも野にも......(長歌)
- 4055 : かへるみの道行かむ日は五幡の坂に袖振れ我れをし思はば
- 4125 : 天照らす神の御代より安の川中に隔てて向ひ立ち袖振り交し息の緒に......(長歌)
- 4379 : 白波の寄そる浜辺に別れなばいともすべなみ八度袖振る
- 4423 : 足柄の御坂に立して袖振らば家なる妹はさやに見もかも
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